青き蝶達は華麗に舞う   作:アポーパイ

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第二話 暇な時間

「ーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ーー!おーさー、ーーーーでーーい!』

 

『ーーー、いーわー。』

 

『ーーーぁ!おーーーあーーとう!』

 

 

 

 

 

 

 

 ……?この声…って。

 

 

 

 

 

 

 

「ーーみー」

 

 

 

 

 

 

 

『母さー!ーなーすいー!ーーーつくーー!』

 

『ーーーよー!拓ー、絵本ーーーー1ーー読ーーなさい。』

 

『う、ーーー。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 母さんっ…!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーろーーば」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いただーーーす!』

 

『ーーーら、そんーー急いーーーーくてー無くならーーー。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嫌だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーーーきろーーば、たくー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お母さー、僕も食ーーーー』

 

『ーーッ!!これーアーターーゃないの!!人ーー横ーーーるなっーーーたら何回わーーのッ!!!』

 

『ご、ーーんな、ーい。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出したくない………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たくーってば…ーぁ。」

 

 

 

「スゥゥゥ……いい加減起きろって!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁっ!?」

 

「はぁ…拓海、休日だからっていつまで寝てんだよー。」

 

「ん…美菜…か、もうちょっと寝させてよ……。」

 

 昨日…というか今日深夜に寝たからそんなに寝れてないのに…。休日なら別にいいじゃん…。

 

「だーめだ。朝飯もう出来てるから、早く降りてきなよ。」

 

 美菜はそう伝えてから、僕の部屋を出ていき下のリビングに向かった。

 

 男勝りな口調で、僕を起こしに来た彼女は『小野寺(おのでら) 美奈(みな)』僕の一個下の義理の妹。強気でとてもしっかりしていて僕とは正反対の性格。まぁでも、一応年上の僕にも容赦ないんだけどね…。

 

 とりあえず、全然眠気覚めないけど、行かないとまた怒られるしここは素直に起きるしかないか…。

 

 …にしても、なんで昔の記憶が夢に出てきたんだろう。今まで、思い出すことなんてなかったのに。まぁでも、今はもう関係ないし考える必要もないか。とりあえず、着替えて早く下に行かないと。

 

 着ていたパジャマを脱いで、用意していた服に着替えて自分の部屋を出る。階段を降りた先に、朝食を食べてる3人の姿が見えたので、自分もそこに向かう。

 

「おはよう、拓海。」

 

「おはようございます、博士。」

 

「敬語じゃなくてもいいと言ってるだろう?私たちは家族なんだから。それと、ここで博士じゃなくて、お父さんとお呼びなさい。」

 

 隣から挨拶してくれたこの人は、僕の義父の『小野寺 孝一(こういち)』ここまでで、何となく察した人もいると思うけど僕の家族は全員他界した。中学の頃、ここ小野寺家に引き取られて、本当の家族みたいに迎え入れてくれた。

 それと、僕が博士…義父さんのことを博士って呼んでる理由は、この家のすぐ隣に隣接している『小野寺研究所』で博士として様々な物を研究していて、その研究にたまに僕も手伝う事があって、それで慣れてしまったんだ。

 

「んー、なんかもう癖になっちゃってるんですよね…。」

 

「まぁ、いいじゃん。ほら、早く食べないと冷めるよ。」

 

「うん、いただきます。」

 

 箸を持って、僕も朝食を食べ進める。

 ちなみに、小野寺一家は僕を除いて3人家族で母親は病死らしくて、それからは博士、美菜、それと……

 

「全く、お前はいっつも美菜に起こされてばっかで恥ずかしくないのか?少しは自分で起きてこいよ。」

 

 …ちょっと嫌味っぽく言ってくる彼、美菜の実の兄『小野寺 (たかし)』僕と同い年だが、一応義兄として扱われてる。

 

「ちょっと兄ちゃん、またそうやって拓海に嫌味言うんだから。」

 

 美菜曰く、僕が来てからこんな感じの嫌味を言うようになったらしいんだけど(主に僕でたまに博士)僕は全然気にしてない。

 

「…わかったよ。」

 

 でも隆は、美菜にはとても甘い。僕には口ではああいうこと言ってるけど、本当はとても優しい人だってのは、普段の彼等の会話とか接し方を見ればわかる。何となく、2人は共通点多いしやっぱり兄妹なんだなぁ…って思う。

 

「…拓海、俺見て何考えてんだよ。」

 

「え?あ、ううん、やっぱり似た物同士なんだなぁって。」

 

「あ?」

 

「?」

 

「ううん、何でもない。」

 

 隆と美菜はの反応を気にせず会話を中断して、止まっていた箸をもう一度動かす。

 

「そうだ拓海、朝飯食べ終えたら研究所のほうに来てくれないか?」

 

「あ、わかりました。」

 

「だから、敬語をだなーー。」

 

 なんだろう…御使いとかかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 博士よりも先に食べ終えたので、研究所で待っていると家と繋がる出入り口から博士が入ってきた。

 

「すまんすまん、待たせたな。お前に頼み事があってな。」

 

「頼み事ですか?」

 

「あぁ、ちょっとこれを宮野のところに届けてほしいんだ。」

 

 博士は奥の部屋から金属の箱を取り出してきて、僕にその箱を渡した。ちなみに、宮野さんは博士の知り合いで研究仲間らしい。

 

「わかりました。」

 

 僕は、研究所を出て外に停めてある銀色のバイクに箱を取り付ける。このバイクは僕が普段(休日)に乗るバイクで、博士にプレゼントしてもらった。ちゃんと免許も持ってるからね。ちょっと遠いところに向かう時はいつもこのバイクに乗っている。

 グローブとヘルメットを着けていると、玄関から美菜が出てきてどこに行くのと尋ねてきた。博士の御使いとだけ伝えて、バイクのエンジンをかけて発進し目的地へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーてと、この後どうしようかなぁ……。」

 

 何事も無く、博士の御使いを終え今は道路の隅にバイクを停め暇を持て余している状態だ。

 ほんとにどうしようかなぁ……僕、自分で言うのも何だけど興味ない事にはとことん興味ないから趣味とかあんまり無いんだよね…。強いて言うなら、ギターか写真を撮ることぐら……。

 

「あ、そうだ。公園にでもいこう。」

 

 公園に行って、写真でも撮ろうかな。そうと決まれば早速向かおうと、エンジンをかけ直しそこそこ大きな公園へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この後どうしようかな。」

 

 中学の時の同級生の子と一緒に遊んだ後、特にする事も無かったから広場のベンチに座っていた。バンドの子たちも、今日は皆用事があるって言ってたし、学校から出された課題も終わらせたし…どうしようかな。家に帰っても特にすることが無いため、どうしようかと悩んだ挙句…。

 

「とりあえず、散歩しながら考えようかな。」

 

 ということで早速立ち上がって、近くの公園に足を運ぶ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 数分で公園に着いて、木々や花々に囲まれた道路を歩く。日差しもいい感じに暖かく、春の訪れを感じさせる。一月前まではまだ寒かったけど、もうこの時期になると日中は外に出ても寒さを一切感じない。

 

 ん…あれ…あの人って。

 

「稚さん?」

 

「え?あれ、倉田さん奇遇ですね。どうしてここに?」

 

 まさか、昨日会ったばかりなのにその次の日に出会うなんて思ってもいなかった。

 

「えっと…私は友達と遊んだ後何もする事がなかったのでちょっと、散歩に。」

 

「そうなんだ、僕も似た感じかな?御使いを終えて暇だったから、ちょっと写真を撮ろうかなって。」

 

「写真…ですか。好きなんですか?」

 

「うん、暇な時たまーにこうやって写真を撮ってるんだ。」

 

 稚さんは、私の質問に答えながら歩いて次のカメラに写すものを探す。私もとりあえずすることもないので稚さんに付いていく。

 少し歩くと、稚さんにあまり見ない色の生き物が寄ってきていた。

 

「あ…ちょうちょだ。」

 

「え?あ、ほんとだ。しかもモルフォ蝶だ珍しいね。」

 

「モルフォ蝶?」

 

 このちょうちょ、モルフォ蝶って言うんだ。綺麗…。綺麗な青色の翅ですごい幻想的…。モルフォ蝶は稚さんの周りをひらひらと飛び回る。

なんか、私が悩んでたあの時のちょうちょみたい。そう思った私は考えてた事がつい口に出てしまった。

 

「この子も…自分の居場所がなくて迷ってるのかな…。」

 

「え?」

 

「へ、あ!いや、何でもないです!た、ただの独り言ですから!」

 

「…確かにそうなのかもしれないね。」

 

 反応した稚さんの顔を見ると、少し哀しいような…このモルフォ蝶に同情を抱くかの様な目をしていた。

 

「稚、さん?」

 

「モルフォ蝶はね、生きた宝石とか世界で一番美しい蝶って言われてるんだ。」

 

「た、確かに、一番美しいって言われても納得しますね。」

 

「だけど、その珍しさから標本にされたりしてるんだ。まぁ、別に標本にする事が悪いってわけじゃないし、標本にしないとわからないこともあるんだけど。でも、一部の人々は美しい、珍しいが故にこの蝶が飛んでる地域まで行って乱獲して蝶たちの居場所を奪うようなことをしたから、この子も迷ってるのかもしれない。自分の居場所が無くなってどうすればいいのかって。昔の僕みたいだね…。

 

 え?今、稚さん呟いた様な、声が小さくて全然聞こえなかったけど…。気のせい…なのかな。

 

「…そういえば、モルフォ蝶の青色って僕たちの目にそう見えてるだけで実際違うんだよ。」

 

「え、そうなんですか?」

 

「うん、確か無色で光とかの関係で角度によって色が変わるっていうのを前に見た気がする。」

 

「へぇー…稚さん、物知りですね。」

 

「そんな事ないよ、こういう青い蝶が外に出てるとたまに寄ってくるんだ。それでこの蝶の事が気になって調べただけだよ。」

 

 今も稚さんの周りを飛んでますし……なんなら、稚さんが指を出したら止まりましたね。なんだろう…お花の蜜の匂いでもしてるのかな?

 

「なんか、色々言い伝えみたいなのもあるらしいけどそこまではわからないね。」

 

「…不思議な事もあるんですね。」

 

 指の上で休憩をしているちょうちょを見ている稚さんを見ながら感じた。

 

 

 

 

 

 キュルルル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それほど大きくはないが、というかむしろ小さかったが、突然発せられた音にびっくりしたかのようにタイミングよく、僕の指に止まっていたモルフォ蝶は何処かへ飛んで行った。

 それに、今の音って…。周りを見渡さなくても何となく察した。音の出処は今、俯いて顔を真っ赤にしながら腹部を押さえてる倉田さんだ。

 まぁ…言わなくてもわかる。お腹が空いたんだろうね。人体の構造上、お腹の音が鳴っちゃうのは仕方ないよね。丁度お昼時だし。

 

「…」

 

「…良かったら、どこかに食べに行く?」

 

「………はい///」

 

 

 

 

 とりあえず、自分もお腹が空いてきたので倉田さんと一緒に何か食べに行く事にした。

 




あっぶね、本文ギリギリ書き終わった。
って事で後書きは投稿後に書いております()


真面目には書いてたんですけど、1回全部消えちゃって…
思い出しながら書いてたらギリギリになっちゃいました。
本文だけでも、なんとか9時に間に合って良かった…。
でも、急いだお陰で本文も急ぎ足になっちゃったかなぁ…。


最後のシーン、ましろちゃんがお腹を空かせる場面ですが完全に私のこういう場面あったらなっていうただの妄想です()
多分、こういう反応してくれるでしょう。多分。


ちなみにモルフォ蝶なんですが、本来日本には生息しておらずあくまで、この作品内での設定です。後、毒とかあるらしいですけどそんなの知りません()


次回は、今回の続きからになります。


感想、誤字訂正等今後の参考にしますので是非よろしくお願いします。


それでは失礼しました。
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