RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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のんびりし過ぎました。この章ももうすぐ終わるのにね

ではミッションスタートです


MISSION:22 ツキカゲVSヨハネ

光は倒したのも束の間、勝利が信二達の前に立ちはだかる

 

「それなりに仕事は果たしたか。だが、負けるとは些かどうかと思う」

 

「「──ッ!!」」

 

勝利の背後、カトリーナと白虎が同時に仕掛けるのだが

 

「あぁ、君達か」

 

カトリーナの銃と白虎のトンファーが粉々になった

 

「「なっ!?」」

 

「もう君達に興味は無い」

 

勝利は2人の顔を掴んで地面に叩き付けた

 

反応出来なかった。勝利はただ普通に2人の間に入っただけなのだ。だけど、それがあまりにも自然過ぎた。

それ故に反応が出来なかった

 

「カトリーナさん!白虎ちゃん!」

 

「もう終わりにしようではないか!」

 

勝利は両手からトランプを出し、数十枚の量のカードを信二とモモに向けて放った

 

((避けられない!)

 

モモは反動で動けない信二を庇う様に覆い被さる。目を瞑り、痛みに耐えようとする

 

そして2人の前にひとつの影が飛び出した

 

「半蔵門流抜刀術・伍拾肆門!」

 

カード1枚1枚を刀で切り刻む。ハラリと落ちる紙の中に1人の少女

 

「師匠!」

 

「どうやら滑り込みセーフね。それに…」

 

「相変わらず可愛くないな。雪」

 

「何故生きてる?貴様もヨハネに」

 

「おっと勘違いするなよ。私は信二に頼まれた通り助けてるまでだ」

 

雪と天堂の睨み合いが続く。だが、お互いに目を伏せて今倒すべき敵へと視線を向ける

 

「裏切ったら殺す」

 

「やれるものならやってみろ」

 

「お前らもっと仲良く出来ねぇのか!?」

 

「信二さん傷が開きますよ。師匠お願いします」

 

「えぇ」

 

雪と天堂は刀を構え、勝利はトランプを腕全体を使ってシャッフルする

 

そしてシャッフルしてる途中、瞬きをしたらカードがいつの間にか消えていた

 

「フッ」

 

「…上だ!」

 

天堂が先に気付いた。見上げると、大量のカードが降って来た

 

「任せたぞ」

 

「盾にするな!」

 

天堂は雪の影に隠れ、雪はカードを全て捌く

 

「これならどう?」

 

勝利は布を取り出して翻すと大量の機関銃が宙に浮いていた

 

「死ね」

 

機関銃が火を噴く。今の雪なら楽々と躱せるが、後ろには信二とモモが居る。逃げる事は出来ない

 

だから一歩踏み出す

 

「半蔵門流抜刀術奥義・陸拾参門【月影】!!」

 

その瞬間、銃弾は目に見えない何かに弾かれる。その目に見えないものとは雪の刀だ

 

陸拾参門【月影】は、常に毎秒陸拾参門を繰り出し続ける技だ。ツキカゲスパイスならではの神業だ

 

しかし

 

(マズい…)

 

少しずつ、弾が雪の体に傷を付け始める。

原因は刀だ

 

雪が振るうのに対して刀がそれに耐え切れてないのだ。刀身にヒビが入り、刃こぼれも目立ってきた

 

「逃げるぞ」

 

「ですが師匠が!」

 

「つべこべ言うな」

 

信二と天堂でモモをその場から連れ出した

 

雪も庇う負担が減り、少しずつ自分の逃げ道を作りすり足でちょっとずつ移動する

 

そして一瞬の隙間が出来た。雪はそれを見逃さず、そこへ飛び込み弾丸の嵐から身を解放させた

 

「なるほど、アレを躱すとは。だが…」

 

雪は倒れた状態からピクリとも動かない

 

「スパイスの、効力が……」

 

「お前達の使う新しいスパイスは素晴らしい物だ。しかし使う場面を誤ったな」

 

雪が動けなくなり、まともに戦えるのは2人だけ。モモと天堂のみ

 

「信二、私にもスパイスを」

 

「初芽に言って作ってはあるが駄目だ。いくらアンタでも体が!」

 

「そう言うと思って他の奴にもう頼んである」

 

そこへ、天堂の足元にラッパが駆け寄る

 

「よしよし良い子だ」

 

若干警戒しつつもラッパは天堂にスパイスを渡した

 

「面白い。来い…と言いたいがそのアライグマ、他の奴も引き連れて来たぞ」

 

全員が後ろへ振り返るとテレジアが走って来るのが見えた

 

「皆んな無事…何でお前が!?」

 

「またか…」

 

このやり取りに飽きたのか、天堂は頭を抱えて面倒だと思い始める

 

「天堂は味方!敵はあっち!以上!」

 

もはや説明するのも面倒になったのか、少々雑に説明した

 

「そ、そうか」

 

「テレジアちょっと──」

 

信二はテレジアに耳打ちする

 

「そう言う事だテレジア。いくぞ」

 

「命令するな」

 

「──狂乱の時」

 

「──ボルテージマックス!」

 

天堂はツキカゲレッドペッパー、テレジアはソラサキスイートフェンネル2つ齧る

 

瞳に映る十字に三日月が加わり、テレジアも合流してからの二重掛け

 

「どれ程ご細工をしようと私には勝てない」

 

「それは──」

 

天堂の姿が一瞬で消える

 

「面白い!!」

 

一瞬で勝利の上に姿を現す。だが勝利は読んでいた

 

「──ッ!?」

 

カード1枚で天堂の刀を受け止めたのだ

 

そして腕を掴み、引き寄せてみぞに一発強烈な膝蹴りを打ち込んだ

 

「ハァッ!」

 

その影でテレジアも攻撃を仕掛けるのだが、ジャマダハルが意図せずバラバラに砕け散った

 

「何だと!?」

 

何が何だが分からないが、急いで後退して体勢を立て直そうとするが、勝利は逃してはくれなかった

 

後退するテレジアの体にはトランプが数枚貼り付けられていた

 

「しま──」

 

瞬間、爆発した。ゼロ距離からの爆発で、テレジアは大きくふっ飛び起き上がる事は無かった

 

「テレジアちゃん!!」

 

「こんなものか!!」

 

「──ッ!!」

 

天堂は走る。腰に付けていた刀を投げる

 

しかし、トランプで弾かれた上に刀身を真っ二つにされた

 

「──ッ!!」

 

それも想定内。今度は腰に付けていた二本の刀を手に持ち連続で斬りかかる

 

(コイツ!)

 

勝利はカードで全て受け流す。カードで刀に戦うのも驚きだが、ツキカゲスパイスを服用してる天堂相手にここまで互角な戦闘力は驚愕

 

「早く天堂の援護に…ッ!」

 

「動いては駄目です!傷が…」

 

「でもこのままじゃ…天堂1人では無理だ。俺も」

 

信二はツキカゲオールスパイスを出して齧ろうとするのだが、それをモモは取り上げて止める

 

「何考えているんですか!本当に死んでしまいます!!」

 

「このままだと、どちらにしろ全員殺される!だったら一歩でも前に進まなきゃいけないんだよ」

 

モモからスパイスを取り返して齧る

 

「──リリース・ザ・スパイス」

 

「あっ…」

 

「俺を死なせたくなかったら協力してくれ。これで決めるよ」

 

 

 

 

 

天堂も限界に近付いてきた。少しずつ、体の至る所から痛みを感じ始める

 

「無様だな。どれだけ助っ人が来ようと意味など無い」

 

「まだだ!!」

 

信二の蹴りが勝利に向けられる。だが、お見通しらしく簡単に防御した

 

「私、1人で充分…かはっ!」

 

「こんな時に強がんな。…全員で(・・・)行くぞ」

 

「あぁ…」

 

天堂を立ち上がらせて2人は構える

 

「これで最後だ」

 

天堂が走り、その後ろから信二が銃で援護しながら付いて行く

 

「付け焼き刃の連携で勝てるものか!」

 

対して、トランプで対抗する勝利。信二は致命傷になるカードだけ撃ち落とし、天堂の行く先を切り開く

 

掻い潜り、天堂の間合いに入った

 

「仕留めた!」

 

2本の刀が勝利の腹を斬り裂こうとするが、刀が交差する一点を狙い、肘と膝を使って受け止めた

 

「私が真に得意とするのは!」

 

力を込めて刀を砕く

 

「肉弾戦!」

 

天堂の顎を跳ね上げる。崩れ落ちる天堂を掴み、容赦無く殴り続ける

 

「ハァッ!!」

 

「グフッ…!」

 

勝利に殴られ地面を跳ねながら転がる

 

「トランプを使っていたのは、己の強さを隠す為だ」

 

「より弱く見せる為に武器を使っていたのか!」

 

「そうだ。そしてこれで詰み。諸君らに満に一つの勝ち目など無い」

 

圧倒的な実力差。ツキカゲスパイスを使った人間が何人相手だろうが構わず倒す。信二自身、ここまで差があるのは想定外だった

 

「ここまでか…」

 

雪も言葉を溢す

 

「まさかここまで……信二さんの作戦通り(・・・・)とはね」

 

「何だと?」

 

この様な展開になるのは予想通りと言わんばかりの台詞

 

「相変わらず信二は凄いな」

 

「かなりの代償でしたけど」

 

天堂とモモも同じ反応を示していた

 

「何を言って──」

 

そして、地面から大量の鎖が飛び出る。その鎖は勝利の体に巻き付いて封じ込めた

 

鎖は元を辿って行くと、モモ、雪、天堂、テレジアへと繋がっていた

 

「鎖如きで私を止めれるとでも!」

 

無理矢理壊そうとするが、4人が鎖を引っ張り更に締め付ける

 

「グゥゥ!…だが!」

 

勝利は諦めては無い。

上からヒラヒラとトランプが落ち、鎖の上に落ちると爆発した

 

これには鎖でも耐え切れず破壊されて、勝利は自由となった

 

「作戦は失敗だな!」

 

「失敗?まだ信二の作戦は続いてる!」

 

一瞬の油断を見逃さず、天堂は後ろから羽交い締めで捕えた

 

「寧ろ、さっきので大人しくなったらラッキーなもんだ。本命は──」

 

「こっちだ!!」

 

信二が走っていた

 

「やはり信二か!」

 

最後に来るのは信二と予測していた。羽交い締めする天堂に頭突きし、緩んだ隙に拘束から解け、信二へとカウンターを打ち込む為拳を突き出す

 

この勢いは止められない。拳をもう片方で払い除け、脇腹に重たい一撃を打ち込んだ

 

「フンッ!」

 

「がっ!?」

 

勝利も負け時と、腕を掴み蹴り飛ばす

 

「結局失敗に終わったな!」

 

「ツキカゲを舐めるな…」

 

「何……何だと!?」

 

勝利に影が包み込む。影を作ったと思われる上を見上げると、モモが飛んで刀を振り上げていた

 

「俺が本命だが、大本命はモモだ!」

 

「キメなさい、モモ!!」

 

2人の声に背中を後押しされ、モモは最後の一太刀を振りかざした

 

肩から大きく上半身を斬られて、血飛沫が舞い散る

 

「かはっ…!」

 

「信二さんはテレジアちゃんが合流して、すぐにこの作戦を伝えたのです」

 

 

『──テレジアちょっと』

 

 

「あの時か…」

 

「私達の勝ちです」

 

「そうだな。ツキカゲ諸君の勝利だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてヨハネの野望は打ち砕かれた

 

「信二さん、師匠…私やり遂げました!」

 

雪降る聖者の夜が終わりを告げる




さっぱりと決着が着きました。
次回は事件後のちょっとした雑談。
そして、雪の今後が決まります

ここまでの拝読ありがとうございました
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