―ユーキス―
イングラム少佐からの要請を受け、この俺も南極へ向かうこととなった。シロガネのことはそこそこ知っている、EOTI機関の新型の方はめっちゃ知っている。高確率でシュウ君が開発したヤツ、その名も確か…グランゾンだったよな?テストを経て遂にお披露目って感じか、………ふむ。
だとすればタイプTTでは役不足、新型がグランゾンであると読む以上…鼻で笑われる。それは俺がムカつくわけで、…となれば俺もカオスゲインを出さ…ずにソウルゲインにて出動しよう。俺の勘になるんだが、新型がグランゾンであるにしてもアレはまだ未完成だと思う。設計の段階で見たことがあるけれど、どうにも怪しい箇所があった。シュウ君だけが知り得るプログラム、…ブラックボックス的ナニカがあると俺は確信している。そんな未完成グランゾン如きにカオスゲインは勿体ない、その下位であるソウルゲインで十分だ。下位だとはいえグランゾンには負けない、スペック上では劣るけれど乗り手が俺である以上はな!
そんなわけで、俺は一度自分の巣へ戻りソウルゲインに乗ってくる。ついでに俺からの頼みなんだがイングラム少佐、突貫作業になるんだがソウルゲインにT-LINKシステムを搭載しても良いかな?特に移動を考えてフライトシステムだけは是非に!勿論データは渡す、SRX計画の役に立つのなら惜しむ必要がない。…合体は男の夢だよ、PTの合体…是非とも見たいじゃないか!
…よし!流石はイングラム少佐だ、話が分かる!許可が出たのなら俺は直ぐに巣へ戻るよ、ソウルゲインに突貫改修をしなければならないからな!…何、三日後の南極には間に合わせるさ。少し…遅れるかもしれんが目を瞑ってくれ、…というわけでアデュー!
____________________
―イングラム―
南極への出動に同行を頼むと予想通り了承、それどころか妙にやる気があるようだ。その理由を聞こうとするも、ユーキス博士本人からその理由を聞かされた。博士曰くそのEOTI機関の新型はグランゾン、彼のライバルと言われているシュウ・シラカワ博士が開発したものらしい。レイカー司令より渡された資料を確認してみれば、確かにグランゾンでシュウ・シラカワ博士がテストパイロットであると記される。南極での発表まで機密に当たるこの情報を知っているとは、…流石としか言いようがない。
それに伴い南極へ出動する際、博士はタイプTTではなく自身の開発したソウルゲインで行きたいと言ってきた。ソウルゲイン、…聞いたことはある。ユーキス博士が名前だけ公表しているカオスゲイン、とんでもない高性能機だと噂される。そのカオスゲインの流れを汲むのがソウルゲイン、これもまた名前だけが一人歩きをしている。その未知なる機体を出すというのか!?今の今まで噂だけの存在だったカオスゲイン、その系譜に連なるソウルゲインを出そうと考えるとは。…まさか今回の南極出動の件、単純な新型の発表と会見だけでは終わらないと予想している?
俺もキナ臭いと読んでいたが、博士もそう予想しているのであればほぼ確定だろう。…ならSRXチームにもRシリーズを、いや…データの熟読はまだだ。全てでないにせよ、ある程度の知識を頭に入れてからでないとゲシュペンストにも劣る。…となればやはり今回はそのまま、タイプTTとシュッツバルトが最善か。
俺が南極へ出動する際の編成を考えていると、
「…でだイングラム少佐、南極へ出動する際にソウルゲインで行くわけなのだが………。」
ユーキス博士が俺に頼み事をしてきた。内容としてはSRX計画に関連することで、ソウルゲインにT-LINKシステムの搭載を許可して欲しいと。…正直意外だった、博士なら無断で搭載すると思っていたから。それと同時に嬉しく思う、最初はアレにしてもSRX計画のことを考えてくれているという事実が。
勿論T-LINKシステムの搭載を許可した、博士なら十二分に扱ってくれると確信しているからだ。それにやはり戦闘データは魅力的だ、博士の言うように役立つことは明白である。それに何かあるにしても保険になる、博士のことを信頼しているが相手はあのシラカワ博士。例えユーキス博士でも勝ちを拾うのは難しいと考える、故にT-LINKシステムが彼の力となってくれたら…。
…ソウルゲイン改修の為に一度戻る?…了解した。だが出来る限り遅れぬようにしてくれたら有り難い、頼むぞ?…ユーキス博士。