本当に超電磁砲にキャラが偏ってるっていうのが明らかに分かる!!でもって今回は善鷹がやたらとフレンダを弄ってる、というか苛めてる?
しかし私はアイテムの中では一番フレンダが好きです(真顔)
一藤善鷹は珍しくファミレスに来ていた。
普段なら食費が無駄になるとか生活費が減るとか学生らしい金銭感覚を全開にして人が集まる場所に近寄ること自体避けるのだが今日はどうしてもそうしなくてはならなかった。
自室にいれば上条が押しかけてくるし街中をぶらぶらすれば電撃姫にぶち当たる。オマケにお姉様大好き変態少女まで引っ付いてくる特典付き。
些か平和と言えなくなってきた日常に嘆いたのは最近のことだ。
若干泣きたくなる気持ちを抑えつつ渋々人の集まるファミレスに避難するという形に落ち着く。
ファミレスに入店したまでは良かったもののタイミングが悪かったのか嫌という程の人、人、人の群れ。
しまいにはイチャイチャするカップルだとか、恋愛話に花を咲かせる女子高生、思春期真っ盛りな男子諸君の侘しい妄想。
聞こえてくる会話に吐き気がする。
どこか、どこかに自分が避難出来る場所はないのかこのままではこの異質極まりない空間に汚染されて発狂してしまう。
しかし不幸なことに席は埋まってしまっているらしく善鷹の平穏な午後を得られる楽園は見つからないときた。流石に今回は諦めるしかないか…と俯きかけたが。
「お客様、只今店内混み合っておりまして相席という形なら入店していただけますが」
どうされます?というのは最早言うまでもない。
帰っても地獄、外をうろついても地獄、なら答えは決まったようなもの。
「……相席でいい、案内頼む」
少年は酷くやつれていた。
選択は一つ、他人と一緒に時間を共有するのは憚れるが事態が事態なので背に腹は変えられない。僅かな望みにかけ女性店員に案内されながらせめてマシな相席者に当たるよう願うばかりだった。
ーーでだ、連れて来られた場所というのがこれまた。
にっこりと店員の鏡と合いの手を入れてしまいたいくらいに素晴らしい笑顔で連れて行くがそこで善鷹を迎えたのは。
これまたキャラの濃ゆい女性客四人組であった。
「お客様、大変ご迷惑ではありますがこちらのお客様と相席していただいても構いませんか?」
店員は客の反応を伺う反面、失礼のないよう対処する。
案の定、相手がキレるなんてことにはならなかったのが不幸中の幸いか。
「麦野超どうするんです?」
「ん?ああ、そうだな。食事するだけなら構いませんよ」
「結局私の一番は鯖缶って訳よ!」
「フレンダ生き生きしてる」
了承を得たということもあり女性店員は会釈すると仕事を終えたとばかりに去って行く。
精々短い時間の付き合いだ文句は言うまい。
相席することになった女性客四人組に目を向けると一人はお嬢様と言わんばかりの風貌をしたこの中で言えばリーダーと思われる女性、一人はワンピースを着た際どい服装をしたおとなしい少女、一人はベレー帽を被った賑やかなおおよそ高校生くらいの少女、一人はジャージ姿が印象的な眠たげな少女だった。
(見事に個性の塊な集団だな)
一見華やかなメンバーだが年齢はバラバラ。
一体なんの集団だ?と善鷹は思ったがあまり相手を刺激するのもなんだ、顔色に出さないよう彼女等に一言断りを入れてから通された席に着席した。
「悪いがメニュー取ってもらえるか」
「フレンダ」
「なんで私なの絹旗の方が近いって訳よ!」
「いいから超渡してくださいフレンダ」
「むきぃ!!」
「大丈夫、そんなフレンダを私は応援してる」
なんて意味不明な会話だろう。
善鷹はそう思いながらメニューを受け取ると黙々と物色を始めた。さて何を食べようか、とページを捲っている間にもフレンダと呼ばれた少女は騒ぎ立てる。
「やっぱりおかしい!!」
「静かにしろフレンダ」
「だって麦野、絹旗が!」
随分と賑やかなことだ。
今やファミレス内の視線を独り占めしてるんじゃなかろうか。ほら、噂話好きな女子高生達が何事かとこっちを見ている。
人目に付きたくないのにこれじゃあ余すまで見てくれと言わんばかりだ。
しかもたまたま相席を頼んだ相手の一人がこれじゃ善鷹まで同類だと誤解されそうだった。あくまで彼は相席することになった無関係者なのだし少々姑息かもしれないが使える手でこの状況を脱却させてもらうこととしよう。
「相席したよしみで言わせてもらうが声の音量を下げろ他の客に迷惑だろ」
メニュー表を閉じて金髪少女に言うと気に入らなかったのか露骨に反応を示した。
尤もな意見にぐうの音も出ないのか言葉を濁す。
「うっ、分かってるっつーの!てか横から口出さないでって訳よ」
「間違ったことを言ったつもりはないぞ」
それこそ真っ当な意見だ。
善鷹が口を挟むとは思ってなかったのか金髪少女以外の三名はきょとんとした顔をしている。まさか他人のことに口出ししてくるとは思っていなかったのだろう、まして彼女達からしてみれば少年は表に属する住人。暗部という組織に組み込まれている以上は相入れない存在だ。
それを見越してか否か、一藤善鷹は金髪少女に近づくと早々ニヤリと微笑むと同時に以前電撃姫に見せたことのある悪人顔を引っさげて口を開く。
「一般的に見て常識の欠片もないガキンチョにそんなことを言われる筋合いは俺にはねぇよ」
「はぁ!?なんで初対面の相手に馬鹿にされなきゃいけないって訳っ?!」
「違うのか?最低限のマナーも心得てないお子様に馬鹿にする権利があると思ってるなら笑えねぇって」
ハッ、と馬鹿にしたような言葉を吐き出す善鷹に我慢が利かなくなってきたのかぷるぷると肩を震わせる。
ここまで罵倒されるなんて思ってなかっただけに少女、フレンダ=セイヴェルンにとって多大なダメージになっていた。
言っておくが彼等は今日初めて顔を合わせた通行人と同じ謂わば他人というやつだ。決して仲の良いお友達なんかじゃない。
ヒートアップする善鷹とフレンダを傍観する残り二名は複雑そうな表情だ。一名はまぁ、なんと答えるべきか。
誰かこいつ等を止めてくれ、そう願ったのは彼女達の中のリーダーであった麦野沈利。いつも通りなら彼女自身が会話に入りフレンダを黙らせるという手法で終わるのだが何分そこにはオレンジ頭が特徴の少年がいる。
入る余地がない状態で会話に参加出来ない麦野は参っていた。
その様子を視界に入れつつ善鷹の様子を観察する少女絹旗最愛。
一方、ぼーっと黙ったまま上の空である滝壺理后。
「相席させてもらってる分際で何様っ!?」
「俺様とでも答えてほしいのかお子様。だとしたら傑作だぜお前」
「勝ち誇った顔すんなぁぁ!!」
はて、この騒々しい二人をどうするか。
なんとか店員から声はかけられていないがそれも時間の問題。
「フレンダいい加減にしろ」
「結局意味が分からないって訳よ!?」
「自業自得だ馬鹿野郎」
なんで私だけが怒られなきゃならないの?!と身体全体を使って表現するフレンダに対し麦野ははっきり言おう冷めていた。確かに途中で善鷹は目の前の口論相手である少女を罵倒し始めたとはいえ元を辿れば彼女を止めるためだったのだ。
よって、
「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」
「麦野痛いッ痛いって訳よ!」
麦野に頭を掴まれ泣き喚くフレンダを視界の端に入れつつ善鷹は関係なしに注文のためにインターホンを押す。まさに空気をぶち壊す行為である。
「ちょっと!人がこんな状況の時に何呑気に注文しようとしてんの!?」
「俺の自由だろいつどの状況で何をしようが」
「私が良くないって訳よ!!」
「へいへいそうですか、それは残念でしたねー」
「その減らず口叩っ切ってやる!!!!」
麦野から解放された後でね!と、宣告するフレンダを見ていると負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
事実善鷹は無視して店員に注文をしていた。
「すいませんコーヒーとペペロンチーノを」
「本当に注文してんじゃないわよ!!」
「フレンダ超視線集めてるんで本当黙っててください」
「頑張れフレンダ」
「フーレーンーダー?」
「ご、ごめん麦野ーっ!許してって訳よ!!」
仲間内にさえ辛抱な言葉をぶつけられるあたり哀れとしか言い様がない。
何にしてもお互い初対面とは思えない会話には驚かされるがこの異常な騒々しさは暫く続きそうだ。
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