RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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時系列的には、前回のも含め4話と5話の間の出来事です

では!ミッションスタート!


MISSION:02 ツキカゲ、ミッションスタート!

「今日の夕方にこの住所の場所に行けばいいのかな?濃姫、検索かけてみて」

 

『了解』

 

濃姫が瞬時に検索すると、一軒のお店が引っかかった

 

「『Wasabi』。カレー店か、洒落乙な店だな」

 

『小型ドローンを飛ばしますか?』

 

「代わりに情報を集めてくれ。それよりも」

 

信二は机に置かれてる履歴書に目を移す

 

「スパイとはいえ、履歴書はちゃんと書いた方がいいのかな?」

 

『社会人なら同然ですね』

 

「だよね!」

 

信二は履歴書の他に、必要書類にマイナンバーと言った個人情報が記載されている物をコピーして出掛ける準備をする

 

 

 

 

 

////////

 

「此処がWasabi。普通だな」

 

『信二さん、頼まれました情報を集めて来ました』

 

スマホに、濃姫がゲットした情報をスラスラと読んでいく

 

「成る程ね。少しドッキリでも仕掛けようか」

 

信二は、リュックから狐の面を取り出して顔をに着ける

 

「どんな反応するんだろ?わくわくする!」

 

そしてドアノブに手を掛けて中に入ってみると、視界に入ってきたのは6人の少女達と1人の店員だった

 

(さぁ、どんな反応を示すか!)

 

と、呑気に考えてる内に3人の少女が三方向に散らばりこちらに向かって来た

 

右はクナイを持った少女が、左からはスマホを片手に、そして正面からは素手で信二を襲いに来る

 

「っ!」

 

だがそれを、両手と右足だけで全て受け止めた

 

「何故狐が此処に居る!」

 

「…半蔵門雪。コードネームは半蔵」

 

「っ!?」

 

「八千代命。コードネームは千代女。そして、青葉初芽でコードネームは局」

 

「何でメイ達の名前まで」

 

「貴方は一体」

 

信二は振り払い事情を説明する

 

「此処へ来たのは就職活動」

 

「「「は?」」」

 

素っ頓狂な声を思わず出してしまう。信二はリュックから履歴書などの書類は全て手渡した

 

「本当だ!履歴書だ!」

 

「いらっしゃい。待っていたよ」

 

奥から店員の人が歓迎の挨拶をしてくれた

 

「皆んなに紹介するわ。新メンバーの緒方信二君よ」

 

「コードネームは信長。狐なんて呼ばせません!」

 

その場にいる全員が困惑していたが、1人だけ熱い視線を送っていた

 

 

 

 

 

「この人があの狐ですか?」

 

「狐言うな」

 

何とか武器を収めてくれて、話し合いの場が出来て一安心

 

「最近はモウリョウも力を付けてるから、彼を財団が雇ったのよ」

 

先程から親切にしてくれてるこの店員の人は、「カトリーナ・トビー」。昨日連絡をして来たのもこの人だ

 

「それにしても、個人情報が載ってる書類を持って来るなんて、ある意味凄くない?」

 

「嘘偽り無しの情報だよ。そろそろ名前を教えてくれない?」

 

「そうだね!メイは命!この子は弟子のフーだよ!」

 

「フンッ!」

 

サイドテールでオレンジの髪色をした子が「八千代命」。そして、ツインテールで薄紫の髪色をした子が「相模楓」。命が師匠で楓が弟子

 

「私が師匠で!」

 

「弟子です」

 

赤い眼鏡を掛ける金の長髪が「青葉初芽」。黒いく長い髪が特徴の「石川五恵」。初芽が師匠で五恵が弟子の関係

 

「半蔵門雪よ」

 

「源モモです!」

 

昨夜会っていたのがこの2人。雪が師匠で弟子がモモだ

 

「モモって名前か…昨日の傷は大丈夫だった?」

 

「はい!」

 

『私の自己紹介は?』

 

「…紹介したい人が他にいる」

 

その時、信二以外のスマホが一斉に鳴り出す。電話に出てみると

 

『皆さん初めまして。信二さんのサポートを務めるAIの濃姫です』

 

「AI!?」

 

「こうも簡単にハッキングされると心折れちゃいそうです…」

 

『ツキカゲの基地も乗っ取ろうと思えば出来ますよ』

 

「それで私達の情報を…」

 

ひとまず、全員の紹介を終えてツキカゲの基地である地下へと足を踏み入れる

 

地下にはかなりの敷地面積に建物が沢山あった。

武器庫、記録保管室、ラボ、娯楽室、話し合いにうってつけの場所の軍議の社

 

「すんごい!」

 

「あの〜信二さん」

 

「?」

 

「お面って外せますか?ずっと着けてるのが気になって…」

 

皆んなが一番気になっている事を、モモが話す。正直ダメ元で聞いてみたが、今後の関係を築くのに障害となり得る

 

そして面を取る。

だが、取ったからと言って大した事ない。カッコ良くも無ければ、ブサイクという訳でも無い

 

「普通だね。もっとこう…厳つい人相でもしてるのかと思ったよ」

 

「おい」

 

大分ほぐれてきたところで、カトリーナが手を叩いて注目させる

 

「雪ちゃん、今日の任務はモモちゃんと信二君の3人でお願い出来るかしら?」

 

「今会ったばかりなのにいきなり実戦ですか?」

 

「臨機応変に、ね!」

 

「…分かりました。モモ!信二さん!」

 

2人は雪に呼ばれ整列する

 

「今日の任務は私達だけでやる。これから作戦を立てるわよ」

 

 

 

 

 

////////

 

「こちら半蔵。濃姫、中の状況は分かる?」

 

『大丈夫です。スマホに中の映像を流しますね』

 

場所は3階建ての建物の裏。今回の任務は、密売の阻止が目的だ

 

雪は濃姫から貰った映像を基に潜入の準備をする。

雪、信二、モモの順で中へと進んで行く

 

「百地、合図で玄関に居る2人を制圧を。信長は私に付いて来て」

 

「「了解!」」

 

モモは影に隠れ、雪の合図があるまで待機をする。

その間に、3階の取引が行われる部屋まで駆け上った

 

「部屋の外に見張りが2人」

 

『中には6人を確認してます』

 

(本来なら、取り逃しの事を想定して信長を外に配置が理想的。けれど)

 

財団から直々にスカウトされてとは言え、雪はまだ心配の念が振り払えない。その為、信二を自分が監視出来る範囲で任務を進める事を決断した

 

『任せて下さい。取り逃した場合は私が足止めをします』

 

「行くわよ。ツキカゲ、ミッションスタート!」

 

合図と共に雪と信二が一瞬で見張りを気絶させる

 

「ここからはスパイスで行くぞ」

 

2人はそれぞれのスパイス、雪は「ソラサキシナモン」を信二は「オールスパイス」を咥える

 

「──キメるぞ!」

 

「── Ready Go!」

 

スパイスの使用でリミッターを完全に外して、ドアを蹴破り突入する

 

「何だ此奴ら!?」

 

「クソ!」

 

黒服の奴らが銃を抜こうとするも

 

「ハァ!」

 

「遅い!」

 

雪の武器は日本刀。傷付ける訳にもいかないので、鞘の部分で殴ってスマホガンによる睡眠弾で眠らせる

 

信二も頭を思いっきり殴り気絶させる。

だが、爪が甘かった。1人だけ、気絶を免れて窓を打ち破って逃げ出した

 

「チッ!私が追い掛け──」

 

雪が追い掛けよとするが、信二の方が言うが早い。雪が言い終わる前に外へ飛び出した

 

 

 

 

 

「ふぅ〜。何とかなった」

 

一方でモモの方は、難なく仕事をこなして一息ついたところだった

 

『こちら濃姫。1人窓からの逃走。百地、今すぐ確保をお願いします』

 

それも束の間の事、濃姫から連絡を受けてモモは「ソラサキシナモン」を咥える

 

「百地了解。──滾らせる!」

 

モモもスパイスの服用で身体強化、五感の鋭さが上がり急いで確保に向かう

 

「百地発見!確保しま……!!」

 

逃走犯を見つけて確保しようと足に力を込めようとすると、上から信二がガラスと共に降って来た

 

「えぇ〜!?」

 

「逃すか!!」

 

着地と同時に足元にあった小石を拾い、大振りで投げつけて気絶させた。

これにて、全員現行犯逮捕した

 

「信長確保。これにて任務完了」

 

面を外すと同時にスパイスの効果も切れる。

上からは厳しい顔をした雪が降りて来た

 

「勝手な行動は辞めなさい」

 

「口に出す暇があるなら体を動かせば?」

 

「何ですって?」

 

「まぁまぁ、師匠に信二さん!落ち着きましょう!後は警察の人達に任せて!」

 

喧嘩になりそうな場面をモモが何とか、割って入り打ち止めた。

お互いに一旦落ち着いて帰る支度をする

 

「帰ったら話しがあるわ」

 

「…あぁ」

 

「ありがとうモモ。お陰で落ち着きを取り戻せたわ」

 

「それは良かったです…」

 

雪からお礼は言われても、今のモモには素直に喜べなかった

 

 

 

 

 

////////

 

Wasabiで先程の任務の反省会を開いていた

 

「さてと、言いたい事は山程あるのだけど」

 

「なら先にこちらから言わせて貰おう」

 

火花を散らす信二と雪に、モモは肩身が狭くして縮こまっていた

 

「すみませんでした!!」

 

「「えっ?」」

 

突然の謝罪に雪とモモはビックリした

 

「ツキカゲでは雪がリーダーでしょ?咄嗟にとはいえ、敵を逃したうえに勝手な行動。もう少し連携を心掛けます」

 

「は、はぁ…」

 

(あの師匠が困惑しています!)

 

「なので解雇だけは勘弁を!言い値で報酬を貰うのも良いけど、やっぱりちゃんと就職したいし…」

 

それを聞いた雪は何とも言えぬ顔をする。変な理由で怒ってるのか、呆れてるのか。色々な感情が入り混じって結果の表情

 

「ま、まぁ次からは気をつける事ね」

 

「イエッサー!」

 

「取り敢えず今日の所は解散。後、スパイスの事も後日改めて聞くから」

 

「あはは…やっぱりか」

 

「お先に失礼します!」

 

信二とモモは2人して店を出る

 

「店の中では緊張しましたよ〜」

 

「ごめんな。変な気を使わせて」

 

「いえいえ!それよりも、あの咄嗟の判断は私も見習わなくちゃ!」

 

「努力家なんだね」

 

かなり喋り込んで何も思わなかったが、2人とも同じ帰り道の事に気付く

 

「信二さんもこっちですか?」

 

「あぁ。あのマンションに引っ越したんだよ」

 

「私もあそこに住んでいます!」

 

「お!それなら朝練も一緒にする?」

 

「はい!信二さんがどうやって訓練をしてるのかも気になります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツキカゲに加盟してすぐの任務は一応成功という形で終わった。信二はこれから、ツキカゲのメンバー達と共にモウリョウと戦って行くのだった




改めてオリ主を簡単にまとめてみました。若干適当な部分もありますけど…

緒方 信二(おがた しんじ)。19歳/165cm/6月23日生まれ

容姿

黒髪短髪で清潔感のある服装。瞳の色は黒だが、スパイス使用時は青色へと変色する

性格

普段は明るい性格で任務でもそれは変わらず。一応本人は任務の時くらいは、分別はしてるつもりでいる

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