結界師 -奇譚- RTA【完】   作:トウカ

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(アイテム屋訪問)~(強襲イベ)Part.3

 なんで頭おかしくなっちゃわないの? あっごめんもう既に……なRTA、はーじまーるよー!

 恒例行事なので当然言います。

 前回……? 知らんなぁ、なんのことだろう(純粋な瞳)。

 

 えー小学三年目が終わり、春休みに突入したところから動画再開します。

 ヒャッハー休みだぜ! 好きなことする時間だァ!!

 じゃ、修行いこうか(無情)。

 だってやることは何も変わらないのでね、しょうがないね。

 

( 少年修行中 … 倍速中 … )

 

 この三年間ひたすら無想(むそ)りながら式神作ってたので、アイテム欄の式神の数がとんでもないことになっています。

 やったねホモくん、仲間が増えるよ!

 無想を取得していると上乗せ補正どころか諸々の成功率も上昇するのが良いですよね。お蔭で集中的にスキラゲした式神作成は既にLv.10、天井に届きました。

 ここまできて裏ボスが原作で使っていた本人の記憶実力を7割再現できる領域です。

 専用アイテムを使えばレベル上限が上がって9割再現を目指せますが、式神はスキルマで充分なので放置。

 

【明日は母さんの誕生日だ、何を贈ろうか。】

 

 今年の時子さんへの誕プレでは今さっきスキルマ完了したLv.10仕様の式神を渡します。

 食らえ、息子の愛!

 使用すると、作成した時点でのホモくんのステを7割再現した成人男性人型タイプに変わります。つまりバケモンですね。

 そして暫く日常を過ごします。

 

「ただいま帰りましたよ」

 

 時子さんが仕事から帰ってくるシーンが挿入されました。

 まさかの迅速なイベ成立! ラッキー!

 

「少しいいですか、時祓。私が御用達にしている道具屋の方が貴方と会わせてほしいと頼みごとをしてきました。信頼ある方ですしこれもいい機会です、来週の日曜に顔合わせさせたいのですが、時祓はどうですか?」

【時祓は頷いた。】

「日曜はあけておいてくださいね」

 

 はい、これで皆さん何時もお世話になっているアイテム屋に行けるようになります。

 行動範囲が広がるぜ。

 じゃあ学校で式神を作成(内職)しつつ待ちます。

 

 あ、この今までに作り上げた式神の数々は後で役に立つので売り捌いたり捨てたりせず大事にとっておきましょう。

 今のところ無駄にアイテム欄を圧迫させるだけですが、数が必要になってくるんで。

 Lv.10仕様だけでなく、Lv.8 Lv.5 Lv.3など細かく作っておきます。

 Lv.10仕様の式神をほいほい作るとホモくんの精神力が一気に減ってしまいますし、それに弱い式神(当社比)にも使い道があります。

 

 にしてもホモくん、学校は何しに行ってるんだ……式神を作りに行ってるだけなのでは……?

 ホモくんにとって学校は内職場、ハッキリわかんだね。

 

【日曜になった。時子に案内され、道具屋に着く。】

「やあ、君が時祓くんだね」

 

 皆大好き店主さんの御登場です。

 結奇に登場する人間キャラ上位陣の半数がこの店を一度は利用したことがあるくらいのガチ有能キャラ。

 店主さんがホモくんに会いたいと言った理由、それはずばり妖退治の依頼です。

 攻略本の解説によると〝店に訪れた対象キャラに世間話の一環で式神がプレゼントされたことを自慢されたその時、彼の目は式神の術者がどれほど高度な腕を持っているのかを一目で見抜き、対象キャラが信頼している相手ならばと、顔も知らない主人公を信用して依頼を頼む決心をした〟……とのこと。

 条件は主人公が道具屋に来たことがない、ステータス総合が一定の数値以上になっている、スキル「式神作成」がLv.10になっている、「信」が高い一部対象キャラにLv.10仕様の式神を贈る、この四つです。

 

「どうかな、引き受けてくれるかい?」

【時祓は頷いた。】

「――随分とあっさりだね。僕にはありがたい話だが、理由を聞いても良いかな」

 

 こ↑こ↓で出現する台詞選択肢では選ぶものが決まっています。

 

【傲慢な考えだと自覚はしていますが……普段相手をしている妖は、俺の敵ではないんです】

「ほう。おっと失礼、続けてくれ」

【こう言ってはなんですけれど、もっと強い妖と戦ってみたいと思っていたんですよ。ですのでお引き受けいたしました】

「時祓くんの気持ちは分かった。引き受けてくれて感謝する、依頼の詳しい話はまた後日になるが……可笑しいな、君なら全てやり遂げてくれる気がするよ」

 

【道具屋の店主から依頼を受けた。】

【強敵が待ち構えている予感がする。連絡用の式神が来るまでの間、鍛えておこう。】

 

 フラグを忘れずに立てましょうね、あの台詞めっちゃ重要です。

 さぁまた倍速入りますか。

 鍛えといてちょ☆と言われたからには鍛えなきゃいけませんから(通常運転)。

 

( 少年修行中 … 倍速中 … )

 

 それにしても、目にみえたガバも全然ありませんし、順調快調ですね。

 このままノーガバでフィニッシュ余裕ですわこれ。

 勝ったな、ガハハ! 第三部完!

 

【今夜はやけに静かだ。】

「ねえ時祓、またお願いが――――」

【守美子に話しかけられたその時、突如上空から強い妖気を放つ妖が現れ襲い掛かってきた。どうしようか。】

【→ 一人で戦う / 二人で戦う / 距離を取る … 】

 

「時祓!」

 

 ……あ、やっべ。

 今やっているイベント、これは原作最終盤クラスの敵と戦う可能性があるものです。

 竜姫が能力増幅の為に烏森にやってきたようなもんですね。最早災害。

 極低確率で出現する烏森強敵強襲イベですが、戦えるレベルに達していないなら侵入感知結界でヤバい妖が来たことを察した21代目二人が救援にくるまで時間稼ぎするミニゲームを死ぬ気で頑張るか、もうリセットしてやり直した方が良いです。

 強敵ではありますが今回なら裏ボスと共闘すれば普通に勝てます。

 なので二人で戦うを選びたかったのですが……。

 

【術を使って守美子を遠いところまで追いやり立ち向かう、戦闘開始。】

 

 やっちまったなぁ……。慢心でもしてたんでしょうか、連打を止めるのが間に合わずに一番最初の選択肢を選択してしまいました。

 ええい、このままいくぜ! 現時点一回もセーブしてないからリセは無理だし舐めプしなければちゃんと勝てます!

 敏捷が低いせいでこの敵だと素早さ負けして一ターンに三回しか動けないので式神を使う余裕はありません。五ターン経過すると裏ボスが加勢してくれるので踏ん張りましょう。

 

 ホモくんがんばえー! けっきゃいちまけうなー!

 うわクリ食らった……でもホモくんも結しまくって敵の動きを封じます。双方体力はまだまだ残ってますしいけるいけファッ!?

 うせやろゴリッと減ったぞ!!? 一気に赤ゲージになっちまったぜオイ。

 まさかのこのタイミングで敵が再びクリ当ててくるなんて屑運すぎひんか?

 防御しても結局意味はないし回避は今のホモくんにはきつい……。

 諦めるな私、どれだけの努力を重ねてきたと思ってるんだ、過去に乗り越えてきた試練を思い出せ(主にステ厳選)。

 

 奮い立てホモくん! さっき強い敵と戦いたいって言ってたし丁度いいよね!!

 

 おっしゃ連続技発動! 現状最大攻撃の六芒星じゃい!! おかわりもいいぞ!!!

 えっ、うわホモくん凄い! 全部クリ! もしかしてホモくん伝説のプリキュアか? 追い詰められて覚醒するタイプ?

 画面上の私が今後の修行内容を変更すべきかどうか必死こいて考えながらホモくんを操作してます。……敏捷もっと上げるべきだったですかね。でもなぁ……火力を優先したいしなぁ……。

 ギリギリですが敵も満身創痍です、ホモくんってば急所狙いすぎやで!

 五ターン目突入泣いても笑ってもこれが最後ですね、いけー!

 

 またクリティカル……どいつもこいつも攻撃しかしないノーガードの殴り合い合戦でした。

 クリフィスティバル開催中かな? 殺られる前に殺れ精神か? ノーガード戦法をとるのは私ではなくまた別の世界線の走者ですよ!

 

【戦闘終了。】

 

 死ななきゃ安い(真実)。

 総合評価は……ガバが悪いよ、ガバが(真理)。

 本RTAでホモくんの初めて♡(赤ゲージ)を奪ったのは烏森の強敵モブ妖くんでした。

 あーもう滅茶苦茶だよ。

 

【今日はもう動けなさそうだ。式神を使用し、帰路についた。】

 

 ああ、折角のLv.1仕様が使われてしまった……。

 しかしまあ、式神もそろそろ目標数に達することですし、今消費した分も作り直したら他のスキル育成に手を回すべきですね。

 店主さんからの依頼の難易度もかなり高いんで、さっきみたいなガバが依頼中に起きたら間違いなく死にます。

 敏捷は…………諦めましょう。

 それよりも回避が重要です、スキルの練度を上昇させれば問題ありません。

 

 

 そろそろ六年生になりそうなところで、今回はおしまいです。

 動画の最後にこの時点でのホモくんのステータスを載せるので、最短裏ボスタイマン撃破を目指す人がいれば参考資料にしてください。倍速だったので見え辛いですよね?(ホモの半分以上は優しさでできてます)

 そしてそれが叶った日には私にも参考資料をください。

 では、ばいなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私のお父さんと時祓のお母さんが張り合っているのを、私たちはいつも少し離れた場所で眺めていた。どちらが多くの妖を倒したか、どちらが強力な結界を張れるのか、どちらが烏森家に相応しい結界師なのか。

 興味が無かった。

 無かったけど、そうしなさいと言われたから。言われた通りに夜中の烏森で彼と競っていた。

 勝ったり負けたりした、そこまで昔でもないそんな思い出。

 

「い、一瞬で、そんな……」

「あらぁ、この程度で驚かないで?」

 

 彼の兄の様子が変わる。まるで妖か何かを見ているような目だ。もう妖は滅したというのに。

 

「ば……化け物、」

 

 そうか、私は化物だったのか。不思議とすんなり納得がいった。

 しかしそれなら、彼はなんだったんだろう。

 滅するのに時間が掛かりそうな妖がいれば、戦う為に一目散に駆けつける人だった。

 強い人……なのだと思う。私と同じくらいに。でも、彼はもっと上を目指して外に飛び出した。

 答えは今も分からないままだ。

 

 




お気に入り登録ありがとうございます。
想像よりずっと反響があって嬉しいです、もっと結界師ss増えてほしい。

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