青き蝶達は華麗に舞う   作:アポーパイ

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第一章
第一話 路上ライブ


 初めまして。私は、倉田ましろっていいます。月ノ森女子学園の高校一年生です。

 

 あ、月ノ森の生徒とは言っても私はお金持ちとか才能に溢れてるとかそういうのじゃなくて、私は他の生徒と比べるとすごく平凡なんです。

 

 一時期は、ある人達のライブを観てバンドを組みたいと思ったけど失敗ばっかで…私が普通だから、私はこんなこと向いてないなんて後ろ向きなこと考えてバンド活動を諦めました。でも、皆の言葉を聞いて、自分の正直な気持ちを伝えられることができて、あの時…もう一度ライブを観に行って私は変わった。いつか、私もあのステージに立つことができる様に努力しようって思えるようになりました。

 

 それからは、平凡な私でも輝ける様に、特別な物を見つけられる様に進んでいこうと頑張っています。

 

 そんな私ですが、今はうちの学校から少し離れた大型ショッピングモールで買い物を終えたところです。ちょっとお母さんに御使いを頼まれたけど、家の近くには売って無いものだったからショッピングモールにきたって感じです。

 

 ...って、私誰に喋ってるんだろう。よ、よくあるんですよね空想にふけること......。

 

 そんなこと考えてないで早く帰ろう...。と思ってベンチから立ち上がると

 

 

 

 

 

•*¨*•.¸¸♪•*¨*•.¸¸♬︎

 

 

 

 

 

 ……?この音...ギター?

 

 駅の入口付近で鳴り出したギターの音に気になった私は、入口に目を向けると人だかりができていた。

 

 凄い人だかり...もうお日様は落ち掛けて夕焼け空になってるのに。やっぱり気になったから、荷物を持って人だかりに近づいたは良いんだけど……。

 

「み、見えない……。」

 

 人が多すぎるのと、私の目の前に身長が高い人がいて背伸びをしても全然見えなかった。

 

 うぅ…こういう時つくづく思うけどやっぱり身長もうちょっと欲しいなぁ……。この前のライブも、真ん中あたりで観てたんだけど前の人の身長に負けてたまーに見えなかったんだよね。

 

 なんて考えてたら、隣の人が抜けてタイミングよく空いたので、そこから人だかりの中に侵入した。中に入ったら意外とすんなり奥に行く事が出来た。

 

 なんとか、ギターを弾いている人の姿を確認できた...。って、あの人高校生...?灰色のブレザーで、月ノ森みたいにこの近辺じゃ見ない制服。

 

 ナチュラルな感じの茶髪で、言葉の通り好青年って感じがする。でも、ちょっと失礼かもしれないけど結構幼い顔立ちしてるからあまりそう見えない。

 

 でも、夕焼けに照らされながら、パイプ椅子に座ってギターを弾いている姿が、ギャップがあって私には凄く様になっているように見えた。

 

 って、あの人の姿に少し見惚れて、ギターの音があまり入ってこなかった……。

 

「……次で最後になります。是非、最後まで聴いていってください。」

 

 そう言った彼の顔は、先程まで弾いていた時の少し笑顔が見えた顔から、真剣な表情に変わった。なんだろう…ちょっと重たい曲なのかな…?と思っていると、彼の演奏が始まった。

 

 

 

 

 

•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

 

 

 

 

 

 右手が弦に優しく触れて音をならした瞬間、ギター特有の、柔らかで温かみがある音が鳴り響く。

 

 彼が弾いているギターの音だけが耳に入り込んでくる。自動車や電車の雑音、雑踏の中の会話や自然の音まで全て無音と化して、彼の音だけが耳に残る。

 

 

 

 

 

 過去の記憶の悲しみ、苦しみ、辛さを感じさせる音色。

 

 

 

 でも、それでいて優しくて力強くて...心が癒される。あの人の繊細な気持ちがそのまま音楽になって直に私たちに伝わってるような......そんな気がします。あの時のライブと同じ気持ちが込み上げてくる…!

 

 

 

 

 

 時間というのはあっという間なもので、彼の演奏が止まり彼が一礼をすると、周りのお客さんが揃って拍手喝采。「良かったよー!」と、賞賛の声を上げる人や涙を流してハンカチで拭き取る人も見受けられる。

 

 そんな私にも、左目から涙が頬に向かってつたっていた。彼の演奏に、感動してしまい言葉では表現しづらい複雑な気持ちになった。

 

 あの人の、借りるとしたら......『キラキラドキドキ』した…かな。

 

「……本日はお忙しい中、僕の演奏に耳を傾けていただきありがとうございました。また、機会があれば行うと思いますので良ければ、その時も1曲でも聴きに来てくれたらありがたいです。改めて、本日は誠にありがとうございました。」

 

 その言葉の後、再び彼に拍手が送られ路上ライブの幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …突然なんですけど、偶然ってあるものなんですね。

 

 今起こったことを話しますと私は路上ライブを観たあの後、もう暗くなりかけてる事に気がついて急いで帰ろうとしてたんです。そうしたらーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっかり暗くなっちゃった…。お母さんに怒られる前に早く帰ろ。」

 

 というか、お使い頼まれてたのをすっかり忘れて路上ライブ観てたなんて流石に言えないなぁ...。嘘ついちゃうけど...電車に乗り遅れたって言えば...大丈夫だよね?実際、遅れちゃったし。うん、きっと大丈夫。

 

 ......し、知らない人に襲われたりはしない、よ…ね?

 

 

 

 

 

 

 

「あの。」

 

「ひぃゃあっ!?」

 

「うわぁっ!?」

 

 

 

 なんてこと言った途端、声をかけられたから...変な声出ちゃった...。なんか…私に声かけた人、私のびっくりした声で驚かせちゃった...。

じゃなくて!一体誰…?

 

 不意に声をかけられた恐怖心が抑えきれぬまま、振り向くとそこには1度見たことがある顔の男の人が立っていた。

 

「あれ...貴方は。」

 

「あの、驚かせちゃったみたいですみませんでした。」

 

「あ、いえ...。」

 

 この人...路上ライブしてたひとだ。でもどうしてここに?

 

「突然すみません、道をお尋ねしたいんですけど...○✕のガソリンスタンドに続く道ってこっちで合ってますか?」

 

「え、あ、はい。そっちで合ってます。」

 

「ありがとうございます!この道来たこと無かったから迷っちゃったんですよね〜。あはは……。」

 

「そうだったんですね。あ、良かったら家に着くまで一緒に行きますか…?私の家もその道なので。」

 

「ほんとですか?ありがとうござ…え?」

 

「?」

 

 あ、あれ…私なんか変な事言ったかな?男の人が驚いた顔をしてこっちを見ている。私は多分、首を傾げてると思う。

 

「だ、大丈夫なんですか?」

 

「…何がですか?」

 

「あ、いえ…じゃあ、お言葉に甘えて…。」

 

 なんだったんだろう?ちょっと疑問に残ったけど気にしない事にした。とりあえず、この人を案内してあげようーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 という感じで、ここまでがさっきまでのお話です。今は、お互い他愛もない会話をしながら歩いて、もうそろそろ家の前に差し掛かるといった感じです。

 

「それにしても、まさかお客さんとして聴きに来てくれた人が、今道案内してくれてるって思いもしなかったよ。」

 

「私も、目の前にさっきまでライブしてた人が道に迷ってたなんて思ってもいませんでしたよ。」

 

「あ、あはは…。」

 

 ちょっと照れくさそうにしている、私たちを感動させた路上ライブをしてた人。

 

 彼の名前は(おさない)拓海(たくみ)先輩。高校2年生の17歳だそうです。ギターは中学生の頃に、元ギタリストの親しい知り合いの人(ギターを弾いてる時は先生って呼んでるらしいです)から教えてもらって弾けるようになったそうです。今日は1人だったけど、いつもはその人とよく駅前で弾き語りをしてるそうです。

 

 よくやってるって言ってたけど、凄い勇気あるなぁって思う。あのライブの日から変わったとはいえ、自信のなさは相変わらずだから…ま、前よりはだいぶマシにはなったけど、でも恥ずかしい気持ちがあるのは否めない…。少なくとも、駅前でライブする勇気はまだない。駅前で路上ライブ出来るぐらいの勇気があるって羨ましい。

 

「そういえば、稚さん。」

 

「どうかした?」

 

「最後の曲弾く時…その前は少ししか見れてないんですけど、途中まで笑顔が見えてたのに、最後だけ表情かたくなってましたよね…?」

 

 稚さんが、演奏を始める前に笑顔から何かを覚悟したみたいに真剣な表情になってたから、それが今ふと気になって聞いてみたけど...ちょっと触れちゃいけなかったかな…。

 

「……あぁ、まぁまぁ暗い話になるけど聞く?」

 

「あ、いえ…話したくなかったら話さなくても大丈夫です。失礼なこと聞いてすいません…。」

 

「んーん、大丈夫だよ。そもそも、自分の話じゃないんだけどね。まぁでも、その人に言わなかったら別に大丈夫だよ。」

 

 い、いいのかな…。

 

「その人っていっても僕の先生の事なんだけど、元ギタリストだったってのは話したよね?」

 

 そのまま続けちゃったので、とりあえず話に乗っかるしかない。

 

「…そうですね。」

 

「僕が弾いたあの曲、実は先生にとってとても大事な曲。彼が、ギターコンクールで優勝した楽曲なんだ。」

 

 私は返事をすることなく黙って稚さんの話を聞く。

 

「その時音楽の大学に通ってたらしいんだけど、彼の先生や、周りの生徒達からも喜びの声が上がって凄い嬉しかったんだって。そこから先生は世界で認められるギタリストになるって夢を持って、何度もコンクールとかで優秀賞を勝ち取ってたんだ。だから、あれは先生にとってかけがえのない曲。でも、認められてから間もない日、ある事故が起きたんだ。」

 

「…事故、ですか?」

 

「うん…。先生、バイクに乗ってたんだけどそのバイクが誰かに細工されててブレーキが効かなくなってたんだ。」

 

「え…」

 

「勿論、転倒したよ。でも、まだそれだけなら良かった…本当に、それだけならね……。実は、先生の右手が車に轢かれてしまったんだ。」

 

「そんな…それじゃあ、手は!」

 

「うん、ギターが弾けなくなった。それがあって先生は一生懸命叶えようとした夢を絶たれてしまった。でも、先生は諦めなかった。折角見つけた夢を、皆が応援してくれた夢をそう簡単に諦めてたまるかとなんとかリハビリを続けながらギターが弾けるように頑張った。でも、やっぱり駄目だった。当時よりはだいぶマシになってるけど、それでも1分もたないで指が動かなくなるって言ってた。それでも諦めたくなかった。でも、どう頑張ってももう夢を追うことは出来ない。先生にとっての夢は、本当の呪い(・・)になっちゃったんだ。」

 

 本当の…呪い?

 

「夢は呪いと同じで、呪いを解くには夢を叶えなければいけない。でも、どんな形であれ途中で挫折してしまった人間はどうなると思う?」

 

「……ずっと呪われたまま、ですか。」

 

「うん。叶えることが出来ない、悲しみ、悔しさ、辛さとかを背負いながら人生を一生生きていくことになるんだ。って、他人の僕が言ってもあの人の本当の苦しみはわからないんだけどね。」

 

「……ぐすっ。」

 

「えっ、あっ、え、だ、大丈夫!?」

 

 あっ…また涙出てきちゃった…我慢しなきゃって思ったのに。稚さんに心配させちゃったかな。

 

「ご、ごめんね。」

 

「っいいえ、私…元々涙脆いんです。その…稚さんの先生の悲惨な過去があったなんて…。しかも、今も…それが続いてるとなるとっ…。」

 

「な、泣かないで!大丈夫だよ!今、先生はその過去はもう捨てきったから。」

 

「捨てた…?」

 

「うん、捨てた。」

 

 でも、夢は呪いと同じなら一生…稚さんの先生にのしかかってくるんじゃ……

 

「自分の夢を、大学の後輩に託す事が出来たからね。」

 

 自分の夢を…託した。

 

「元々、通ってた大学は中退してたんだけど、ちょっととある理由で大学に行ったら、先生に憧れてギターを始めたっていう後輩の人がいたんだ。それに昔の先生みたいに世界で有名なギタリストになるのが夢なんだって。そこで先生が自分の後輩のギターにかける情熱や努力、先生への憧れ、技量全てを見てその人に自分の夢を託したんだ。そうして、自分が叶えられなかった夢を後輩に託して、先生は今を受けいれ新たな夢に向かって歩き続けてるんだ。」

 

 夢に向かって歩き続ける…か。私も、夢とはちょっと違うかもしれないけど特別何かを見つけられるように、もう一度バンドをやって、友達と…仲間と一緒に歩き続けなきゃ。

 

「…どう?涙は治まった?」

 

「あ、はい、なんとか…。お騒がせしてすいません。」

 

「大丈夫大丈夫。こちらこそごめんね。」

 

 こちらこそって言おうとしたけど、なんか無限に繰り返しそうって思ったから止めた。稚さんもそんな気がしてそうだし。

 

「それにしても…災難でしたね。稚さんの先生。」

 

「うん、本当にね。僕も初めて聞いた時はビックリしたよ。…ん?【倉田】…てことは、倉田さんの家ここ?」

 

「あ、はいそうです。」

 

 稚さんと話をしてたらいつの間にか、家の前に着いていた。

 

「てことは、ここでお別れだね。」

 

「はい、今日は迷惑をかけてばっかでほんとにごめんなさい。」

 

 私、今日は午後ずっと泣いてばっかな気がする…。お母さんに心配されそう…。

 

「いや、倉田さんは謝らなくても大丈夫。それじゃあ、またいつか。」

 

「はい、さようなら。」

 

 私と稚さんはお互い小さく手を振ってその場を別れた。それにしても…バイクの転倒事故から、車に轢かれて…あれ…?

 

「稚さん!さっきの話で少し引っかかる事があるんですけど…。」

 

「何かな?」

 

 玄関のドアを開けようとしたが、Uターンして奥に見えるガソリンスタンドに向かおうとしていた稚さんを呼び止め、さっきの先生の会話で気になった事を口に出した。

 

「バイクが転倒してるのに、なんで車はそのまま走ってたんですか?普通なら、目の前に倒れてる先生が見えてるはずだから轢かれないはずですよね…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……気づいちゃった?」

 

 その瞬間、私は少し寒気を感じた。

 

「…それはーー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜♪

 

 

 

 

「!?」

 

 突如、携帯の着信音が鳴り出した。急になったものだから着信音にビックリしちゃった…。一瞬、私のかとも思ったが稚さんが携帯を取り出したので間違いなく稚さんだろう。

 何を話してるんだろう…。なんか、驚いた表情してるけど何があったんだろ。と、携帯をしまった稚さんは迷惑にならない程度の声で私には伝える。

 

「ごめん!この話はまた今度で、少し急用が出来ちゃったから!それじゃあまたね!」

 

 と言って、ガソリンスタンドへ走り去っていってしまった。

 

「何があったんだろ…。」

 

 気になりはしたが、そこまで私が関与するわけにはいかないだろうからとりあえず家に入ろう。もうすっかり遅くなっちゃったし。

 

 

 

 …稚さん、気づいちゃったってちょっと意味深な感じで言ってたけど。まさか…違うよね。うん、多分違うね。稚さんも、稚さんの先生の大切な曲を弾いてたんだもん。そんなわけないよ…ね。

 

 

 

 また新しく疑問点が増えてしまったことを感じながら、家の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その疑問は、母親に怒られたことによって掻き消されてしまった。




 ということで、皆さん初めまして。アポーパイという者です。
いよいよ、Morfonicaがガルパに来ますね。恒例の3周年カウントダウンも来ましたし。いやぁ、待ち遠しいですね。
なんか、賛否両論あるそうですが自分は全然大歓迎です。

 さて、無駄話は置いといて、何気に初めて書いたんですけど如何だったでしょうか?いわゆる処女作ですね。いやぁ……考える頭が無いから辛いな(汗)
 初の試みなのに、まだ実装されてないバンドの小説書くって、中々キツイことしてるなぁって自分でも思います。
が、始めた以上なんとしてもやり遂げたいと思っています。

 ちなみになんですが、作中で拓海が路上ライブで弾いていた曲のタイトルなんですが、今回書こうと思ったんですがまた出る可能性があるかもなのでまた別の機会に。
 また、最初はガルパのカウントダウンに合わせて5日連続で投稿したいと思います。(今日の分を抜かして後4日)
3周年当日なんですが、間に合えば当日に、間に合わなかったら次の日にまわそうかなと思っています。
 Morfonicaのバンドストーリーも、多分当日にプレイ可能になるんじゃないかな…と思うので、解禁されてればバンドストーリーを熟読するので更新が遅れる可能性があります。そこはご了承頂ければと思います。
 色々ガルパの生放送とかある中で書ききれるか些か不安ではございますが、なんとかその日に投稿出来るよう努力したいと思います。

 長々と、書きましたが改めまして、これからこの作品と共に、アポーパイのことをどうぞよろしくお願いします!

 良ければ、誤字訂正や感想等書いてくれたら今後の参考に致します。

 最後に、ましろちゃん可愛いです()

それでは失礼しました!
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