気ままな短編集(二次創作)   作:久遠の語部

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お題:何でも鑑定団in カルデア

ちょっと期間が空きましたが、元々不定期投稿と言っていたのでセーフということで。
(リアルでバタバタしてました)


お題13:触媒鑑定in召喚ルーム

 戦力の増強は何時どんな時でも求められている。カルデアの電力にもよるが、出来るだけ用意出来る戦力を整えておくべきだろう。

 「……という訳で新しいサーヴァントを召喚したいんですけど、いい案はありますか」

そんな思いから、聖杯戦争にも詳しい諸葛孔明に相談するために彼の部屋で話を切り出した。

 「ふむ……一般的な話であれば教授しよう」

 「お願いします」

 「まず、一般的なサーヴァントの召喚だが、召喚したいサーヴァントに連なる聖遺物を触媒に召喚を行う。これは、私が参加した聖杯戦争でも変わらない点だ。あぁ、アサシンとバーサーカーだけは一節を加えてクラスを指定することが出来るが、それ以外は基本的に出来ないと言っていいだろう。そもそも、それがこのカルデア式の召喚に何処まで通用するかは分からないが」

流石は、依り代が時計塔で魔術を教えていたと言うだけはある。ロードというのはあまり分かっていないけど、先生としては人気だったんじゃないだろうか。ふと思うことがあり、一緒にゲームをしていた二人の男性を見る。

 「じゃあ、イスカンダルさんを召喚したかったら、イスカンダルさんの聖遺物を使うのが一番いいんですね」

 「そういうことだ。しかし、その聖遺物を遣えば必ず同じライダーが召喚される訳でもないのが注意点だ」

 「それはどうかのう。お主であれば儂が出てくると思うが」

 「へー、やっぱり先生でも気にかかることがあるんですね」

 「う、うるさいぞ。ライダー」

諸葛孔明なのか、その依り代であるロード・エルメロイ2世(多分、後者だと思うけど)かは分からないが、やはり縁があったのだろう。

 「ま、まぁまぁお二人とも。師匠が恥ずかしがっていますので……」

その間、ロード・エルメロイ2世の髪を梳かし続けていたグレイが、控えめに間へ立つ。

 「分かりました、ちょっと他の方に相談してみます。お時間を頂いてありがとうございました」

 「この程度のことであれば構わんよ。君の検討を祈っている」

一礼して、ロード・エルメロイ2世の部屋を後にした。

 

 とはいえ、この先はノープランだ。こういう時、誰に相談したらいいだろうか……そんなことを考えていたら、英霊の聖遺物に詳しそうな二人組に丁度よく出くわした。

 「あれ、マスターどうしたの。何か考え事?」

 「もしかして、おしごと?」

折角だから、二人にも協力してもらおう。

 「……と言う訳で、手伝ってもらっていいかな」

 「マスターのたのみだからね。まかせて」

 「私も……いいの?」

 「私は別に気にしないし、エリセも英雄に詳しいんだよね。ボイジャーが言っていたよ」

 「ああ、うん……それなりには、ね」

そんなことを言ったら私なんて……

 「歴史の教科書の知識が殆どだからいてくれると助かるんだけど……どうかな」

 「え、いや、私は別に嫌とか……言ってないから、いいけど」

 「分かった。じゃあ、ボイジャー、エリセ。誰から当ってみる?」

真っ直ぐ手を挙げたのはボイジャー。どうやら、既に思い当たる人物がいたらしい。

「じゃあ……あのひとはどうかな」

 

──イアソンのマイルーム

 「私の船員を召喚したいから、何か聖遺物を持っているなら貸して欲しい?」

 「出来れば、お願いしたいんだけど……」

何となく暇そうにしていたイアソンに声を掛けて見たが、内容が気に入らなかったらしい。反応から拗ねていたことが既に分かっていた。

 「却下だ!第一、私の船員をお前が扱えると思うのか?」

 「でも、メディアもアタランテも、アスクレピオスやディオスクロイも、カイニスもヘラクレスも、みんながりっかをマスターとして、みとめているよ」

 「ふん、それがどうした。アルゴー号の船長は誰が言おうとこの私だ」

自信満々に言ってのけるこの男、確かに間違いはないのだが、どうしてこんなに残念なのだろうか。

 「……イアソンのケチ」

 「ふん、私の船員を使おうなどダ・ヴィンチが許そうとこの俺が許さん。もし、召喚したければ、自分たちで縁とやらを繋ぐんだな!」

 「うーん、そっかー。だめかー」

イアソンの物言いに気になることがあったのか、エリセがボソッと呟く。

 「……もしかして、ライダーじゃないから船が出せない、聖遺物を出せない、とか?」

その、何気ないエリセの一言が、イアソンの端正な顔をピシッと石のように固まった。

 

 「ごめん、まさかあんなことになっちゃうなんて……」

 「まぁ、しょうがないよ。イアソンはイアソンだし」

あの後、ヘラクレスコレクションを持ち出したイアソンを見て、終わらない語りが始まる予感がした一行。しかし、ここで機転を利かせたのがマスターだった。

左の手に刻まれた令呪を見せて、それ以上エリセに近付くとどうなるか分かっているかなぁ、イアソン。何処かのメカクレみたいに花火……いっちゃう?という脅迫により、何とか撤退に成功した。

 「じゃあ気を取り直して……次は誰にあたってみようか?」

 「クラス的にも、ライダーの方が宝具を多く持っているサーヴァントが多いよね」

 「じゃあ、つぎはライダークラスのサーヴァントにきいてみよう」

そうして、取り留めのない話をしながらカルデアの廊下を歩いていると、正面からピンク髪のライダーがいたので相談してみることにした。

 「うん、いーよ。僕は元々、色んな仲間から力を借りていたからね。ねぇねぇ、誰を召喚したい?」

予想は出来ていたが、まさかの即OK。

 「出来るかどうかがまだ分からないから、まずは借りるだけでもいいかな?」

 「そうだなー。だったら、ヒポグリフがいいかな?」

 「どうかな、ボイジャー」

 「うーん、やってみなければわからないけれど、しょくばいにはいいんじゃないかな」

まずはヒポグリフでやってみよう……そんな話で落ち着いた所、何処から聞いていたのかブラダマンデがぬっと現れた。

 「え、上手くいけばロジェロを召喚出来るんですか!?」

その迫真具合に、マスターの脚が一歩後退る。

 「うーん、出来るかどうか分からないけど、ね。出来たらいいなーってことで」

 「あー……そうでしたか。でも、やってみなければ分からないですよね!」

ヒポグリフを触媒にしたら確実に召喚出来ると淡い期待を寄せていたようだ。とは言え、やってみなければ分からないものだ。

こうして触媒を確保した立香は、マシュを連れて召喚ルームへ向かうことに。

 

 さて、召喚召喚。出来たらいいんだけど……私はこの運命に打ち勝てるのだろうか。いや、打ち勝つためにここにいるのだ。

 「それにしても、聖遺物かぁ」

 「どうしました、マスター?」

召喚ルームには、マシュの他に、付き合ってくれたボイジャーやエリセ、ついでにやってきたアストルフォとブラダマンデがいる。

 「いやね、骨董品って言うとさ、カルデアへ来る前に見ていたテレビを思い出して……」

カルデアに来る前、と聞いてマシュが興味を持ったらしい。

 「それはどのような番組なのでしょうか」

 「色んな骨董品を、鑑定士が鑑定して真贋を調べるの。それで、もし本物だったらどれくらいの値打ちがするものなのかを提示するんだ」

よくは分からない素材だらけだけど、他の魔術士が見たら君を殺してでも奪いにくるだろう、と孔明は言っていたけれど、やっぱりその価値が私には分からない。

 「へー、そのような番組があるのですね。何か、決め台詞なんかがあったんでしょうか」

 「うん、あったよ。こう……オー〇ン・ザ・〇ライスって」

カッコつけようとして、なけなしの聖晶石が手から離れていき……

──召喚陣が起動してしまった。

 「「「「「え?」」」」」

 「あ、ちょ、まだ、心の準備が……!」

慌ててももう遅い。既に召喚は始まってしまったのだ。そうして、なけなしの聖晶石を使って召喚されたのは……

──それは、とても紅かった。白すらも紅く浸すそれは、香りだけで数多の人を圧倒する。エリセ以外の全員が目を背ける程に。ついでに、ヒポグリフが逃げ出す程に。

 

何度もそれを見た。それをこの場で見た私は、深く膝を折るしかなかったのだ。

 「……ダメ、だったか」

 「ドンマイです、先輩」

──激辛麻婆豆腐

 「やっぱり、そううまくはいかないかー」

 「……マスター、大丈夫ですか?」

 「……ざんねん」

ふと後ろを向けば、能天気に感想を述べるアストルフォ、マスターの項垂れ具合に思わず心配するブラダマンデ、残念そうに視線を落とすボイジャー、そして、麻婆豆腐を見て目を輝かせるエリセがいた。

 

 あの後、慌ててヒポグリフを追って姿を消したアストルフォとブラダマンデを置いて、今回の結果を整理する。

 「まぁ、エーテル体で出来たものは使えないってことか。今回分かったことは」

 「あたらしいサーヴァント、こなかったね」

 「やっぱり、カルデア式召喚だからかな……それとも、エーテル体じゃ召喚陣に認識されないのかな」

三人が思い思いの感想を述べた所で、整理を終えたマシュが声をかけてきた。

 「ところで、こちらはどうしますか?」

そうして5個以上は積まれた──激辛麻婆豆腐。一体、何がいけなかったのだろうか。

 「これって食べられるの?」

 「普段はマナプリ行きだけど……食べる?」

 「うん、じゃあボイジャー、一緒に食べ」

 「え、わーわー……ぼくはもうちょっとマスターにつきそってみようかな、って」

断られたエリセがジト目でこちらを見る。止めて欲しい。彼はその殺人的な料理を口にしたくないだけなんです。何なら、私も口にしたくありません。

 「まぁ、いっか。それじゃあ、これを持っていくよ」

 「お願いします」

何処か楽しそうに、それを持ち去って行く。

 「たすけてくれてありがとう、マスター」

 「分かるよ、あれを口にしたくはないからね……」

 「それにしても、あれを食べてどうしてピンピンしているのでしょうか。エリセさんは」

今日の所はここで店開きだろう、後の事はダ・ヴィンチちゃんが興味を持ったら調べるかもしれない。

 「そうだ、ボイジャー。キッチンでおやつを作っているって聞いたから食べに行く?」

今回の同行人にもご褒美が必要だろう。

 「いいの、やった!」

 「マシュも勿論行くよね?」

 「ええ、ご一緒いたします」




久々だけど……鈍っていないよ、ね?

折りを見て、また投稿したいと思います。
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