俺はいつものように屋上で昼飯を食べていた。いや、いつもなら腐れ縁とも言えるぐらい関係が続いている男と一緒に食べているが、今日奴は風紀委員会の仕事をしているそうだ。
俺自身、奴がいないと少し寂しかったりするが1人でゆっくりと食べるサンドイッチも悪くないなと思っていた。
空は青空。そよそよと吹く風が気持ちよく、陽も心地良いぐらいに暖かい。こんな日はなにか良いことが起きそうな予感がする。そう思えるぐらい穏やかな昼食だ。
明日から1人で食べようかな、などと考えていると出入口の扉が開く。
あいつが来たのかと思い、そちらに目を向けると風紀委員長が入ってきた。俺の幼馴染がぞっこんな女ってだけあって容姿端麗、成績優秀、焼肉定食と非の打ち所のないひとだ。よく手荷物検査をしている所を見るが委員会の仕事にはしっかりと力を入れてるらしく俺も何回か注意されている。最近1年の教室に出没して奇行をしていると噂で聞いたが、彼女に限ってそんなことをするわけがない。大方彼女に嫉妬した女が噂を流したのだろう。
あっちは俺に気づいてないようだ。声をかけた方がいいのだろうか。そうやって迷っていると委員長の後ろから1人...いや人という言葉で表すのがおこがましいほど美しい。そんな女性が現れた。
ゆるふわで長いその金髪、見たもの全てへ魅了するであろうそのくりくりな目、見ただけでわかる人の良さ、控えめな胸。控えめな胸。
全てが美しい。言い表すなら天使、いや女神!!!
気づけば俺の足は彼女らが話しているところに迷わず向かっていた。
「こんにちは。女神様。」
「え?あ...こんにちは。...女神?」
女神はとぼけながらこちらを見てくださった。その顔は本当に美しく、また困惑しているふりのその表情また俺の心をくすぐっている。
俺は気づけばその表情による刺激で地に倒れていた。
顔をあげると女神が慌てて「大丈夫ですか」と言いながら俺の体を揺すっていた。
「女神が美しすぎて倒れただけなので大丈夫です。」
それを聞いてまた女神は困惑する。ははっ自分の美しさを自覚していないなんて罪な神だ。だがそのピュアなところも女神らしいくて美しい。やはり本当に女神のようだ。
少し困惑した後、今度は笑顔で
「大丈夫なら良かったです」
そう、俺に言った。
...また意識が持ってかれそうになった。今度は耐えたぞ。
「えっと...あなたは...」
「あ、いえ。申し遅れました。俺は2年の斎藤です。今後ともによろしくお願いします。」
「先輩なんですね。1年の隅野さやかです。よろしくお願いします。」
半ば困惑した表情のままさやか神は自己紹介をなさった。どうやらさやか神は下界でそういう風に自分を偽って生活しているらしい。自分が神だと公表すれば全員が貢物を持ってくるだろうに、なんて素晴らしいお方なんだ。
「...隅野さん。斎藤くんは少し変なの。」
「委員長。なんてことを言うんですか。女神の前ですよ。」
さやか神は苦笑いをしながら委員長を見ている。委員長が珍しく変なことを言ったからって無理に反応しなくていいのに...なんて健気なお方だ。
「失礼しました女神。こちらをどうぞ。」
そう言い俺は昼飯のバナナを差し出す。そして実はこのバナナ、俺がいつも食べているバナナより少し高く上質のものだ。女神様に捧げるのにちょうどいい。
しかし俺がそのバナナを差し出したと思ったらそのバナナが消えた。
横を見るとそこにはこの学校1のバカということで有名なツインテール。花畑よしこがそのバナナを食べていた。
「バナナうめぇえ〜~」
そしてその感想を言い終える。
「...おい。お前。女神様のバナナだぞそれは。なんの許可を得ずそれを食べた人間は万死に値する。」
その言葉を聞いてアホはこちらを向いてこう言った。
「万死ってなに...?」
俺の堪忍袋は切れてしまったらしく、渾身の右ストレートが奴をとらえ...てない?
手応えはなく、俺の拳は空を切っていた。このアホは最小限の動きで避けやがったのだ。
(こ、こいつ...ただのアホじゃないのか!?)
「これで終わり?」
アホは避けるだけでなくこの俺の事を煽ってきやがる。
「な、舐めるな!!!」
俺は連続パンチを放つ。一発一発が本気のパンチだ。それなのに...
なんでこいつはこんなにらくらく避けてやがる...!??
クソっ...アホみたいに笑いやがって
「あ、さやかちゃん、委員長ひさしぶりー」
「10分ぶりだよ!?」
あろうことかこいつ戦いの最中に女神と話し始めやがった。なんていう屈辱だ。
「く、クソぉーーーー!」
「あっくんのパンチは....もっと速かったぞーー!!」
アホと俺の叫び声が屋上に響いた。それと同時にやつのカウンターが俺に向かってくる。
(甘い!!)
それをすんでのところでかわしてさらにカウンターで返す。勝った、そう思った。
しかし
「あ、さやかちゃんのパンツ!!」
「え?」
その悪魔の言葉をアホが放った。思わず女神の方を見てしまう。
確かに俺とアホの拳が尋常じゃない風を起こして女神のスカートがめくれそうになっていた。
見えそう。
はっと我に返り女神のかおを見る。
「斉藤よ。そのアホとの喧嘩をやめなさい。そしたらパンツを見せてあげましょう」
彼女の顔は困惑に溢れていたが確かにそう言ってるのが聞こえた...気がする。
そして俺の気がそっちに向いているその瞬間俺に強烈な拳が叩き込まれる。
薄れゆく意識の中、口の中には殴られたあと感じるはずの血の味はなく、なぜかバナナの味がした
(エクスプロージョン!!)
ア ホ ボ ーー イ
目が覚めると保健室のベッドだった。横を見るとアホが立っていた。
「....今回は俺の負けだ。次は負けねえ。絶対にだ。」
アホはそれを聞いて無言でサムズアップした。そして俺は親指を下に向ける。
「勘違いすんな。仲良くするつもりはねえよ。」
ベッドから起き上がり、保健室から出ようとした時、
「"上"で待ってるぜ」
確かにアホがそういったのが聞こえた。
けっ...最後までお節介な野郎だぜ
そう思い、一度止めた足をまた前に出した。
勢いだけクオリティ
書きたくなったらまた書きます
あと途中のアホボーイのロゴ?はやりたかっただけです