RELEASE THE SPYCE lnherited soul 作:シロX
失踪する事は絶対に無いのでそこは大丈夫です!のんびりとやって行きます
ではミッションスタート!
昨日のミッションで、何故信二がスパイスを持っていたのかを雪は問いただす
「ぶっちゃけ言ってしまえば、作り方を盗んで自分用に調整して作った」
「盗んだんですね…」
「そう言う情報は全く耳にしませんでしたけど…」
「当たり前だ。全部濃姫が足跡を消してくれたんだから」
まるで自分の事の様にドヤ顔で胸を張る
「スパイスの効果自体は変わらないけど、誰でも効果を得られる様にした」
「それって私達が使っても大丈夫何ですか?」
「ひとつ試してみる?」
信二は五恵にオールスパイスを一つ渡した
「では…」
「駄目ですよ五恵ちゃん!ちゃんと調べてから使用して下さい!」
「酷い言い草だな」
「後、盗んだとは言え元はツキカゲの物。名前も改名しちゃいましょう!『ソラサキオールスパイス』。なんてどうでしょう?」
更にはスパイスの名前まで改名する始末
「はいはい、スパイスの話はここまで。俺は明日の任務に備えて帰るよ」
////////
次の日の夜
「あっち向いてホイ」
「明日、近くのスーパーで特売やるので師匠も一緒に来て下さいよ」
改造されてあるトラック内で、任務開始前の小休止で各々雑談を楽しむ
「温泉いいな〜。裸か…こっちもこれから裸だよ。お風呂じゃないけどね…」
モモはスマホで友達と話してる様だ。その内容はモモの誕生日会だった。やりたくても、ツキカゲや修行で遊ぶ余裕なんて何処にも無かった
「妙な顔をしてるわね」
「友達と何話してるの?」
「師匠!?信二さん!?」
曇った表情するモモに雪も信二が気付いて声を掛ける。だけど、そのタイミングで小休止終了のアラームが鳴る
改めて任務の内容をおさらい
「私達を襲った白虎に付着していた砂は、九天サイエンスの施設でしか使われていないものだった」
「そこで今夜は施設に侵入。最上階にあるサーバーに向かい、内部のデータを入手します」
「「「「「了解!」」」」」
「よ〜し!」
「モモ、さっきのやり取りは…」
「大丈夫です!任務に集中します!」
「……」
意気込むモモに不安な雪だった
「さてと!」
「信さん、毎回任務にお面を着けるの?」
「着けるけど、何か気になる事でも?」
「視界が狭くなって見えにくいんじゃない?メイ達が預かるけどどうする?」
「そうだな。顔隠す為だけに被ってただけだから」
信二は命に狐のお面を預ける
「良し、任務の準備をしますか」
気合いを入れる信二だが、モモ達は何か言いたそうな目で見ていた
「出てって貰えますか?」
「え?何で?」
「準備するからに決まってるでしょ!!」
『透明クリームを全身に塗りますから外で待機をお願いしますか?』
「大丈夫!目を瞑るから!」
しかし、楓に蹴り飛ばされて車外へと追い出された
「変態のレッテル貼られたく無かったら、大人しくしていて下さい!」
「は、はい」
『後、信二さんはサポートなので宜しくお願いしますね』
「そうなの!?」
信二は大人しく準備が出来るのを待ち
「入って大丈夫ですよ」
変装した楓が出て来た。許可も下りたので入る
「お〜、見事に見えない!」
モモ達は透明クリームを付けて全身見えない状態。とても便利だがこのアイテムには欠点がある
持続時間が短い事。衣服の上からでも塗れるが、更に時間も短くなるという物。改良して効果時間は伸びてるもののそれでも短い
なのでモモ達は、衣服を脱いで裸の状態でクリームを塗ってる訳だ
「本当に見えて無いんですよね?」
「うん。認識出来てないよ」
そう言って近くの椅子に座るのだが
「きゃああ!!」
「いで!?」
急に信二の体が浮き上がり、背中から床に落ちた。
実は、信二が座ろうとした所にモモが腰を掛けていたので、モモは思わず信二を投げ飛ばした
「本当に見えて無いんですよね!?」
透明で信二からは見えないが、モモの顔はトマトの様に顔を赤くしていた
それから暫くして、潜入も上手くいき基地で手に入れた情報を整理していた
「九天サイエンスから持ち帰ったデータですが、モウリョウの手掛かりは一切見つかりませんでした。盗聴器から拾える会話にも怪しいものはありません」
「珍しく外れたねユッキーの勘」
「まだ分からないわ。データを見たけれど、九天サイエンスは優良企業過ぎるのよ。まるで、見て下さいと言わんばかりの」
「疑うのも良いけど程々にしなよ」
「信二さんは呑気ですね」
「意外と皆んな辛辣だね」
////////
更に日が経ち、招集が掛かった
その内容は薬物関連のものだった。得体の知れない連中が売り捌いてるとの事
それでも雪は抜かり無かった
「これは濃姫と協力して手に入れた映像です」
「この男はマルコネーロと言って、刑務所を出入りを繰り返す危険人物よ」
映し出される映像には、金髪のスーツ姿の男だった
「それがここ数日、空崎で目撃されている」
「間抜けそうな顔」
「じゃあこの人を辿って行けば!」
「騒ぎの大元が分かるかもだね」
その捜索に立候補する者が2人。ローレル組の命と楓だった
////////
(この人を調査する。それが私の役割…)
ローレル組のお陰でマルコネーロを見失わずに尾行に成功。シナモン組の雪、モモ、そして信二の3人で追跡していた
只今の場所は空崎駅
電車が止まり、マルコネーロは車内に乗り込む
「追うわ」
「りょ、料金は?」
「後で払ってるわ」
「払ってるんだ。俺、尾行したりする時は全然払ってねーわ」
「そこは払いましょうよ…」
信二達は屋根の上から車内へと潜入した
マルコネーロが座る周辺に民間人の姿はいない。雪はそれを狙う
「覚えておきなさい。先手必勝」
雪は一気に距離を詰めて、マルコネーロにスマホガンで睡眠弾を撃ち込む
「は、速…」
「発信機と盗聴器を教えた通りに付けてみなさい」
「はい」
雪はモモに教育を含めて、発信機などの仕掛けをモモに一任する
「なぁ半蔵。そのスマホガン欲しいです」
「局に頼む事ね」
「帰ったら頼んでみようかな」
そんな会話しながら百地を待っていたら、連結部の方で声が聞こえた
「百地は作業を続けてなさい」
「念の為、俺は後続車の方を見て来るね」
「はい」
信二と雪が二手に別れて様子を見に行く。
その間に、モモは黙々と作業を続けて終わらせた
「ふぅ…良し!師匠出来ま…っ!?」
モモが雪を呼ぼうと顔を上げると、筋肉隆々の女性が佇んでいた
「オマエ、ツキカゲ?」
「違います」
即答で笑顔で返事を返すが容赦無かった
「イタダキマース!」
「っ!?」
なんとか女性の間を擦り抜ける
「何…っ!?」
逃げようとするも腕を掴まれてしまう。そして、その剛腕でモモの首を簡単に持ち上げる
「うぅ…!フン!」
手に噛み付いて抵抗するも相手は全く痛みを感じていない
「クッ!」
更に頭に蹴り2撃食らわすもやはり効かない
「攻撃が通じない!」
両かかとを鳴らして靴先から仕込みナイフを出す。もう一度、ナイフ付きの鋭い蹴りを繰り出すも
「なっ!?」
それを歯で受け止め噛みちぎり、そしてモモを力強く床へと叩き付ける
「がはっ!」
「アーン!」
口を開ける相手にモモは容赦無く弾丸を浴びせるが
「っ!?」
全て歯で弾丸を止めて食べてしまう
それを見てモモはアクロバットに車内で飛んで離脱する。
自分1人では無理と判断しての行動
「逃ゲテモ無駄。ニオイ覚エタ!」
「し、師匠!」
焦るモモ。師匠の雪を大声で叫んで助けを求める
「ここにいる」
追って来る敵にモモは拳ひと突きで、その巨体を沈めた
「用心棒がいたのか」
「し、師匠!この人睡眠弾を食べちゃって!」
「モモ!戦闘の時の心構えは?」
「冷静に!」
「そう。師匠と叫ぶ暇があるなら頭を働かせて。先ずはスパイスをキメる」
モモから喝を入れられて落ち着きを取り戻す。そして、スパイスを入れてるケースに手を伸ばすのだが
「え?あれ…?無い!」
先程、床に叩き付けられた拍子にケースを落としたらしい
「無いってコレ?」
敵を挟んで向こう側に帰って来た信二の姿。そして手に持っているのは、モモのスパイスが収納してあるケースだった
「それです!」
「今からそっちに行くよ!」
立ち上がろうとする敵を踏み潰してモモの所へと移動する
「はい。もう落とすなよ」
「あ、ありがとうございます」
「信長」
「こんな狭い場所では刀は振れないでしょ?ここは任せて」
信二は2人を下がらせてソラサキオールスパイスを手に取る
「── Ready Go!」」
スパイスの服用により瞳の色が青へと変色する
「逃ガサナイ!」
「単純だね!」
信二は、張り手だけで敵を壁際まで吹き飛ばした
「…信長、作戦がある。誘き寄せて」
「師匠!?あ、えっと…信長任せました!」
「ふ、2人共!?」
雪は外の景色を見て、颯爽と上へと駆け上がる。モモもそれを見て雪の後を追う
「ウガー!」
「もう!!」
雪は緊急停止ボタンを押して電車を強制的に止める。停止ボタンを押した事により、ドアも難無く片手で開けた
「こんな所で何するつもり?」
「決まってるわ」
「ウガァァ!」
「フッ!」
襲い掛かる相手に対して、狭い通路で信長とモモは端に避けて雪は反対側へと飛んで蹴りを入れる
スマホガンの弾を記憶消去に設定し何発か撃ちつけて
「ハァッ!」
そのまま電車の外へ蹴り落とした。落とした先は川となっておりそのまま沈んで行った
最初から川へと落とすのが雪の狙いだった
「泳ぐにはいい季節ね」
「お〜怖!ゾッとする!」
「凄い師匠」
「大関だから」
「大…関?」
「ツキカゲの戦闘力をランクで表したものよ。モモは序二段。因みに、信二さんは横綱」
ツキカゲは相撲の番付で強さを表していた。信二は1番上の横綱。雪はその下の大関。モモは下から3番目の序二段なのだ
「すみません。助けられっぱなしで…」
「フォローするのが役目と言ったでしょ」
「師匠〜!」
喜びのあまり雪に飛び付くが
「任務中」
厳しいかな。雪は飛び付くモモの頭を押さえる
「それに感謝するなら信二さんでしょ。私は最後小突いただけ」
「信二さんありがとうございます!!」
「雪はあまり褒めないから、代わりに俺がいっぱい褒めてあげるよ」
信二はモモを抱き寄せて頭を優しく撫でる
「あ〜気持ちいい…」
気持ち良くなってモモはウトウトし始めると
「2人共、早いとこ標的の状態を確認後引き上げるわよ」
「は、はい!」
「はいはい」
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それから後日。泳がせたマルコから色々と情報を入手出来た
「マルコは現在、ハマにあるイタリア系のシンジゲートに所属している事が分かったわ」
「シンジゲートのボスは『エモ・パチーノ』。モウリョウの傘下のようです」
「一連の騒ぎは、空崎に進出して来たこの人立ち上がろうとのせい?」
『それはまだ不明です。ですが、空崎を脅やかす敵は排除との事です』
「おっと、濃姫の声を久々に聞いた気がする」
『出番が欲しいです』
そして会議は進む。次のミッションは敵アジトの制圧。決行日は29日との事
各自、決行日まで準備するのだが
「信二さん修行に付き合って下さい!」
「少しオーバーワークじゃないか?クマが出来てるよ」
「あぅ……でも強くなりたいです。今よりももっと…!」
「モモ、時には休む事も必要だよ。頑張るのも良いけど、倒れてしまったら余計に迷惑を掛ける恐れがあるよ」
「迷惑が掛かる」。それを言われるとどうしようも無かった
「修行するなとは言わない。でも心配なんだよ」
「信二さん…」
「そんな訳で行ってらっしゃい!」
「え、何処に?」
モモの背中を押す。その先には、モモの友達2人が居た
「俺はこれで!」
信二はモモの友達に預けてその場を去った
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そしてミッション当日
「この崖を登るの?」
「そうよ。濃姫が割り出したこのルートが最善よ」
「お兄さんは遠慮していただきます」
信二が回れ右すると、襟首を五恵に掴まれた
「信長の自由奔放には疲れる…」
「あはは…」
楓は呆れ、五恵は苦笑いをする
「ほいほい弟子さん達や。そろそろ任務だよ」
そんな雑談しながら制圧ミッションが始まる
ラッパが建物のブレーカーを落として暗くなった瞬間、それぞれの役割りを果たしながら敵を制圧してゆく
信二は、前日まで心配だったモモの様子を横目で伺う
(百地の様子は……大丈夫そうだな)
モモの動きはベストコンディションの様で、軽やかに敵の攻撃を避けて手刀で気絶させる
モモが最後の敵を倒したと同時に部屋に明かりが灯る
「五右衛門は玄関を固めてたとして、私と百地が同じくらい倒したか。いい動きするじゃないのよ」
「やり遂げた!」
「暗闇でもくっきり見える眼鏡を作った局の功績ね」
「いえいえ」
弟子達や初芽の発明である暗視眼鏡のお陰で楽に任務が終わる
「いい具合に料理もあるから、百地の誕生日会でも開くか?」
「それナイスアイディア!」
「え?」
「何驚いてるのよ」
「百地の誕生日なら皆んなで祝わないと」
信二がモモの誕生日会を開こうと言う意見に、次々と賛成をする。今日はモモの誕生日なのだ
「スパイでもお目出度い事は祝って良いのよ」
「皆んな…!」
今日も楽しい1日が終わる────と思っていた
「お疲れ様です」
「お疲れ様モモちゃん。信二君、ちゃんと家までエスコートしてあげてね」
「は〜い。帰ろっか」
2人で並んで店を出ると、モモは徐に夜の月を見上げる
「生暖かい夜だな…」
「確かに今夜は」
「ニオイ…ニオイ…!」
聞いた事のある声がして2人が振り向くと
「「がっ!?」」
「イラッシャイマシター!」
前日電車内で戦った女がWasabiまで追って来ており、振り抜く一撃で信二とモモは扉を突き破って店へと殴り飛ばされる
「いっで…!」
「モモちゃん!信二君!」
「か、カトリーナさん…避難して下さい」
「傭兵ドルテ…!」
『傭兵ドルテ。私が持つデータにこの様な姿はありません』
傭兵ドルテ。濃姫のデータベースにも存在しない姿。信二も集中力全開でグローブをはめる
「モモ、カトリーナさん。下がってて下さい」
信二が立とうとするがそれよりもカトリーナが前に出る
「ちょ!カトリーナさ──」
「ハッ!」
襲い掛かるドルテを容易く床へと投げて叩き付ける
「カトリーナさん強い!」
「元ツキカゲだから」
カトリーナは拳銃を構えるが、すぐに起き上がり体勢を整えるが
「二度もモモを狙って来るとは…」
起き上がった背後には雪が刀を片手に待ち構えていた
「ウガァァァ!!」
ドルテが雪に狙いを変えるも、刀を抜き一瞬で峰打ちで倒す
「モモ、怪我は大丈夫?」
「す、凄すぎです…自慢過ぎる師匠です…」
その言葉を最後にモモは倒れてしまった
『うふふ!あはは!』
『マテー!』
『ん?』
楽しく浜辺を走るモモ。そんなモモに後ろから何者かの声がした。
振り返るとドルテが猛ダッシュで追い掛けて来た
『あわわわわわわ!!』
「うわっ!」
という夢を見ていた
目覚めたモモの目に最初に映ったのは
「あれ?師匠…?」
「アイツなら倒したわ。此処は私の家。貴方は疲れとダメージで寝込んでいたの」
気を失ったモモの事を、ずっと雪は側で看ていてくれた
「信二さんからの伝言。『次からは体調管理をしっかりするように』だそうよ」
2人からそんな心配をされるが、自分を気にしてくれていた事に嬉しくも感じる
「モモ、今回からのシンジゲートはまるで疑いの矛先を逸らす様に湧いて出て来たモウリョウだと思わない?」
「じゃあ師匠はまだ…」
「えぇ九天サイエンスを疑っているわ。モウリョウそのものか、もしくはその協力者か。私の勘がそう言っている」
雪はまだ諦めていなかった。九天サイエンスの事を。そして、自分の勘が何かモウリョウと繋がりがあると予感している
「モウリョウの恩恵に賛同し出資して、恩恵を得ている者達も捕まえないと悪を根絶する事は難しい」
雪は話しを切り上げて立ち上がる
「刀を振って来るわ」
「なら私も!しっかりと休みましたので!」
「そう、じゃあ付いて来なさい」
「はい!」
師匠の背中を見て、心を滾らせて仲良く刀を振る師弟コンビだった
GWに入りますので何とか早目に投稿出来ればと思います
ここまでの拝読ありがとうございました!