RELEASE THE SPYCE lnherited soul 作:シロX
ではミッションスタートです
「倒してもキリがないぞ!」
「ハァッ!」
「ありがとうございます師匠!」
初芽、五恵、テレジアは大量の天使との戦闘に全力を注いでいた。久子もその弟子も、天使に紛れては初芽達に牙を剥く
「一応言うけど、天使達を率いているのは私達なの。その分、此方の天使は他と比べて数は多い。それを凌ぎれるかな?」
「ハァッ!」
初芽とテレジアは流石に苦戦はしてるが、五恵の方は力で圧倒してる事もあり多少なりの余裕が生まれ始める
「ツキカゲの奥の手は侮れないわね。ここはやっぱり!」
五恵の周りに居た天使が退いて、代わりに大天使が目の前に現れる
「降伏してくれたら痛くはしないよ」
「しません!逆に言います。降伏して下さい!」
「嫌だよ!」
大天使の腕装備されてあるブレードが五恵へと振り下ろされるが、華麗に避けて攻撃へと転じる
「ハァッ!」
五恵の渾身の一撃が大天使の胴体にクリーンヒットした
しかし
「ッ!」
傷を負ったのは胴体では無く、五恵の拳の方だった。あまりの頑丈さに五恵が負けてしまったのだ
「大天使は他の天使と違って特別製。戦車の砲撃をものともせず、核でやっと壊れるぐらいの強度なの。それにね」
久子はソラサキオールスパイスを2つ齧る
「私も前へ出るから既に詰みだよ」
「それでも!」
すぐさま五恵も、ツキカゲスイートフェンネルで対抗しようとするが齧る直前で手を止める
(もし通用しなかったら…)
力という一番の武器が通じなかった。それも二重掛けをしても。ツキカゲスパイスを使っても通用しなかったら、自分だけじゃ無く他の2人にまで迷惑を掛けてしまう
そんな不安がよぎる
「「五恵!(ちゃん!)」」
でもそんな心配は無かった。五恵を見る初芽とテレジアの目は、信頼で満ち溢れていた
五恵は意を決して、切り札のツキカゲスイートフェンネルを齧る
「──スパッといくよ!」
緑に輝く瞳にツキカゲの紋様が浮かび、大天使を見抜く
「大天使!」
振り下ろすブレードを五恵は避けようとしない。地面にまでヒビが入る程の衝撃波が流れる
「無駄です」
五恵で片手の手甲だけで防いだ。
掴み上げ、手甲に隠されてたかぎ爪で大天使の胴体を切り裂く
「嘘!?」
頑丈な大天使の表面に傷が付く。只、かぎ爪は耐えれず割れてしまう
「こけ脅しね!」
大天使はブレードを変形させて、銃器に換装する
五恵は走り出す。容赦無く銃弾の嵐が襲うが、全て手甲で守り進んで行く。
そして五恵の間合いに入る
「ハァァァ!!」
二重掛けでもビクともしなかった、大天使を五恵は腕の力だけで大きく後退させた
(振り切れなかった)
多少強引に突っ込んだ為、五恵も腕を振り切れず全力は出せなかった
「五恵!そのまま一気に決めろ!」
「やああぁぁぁぁ!!!」
怯んだ隙に拳と蹴りの連続攻撃。大天使の装甲が凹み始める
「大天使がここまで相手にならないなんて…。でもね」
「これで終わりです!」
「信二に罠術を教え込んだのは私。目の前ばかり気を取られてたら死ぬわよ」
その瞬間、五恵の足元から幾つ物の槍が飛び出した。足を踏み込む瞬間を狙われた。ツキカゲスパイスを含んだ五恵なら、反応して避けられるが体はそういかない
踏み込もうとする動作から変えれず、槍は五恵の体を串刺しにした
「あがッ…!?」
刺さったのは1本や2本の話ではない。10本近くの槍が貫通した
「五恵ちゃん!!」
「今助ける!」
だが2人の前に弟子や天使達が立ちはだかる
「退け!!」
「くぅ……ふ…」
「動けば傷が開くだけ。やめといた方が良いよ〜」
そして久子は五恵の首元に小さな針を刺した
「私お手製の毒針。5分であの世行き。フフッ」
嘲笑う久子に向かってジャマダハルがひとつ飛んで来る。でもそれを大天使がブレードで弾く
「貴様!!」
「テレジアちゃん…」
テレジアは強引に敵の包囲網を掻い潜り、五恵の元へ。
突き刺さった槍を破壊して自由にする
「ありがとうテレジアちゃん。でも安心して」
「馬鹿を言うな!こんな傷で…」
「それなら5分以内で片付ける。それなら後でいっぱい文句を聞くよ」
「私を5分?なら約束してあげる。5分で大天使を倒したら解毒剤を渡してあげる」
その言葉と同時に五恵は駆け出す
「大天使!殺しなさい!!」
大天使の両ブレードが襲う
「ッ!」
五恵は盾の方の手甲で防いだ
「もう手加減する必要無いよね!」
大天使のブレードのエッジが動き出す
斬り付けられる音が鳴り響く
「壊れろ!」
手甲が一刀両断された。血飛沫が舞う
「避けたか!」
手甲が切断される瞬間、後ろへ避けて腕が少し切れた程度で済んだ
「ハァァァ!!」
カウンター。後ろへ引くと同時に前へ飛び出して渾身の力で殴った
辺りに衝撃波が飛び、鈍い音が響いた
「少しヒヤッとしたけど」
「クッ…!」
大天使の装甲にヒビは入ったのだが、その頑丈さと五恵の力に耐え切れずもう片方の手甲が砕け散る
「まだ…あ…」
膝を落とす。毒が身体中を巡り五恵の体力を奪っていく。残された時間は少ない
(強い装甲…もうアレしかない!」
五恵は思い出す。少し前に信二と話した会話の内容を
『──え?自分の力が通用しなかった時どうすれば良いか?』
『──はい。今は鍛えて天使には通じていますが、いつかそれ以上の敵が現れたらどう対処すべきか…』
前回戦った時の記憶が蘇る。自分の全力を出しても為す術もなくやられる姿を
『──初芽に言って、新武器を作って貰う事は出来ないの?』
『──師匠に頼らず、自分自身の力で何とかしたいんです。でないと、この先も甘えてしまいそうで…』
信二は考えた。どんな強靭な敵にも通用する技を。そして考えた結果ひとつだけ思い付く
『──なら、五恵の力を最大限に活かす技を教えてあげる』
『──本当ですか!』
『──ああ!その技は──』
五恵は攻撃を避けながら、大天使が隙を作るのを待っている
体力も落ち、スパイスの効力も時間が迫る。焦りもあるが、冷静に分析して待つ
「──ッ!」
その時が来るまで
五恵は腕を負傷しながらもブレードを受け流して、強引に懐に潜り込んだ
遂に来た。最初で最後のチャンス
(その技は体を極限にまで捻り、そこから捻りを開放して拳を繰り出す技)
『──これにより、受けた物は衝撃が内部を駆け巡り破裂し破壊する。その名を──』
「ハァァァッ!!」
五恵の拳が大天使に直撃した。物凄い音が空崎の空に響く
静寂が支配する
「ぶばっ…!」
最後の力を振り絞り、五恵はその場に崩れ落ち吐血した
「はぁ…はぁ…ごふッ……」
毒が体を蝕み、風前の灯火ともいえる命の火を消しに掛かる
「結局のところ、貴方では大天使には敵わなかった。でも善戦した五恵ちゃんには」
久子の腕が挙がる。大天使に命令を出そうとする
「このまま苦しまず、楽に死なせてあげる。じゃあ〜ね〜」
久子の手が振り下ろされる
「…どうしたの?」
だが、いつまで経っても大天使はピクリとも動かない。疑問に思った久子は、大天使に触れた瞬間
「えっ?」
亀裂が入る。その亀裂は木の枝のように大天使の装甲に伝染していく
そして最終的に
「──ッ!?」
大天使は形を保てず、内部から爆発して跡形も無く破壊された
「何で?」
「──鎧通し。信二さんから教わった技です…」
「そう、あの子から」
久子は注射器を取り出して五恵に刺す
「貴方達の勝ちよ」
「五恵ちゃん!」
「大丈夫よ。薬の作用で眠ってるだけ。毒が抜けるには時間が掛かるけど、時期に目を覚ますわ」
久子の弟子や天使達は下げさせていた。勝負は着いたのだ
「大丈夫そうだな。良かった」
テレジアのその様子を見て一安心した。そして次の場所へと向かおうとする
「初芽、五恵をお願い出来るか?私は他の奴らの様子を見て来る」
「分かりました。テレちゃん気を付けて下さいね」
「初芽もな」
テレジアは、地下のツキカゲ基地に続く地下ルートを通って行った
五恵が戦争を──久子を倒した事でヨハネは殆どの戦力を失った
残る敵はただ1人────
五恵は鎧通しを覚えた!内部からの攻撃も可能となったので、実質五恵は直接戦闘に関しては死角なしです。
後、完全に大天使がポ◯モンでした
この章は、後2話で終わらせる予定となっております。(今のところ)
ここまでの拝読ありがとうございました!