20区で白鳩が動き始めた。荒んでいた際に出来た部下からそんな報告が来た。最近の出来事といえば笛口さん母娘があんていくを頼ってきた事くらい。となれば来たのは真戸呉緒と亜門鋼太朗かな。私が何もしなければおそらく笛口母娘はお母さんのリョーコさんが死んで雛美ちゃんが金木くん達のおかげで助かるんだろう。物語が始まってきた以上、私も覚悟を決めるべきなのかな……。
でも、彼等を殺しても彼等の代わりが来るだけだし。となれば彼等の戦う術を奪うかな。クインケ破壊はもちろんの事、腕の一本や二本は覚悟してもらわないと。
彼等が笛口母娘に絡む前に蹴りをつけますか。
「こんにちは、喰種捜査官の皆さん」
『なん』
悪いけどそのまま寝ててね。
強烈な蹴りと共に1人の喰種捜査官を蹴り飛ばす。
『これはこれは、その特徴的なマスクSSレート白黒の喰種じゃないか。お前のような大物が何故20区に、いや関係ないなお前をここで駆逐しこの20区に逃げ込んだ喰種も駆逐する』
あれが真戸呉緒、ホントに喰種が嫌いなのね。
『うぉおおお!!』
危ない。
クインケと共に威勢よく切ってかかってくるのは亜門鋼太朗。こちらは、とっても真っ直ぐ実直なのがみてとれる。
「そんなにせっつかなくてもちゃんと相手をしてあげるから大丈夫よ」
彼等の相手には、甲赫と羽赫があれば大丈夫かしら。相手はあの有馬貴将ですらないのだから問題ないわね。
4対の羽赫から制圧射撃を行い、甲赫で亜門鋼太朗のクインケを砕く。
やっぱり、私の力は並どころか上位も上位なようで並のクインケじゃ止められない。
「さあ、終わりにしましょう」
甲赫をしまって羽赫からの一斉掃射。はいお終い。
呆気ないわね。とは言え全員のクインケをきちんと壊しておきましょう。っと確か真戸呉緒が持ってるクインケは笛口母娘にとって形見になるから確保確保。
『……ま……て』
「あら、意外意識まだあるのね」
ホントに意外、殺すつもりが無かったとはいえ意識は飛ばすつもりだったのに。
「やっぱり鍛えてると身体が頑丈になるのかしら?」
『逃がさない……』
「その身体で? せめて今の攻撃を受け流して無傷でいられるくらいじゃないと話にならないわね」
さて、クインケ回収と破壊は完了。あとはやることもないからとっととズラかりましょうか。
21区某所
『おかえりなさいませ』
「うん、お出迎えご苦労さま」
この、如何にもデキる男っぽく見えるのは私の部下の一人。
『さて瀬衣様、この間報告するとお話した今期の風間グループの成果ですが━━━━━━━━━━━━━━』
うん、デキる男なんだけどね。1に仕事2に仕事3、4も仕事の5も当然仕事という仕事厨なのよね。悪いことじゃないけど身体が持つのだろうか。
「わかったわ。このまま勢力拡大をお願いね」
『ハッ! 畏まりました、瀬衣様』
22区某所
『あ! 瀬衣様おかえりー』
「ただいま、千代女」
この子は風間とは逆だから少し困りものよね。
『瀬衣様ーゲームしよゲーム。チヨメねこの間とうとうランキングで日本一になったんだよ!』
「その前に千代女、貴女最後に部屋の掃除したの何時?」
そう、この加藤千代女日がな一日ゲーム三昧。所謂プロゲーマーとして生計を建ててる。勿論安全の為に風間グループの所属だけどね。
『えーとね……わすれた!』
こんなゲームゲームの少女でも22区を任せてるだけあって喰種と白鳩のバランスのとり方は非常に上手い。
「まあお仕事はしてくれてるみたいだからいいわ。それと風間が言ってたわよ、次遅刻したら減給だけじゃすまさないらしいわよ」
『ははは……それは勘弁』
「それと、風間にも言ったけれど始まったわ」
何がとは言わない。言わなくとも理解してくれているし、どこに耳があるかわかったものでもないもの。私の秘密を理解して支えてくれる大事な部下達。あんていくも大切だけど、この子達も大切な仲間。
声から逃げ続けてる私だけど、何もしてない訳じゃない。
味方を増やしているのも、物語の様な結末を迎える気はないから。
『……わかった』
「それじゃあ私は帰るから、たまには掃除するのよ」
21区と22区は瀬衣ちゃんの勢力圏でした。
戦闘描写は苦手。