これから徐々にパワプロステータスも活かされてくるはずなので、よろしくお願いします!
それと、テイルズオブデスティニーの二次創作も始めました。
私が好きなだけの完全な趣味になっていますが、良かったらご覧くださいませ。
『7人目のソーディアンマスター』
https://syosetu.org/novel/218961/
第六話※
ギブソンと茂治の出来事があってから、3年の月日が経っていた。ギブソンはその後、契約通り半年でメジャーに帰って行った。
半年という短い間だったが、初戦以降1度も負けることはなく、その存在感を大きく示していた。
茂治との対戦も一進一退の状態でほぼ結果が付かず、最大のライバルとまで言われていた。
そして、翔と寿也は小学校四年生になり、勉強も運動もクラスでトップを争うようになっていた。
顔も爽やかで、性格も明るいので学校でも”イケメン兄弟”として上級生からも告白されるくらいモテてもいた。
「翔、ここ分からないんだけど教えてもらえる?」
「ん? どれ?」
今日出された宿題についての質問──ではなく、2人は独自にどんどん先の勉強を進めていた。
今やっているのは中学3年生で習う数学の問題だった。
勉強だけでなく野球もきちんと続けており、今週末からリトルリーグに参加することになっている。
「それにしても残念だねー。吾郎君と一緒のチームに入りたかったのに!」
「まぁそこは仕方ないよね。僕らは”横浜リトル”に入るように父さん達から言われているし」
野球をするにあたって、一番良い環境を用意したいという両親の勧めもあり、近くで一番強豪である”横浜リトル”に行くことになっていた。
これも両親が文武両道を心掛けているからであり、翔も寿也も不満はない。
吾郎も一回誘ったのだが、「近くの”三船リトル”でいいよ」と言われてしまったので、残念に思っていた。
そして、小学校四年生に上がったことで、翔のステータスはかなり向上していた。
◇◇◇◇◇◇
【佐藤 翔ステータス】
◇投手基礎能力一覧
球速:112km
コントロール:E
スタミナ:E
変化球:
チェンジアップ:2
◇野手基礎能力一覧
弾道:2
ミート:E
パワー:E
走力:E
肩力:E
守備力:E
捕球:E
◇特殊能力
ノビD+
回復D+
送球D+
外野手○
◇◇◇◇◇◇
基礎能力のEはリトルリーグで通用するかどうかのレベルである。
Eだとレギュラークラス、E+になれば全国トップクラスの実力となる。
翔は今まで貯めたポイントをほぼ全て使って今の能力にしていた。
(よし、これなら多分横浜リトルにいても上手くやっていけるかな。寿也がキャッチャーをするのであれば、僕はピッチャーをしつつ、外野手の二刀流を目指してやっていこう)
リトルリーグに入るにあたって、自分がどのポジションがいいかを悩やんだ結果、ピッチャーと外野手の二刀流でやっていくことにした。
よくある感じのポジションだが、寿也がキャッチャーをやりたいと言っていたことと、今後吾郎と同じチームになったときにポジションが被っても問題なく出場できるように外野手もやっておこうと思っていた。
ピッチャーの能力は球速を優先して上げて、原作の吾郎よりも速く投げられるようにした。
理由は”チェンジアップ”をより活かすためだ。
翔のチェンジアップは35kmくらいの球速差があり、しかもそこそこ落ちるのでタイミングを外されると当てることすら難しいのだ。
その代わり、基礎能力や特殊能力を限界まで上げる
野手は平均的に上げて、リトルリーグではレギュラークラスの実力はある。
特殊能力に関しては、ノビ、回復、送球をD+に上げた。これらは基礎能力と違って、Dが標準の状態である。
(それにしても……吾郎と寿也はすごいよな。僕が能力を上げるたびにすぐに追いついてくる。……才能は怖いなぁ)
◇◇◇◇◇◇
週末。翔と寿也は横浜リトルが本拠地として使っているグラウンドに来ていた。
おそらく新四年生と思われる子供達が20人以上いるので、さすが強豪だと2人は思っていた。
「よし! じゃあ新四年生は集合!」
「「「「「はいっ!」」」」」
サングラスを掛けた監督らしき人に集まるように指示をされたので、全員走って向かう。
翔たちも遅れないように走り、整列する。
「俺は横浜リトル監督の
樫本が端から自己紹介をするように伝える。
全員が大きな声で自己紹介と希望するポジションを言っていく。
「じゃあ次!」
「は、はい! 佐藤寿也です! 希望ポジションはキャッチャーです!」
「キャッチャーか。なかなか希望する人も少ないから、レギュラー取れるように頑張ってくれ! じゃあ次!」
「はい! 佐藤翔です! 希望ポジションはピッチャーと外野です!」
「…ん? お前ら似てるな?」
「僕らは双子なんです。兄弟でレギュラー取れるように頑張ります!」
「双子でバッテリーか……それも面白いな」と話す樫本や周りの生徒。
特に問題なく自己紹介は終わり、翔はこれから練習かと思っていたら、
「ではこれから各希望ポジションごとに入団テストを行う! まずはピッチャーからだ! 希望者はマウンドへ行け!」
「「「「はい!」」」」
数人がマウンドに走っていくので、慌ててついていく。
寿也がちょっと心配そうな様子で翔の背中を見ていた。
(そういえば入団テストがあるのを忘れてたよ。そのために能力を上げたのに……)
(翔……多分忘れてたな。今日家出るときにも伝えたのに。まったく……)
「では順番に投げてくれ。まずはお前からだ」
「はい!」
上級生がキャッチャーをしてくれて、ピッチャー希望の新四年生は10球ずつ投げていく。
速く投げる人でも80km中盤のストレートしか投げていないため、翔は少し心に余裕を持つことが出来ていた。
そして翔の番が来た。
「よし! 次!」
「はい! お願いします!」
「まずはストレートからだ」
翔はいつも通り、ワインドアップからオーバースローでストレートを全力で投げ込む。
ボールはキャッチャーのミットを弾き、後ろ側へ飛んでいった。
樫本含めて、見ていた全員──もちろん寿也は笑っていた──が黙ってしまった。
(な……今のは110kmは確実に出ていたぞ。四年生でこれだけの球を投げられるなんて……)
「おい、確か佐藤といったな?」
「はい!」
「変化球は投げられるのか?」
「チェンジアップだけですが……」
「よし、投げてみろ!」
それを聞いて投げようとマウンドに行くが、キャッチャーをしていた上級生が捕れないと拒否する。
「たくっ、情けないやつだな。誰かキャッチャーいないか!?」
「……」
誰も捕りたがらず、グラウンドが静まる中、寿也が手を上げて立候補する。
「あの〜、僕でよければ」
「お前は……よし、用意しろ!」
寿也はすぐに防具をつけて定位置へ行く。
そして樫本はチェンジアップを投げるように指示を出す。
翔はさっきと同じように振りかぶってボールを投げる。腕の振りなどはほぼ同じなのに、翔の手から放たれたボールはものすごいスローボールで軽く落ちながらキャッチャーミットに収まった。
それからストレートとチェンジアップを交互に投げるが、寿也は難なく捕球する。
その姿を見ていた周りの生徒達はさらに驚いていた。
(まさかキャッチャーの佐藤もここまでいいとはな……この世代で黄金時代を築けるかもしれん……!)
「よし! もういいぞ! 佐藤兄弟、2人とも合格だ! 横浜リトルでこれから頑張りなさい」
「「は、はい! ありがとうございます!」」
横浜リトル入団が決まった2人は目を合わせて微笑み、お互いに近付いてハイタッチをした。
その後、入団テストは無事終わり、約半数の13人が入団テストに合格したのであった。
家に帰り、両親に合格したことを告げると、とても喜びお祝いにと夕ご飯がとても豪華になった。
妹の美穂も一緒に喜んでくれて、翔と寿也は満足した様子でその日を終えたのであった。
『横浜リトルの入団テストに合格したため、ボーナスポイントを付与します』
『MAJORで吾郎の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216811/
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