「じゃあ、このコーヒー豆の入った袋をキッチンまで運ぶぞ」
そう言って袋を指差す。コーヒーを入れたり接客の練習をするかと思ったけど、これなら簡単だ。
「うっうん」
「任せてくれ」
力には自信があるからな全集中の呼吸…よし一気に運ぶぞ。
「おっ重い…これは普通の女の子にはきついよ。ねぇ、リゼちゃん」
弱音を吐くココア。
「あぁ、確かに重いな。うん、無理だ。普通の女の子には無理だ」
それに賛同するリゼから焦りの匂いがする。ここは、俺が頑張らないとココアたちでは大変だ。
「ココアたちは小さい袋を運んでくれ、大きい袋は俺が運ぶよ」
「さすが男の子!たよりになる」
「すごいな。私でもそんなに持てないぞ」
「毎日、鍛えてるからな」
前世と同じ修行をしたからな、家族を守るために。
「ココア、炭治郎、メニュー覚えておけよ?」
「うん、ありがとう」
リゼにメニュー表を渡された。カタカナが多くて覚えるのに時間が掛かりそうだ。
「コーヒーの種類が多くて難しいね」
「そうか? 私はひと目で暗記したぞ? 訓練しているからな」
「「すごいっ」」
二人で驚いてしまった。リゼは頭がいいんだな。
「チノなんて香りだけでコーヒーの銘柄を当てられるぞ?」
「それならできるかも。俺は鼻が効くんだ」
「試してみますか?」
チノがコーヒーを二種類を出してくる。
「望むところだ」
「この上品な香りはぶるーまうんてん」
「正解です」
「この優雅な香りはきりまんじゃろ」
「正解ですがカタカナ苦手なんですか?」
「うっ」
すごいってところを見せようと思ったのに行動が裏目にでてる。カタカナは読みにくいじゃないか!文字数も多いし。
「それにしたってすごいな。炭治郎はコーヒーが好きなのか?」
リゼに聞かれて考える。俺は洋風より和風の方が好きだと思う。
「いやっ抹茶の方が好きかな」
コーヒーは嫌いではない、匂いが好きなんだ。
「どうしてわかったんですか?」
チノに聞かれてココアとコーヒーについて勉強したことを思い出す。懐かしいな、どっちがよりコーヒーに合うパンを作れるか勝負したんだっけ。
「前にコーヒーに合うパンを試作したことがあって、ココアとコーヒーを勉強したんだ。」
「えっ?そういえばそんなこともあったかな?」
ココアは首を傾げる。
「ココアさんは忘れやすいんですね」
「そんなことないもんっ!」
ココア、忘れていたのか。
「ココア、炭治郎がめちゃくちゃ凹んでるぞ」
「ごめんね〜炭治郎くん!」
いいんだ。幼いときのことだから覚えている方が珍しい。
客足がなくなり静かになった店内、暇を持て余している俺はチノに尋ねる。
「チノはなにをしているんだ?」
「春休みの宿題です。空いた時間にこっそりやっています」
俺はも空いた時間にできることを探そうか。と考えてるとココアも話し混ざってきた。
「へぇ〜偉いなぁ」
「へぇ〜どれどれ」
ココアとチノのノートを見る。
「あ、その答えは128で、その隣は367だよ~」
ココアは計算が得意だもんな。リゼとチノから驚いた感情が匂う。
「ココア、430円のコーヒーを29杯頼むといくらだ?」
リゼがココアに質問する。
「12470円だよ」
間髪入れずにココアが答える。
計算とか禰豆子にまかせっきりだったからな〜俺もココアに負けてられないな勉強しよう。
「はあ、私も皆みたいに何か特技があればなぁ~」
自分の特技に気づいていないココア。
「リゼちゃん、なにやっているの?」
ココアが不思議そうにリゼに質問する。俺も気になって近寄る。
「ラテアートだよ。カフェラテにミルクの泡で絵を描くんだ。この店ではサービスでやっているんだ。描いてみるか?」
らてあーと?コーヒーに絵を描く?どういうことなんだ。
「絵なら任せて!これでも金賞をとったことあるんだから!」
「懐かしいな小学生低学年のときだっけ?」
ココア、凄く喜んで自慢しにきたもんな。
「ギクッ」
「わかりやすいなぁ。まあ、手本としてはこんな感じに…」
リゼが次々に、ラテアートを描いている。すごいな、こういうの見るとうちの店でもやりたくなる…猫かわいい。
「おぉ!すごいうまい!」
「そんなにうまいか?」
「リゼは絵が上手なんだな。もっと見たい」
「ねぇ、もう一個作って!」
「しょ、しょうがないなぁ、特別だぞ」
「「ほんとぉ!?」」
「ちゃんとやり方も覚えろよ!」
次はなんだろう犬だろうか。リゼがすごい動きをしている、透き通る世界で観察しよう。
「できたー!」
リゼがコーヒーに書いたラテアートは戦車だ。
「うまーい!!いやっ上手ってレベルじゃないよ」
これはすごい!人ができる域を超えてる。
俺にリゼの動きを再現できるだろうか?前集中の呼吸 よし!
「俺も描きます!リゼみたいにできるかわからないけど」
「が、頑張れ炭治郎!」
「俺と禰豆子の絆は、誰にも 引き裂けない!」(言いたいだけ)
ここで汚名返上して見せる!禰豆子、力を貸してくれー!!
「できた!これが兄弟の絆だ!!」
渾身の出来!禰豆子の似顔絵!これは柱!
「すごい!禰豆子ちゃんの似顔絵だー!」
驚くココア
「発想がすごいけど誰なんだー?!」
リゼは分からないよな。この自慢の妹を。
「妹です!!」
禰豆子「はっ!お兄ちゃんが私の話をしている気がする!」
モカ「ココア、しっかりやってるかしら」
禰豆子「きになるな〜お兄ちゃん電話使えないし、手紙早く届かないかな〜」
モカ「ココア成分が足りないよー!」