RELEASE THE SPYCE lnherited soul   作:シロX

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一度データが消えてしまって、駆け足で書いた今日の話。正直、色々と割愛したと思います

ではミッションスタート!


MISSION:09 ツキカゲに祝福あれ

『モノミが空撮した写真と手持ちのデータを照合して、巨大装置のおおよそが把握出来た。制御室を目指して。私は濃姫と解析を続ける』

 

五恵はスマホで空気中の成分を確認する。スマホには「空気正常」と表示されていた

 

それを見て全員マスクを外す

 

「装置の根元近くは薬が来ないみたい」

 

「自分達だけは助かろうって魂胆ね」

 

薬はドンドン辺りに撒かれて行き、花火大会を見に来た街の人達にも影響が出始めた

 

「装置が見えて来たな。皆んなスパイスの準備を!」

 

それぞれ自分達が持つスパイスを齧り、戦闘モードに入る

 

そして装置付近まで来たのだが、目の前には人形の壁が立ち塞がる

 

「ッ!」

 

だがモモは、迷わずアクセルを全開にして進む

 

「お、おい。目の前に人形がいるんだぞ!ぶつかるぞ!!」

 

「このまま突破します!しっかり掴まって下さい!」

 

「駄目です!」

 

「やぁぁぁ!!」

 

勢い良くぶつかった人形達は、全部吹き飛び何処かへと落ちて行った

 

そのまま勢いに乗り、2人はバイクを乗り捨てて装置を繋ぐ配線の上を駆け抜ける

 

「ったく、危ないでしょ!今回は注意で済ましますけど、次は免停ですからね!!」

 

「何緊張感の無い会話してんのよ」

 

後に続いて楓が後ろから付いて来る

 

門は突破した。けれど次の人形が待ち構えていた

 

「どうする?」

 

たじろいで足を止めてると後ろから

 

「皆んな!」

 

「「「うわっ!?」」」

 

五恵が3人を抱き抱えて人形の上を走る

 

「クラッとするよ!」

 

「「「えっ!?」」」

 

「ハァァァ!!」

 

五恵の力で、3人は更に上へと投げて先へ進ませる

 

「ここは任せて!」

 

今は一分一秒が惜しい時。五恵の判断で自分がその場を引き受けて、装置の破壊を3人に託した

 

「いつもありがとう五恵ちゃん」

 

「頼れる横綱だわ」

 

五恵に感謝するも敵は待ってはくれない。既に待ち伏せしていた人形が、3人に向かって来る

 

「食い止めるよ!」

 

「制御室はアタシが!」

 

「モモは俺が守る!」

 

楓が制御室に向かった為、信二とモモがその場の人形を相手にする

 

ようやく装置の中間地点にまで登り詰めたのだが、いかんせん手が足りない

 

それでも諦めずに拳と刀を振るい続け斬り捨て、打ち砕く

 

街の方では着々と薬が散布されて行き、人々が苦しみ、意識を失い始める

 

「はぁ…はぁ…」

 

「これじゃあキリが無い…」

 

切羽詰まるこの状況。体力に自信のある2人が肩で息をする。更にそろそろスパイスの効力も切れる時間だ

 

『源モモ、緒方信二。洗脳が完了するぞ。無力だな』

 

天堂の声が人形から聞こえる。如何やら、何処からか人形を介して信二達の様子を見、通信してる

 

「お前みたいな奴に負けてたまるか!」

 

『無駄な努力のいうものだ』

 

「そんな事あるか!」

 

信二が駆け出して声がする人形を突き上げる

 

「もっともっと滾る!」

 

そしてモモはジャンプして空中で一刀両断にした

 

人形を破壊した事により通信が切れる

 

「ナイス滾り!」

 

「でもまだまだ!」

 

「だよね!」

 

そして通信が切れると同時に、何処かで爆発が起きて装置が止まった

 

その原因を知ったのは、制御室に向かう途中で足止めを食らっていた楓がいち早く気付いた

 

 

 

 

 

「モモ良く吠えた!」

 

「さぁ、鬱憤を晴らすわよ!」

 

楓が見たのは、カトリーナと白虎の姿だった

 

大量に人形が蔓延る中をカトリーナは二丁拳銃で、白虎はスパイスで身体強化してトンファーで薙ぎ倒す

 

「2人共!やっぱりしぶといわね」

 

『これは…どうなっている?』

 

「死すら偽造してこそスパイ」

 

 

 

 

 

思わぬ事態に呆気に取られる天堂に命から緊急の通信が入る

 

『天堂さん大変!大変なんだよ!乾杯したら皆んな倒れちゃって!』

 

「…貴様の仕業だろうが」

 

裏切りを察した天堂はそう命に投げ掛ける

 

『あれ?もう気付いちゃってた?』

 

「毒を飲まされた事を忘れたのか?」

 

こんな時の場合を想定しての九天ゼリー。それを脅しの材料として使うが

 

『命ちゃんには解毒剤を飲ませましたよ』

 

「なっ!青葉初芽!?」

 

増援もだが一番の驚きは初芽が生きていた事。これには流石の天堂も予想外で、驚きの表情を隠せれなかった

 

 

 

 

 

「五恵ちゃんただいま。お待たせです」

 

『えっ…し、師匠?』

 

「はい五恵ちゃん」

 

『い…生きてるって信じてました!!』

 

初芽の声を聞き、生存を確認した五恵は喜びの感情が爆発して周りの人形諸共吹き飛ばした

 

「モウリョウをたらし込んじゃった」

 

『師匠ダブルスパイだったんですね!ビルで戦った時そうじゃないかと思ってました!』

 

楓も命との交戦で何か感じ取っていたようだ。だが、命が二重スパイだった事より楓が食い付いたのは

 

『それで…たらし込んだって何ですか!?』

 

着眼点が間違っていた楓。そんな可愛い弟子にも分かりやすく命が説明する

 

「いや〜苦労したんだよね〜」

 

時は遡り、2年前にモウリョウの基地を見て命は規模の大きさに驚き、それをカトリーナと共に話し合って決めた計画だった

 

自分が裏切り者となって敵の懐に入り込んで一網打尽。

命以外でも良かったが、初芽では不向き、そして雪に関してはその時期は精神的に不安定だった。だが命は違った。自分の性格も考えた結果、自分が一番の適格者だったから危険を承知して受け入れた

 

それからは長い時間を掛けての計画が始まった

 

今回も命が裏で色々と根回しをしていた

 

Wasabiでの爆発も、事前にカトリーナに逃げる様に連絡して白虎と共に上手く脱出した

 

初芽の時もそうだ。テレジアとの交戦の最中でギリギリの所で、その意図を伝えて一芝居協力してくれた。命にやられたフリをして海中に沈んだ時、待機していたカトリーナが用意していた死体のダミーとすり替えて死を偽造

 

そこまでは完璧だったのだが

 

「でもユッキーは誤算だったよ。モモち人質に取られて斬られちゃったから」

 

命も雪が斬られるのは想定外の事態だった

 

「いや〜、全部が狙い通りにはいかないねぇ」

 

『全く…。信二さんが居たから何とかなったものの。後で覚えていなさいよ』

 

「だ、だから去り際に謝ったじゃん!」

 

これにて全ての種は明かされた。命は最初からツキカゲを裏切っていなくて、初芽やカトリーナ達の無事

 

完全に形勢逆転をしたツキカゲ。装置も破壊し、残るは天堂のみとなったが

 

『詰めが甘いぞ命』

 

動かない筈の装置が再度起動して、薬を散布し始めた

 

「はぁ〜!?」

 

「再起動している!?」

 

『お前が得意げに喋っている間に、予備の動力へ切り替えたんだよ』

 

それを最後に天堂は通信機を破壊して強引に通信を切った

 

 

 

「薬の散布も間も無く再開される。さっきまでの蓄積分と合わせて、すぐに洗脳は完了するぞ」

 

 

 

『装置の解析が終了したわ。真上からの爆発物を投下すれば効率的に破壊出来る!』

 

『でも大きな爆発物なんて今は!』

 

『大丈夫あるわよ!それをモノミに投げ込ませれば!』

 

『阻止される前にあの女を排除しなければ!』

 

準備が出来ているが、全員がその場で足止めされていて動けない。命や初芽も、その場からでは遠過ぎて間に合わない。

しかし2人だけ、今も尚天堂の元へ向かう者が居た

 

「それなら任せろ!」

 

「百地、信長行けます!」

 

スマホに搭載されてるワイヤーを巧みに使い、天堂が居る場所まで辿り着いた

 

装置のアンテナと思われる最上部。円形で狭い場所

 

『モモ、剣の技量では及ばない相手よ』

 

「それでもやってみせます」

 

『奴は服の中に暗器を隠し持っている』

 

「気を付けます」

 

信二とモモは、雪の言葉を聞きながらゆっくりと天堂へ近付き拳と刀を構える

 

『あの時右肘を斬ってやったわ』

 

「参考にします」

 

天堂も自らの体に薬を打ち込む

 

『2人共、持てる力の全てで戦いなさい!』

 

「──滾っていきます!!」

 

「── Ready Go!!」

 

信二とモモはスパイスを含んで目の色を青と金に。天堂も液状化した薬を打った事により、スパイスと同様の効果を発揮し目の色が紅に変わる

 

「先手必勝!」

 

最初の攻撃はモモ。天堂も刀で対抗して鍔迫り合う

 

「源モモ、お前の事は調べたぞ。警官の父親が死んでいるな。何故死んだのか我らモウリョウは真相を知っているぞ!」

 

だが今のモモにはそんな精神攻撃は効かない。これも、師匠である雪の鍛錬のお陰

 

「チッ!」

 

「ぶちかます!」

 

信二の猛烈なラッシュ。刀相手に素手は危険が伴うが、グローブに付いてる鋼で天堂の刀を受け流していく

 

「ハァァ!」

 

そこにモモも加わる。任務では共にしていたが、共闘は初めての2人。だけど連携は完璧

 

信二が攻撃を受け流し、モモがその隙に斬り込む

 

「片手とは私も舐められたものだ!」

 

「グッ!?」

 

「先ずは1人」

 

足に蹴りを入れられ、一瞬隙が出来た信二に天堂は容赦無く刀を振り下ろす

 

「片手だって?」

 

信二は包帯で巻かれてある右手で刀をいなした

 

「なっ!?」

 

「ぜりゃあ!」

 

鋭く、重い一撃は天堂の腹を貫く

 

「まだ完全には治っていないけど、痛みだけ我慢すれば殴れない訳では無い」

 

「なるほど…な!」

 

天堂が手を翳すと服の袖から針が飛び出て来た……が、雪の忠告通り注意していた為簡単に避ける事が出来た

 

「フッ!」

 

「っ!?」

 

今度はモモの番。振り上げる刀を見上げる天堂に向かって、モモの胸に隠れ潜んでいたカマリが飛び出す。さっきのお返しと言わんばかりだ

 

怯んだ隙を狙うもそれすら刀で遮る

 

競り合う中で天堂は一度距離を置き、更にもう片腕から今度はワイヤーを出してモモの刀を奪っていく

 

そして流れ込む様にモモの懐に入るが、その前に信二が立ちはだかる

 

「モモ!」

 

「!!」

 

信二はリップクリーム型の爆弾を、自分と天堂の間に投げる

 

「コイツ!」

 

至近距離での爆発。モモは信二が庇っていた為何事も無かったが、信二は軽い火傷を負う。天堂も寸前の所で鉄扇で防御するが、爆発で彼方へと飛ばされる

 

モモは信二の火傷を心配したが、すぐさま自分の刀を拾う。そして、透明クリームで刀の刀身を透明化させて太刀筋を見せなくさせる

 

「これ以上皆んなに酷い事はさせない!」

 

「素敵な事だ。導いてやるのだから!」

 

斬り込むモモにカウンターで蹴り返されて、外へ投げ飛ばされて落ちそうになるが

 

「モモ!」

 

信二がスマホのワイヤーでモモを捕まえて、そのまま天堂の方へ投げ飛ばす

 

「我らが適切に運用してやる!」

 

鋼と刀のぶつかる音が空に鳴り響く

 

「消してやろう、以前のツキカゲ共と同じように!」

 

「時間が無い!これで決めるぞ!」

 

「出来るものなら!」

 

信二は天堂の足の間を滑り込み、モモは斬り付ける天堂の攻撃をかわして弱点ある右肘を、刀の柄で打ち上げる

 

「魂は誰にも消せない!」

 

「図に乗るな!!」

 

すぐさま刀を引っ込めてモモを掴もうとするが

 

「──ッ!?な、何だ!?」

 

「ツキカゲは、皆んなの想いを背負って戦っているんだ!」

 

天堂の動きを封じ込めた。信二が先程滑り込んだ時、天堂の足下にワイヤーを仕掛けた。後はワイヤーを引っ張れば、自動的に天堂の体に巻き付き拘束

 

勿論モモは見逃さなかった。高く跳び、落下の勢いを付けての一閃

 

「ハァッ!」

 

天堂の胸を切り裂いた

 

「あ…あっ……う…」

 

天堂は後退りながら手すりにもたれ掛かる

 

そして残り時間が僅か。丁度上から、モノミの爆発物の投下

 

「「いっけぇぇぇぇ!!」」

 

それに合わせて、信二とモモはリップクリームを投げ飛ばしてくっ付ける

 

そして爆発物は爆弾を付けたまま落下して行き、装置の破壊と共に空高く花火が打ち上がった

 

「残り0.7秒。一応間に合ったね」

 

「はい!」

 

「私が…こんな子供相手に…」

 

「「……」」

 

「フッ…」

 

天堂は何か満足した表情をして、自ら落下した

 

「信二さん」

 

「何?」

 

「何でもありません!」

 

「そう?」

 

モモは笑顔でそう言って、2人仲良くツキカゲの皆んなが待つ場所へと歩いて行った

 

こうしてツキカゲとモウリョウとの、長きに渡る戦いは幕を閉じるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一週間の時が過ぎる




第壱章、これで終わりとか言っていましたがすみません。あと1話ですね。嘘つきました。でもスパイは嘘をつく生き物
次回で、このモウリョウ編は終了します!

ではここまでの拝読ありがとうございます!
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