RELEASE THE SPYCE lnherited soul 作:シロX
てか今回の話が1番書きやすかった
ではミッションスタート!
建物内を駆けるは4人の影。刀と杖が入り交わる
「この短期間で更なる成長を遂げた?」
「逃すか!」
ファミンを──荒川を逃すまいと刀を振り続ける。基地の中を縦横無尽に動く荒川に苦戦を強いられる雪
「フー挟み撃ち!」
「はい!」
刀を避けて先では、命と楓が待ち受けておりクナイと手裏剣が荒川を襲う
「良い連携じゃが…」
荒川は杖を思いっきり床へ突き付けて、自分の体を宙へ浮かす
「「何ぃぃ!?」」
突き刺さる相手がいなくなったクナイと手裏剣は、お互いが甲高い音を鳴らしてぶつかる
(敵は空中!これでキメる!)
雪は刀を鞘に納めて再度構える
(ほぅ、その構えは居合い術)
「半蔵門流抜刀術・壱門!」
抜剣し、鋭い一撃が荒川へ刃が届く時、雪の目の輝きが失い元に戻る
(スパイスの効力が!)
「甘い!」
荒川は天井を足場にしてそこから更に跳躍し、雪の抜刀術を難無く避ける
「ユッキー!」
(やっぱりスパイスの効力が…)
(戦闘を始めてそんなに時間は経っていない。体感的に10分続くかどうか…)
「そろそろワシも本気で行くぞ。ツキカゲよ」
荒川はソラサキオールスパイスを取り出す
「そのスパイスは信二さんの」
「──滅する」
一気に二重掛け。身体能力は爆発的に上がる
「クソ!」
雪も荒っぽくソラサキシナモン2つ齧る
お互いに二重掛け。だが実力は──
「消え──」
雪の視界が反転する。一瞬で床へと叩き付けられた
「ユッキー!!」
「師匠!」
楓が命の頭を強引に下げさせる。そして命の頭があった位置の空気が裂ける
「アタシが前へ!」
「フォローする!」
楓は腰に装備された新武器を1つ握り斬りかかる
「クッ!ハァッ!」
「後方支援の者が前へ出るか。舐められたものじゃの」
荒川は巧みに杖を操り楓の武器を受け流し、左手で腕を掴み拘束する
「これで…どうだ!」
命は一度に8本のクナイを投擲
「フッ」
楓を拘束しながらも、右手で杖を回してクナイを全て弾く
「離せ!」
起き上がった雪はすぐさま斬りかかるが呆気なく避けられ、荒川は雪を巻き込み楓を投げた
「次はワシからじゃ!」
「ッ!退きなさい!」
雪は楓を退かして代わりに受け止める
(実力が…違い過ぎる!)
「ガラ空き」
荒川は杖から手を離し
「ブハッ!?…がッ…」
高速の突き手で全身の急所、顔面からアキレス腱にかけて24箇所に食らわす
前へと崩れようとするが、雪は踏ん張り構える
「半蔵門流抜刀術…拾…門!」
10連撃。超至近距離の抜刀なのだが、雪の構えを見て体を反り斬撃を避けた。天井、そして両端の壁に大きく斬撃跡が残る
「ホリャア!」
強引に蹴りを入れて、雪の間合いから遠ざける
(拾門を避けた…。しかもあの至近距離で)
雪の使う抜刀術は壱門から陸拾参門まである。数が増えれば斬撃数は勿論、抜刀スピードも跳ね上がる。その代わり威力は徐々に下がるのが難点
(ならばもっとスピードを上げるまでだ)
「半蔵門雪…じゃったの。ツキカゲの頭の割には単調な」
「弐拾門いや……弐拾漆門!」
拾門より更に上の速度の弐拾漆門。27連撃の抜刀術
「ッ!!」
避けられた…というより
(弾かれた!?)
たった2回の抜刀術で雪の太刀筋を見切られた
「伏せて下さい!」
頭を下げるとその上を手裏剣が通った。荒川へ正面に5つの手裏剣が襲いかかるも
「緩いわい」
最小限の動きだけで躱した
「出し惜しみはしない!」
楓は持っていた武器を展開させて変形させる
4方向に鋭い刃が展開した武器。名を──
「風魔手裏剣」
楓が持っていた武器は折り畳まれていた風魔手裏剣だった
「いっけえぇぇ!!」
投げた風魔手裏剣は壁を抉りながら荒川へと飛んで行く
「デカイだけで何も変わらない」
しゃがみ込み風魔手裏剣を躱す。そして風魔手裏剣は、荒川から直線上に居た命へと変わる
「ちょ!?フー!」
「ッ!」
楓は両手で何かを引っ張る様な動作をする
すると風魔手裏剣は、回転しながらも命の目の前で止まり戻って、背後から荒川に襲いかかる
「何!?」
有り得ない状況に判断が遅れる。上体を反らして避けるも胸元部分を裂かれる
「完全無欠のアタシは何事にも動じず、常に先を読む」
先程の風魔手裏剣の仕組みは、手裏剣に硬いて細く透明なワイヤーが結ばれていた。そのワイヤーを引っ張れば、ブーメランの様に戻って来る仕掛けだ
「今度は確実に仕留める!」
楓はもう一つの風魔手裏剣を構えて投げる
縦回転と横回転の風魔手裏剣。狭い廊下を切り刻みながら
「狭い場所でのその攻撃は良い。じゃが…」
荒川は迫り来る風魔手裏剣を素手で受け止めた
「「「!?!」」」
驚くのは無理も無い。いくら強かろうと刃に対して素手で受け止めたのだ。手の平は切れて血は流れる
「この程度の傷で驚くなんてまだまだ未熟者じゃ」
風魔手裏剣から手を離すと、後ろ居る命へと狙いを定めて拳を握る
一瞬だった。命の顎を跳ね上げて、天井へと顔を減り込ませてぶら下がる
「よくも師匠を!!」
今度は怒りに任せに突っ込む楓の額に裏拳で食らわせる。あまりの衝撃に吹き飛んで廊下の壁を打ち破って埋もれる
「命!楓!」
「お遊びもここまでじゃ」
一瞬で刀を叩き落とされ、雪の首元を掴み持ち上げる
「あがッ…!」
首を締め上げるにつれて、雪は口から泡を吹き、意識が朦朧としていく
「滅しろ」
もがく雪の力は次第に抜けていき、先程摂取したスパイスの効力も既に消えていた。
それでも雪は諦めない。最後の力を振り絞ってケースに手を掛ける
「今更!」
(今だ!)
弱ってるとはいえ、確実な勝利を収める為にケースに手を掛けるのを振り払おうとする。
けれど、雪はそれを狙っていたのかもう片方の手からリップクリーム爆弾を取り出して投げ付ける
「な──」
爆発で2人は吹き飛んだ
「がは…っ…はぁ…はぁ」
「なんて勝利に対する執念。気に入ったわ」
(もう…後が無い)
雪はツキカゲシナモンを取り出して齧ろうとするが
(勝負は超短期戦。でないと、スパイスの効力が切れてまともに動けなくなる)
雪の頭にネガティブな思考が入り混じる。だがそれでもと思い、首を振って雑念を払う
(倒せばいいだけの話。ここで朽ち果ててでもコイツだけは!)
雪は覚悟決めてツキカゲシナモンを齧る
「──冷静に、迅速に」
瞳の輝きは今まで以上になり、ツキカゲの紋様が浮かび上がる。超人は更に強くなる
(酷く冷静だ)
先程まで雑念に溢れてた脳内は今クリアな状態
「いくらスパイスを積んだところでワシが負ける筈が…!」
殺気を感じる。その殺気は、荒川がこれまで相手にして来た人達より鋭く、強靭で、恐ろしいものだっだ
そして何より驚いたのが
(間合いが…分からない!)
雪は歩きながら抜刀の構えを取る
「半蔵門流抜刀術・壱門」
壱門は最も威力が高くその分最も遅い斬撃……なのだが、その速さは圧巻だった
「いつの間に…」
視えていた。雪が柄を持ち手がブレた。だが、そこから先が視えなかった。
更に間合いも格段に広がっている
「時間が無い。ここからは本気でお前を────殺す」
静寂がこの空間に広まる
お互いの出方を伺い────
「「ッ!!」」
「壱門!」
「ホォォ!」
雪が踏み込んだ床は大きくひび割れて、鈍い音を出す。そこから体全体を捻り一気に
(これは…マズい!)
刀と杖が接触した瞬間荒川は大きく伏せた
「グォォ!?」
杖は豆腐の様に柔らかく斬れて、廊下の壁ごと切り崩した
「本能で避けたか。だが次こそは!」
「小娘が調子に乗るなよ」
荒川は真っ二つに斬れた杖を両手で持ち構える
「半蔵門流抜刀術・肆門」
今度は4連撃。荒川は雪の手元を凝視する。でも、もはや手のブレさえも認識は出来なかった
「おごぁ!!」
手元に集中し過ぎて肆門全てをまともに食らう
「ハァッ!!」
更に追撃で、風魔手裏剣で裂かれた胸に拳をひと突き。肋骨は砕け、肺のひとつが破裂、もうひとつは砕けた骨が突き刺さる
ツキカゲスパイスはどんな人でも、力だけなら横綱クラスまで跳ね上がる。しかもスパイスを含んだ五恵と同等か、それ以上の強さを
更にそこから従来の剣術を加える。雪の振るう刀は高速を超えた高速。『光速』の領域に達した
「光速の抜刀をお前に防げるか?」
「ウオオォォォ!!」
荒川は雄叫び上げて自分を鼓舞する。内臓の痛みに堪えながら
「此処でお前を!」
「小娘!御主だけは!」
「「絶対殺す!!」」
「陸門!」
「コォォォ!!」
光速で繰り出す連撃を全て杖でいなそうとする。だがそんなの無謀な事
「この!!」
2撃しか躱せれなかった。残りの4撃は四股を斬られる。噴き出す血が廊下を赤く染める
「仕留める」
雪の表情が豹変する
「半蔵門流抜刀術・陸拾参門!」
最高速度の陸拾参門とツキカゲシナモンの組み合わせは無敵
瞬きする前に全て終わる
荒川の左腕が斬られ、両目を横一文字に斬られて失明。その他、体の至る所に斬り刻まれる
「私自身も驚くわ。何せ、機械ですら視認出来無い程の速さ。出来たとして、それはもっと先の事。現時点で誰もこの陸拾参門を視認は不可能」
このまま命と楓を介護して、他の人達の所へ向かおうと考えてると
「へっへ…」
「こいつ…」
血ダルマになろうがお構い無く荒川は立ち上がる
「人生最後の相手が…ゴフッ…御主で、良か良かじゃ…」
雪は悲しい表情しながらも構える
「壱門」
決着はついた。降り注ぐ雨が雪の体を濡らす
血という赤い雨に
ツキカゲスパイスを使うと、一般人でも横綱になれるよ!化け物量産アイテムです…
強さ的には個体差によりますけど、全員コンクリートは粉々に出来ます(という設定)。
歩く圧砕機と考えれば早いと思います。簡単に調べたら100〜300トンの力でコンクリートを砕くらしいです。
そういえば、アニメ7話で五恵ちゃん建物の床を砕いてしましたよね…
あ、雪が振るう刀の速度は、1番速い陸拾参門で1秒63連撃です。正直、作者自身ですら速いかどうか分かりません。馬鹿ですから。
一応、刀と鞘の摩擦係数を減らせばもうちょい速くなります
仮◯ライダーかよ!?
ここまでの拝読ありがとうございました