RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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豊歌 姫 ゆたか ひめ
16歳/164cm

容姿
髪色は作者が見た感じでは、楓はオーキッドに近い色味の紫に対し、姫はちょっと濃い紫、藤色をイメージしてます。ロングです。五恵や初芽も同じくらいの長さ。
瞳の色も同じく藤色。
胸の膨らみ?皆んなデカイから姫もデカイですよ


前回、姫のプロフィールを書き忘れたので置いときます。

最近、お気に入りが増えて満足です。感想も沢山頂いでるので励みになります!

ではミッションスタート!



MISSION:26 受け継ぐ魂

『続いてのニュースです。あの人気アイドル歌手の豊歌姫さんが引退との事です』

 

信二はTVを切り、姫の方は体を向ける

 

姫は今、今後の生活について詳しく説明を貰うのに信二の自宅にお邪魔していた

 

「姫って有名人だったんだね」

 

「はい。知らなかったのですか?」

 

「アイドルとかには興味無くてな」

 

それを聞いて少し凹んでしまった

 

「…まぁ、君の事を知る為にあれから色々と調べたよ。MVの動画配信も1000万再生が普通とか」

 

「あの信二さん、世間話も良いですが本題はどうなったのですか?」

 

「そうだったな」

 

ようやく本題に入れた事にホッとする

 

「君は先ず、スパイとして技術を身に付けて貰う。1ヶ月後、つまり2月にはそれなりの戦闘力を付けて空崎へ引っ越して指定する高校へ転入。大雑把に説明するとこんな感じだ」

 

信二が出す最低な課題は、1ヶ月の間で戦力になる体と技術を身に付けろと言う無理難題だった

 

「詳しく事は順を追って説明するけど、何か質問はあるか?」

 

「はい!信二さんって狐何ですか?」

 

その質問に肩がずり落ちる

 

「そ、それは周りが勝手に言ってるだけ。コードネームだってちゃんとありますよ」

 

「訓練は明日からですか?」

 

「あぁ。…そうだ言い忘れてた」

 

信二は懐から小さな木ノ実を姫に渡した

 

「俺達が所属する所ではスパイスが生命線。必要な時以外使うなよ」

 

「あの…スパイスって何ですか?」

 

スパイスの説明はまだしていなかった。姫に、スパイスの効果とそれに必要な体力などを説明した

 

「俺達が使うのは「ソラサキオールスパイス」だ。さっきも説明した通り、俺達のは特別生だから無くすなよ」

 

「はい!」

 

「最後に、今からは俺の事を師匠と呼ぶように。これからは師弟関係だからね」

 

「分かりました師匠!」

 

 

 

 

 

////////

 

早朝5時。姫は待ち合わせの場所へと到着した

 

「5分前。次からは30分前行動で。現場に行くと、準備とか何やらでやらなくちゃいけない事があるから」

 

「気を付けます!」

 

「じゃあ走るよ!」

 

黙々と走る2人。

その途中、姫は何処まで走るのか気になったので聞いてみると

 

「う〜ん…6時半頃には家に着く感じで」

 

「えっ!?それもうマラソンじゃないですか!」

 

「これでも少ないよ!知り合いの子なんて、町内とか余裕で走り切ってるよ!それにまだ、全力ダッシュじゃないだけいいじゃん!」

 

なんて言いながらも、姫は最後まで信二について行けていた

 

 

 

 

 

「次は体術だ!」

 

信二の自宅の地下へと移動した。地下にはトレーニング場や射撃場が設けられていた

 

「ひ、広過ぎです…」

 

「うんいい反応だ。初見はそう思うだろう」

 

「ここで体術の訓練ですか?」

 

「これ着けとけ」

 

信二が渡したのはヘッドギアとグローブだった

 

「リングに上がれよ。俺と勝負だ!」

 

「え、あ、あの……お手柔らかにお願い、します…」

 

素人相手にプロが相手みたいなものだ。それはもはや虐めに近い内容だった

 

姫は完全にノックダウン。白目を剥き、泡を吐いて痙攣しながら気絶していた

 

 

 

 

 

午後となり、信二は姫をとある場所へと連れ出した

 

「こんにちは!」

 

「あら〜信二君じゃないの!こんなに大きくなって〜!」

 

「師匠此処は?」

 

「此処は競技かるたの教室」

 

何故かるたなのかが分からなかった。それがどうスパイと結び付くのか、何が役に立つのか

 

「師匠、私は何をすれば?そもそもこれって何の訓練?」

 

「答えは簡単!反射神経だよ」

 

信二が指差す方へ向けると大人達が百人一首をしていた

 

「見てご覧」

 

札を取る手をよ〜く見てみる

 

「速!?」

 

「何で此処で反射神経の訓練をするのか分かった?」

 

現役の人達の動きを見て分かった。反応する速度が速いのだ。信二は、この中で混じってすればそれなりに訓練になると踏んだのだ

 

「因みに相手をするのは、今目の前にいるおばさんだよ」

 

「宜しくね〜!」

 

「補足すると元クイーン」

 

「え゛っ!?」

 

結果は当然の如く全敗。それどころか1枚も取れなかった

 

その後は話術、罠術とその他諸々と信二に叩き込まれる

 

 

 

 

 

それから一週間が経過した

 

この日も訓練に明け暮れて、身も心もボロボロの姫。そしてそれは、自身を無くしネガティブな考えとなっていく

 

(何やっても上手くいかない…。私向いてないのかなぁ…)

 

重い足取りで夜道を帰る

 

「あっ…」

 

姫は信二の家に忘れ物をした事を思い出した

 

(気不味いなぁ…)

 

今の自分の顔をきっと酷いものだろう。疲れきった顔をして、嫌そうな顔

 

今の自分を信二が見ると怒るだろうと思ってると玄関前に着いた

 

インターホンを鳴らして呼び出すのだが

 

(出ない?)

 

いくら鳴らしても応答が無い。仕方なく勝手にお邪魔する事に

 

「師匠〜?」

 

廊下の奥からドタバタ音が聞こえる。音が鳴り止むと、ひょこっと頭だけを出した信二が見えた

 

「姫じゃん!どうしたんだ?」

 

「忘れ物を…」

 

「そうか。なら、ゆっくりして行けよ。もうすぐしたら上がるから車で送るよ」

 

「では…お言葉に甘えます」

 

信二は浴槽に戻り、姫は忘れ物をしたリビングへと行く

 

「え〜と…あった」

 

忘れ物のタオルを取り椅子に座る。改めて部屋を見渡して思う

 

(師匠はあの鍛錬を毎日難無くこなしてる。それも本来なら私以上のメニューで…)

 

タオルを鞄にしまい帰ろうとする時、ふと机の上に置いてある一冊のノートが目に入った

 

「ノート?師匠のかな?」

 

姫は失礼と思いながらも、好奇心には勝てずに勝手に中身を読み始める

 

 

 

1月5日

豊歌姫という人物が俺の弟子となった。初めての訓練。まだまだ甘いところもあるが見込みはある。

俺にしても初めての弟子だ。彼女の事を考えつつ今日から訓練メニューを考えよう。

 

 

 

1月12日

あれから1週間が経った。彼女は吐いたり、気絶したりとするが無事について来てる。普段から体力作りをしていたのか、朝の運動にも慣れてる様子。もう少しペースを上げてみよう。

 

 

 

1月14日

最近どうも様子がおかしい。疲れてる…と言うよりも不安そうな表情をしてる。恐らく原因は……。

何とかして自身をつけてあげなきゃ。こんな状態でツキカゲに入れても足を引っ張るだけだ。最悪の場合も想定しなければならない。

それを避ける為に師匠である俺が支えなきゃ!

後日、もう少し訓練の内容を改めて改善しよう。

 

 

 

中身は日記だった。それ以外にも、姫を思っての訓練メニューがびっしりと計画されていたり、細かい癖までも書き出していた

 

このノートは、全て姫の為を思って作った物

 

「何勝手に読んでるの」

 

見るのに集中していたせいか、風呂から上がった信二に気付いていなかった

 

信二はノートを強引に奪い取り机に置く

 

「師匠ごめんなさい…。でもこのノート」

 

「……甘やかしていると言われるかもな」

 

「えっ?」

 

「でもね、それでも俺は甘やかすのを辞めない。だって可哀想じゃん。努力しても実感出来ないなんて。俺はお前の事を大切にしたい」

 

「師匠…」

 

「俺は師匠で姫は弟子。無理に歩幅を合わせなくていい。俺が支えて合わせるから。姫はゆっくり成長すれば良いよ。最後まで付き合うから」

 

その言葉で姫は知らぬ間に涙を流していた

 

「ど、どうしたの?」

 

「すみません。私があまりにも情け無くて…。師匠は私の為に色々としてくれていたのですね…」

 

「うん」

 

「無意識に甘えていたのか……。師匠もう大丈夫です!おんぶに抱っこの関係はここまでです!私、もっと頑張るから師匠と同じメニューでやらして下さい!」

 

涙を拭い、改めて覚悟を決めて信二にお願いする。甘えきった自分を変える為に。師匠ともっと近く居たいから

 

「今ので何が変わったのか俺には分からないけど、何か心を動かす事をしたんだな。…いいよ。なら、明日から容赦無く訓練するからね」

 

 

 

 

 

////////

 

次の日からより過酷な訓練が始まった

 

朝の走り込みも全力ダッシュに変わっていた

 

「ハァ…ハァ…ッ」

 

「姫無理するな!ゆっくり自分のペースで走れ!だが、常にダッシュを怠るなよ!」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

体術もヘッドギアも退けて教え込んでいた

 

「ガードが甘い!動きも遅い!」

 

「は、はい!やあぁぁ!!」

 

姫の拳が信二当たった…と思ったが難無く受け止めていた

 

「脇が広がってる!もっと締めて拳を振るわないと威力が分散して力が出ない!一つ一つの動作に丁寧にしろ!」

 

 

 

 

 

「──ッ!!」

 

競技かるたでも集中して札を取り続けていた

 

(自分でも分かるくらいの集中力。これなら幾らでも取れる!)

 

「……」

 

 

 

 

 

爆発的な成長を見せ始める姫。その成長スピードは目を見張るものだった

 

それから訓練を始めて4週間が経とうとした

 

「姫、今日から訓練内容を大幅に変える。最終段階だ」

 

「今の私は何でも行けますよ!」

 

「良し!最後の訓練は……武器選びだ!」

 

「武器ですか?」

 

「ああ、此処にはある程度の武器なら何でも来いでいっぱいある。その中から自分が「これだ!」と思う武器を選んでくれ。これからの任務で自分の命を預けれる物を」

 

姫達が訓練として使っていた地下には、武器が大量に置いてある。刀は勿論、鞭や鉄球と多種多様の品揃え

 

「本来なら、俺みたいに石ころでも武器にして戦えるオールラウンダーに仕上げたかったが、今は時間が無いからな」

 

「ひとつ以上選んでも良いですか?」

 

「勿論だ。使える武器を増えれば、その分戦略、戦術、応用にも幅がきく。だけど今回はメインの武器を。少しでも巧みに扱える様にしないといけないから」

 

「分かりました。う〜ん、どれから手をつけよう…」

 

「3日以内に見つけろよ」

 

それから姫は黙々と武器選びに没頭するのであった

 

 

「斧……重いよ〜!」

 

斧を手に取るが重い為に、長期の戦闘には向かないと判断し却下

 

 

「槍に鎌か」

 

ブンブン振り回して試すのだが、致命的な弱点に気付いた

 

「長柄武器って狭い場所では使えないよね…」

 

 

「いっその事師匠と同じ拳で!」

 

だが拳での戦いも未だに未完成なところが多い。中途半端な状態で使うなら辞めた方が良いと判断した

 

色々と試したが、どの武器もしっくりとは来なかった。でも気になる物はあった

 

姫はトンファーと鎖鎌を並べて眺めていた

 

「むむむ…」

 

「悩んでるな」

 

「あ、師匠。そうなんです。どれもしっくりとは来なかったですけど、この2つだけは気になって…。でも何か違う様な」

 

またも唸り始めて悩む。それで信二は少し案を出した

 

「それなら、この2つの武器をベースに「こんながあったら便利だなぁ」と言うのを言ってみて」

 

「トンファーは、この長さくらいの刀剣が欲しいと思ってます。普通に刀でも良かったのですが、違和感を感じたので辞めました」

 

「鎖鎌は?」

 

「これは、この鎌の様に鎖が繋がっていたら使い易いなと思って」

 

「…分かった。先ずはトンファーの方を片付ける。少し待ってろ」

 

姫は信二を待つ事に。それからすぐに帰って来た

 

「お待たせ!これならどうかな?」

 

信二が渡したのはロングブレードのサバイバルナイフだった

 

姫は試しに数回素振りをする

 

「これです!私コレに決めました!」

 

数回振っただけで決まってしまった

 

「でも鎖鎌はどうしましょう?」

 

「なぁ、さっき言ってた通りこの鎖がナイフに付いていたらどうする?」

 

「それは嬉しい案と思いますが…」

 

「なら手配しよう」

 

信二はスマホを取り出してとある人に連絡した

 

「初芽、ちょっと頼みたい事があるんだけど」

 

数分後

 

「武器の方は何とかなりそうだ。残りの時間は、自分の手足の様に扱える練習だ」

 

1日で決まった武器選び。姫は訓練に追加し、練習に勤しむのであった

 

 

 

 

 

////////

 

「お休みですか?」

 

空崎へと旅立つ2日前。信二から言い渡されたのはお休みだ

 

「両親とちゃんと会っとけよ。空崎に行ったら会える日は殆ど無いからな」

 

「はい!」

 

「それともうひとつ。もうちょっと距離縮めないか?こう…気楽に?」

 

「気楽に…」

 

深く考えた結果

 

「こう…かな?」

 

姫は信二にハグする

 

「俺は言葉使いの事を言ったんだが…」

 

「あ、な〜んだ!それならそうと言ってよ!」

 

 

 

 

 

////////

 

そして今日、空崎へと旅立つ時

 

「お母さん、お父さん!行って来るね!」

 

「体には気を付けてね」

 

「お前がそう決めたのなら何も言わん。頑張れ」

 

両親との別れを告げて、姫は信二の自宅へと向かう

 

「師匠おはよう!」

 

「これから11時間のドライブだ。途中朝飯買うからな」

 

「新しい出会い!胸が膨らむ〜!」

 

姫は、これから起きる出会いに期待を胸にする

 

「荷物荷物〜……うん?」

 

姫はトランクの中を見て首を傾げる。

それも当然、インパラのトランクの中はちょっとした武器庫なのだから

 

「それ全部仕事で使うやつ。後ろの席にでも置いといて」

 

「あぁ…全部仕事で…」

 

2人はインパラに乗り込む

 

「そうだ、忘れてたけど姫のコードネームは『秀吉』だから」

 

「そんな大事な事をサラッと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は空崎へ向かう

 

新たなツキカゲの歴史が刻まれ始める




次回からはツキカゲ組と対面です。
視点もオリ主へと戻します。

後、次回からは投稿を2週間に1本になります。理由としては、私が色んな小説書き過ぎ問題で忙しいからです…
書こうと思えば1週間に2本はいけますよ。4章序盤まではプロットは出来ていますので、文字に起こすだけですから

そんな訳で、ここまでの拝読ありがとうございました!
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