RELEASE THE SPYCE lnherited soul 作:シロX
今回の話は、前回言った通り新オリキャラからの視点で物語が始まります!
ではミッションスタート!
MISSION:25 私だけの師匠
「お疲れ様でした!」
「「「お疲れ〜!」」」
そう言って彼女──豊歌姫は今日のイベントを終えて帰宅する
「お母さんただいま〜!」
「お疲れ様。疲れてるんだから早く寝なさいよ」
「は〜い!」
姫は日本No.1アイドル歌手。最近は世界にも注目され始めている。
姫は現役の女子高生。学年は1年だが、今年から晴れて2年生。
両立を何とか頑張っている
そして次の日の朝
姫は日課としてるランニングをする為に家を出る。日が昇る前、町内を1周するのが当たり前
「う〜ん!箱山市の朝は気持ちいい〜!」
「ふわぁ〜。気を付けなさいよ。最近ニュースで、色んな犯罪犯が捕まってるって聞くけど、世の中にはまだまだ危ない人が居るから」
「分かってるって!」
母の注意を聞いて、軽く準備運動をしてから走り出した
歌手とはいえ体力も必要。姫はデビューしてから毎日欠かさずしているのだ
「ハァ…ハァ…」
走って少しの時間が経った。橋の上を通り抜けようとするが、その道中で図体のデカイ男に絡まれた
「金を寄越せよ」
「無いですし、あったとしてもあげません。失礼します」
横をすり抜けようとするが腕を掴まれた
「離して下さい」
「お前女だな。それなら俺と遊びやがれ!」
大男は強引に腕を引っ張る。その表紙に被っていた、ランニングウェアのフードがズレ落ちる
何故フードを被っていたかのか。姫も有名人。顔を晒してしまったら大騒ぎとなる。それを避ける為に被っていたのだが
「お前…歌姫の豊歌姫か?」
「それが何ですか?」
大男は怪しげな笑みをした
「来い!」
「離し…離して下さい!」
姫は危機感を察知し、大男の顔を叩いた
「へぇ〜。強がりもいいが相手を考えな!」
大男は姫を何処かへと連れ去ろうとする。
姫も踏ん張ってみるもの、力で負けてズルズルと引きずられる
もう駄目と思われたが
「あの〜すみません。邪魔なんですけど」
大男の後ろから声を掛けたのは、先程まで、ランニングをしてたと思われる男性だ
「邪魔な上にその子嫌がってます。離して下さい」
「あぁ?お前が邪魔なんだよ…殺すぞ?」
大男は男にナイフ向けて脅す
「ち、違います!私はこの人と揉めてなんか…。じ、戯れていただけです…」
姫は関係無い人が巻き込む事を恐れてそんな事を口走った
「ふぅ〜ん。戯れていただけか…」
「そうだ!何か文句でもあんのか!?」
大男もそれに便乗する
「ねえ君」
「はい…」
「『助けて』って顔に出てるよ」
「えっ?」
瞬間、大男の握ってたナイフの刀身が真っ二つに折れた
「なっ!?」
ランニングウェアの男がナイフを蹴りだけ折ったのだ
「ふざけてんじゃねぇよ!」
「は?何言ってるの?」
ランニングウェアの男は、大男の腹を殴り地面に倒れる。そして、折れたナイフを眼球に向ける
「先に仕掛けたのはそっちだ。文句言うなよ」
「お、覚えてろよ!」
大男は捨て台詞を吐いて、その場から急いで立ち去った
姫を助けた脅すも、仕事は終わった感を出してランニングに戻ろうとするが
「あ、あの!」
「何?」
「助けてくれてありがとうございます!」
「気にするなよ。いつもの事だから」
いつもの事。少し気掛かりになったがあまり詮索はしないようにした
「それと…私を助けたのは何故ですか?」
「?」
姫は、「自分があの有名人だから」と思って助けてくれたのかと思ったが、男は完全に何を聞かれているのか全く分かっていなかった
「す、すみません!変な事を聞いてしまいましたね…」
「……困っていたから助けた。それだけ」
男はそう言って走り去った
////////
「姫それ大丈夫だったの!?」
「う、うん。さっき話した通り、偶々居合わせた人が助けてくれての」
姫は朝起きた出来事を友人に話していた
「良かった。でも気を付けなさいよ!有名人な上に姫は美人なんだから!」
「わ、分かってるよ!」
「おっともうこんな時間!帰らなくちゃ!」
窓を見れば夕暮れ。2人は喫茶店に居たのだ。友人は門限があると言ってすぐ店を出た
姫も別れを告げて帰宅する
その帰宅途中、朝で一悶着あった橋の上で川を眺めていた
「あの人誰だったんだろう…」
「よう、また会ったな」
振り向くと、今朝出会った大男が目の前に。姫は何の抵抗も出来ずに、車へと乗り込まされて誘拐された
その夜。誘拐された事はあっという間に知れ渡り、豊歌家の前には警察は勿論、報道陣やギャラリーで溢れかえっていた
「何の騒ぎだ?…あのすみません。これって何があったんですか?」
姫を助けた男。夜もランニングしてたら、その集まりを見てしまったので群がる人に尋ねてみた
「あぁ、あの歌姫が誘拐されたんだってよ」
「歌姫?」
「豊歌姫だよ」
////////
「身代金が目的ですか?」
「それもあるが…舐められっぱなしも癪に障る」
姫は何処かも分からない場所へと誘拐されてしまった。分かる情報といえば、此処が工場内って事ぐらいだ
更に言うと、大男以外にも何十人の人数が揃っていた
「本当なら、あの男をターゲットにしたかったが何せ居場所が分からないからな」
「こんな事をして何の意味が!」
「意味?さっきも言ったろ。癪に障ると」
「警察の人がすぐに此処を突き止めます!貴方達なんて…」
「無理無理。此処は誰にも見つからな──」
「大変です!」
突然扉から勢い良く開け放たれた。下っ端と思われる奴が、息を切らしながら報告をする
「襲撃されました!」
「はぁ!?今になって警察に見つかったのか?」
「いえ、相手は警察ではないです。只の変なコスプレをした変人です!」
「チッ!お前も来い!」
姫を強引に連れ出して渡り廊下を歩いてく
「人数は?」
「それが…1人です」
襲撃されて戦闘中と思われる場所へと着くと、そこには忍者の服装をし、赤いフードを被り狐の面を被って者が素手で大人数を相手にしていた
「アイツは『狐』じゃねぇか!」
「狐ですか?」
「裏社会じゃ知らぬ者はいない。報酬さえ貰えばどんな仕事もこなす危険人物だ。何で奴が此処へ?」
狐と呼ばれる人物は、大男の存在に気が付き獲物をロックオンする
「おい!ロケットランチャーを持って来い」
「は、はいっす!」
大男は渡されたロケットランチャーを狐に向かって標準を合わせる
「止まれ!大人しく当たれば人質は無傷で返してやる。だか避けようもんなら」
姫の頭に銃口が突き付けられる
狐は大人しく言う事を聞きその場に立ち尽くす
「死ねえぇぇ!!」
時速約900km/秒の速さでロケット弾が狐に向かい爆発した
「あの狐を俺が殺してやった!!」
「流石ガッ…!?」
下っ端も歓喜の声を上げようとするが、肩に鋭い痛みが走り尻餅をつく
「武器の密売もしてる事は調査済みだったけだ、まさかロケットランチャーまで持っているとはビックリした〜!」
「な、何だと!?」
土煙りの中でそう呟く声が聞こえた。そして晴れると、姫と大男はその狐という人物の正体を知り驚愕する
「お、お前は!」
「あの時助けてくれた…!」
「あっ…。さっきので壊れたか…」
ロケットランチャーの爆風で面が壊れ、フードはずれ落ちていた。
狐の正体は、橋の上で姫を助けた人物だった
「一体どうやって…!」
「簡単だよ。当たる前に爆発させた」
そう言って、手には4つのリップクリームを持っていた
「降りて来いよ。勝負を決めようじゃないか」
「ふざけるなァァァ!!」
未だに倒されてない残りの奴らが、一斉に銃口を向ける
「使う予定では無かったけどな」
男は、腰から小さな木ノ実を取り出して齧った
「── Ready Go!」
そして男は姫の視界から消えた
「何処…?」
「此処だよ」
「えっ…」
男は一瞬で姫の側に移動していた
「ついでだから、他の人は気絶してもらってるよ」
周りを良く見ると、男の言う通り何十人と居た輩が倒れていた。
残るは大男のみ
「こんな筈は…!」
「拍子抜けだな」
男はまたも、姫には捉えきれない速さで移動して大男を地面へと叩き付ける
そして銃口をおでこにくっ付ける
「警察に突き出すけど一応警告。…次は容赦はしないよ」
最後にそう言って引き金を引いた
「こ、殺したんですか?」
「殺してないよ。麻酔弾だから」
よく見ると、大男は息をして静かに眠っていた。確かに麻酔弾を撃っていた
「後は、記憶を消して終わりだけど…」
男は姫に近付いて銃口を向ける
「見られたからには忘れてもらうよ」
「ま、待って下さい!」
引き金を引く直前で姫は止める
「私は忘れたくない!」
「それは無理だ。決まりだからな」
「だ、だったら──私も連れて行って下さい!」
意外な展開になった
「一応言うけど、記憶を消すのはこの場面だけ。全部消すという訳じゃ…」
「なら尚更です!」
「君の事は知っている。豊歌姫、16歳。小学6年生から歌手としてデビューし、今の経歴に至る。学校とも両立も出来ており、親と共に3人で暮らしてる…ところかな」
男は腰のバックから取り出した資料を見てそう言った
「危険な世界に来る理由が見つからない」
「…私は皆んなを笑顔にしたいんです。だから歌手になりました。ですが!」
姫は真剣な眼差しで目の前に居る彼に言う
「今のを見て良く分かりました。私達が安心して暮らす裏では色んな事があるのを。その世界で悲しい思いもする人々もいます…。だからこそ──」
「分かった分かった。…もう元の生活には戻れない。死ぬかも知れない。それでも?」
「はい。危険は承知です」
男は姫の押しに負けて肩を落とす
「そうか。では改めて……俺は緒方信二。コードネームは信長だ。宜しくな」
「ゆ、豊歌姫です!よ、宜しくお願いします!」
2人は手を取って握手する
これが緒方信二と豊歌姫の出会いだった
そんな訳で弟子です。
次回も姫視点で話が進みます
ここまでの拝読ありがとうございました