RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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サブタイはお飾りです

では、ミッションスタート!


MISSION:28 ルームメイトの死

「今日から転校して来ました。豊歌姫です。変なタイミングでやって来ましたが宜しくお願いします!」

 

楓と伊智香のクラスに姫が転校して来た

 

つい最近までアイドルをやっていたのだ。休み時間になった瞬間、姫の周りは人混みで溢れ返ってた

 

「随分と人気者ね。対応面倒くない?」

 

「一応ファンは大切にしないとね!」

 

そして今はお昼休み。屋上で、2年生組と1年生組とでお昼を取っていた

 

「それにしても、姫ちゃんのお弁当は自分で作っているの?」

 

「これ?師匠が作っているの」

 

「えっ!じゃあ、信二さんと一緒に住んでいるの!?」

 

「生活に慣れるまでは師匠と同居するつもりなの」

 

「そうなんだ。でも、師匠にお弁当を作ってもらうのはどうかと思うよ。そこはしっかりしなきゃ」

 

伊智香の言葉に楓は命に向けて凝視する

 

「そうね。自分の食べる物くらいは、作ってくれないと駄目ですよね師匠?」

 

「何で我を見るマイ弟子よ」

 

「家事はフーちゃんが殆どしてるもんね」

 

「五恵ちゃんはともかくモモちは仲間だと信じてるよ!」

 

モモも同じく、自分と同じ様に料理が出来ないと思っていたが

 

「私も一応師匠に教えて貰ったから簡単なやつなら出来るよ」

 

「ユッキー!!」

 

雪の事だ。もし、この場に居たならピースをしていたに違いない

 

「師匠の師匠…抜け目無いですね」

 

そんな時、伊智香の頭の上にモノミが舞い降りた。モノミが飛んで来たという事は

 

「任務…ですね」

 

「伊智香ちゃんと姫ちゃんは初めての任務だよね。頑張ろうね!」

 

「「はい!」」

 

 

 

 

 

学校も終わり、軍議の社で今日の任務について話していた

 

「今回は、ここ最近ニュースにでもなっている連続殺人犯を捕まえる任務です」

 

「あのルームメイトの死を模倣してるやつのアレか?」

 

「ルームメイトの死?」

 

『それは私が説明します』

 

姫の疑問に濃姫が答える

 

ルームメイトと2人で暮らしている女性が、ある日帰るのが夜遅くになったため、気を遣ってルームメイトを起こさないよう電気をつけずに真っ暗なまま寝る

 

そして朝目覚めると、そこには血塗れになって殺害されたルームメイトの死体と、血文字で書かれた「電気をつけなくてよかったな」というメッセージだけが残されていた

 

『これは、帰宅する寸前に殺人が行われており、殺人犯が部屋に隠れていて、電気をつけてしまっていたら殺されていたというメッセージの意味です』

 

「この内容で4人の人が殺されてるわ」

 

「急いで対策を立てないといけません」

 

「だが初芽、どうやって次のターゲットを探すんだ?ルームメイト2人の女性に限定しても空崎は広い。散らばって探すにも…」

 

『安心して下さいテレジアさん。もう次の場所は特定しております』

 

仕事の早い濃姫。流石と言いたいところだが

 

「濃姫、どうやって見つけた?母さんでも、手掛かりが無ければ多少は時間掛かるぞ」

 

『私はとても有能ですので』

 

正直気掛かりだった。いくら濃姫が凄いとは言え、こうも簡単に見つけるなんて

 

相棒である濃姫に何故か深く考えてしまう

 

「メンバーはどうする?」

 

「そうですね…折角ですから、伊智香ちゃんと姫ちゃんを連れて行くのはどうでしょう?何事も実戦あるのみ!」

 

「い、いきなりですか!?」

 

「くぅ〜!私はいつでも行けますよ!」

 

狼狽える伊智香に反して姫はやる気充分。少女不安でしかない

 

「勿論、師匠であるお二人も行ってもらいます。後1人念の為欲しいですね。弟子達に気を取られて何かあっても嫌ですか…」

 

「それならメイが行くよ!」

 

「それならアタシも!」

 

「では、楓ちゃんはサポートをお願いします。現場に行くのは5人で」

 

「「「「「「了解」」」」」」

 

 

 

 

 

////////

 

弟子2人は初めての任務。ツキカゲの戦闘服もこれが初めてだ

 

『はー!早く敵現れないかなぁ〜!』

 

『少しは落ち着け。やる気があるのは良い事だが、空回りだけはするなよ』

 

『はい師匠!』

 

現在深夜帯を回っている。そして、次狙われると思われるアパートに見張りを立てていた

 

命が玄関が見える1番近くを、楓は遠くでドローンを操作しながら車に乗って全員のサポート、そして他4人はアパートを取り囲む様に配置して、逃げられた時に備えていた

 

『緊張する〜…』

 

「大丈夫だって!何かあってもメイ達がカバーするし、百地だって居るんだから気楽に気楽に!」

 

『何で千代女が励ますの?』

 

『アンタら任務に集中しなさいよ!それと孫市と秀吉!アンタ達は自分の役割りだけに集中してなさい!』

 

とうとう楓の堪忍袋の緒が切れたようだ。通信器から聴こえる怒号に、全員の耳が悲鳴を上げる

 

「もう風魔はすぐ怒る。そんなに怒ってたらシワが出来ちゃうぞ☆」

 

『誰のせいですか!?』

 

「…さてと、そろそろお仕事の時間」

 

命の声色が変わった。どうやら見張っていたアパートの一室に誰が侵入したそうだ

 

命は音も立てずに部屋に侵入したのだが

 

「なっ!?そんな馬鹿な!?」

 

命が見た光景は

 

「殺されてる!しかも2人共!…ッ!?」

 

そして壁には殺されてる2人の血で文字が書かれていた

 

『残念。遅かったな』

 

「やられた!2人は既に殺されてる!それに…」

 

命は窓の方へ目を向ける。風に靡くカーテンが命の鼻を擽らせる

 

「この方向なら…百地!秀吉!そっちに…」

 

『待って下さい師匠!これ…』

 

楓の方でも異変を察知した

 

『師匠マズいです。ドローンで確認したところアパートから3人の人影が』

 

どうやら今回の連続殺人の犯人は3人。しかも、その内の2人は既に侵入していてらしく3人目が合流し、命達を撹乱する為に三方向に散らばって逃げ出した

 

『俺と百地で東に逃げた奴、秀吉と孫市で西に逃げた奴、千代女は北の奴を!』

 

「了解!…って、何で信長が仕切ってんの〜!」

 

 

 

 

 

////////

 

「なんか最近情報が漏れてないか?」

 

「私もそう思います」

 

「正直、ツキカゲのセキュリティーを突破しても濃姫が作ったファイヤーウォールでガードしてる筈なんだけど…」

 

ここ最近の情報漏洩に不可解さを隠し切れない。情報の保管も完璧な筈なのに

 

「誰かが漏らしてるとか?」

 

「嫌な事言わないで下さいよ〜」

 

「だがな……居たぞ」

 

モモと話しながらも周りを見渡してると、3人の内の1人を見つけ出した

 

「行くよ百地」

 

「はい!」

 

「──Ready Go!」

 

「──滾らせます!」

 

 

 

 

 

「やあ犯人さん、空崎の夜は楽しめたかな?」

 

命も犯人の1人に追い付いた

 

「その格好…ツキカゲだな」

 

「そうそうツキカゲ。だから、ここいらで観念した方が身の為だぞ!」

 

「そう簡単に捕まるものか!」

 

犯人──男は一本のナイフを取り出して命に襲い掛かる

 

「よっと!」

 

命もクナイでそれを防ぐ

 

(コイツ意外と強い!)

 

「ツキカゲもこの程度か?」

 

「面白い!」

 

クナイとナイフの競り合いはお互いに一度引き、体勢を立て直す

 

そして命は

 

「そんなにツキカゲの本気を見たいなら見せてやる!」

 

命は太腿のスパイスケースからツキカゲスパイス「ツキカゲローレル」を齧った

 

「──混沌(カオス)な体験の始まりだよ」

 

全ての限界を解放して、命は最強の領域へと足を踏み入れた

 

瞳は、綺麗な赤色に変色しツキカゲを表すマークが浮かび上がる

 

「いくよ」

 

クナイを飛ばすと同時に命は走り出す

 

投擲したクナイのスピードも速いが、それを抜き去って命が先行する

 

「食らえ!」

 

命が蹴りを食らわせた後、更にクナイが男を襲い傷を負わせていく

 

「グッ…」

 

「まだまだ!関係の無い人達を殺したんだ。それなりにお仕置きしないとね!!」

 

「多少強くなったからって調子に乗るな」

 

暗い空間に火花が飛び交う。両者共に譲らない

 

「がはッ!?」

 

しかし、ツキカゲスパイスを服用した命には敵わない

 

「これで止めだよ!」

 

「この!」

 

男の方が速い。だが、命はナイフが突き刺さる瞬間、残像を残して目の前から消えた

 

「ハァァァッ!!」

 

硬い拳を作り、男の頭を地面に叩き付けた

 

「どうだ!」

 

命はガッツポーズを取り勝利した

 

「風魔、こっちは済んだよ。でも…」

 

命はその場で崩れ落ちて、反動による痛みを必死に我慢する

 

「お願い…迎えに来て」

 

『ちゃんと任務が終わりましたら迎えに行きます。こんな雑魚相手にツキカゲスパイス使うなんて』

 

「ぐへぇ〜」

 

 

 

 

 

「もう逃しません!」

 

「…追い詰められたか」

 

姫と伊智香もようやく追い付いた

 

「フッフッフ!観念の時だよ!」

 

姫は、ハンドルの中に仕込みの鎖が入っているロングブレードのサバイバルナイフ。

伊智香は刀を構える

 

「やぁぁぁ!」

 

先ずは伊智香が仕掛ける。意外も意外。伊智香は引っ込み思案な子。今みたいに自分から積極的に前へ出る事は珍しいのだ

 

「私も!」

 

新たな弟子同士の連携。まだ数日しか会っていないにも関わらず上手く噛み合っている

 

「2対1か。数ではそちらが上だが…」

 

2人の刀身を、男が持ってるナイフ1本と足だけで受け止めた

 

「そんな!」

 

「クッ…!」

 

「弱い!」

 

男は身体を柔軟に動かして、2人纏めて左右に蹴り飛ばした

 

「孫市!行くよ!」

 

「は、はい!」

 

「──響かせる!」

 

「──狙いを定めて!」

 

姫の瞳が青、伊智香の瞳が金へと変色した。スパイスを服用した証拠だ

 

姫は、ハンドルキャップを開けて小さな鉄球付きの鎖をぶら下げる

 

「これでどう!」

 

大きく両腕を開かせて、左右から鎖を襲わせる

 

「この程度で」

 

男はジャンプして避けるが

 

「これで…終わりです!」

 

伊智香はスマホガンを麻酔弾に設定して3発撃つ

 

最初の1発はナイフを弾かせ、残りの2発は頭と胸に撃ち抜いた

 

的確な射撃

 

正直姫は驚いていた。姫から見て伊智香の第一印象は「とても頼りない」だった。でも今の射撃を見て180度変わった

 

(凄い!)

 

射撃だけなら信二以上と確信した

 

「これで任務完了ですね」

 

「伊智香凄い!あんな射撃が出来るなんて知らなかったよ!」

 

「え…そ、そう?」

 

こんなに褒められたのは師匠のモモ以外では初めてだ

 

「姫ちゃんも凄かったよ!」

 

「「フフッ」」

 

『ちょっと2人共まだ任務中。最後までコードネームで呼びなさいよ』

 

「「は、はい!」」

 

通信機から聴こえる楓の声に2人はビックリする

 

 

 

 

 

////////

 

「お疲れ様2人共」

 

信二は姫と伊智香の頭を撫でて褒め称える

 

「それにしてもメイちゃん、いつの間にツキカゲスパイスを使えるようになったの?」

 

実は、命がツキカゲスパイスを使える事は誰も知らなかったのだ

 

「ん、あれ?ぶっつけ本番。イケるかなぁ〜っと思ったから」

 

「えっ!?そ、そうなんだ…」

 

「駄目だこの師匠…」

 

師匠組に呆れる中で姫達は

 

「ねぇ伊智香」

 

「はい?」

 

「これからも一緒に頑張ろうね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弟子同士、新しい絆が生まれた瞬間であった




姫の武器
ロングブレードのサバイバルナイフを2本(全長400mm、刃長245mm)。
ハンドルの中に仕込みの鎖が入っている。重りである小さい鉄球付き。トリガーを押すと巻き戻しも可能。

小型ナイフを腰に複数所持している

といった感じです。

命もようやくツキカゲスパイスデビュー

そしてちょっとしたお知らせです。
私の現在進行形でマルチ投稿している小説「HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO」でコラボする事になりました。

あちらの作品の方で3人登場させる事に。その内の1人は、この小説の看板役のオリ主です。残りの2人は読んでみてのお楽しみです

下記に登場する話数とURLを貼りますんで、興味のある方は是非ご覧下さい


第20話、第21話
https://syosetu.org/novel/227575/


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