RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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最近眠たい…

ではミッションスタート!


MISSION:08 花は咲いた

「モウリョウは行ったかな?」

 

『はい。如何やら上手く切り抜けれましたね』

 

「急いで戻るよ。雪も心配だ」

 

撤退したと思われた信二だが、実は少し離れた場所で隠れてやり過ごしていた

 

モウリョウがいない事を確認して急いで、暴れた現場に向かう

 

「えっと…居た居た!」

 

信二は倒れてる雪の元へ駆けつける

 

「信二…さん」

 

「ヒュー!あの一撃をギリギリで避けるとは流石だね!」

 

刀で体を裂かれて死んだと思われた雪だが、実は体をズラして致命傷を避けたのだ。

血に関しては、初芽の秘密道具で液体を噴射した

 

「とにかく此処から離れよう。車に移動するよ」

 

「それなら、自動運転装置がついてるからそれを」

 

信二は雪を抱えて車に乗りその場を離れた

 

車は雪の言う通り自動運転で、信二は雪の手当てをしていた

 

「避けたとはいえ傷はあるな。ほら、服を脱いで」

 

着てる戦闘服を脱がして包帯など応急手当てで済ます

 

「一度病院に行こう。そこでちゃんと治療してもらい、準備を整えてから再度モウリョウに仕掛けよう」

 

「そうね。モモ達も何とか…うっ!」

 

「無理すんな」

 

そして病院に着いて色々と検査した結果、体の傷以外にも右脚を杖が必要な程負傷していた

 

「今日のところは病院で休もう。取り敢えず必要な物を持って来るから」

 

「ありがとうございます」

 

疲れた体をベッドで横になって休ませる。時が来るまで、信二は雪の元で見張りも兼ねて見守る

 

「…信二さん、これからモモの事をお願い出来ますか?」

 

急な会話に信二はビックリする。そしてその内容も

 

「ツキカゲを卒業しようと考えているんです」

 

「確かツキカゲを卒業する時って、スパイスの効き目が短くなって来てからが多いって聞いたけど。もしかして…」

 

「えぇ。ツキカゲのサポートとして活動するか、記憶を消して一般人として生活する。私は後者を考えてるの」

 

「でも…。あ、そうだ!俺のスパイスをあげるよ!そうすれば!」

 

信二が使うスパイスは特別に手を加えて作った物。性別問わず、年齢にも制限が無い。それを使えば、いつまでもモモの師匠であり、ツキカゲとして活動出来る

 

それを提案するも雪は断る

 

「その必要は無い」

 

「理由を聞いても?」

 

「お互いに甘えてるのよ。師匠、弟子離れをしないといけない。それがモモの弱点でもあり、私の弱点でも…ね」

 

喋る雪の表情はとても寂しそうだった。それでもいつもの顔になり

 

「でもまだその時では無い。色々と落ち着いたら、改めて頼もうかしら」

 

「分かった。その時は任せてくれ」

 

雪はクシャッとした笑顔をした。そしてスマホの方へ顔を移すと立ち上がった

 

「如何やらモモ達が動き始めたようね」

 

「何で分かるの?また勘ってやつ?」

 

「言ったでしょ。師匠離れ、弟子離れが出来て無いって」

 

雪は信二に手を借りつつ車へと乗り込む

 

そして走る事数十分

 

 

 

 

 

////////

 

「弟子組発見」

 

信二は車をモモ達の側に停車させる

 

「3人で乗り込む気概は買うけど、サポートがいなければ辛いでしょ?」

 

雪は車から降りてモモ達に顔を出す。勿論、雪の安否を確認したモモは大喜びだった

 

「そっちもそっちで元気で何より」

 

車の窓からは信二が顔を覗かせていた

 

「信二さん!もしかして」

 

「そうよ。色々と助けて貰ったのよ」

 

雪は3人の顔を見て確信した

 

「貴女達は3人だけで戦おうと決めたのね。私無しでも脱出も決断もきちんと出来たの…ね」

 

「「「あっ!」」」

 

よろける雪をモモは受け止め、心配の声を上げる

 

「お体は大丈夫何ですか?」

 

「サポートぐらいなら出来る…」

 

「私、師匠と長穂さんの魂と一緒に戦います!」

 

「良かったね。モモち」

 

「ごえっちも絶対大丈夫よ!私だってバカ師匠を止めるから」

 

「皆んなそろそろ出発するぞ」

 

「はい!やろう、皆んな!」

 

 

 

 

 

////////

 

「常日頃モウリョウに出資して下さる協力者の皆様!本日はようこそお集まり下さいました!我々の一大作戦、ゲッカコウを安全なこのシェルターでごゆるりとお楽しみ下さい!」

 

モウリョウの活動拠点である九天サイエンス。そこでは安全なシェルター内で、これから始まる作戦の宴を開いていた。

勿論、そこには命の姿も

 

「面白そうな宴だな天堂」

 

「お前も来ていたのか」

 

「只の見学だ」

 

天堂と喋る相手はスーツを着た男性だった

 

「それよりアイツは殺して無いよな?」

 

「ああ。寧ろあっちから逃げて行った」

 

「そうか。なら帰るとしよう」

 

「最後まで見て行かないのか?」

 

「負け戦に興味は無い」

 

それだけ言うと、その男を九天サイエンスから出て行った

 

 

 

 

 

「目標は散布装置の破壊。リミットは18時。ツキカゲ、ミッションスタート!」

 

雪の合図と共にモノミが上から爆弾を投下、ラッパが発煙筒での誘導させる

 

その間に信二達は九天サイエンスに潜り込む。

潜り込んだ場所は訓練所と思われる所で、そしてテレジアが待ち伏せしていた

 

「テレジアちゃん!」

 

「わざわざ殺されに来るとは!」

 

「時間が無い。此処は任せて!」

 

テレジアの相手は五恵に任せて、他3人は先を急いで横を抜けて行く

 

「──ボルテージマックス!」

 

「──ピリッとするよ!」

 

五恵とテレジア、お互いにスパイスを使っての完全な武装で2人の戦いが始まる

 

急いだ先に待っていたのは裏切り者の命

 

「ようこそモウリョウの巣へ」

 

「此処は私が!」

 

「健闘を祈るよ!」

 

今度は楓が2人を先に行かせて、上の階へと駆け上る

 

「最上階は今シェルター仕様にしたんだ。人間業じゃ入り込めないよモモち、信さん」

 

「それでも私達で止める!」

 

そして

 

「──弟子とのバトルとは刺激的な体験だ!」

 

「──今のアタシは一味違う!」

 

こちらもスパイスで臨戦体勢に入る

 

「師匠は止めます!」

 

「止まる必要ないね!」

 

 

 

 

走る信二とモモの前に大量の人形が立ちはだかる

 

「全開で行くぞ!」

 

「はい!──滾る心で切り抜ける!」

 

「──全力でReady Go!」

 

 

 

 

 

////////

 

「フッ!ウッ!」

 

「ハァッ!!」

 

五恵とテレジアの戦いはヒートアップしていた。両手で持つジャマダハルの連続を仕掛けつつ、五恵も手甲と盾を上手く使い受け流し攻撃へと転じる

 

「フアァァ!!」

 

振り抜く一撃でテレジアのジャマダハルをひとつ破壊する

 

「何故わざわざ武器を狙った!?」

 

「友達になる為に」

 

「お前もか!」

 

今の五恵は初芽と同じく、テレジアと友達となる為拳を振るう

 

「そうだよ、弟子だから」

 

「もう初芽は死んだ!」

 

「師匠が死んだなんて信じない!それに今、私は師匠も一緒に戦っている。思いは同じだから!」

 

「どいつもこいつも…!今更そっちに行けるかぁぁ!!」

 

テレジアの渾身の一撃。踏み込んだ風圧で地面の砂が舞い上がる

 

「大丈夫」

 

「えっ…?」

 

「大丈夫だよ」

 

「なっ!?」

 

テレジアの一撃を五恵は素手で受け止め砕いた

 

「ハァァァ!!」

 

五恵の振り抜いた拳が、テレジアを直撃し大きく体が吹き飛んだ

 

これにて決着がついた。テレジアは倒れ、武器も全て失う

 

「師匠なら全部許すと思うから、私だってそうするよ。師匠の弟子だから」

 

五恵はテレジアの横を歩きつつ言葉を掛ける

 

「全部終わったらまたお話しようテレジアちゃん。ゆっくり少しずつ」

 

五恵が立ち去ってテレジアは呟く

 

「ゆっくり…少しずつ…。私は行っていいのかな?あそこに…」

 

目を閉じて2人の事を思い浮かべる。

そして目を開けると

 

「っ!?」

 

目の前に、天堂が顔を覗き込んでいた

 

「良くないな敵に感化されるとは」

 

「わ、私は…」

 

「赤のゼリーが起動しなかったのは取り除いてもらったのか?馴れ合いおって」

 

天堂は刀を抜き、テレジアの手首を容赦無く切った。切った所から止めどなく出血する

 

「失敗作め。己の選択を後悔しながら死ね。慰めてくれチッチ。育成をミスった」

 

出血して薄れゆく意識の中でテレジアは手を伸ばす。その先にある光りに

 

だがそれも届かず、力無く腕が地面へと垂れる

 

 

 

 

 

「フー始める前に提案があるよ!フーもメイと一緒にモウリョウに入らない?」

 

「入りません」

 

「モウリョウに入れば悪事で凄く稼げるよ!」

 

「魂は売りません」

 

「楽しい事やりたい放題!」

 

「現実を見て下さい!」

 

命の誘いも楓は全て断る

 

「アタシはモウリョウに入る気はありません」

 

「元からメイはフーだけは助けるつもりだったんだ。フーと一緒に居たいもん」

 

「アタシだって師匠の事は今でも大好きです」

 

「だったら…」

 

「だからこそ間違っていれば全力で否定する!それも弟子の務め!」

 

命の言葉を遮り、正しい事をハッキリと口にして命の考えを否定する

 

「ほぅ、生意気過ぎ!躾けてやる!」

 

楓と命の武器は手裏剣とクナイ。物は違えど中距離武器。それを手に持ち強引に近接へと持ち込む

 

「止められるかな?師匠を!」

 

「止める!止めてみせます!」

 

一度距離を置いて、手裏剣とクナイの投擲で牽制し合う

 

命の着地の瞬間を狙い、手裏剣を四方向同時に飛ばすが、煙幕で姿を撹乱させて上手くかわす

 

そして瞬時に、楓の背後を陣取りスマホからワイヤーを飛ばすが、楓は寸前で体を低くして足を払おうとする。だが、そんな事が通じる事も無く難無く避けられた

 

「やるじゃんフー!」

 

お互いに一歩も譲らずの戦いだったが、命は後ろの階段を駆け上りながら、リップクリーム型の爆弾を幾つもばら撒き立ち去って行った

 

「ちょ!?」

 

勿論大量の爆弾をばら撒いたせいで、その階全て吹き飛んだ

 

何とか窓から脱出して命辛々逃げ延びた

 

「痛たた…。無茶苦茶だわ。でも…」

 

 

 

 

 

「ふぅ〜!派手にぶっ飛ばしちゃった〜」

 

命はやり切った感を出しながら、天堂と合流した

 

「で、肝心のゲッカコウどうやって薬を撒くんです?そろそろ教えて下さいよ〜」

 

「もう作動する。これを協力者の前で読み上げてくれ。私はヘリで現地に向かう」

 

命はメモを受け取り意気揚々とスキップして、協力者が待つシェルターへと行く

 

「さあ!いよいよ皆さんに散布装置をご覧頂きましょう!あちらの工場をご覧下さ〜い!」

 

窓の外へ目を向けると、なんの変哲もない工場が変形して、地下から巨大な花が咲いた

 

あまりのデカさに街の皆んなは、その存在に気付く

 

それは勿論ツキカゲもだった

 

『作戦変更よ!全員今すぐ戻りなさい!』

 

「師匠これって…」

 

『そこは只の避難シェルターで囮りだったのよ!今出てきたのが洗脳装置だわ』

 

『やられましたね』

 

「行ったり来たり面倒くせぇな!」

 

急いで外へ出て体勢を再度整える

 

 

 

日が沈む。時間が迫る

 

「運転行けるわね?」

 

「はい。師匠の愛車お借りします!」

 

「行動開始だな」

 

各々の乗り物に跨り、信二も雪と一緒に車に乗ろうとするが

 

「信二さん、モモと一緒に頼めるかしら?」

 

「え?それは構わないが」

 

信二は車から降りてモモに聞いてみる

 

「モモ、済まないが相席良いか?」

 

「構いませんが」

 

「良し!」

 

信二はモモの腰に腕を絡めて、モモを筆頭に走り出す

 

 

 

 

「という訳で、いよいよ時刻となります!危険な楽しみゲッカコウ!前回より凄〜い洗脳薬を市内に散布しちゃいま〜す!」

 

そして始まるその時

 

「それではメイと一緒にカウントダウンをはっじめっましょ〜!」

 

始まる地獄へのカウントダウン。それはもう止められない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「0」

 

そして散布された




次回でモウリョウ編は最終回です

ここまでの拝読ありがとうございました!
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