「この辺りだと思うんだけど」
俺たちは千夜に「パン作りでお世話になったお礼にうちの喫茶店に招待するわ」と言われ、お邪魔することになった。
「どんなとこか楽しみだね♪」
「なんで名前の喫茶店ですか?」
「たしか、甘兎庵って言ってたぞ」
「甘兎とな?」(ティッピー)
ティッピー、何か知っているのか?
「お爺ちゃんの時代に張り合っていたと聞きます」
「好敵手ってことか」
「そんな生ぬるいものじゃないわ!」(ティッピー)
「チノちゃん、ほんとに腹話術なの?」
「みんな、ここじゃないのか?」
到着したようだ。和風な店でいい雰囲気だ。
「看板だけやたら渋い。おもしろい店だな」
「オレ、うさぎ、あまい?」
俺、甘兎庵って言わなかった?
「甘兎庵な」
「「「こんにちは」」」
「あらみんな、いらっしゃい」
店に入ると千夜が出迎えてくれる。っとこの懐かしい匂いは誰だ?
「よくきたな!みんな、俺の子分にしてやるぜ!」
店の奥から伊之助がやってきた。
「凄くキャラの濃いのが出てきた」
「なにもの?」
「伊之助!伊之助じゃないか会えて嬉しいよ!」
「炭治郎じゃねぇか!猪突猛進!猪突猛進!」
伊之助に思いっきり頭突きされた。伊之助も再会できて嬉しいよな…意識が遠のいていく…。
「あらあら」
「炭治郎くんが吹っ飛んだよ」
「しっかりしろ!権八郎」
名前を間違える癖、治ってないんだな…。
「気絶してますね」
目が覚めると知らない天井。どうやら気絶した後、寝室まで運ばれたみたいだ。
「大丈夫?炭治郎くん」
ココアが見てくれていたのか。
「大丈夫だ、ココアありがとう。伊之助は?」
「大丈夫だよ。伊之助くんなら千夜ちゃんのおばあちゃんに叱られてるよ」
「そうか。伊之助は悪くないよ」
「わかってるよ!伊之助くん、炭治郎くんに会えて嬉しそうだったから」
「ありがとう。みんなのところに戻ろう!」
「うん!」
ココアに案内され、みんながいるテーブルに戻る。
「炭治郎さん、大丈夫でしたか?」
「平気だ!心配してくれてありがとう」
「それで誰なんだ?あの猪は」
「伊之助は気は強いけどとっても仲間思いのいい奴なんだ!さっきも嬉しくて頭突きしてきたんだ」
「それはそれで怖いですが」
「安心してくれ!伊之助は俺が丈夫なことを分かっているから」
「信頼し合える仲ってことね。羨ましいわ」
千夜がお盆に品をのせて戻ってきた。
「炭治郎くん、ココアちゃんと同じ品でよかったかしら?」
グラスに抹茶アイスやあんこやたいやき!こんなも贅沢盛りがあっていいのだろうか!
「全然、大丈夫だ!美味そう」
美味い!かなり美味いぞ。
「気に入ってもらえて嬉しいわ」
「美味しいでしょ!」
「ああ!これはなんて名前なんだ?」
「黄金の鯱鉾スペシャルだよ」
「すごい名前だ」
「普通の反応でよかったです」
「さっきは悪かったな炭治郎!かわりに、この親分が鍛え直してやる!」
伊之助も戻ってきた。
「伊之助、ありがとう!俺も、もっと鍛えないとな」
「二人はなにをめざしてるんだ?」
伊之助の腕は上がっていて、頭突きに反応できなかった。もっと精進しないとな。
「伊之助、場所を変えて話さないか?」
「いいぜ」
「炭治郎くん、どうしたの?」
「いや、少し男同士の話をするだけだ」(嘘をつくときの顔芸)
「ココアさん、久しぶりの再会を邪魔したら悪いですよ」
「そうだね♪」
俺たちは少し離れたテーブルに座った。
「伊之助は鬼殺隊の仲間に会ったか?」
「あってねぇぞ!お前が初めてだ!」
「俺は善逸に会ったけど俺たちのことは覚えてなかった」
「紋逸にあったのか!?」
「ああ、ほかにも義勇さんらしき人も」
伊之助がほわほわして嬉しそうだ。そうだよな今まで自分のことを知って人がいなかったんだもんな。
「伊之助、こんど善逸を連れてくるよ」
「ほんとかぁ?楽しみだぜ」
俺たちか話し終わる頃にはみんな帰っていったみたいだ。
「俺もおいとまします」
「またきてね」
「きます!伊之助もまたな!」
「次は俺様からきてやるぜ!」
「ああ!ラビットハウスに来てくれ!」
「わしをつれて帰ってくれ!」(ティッピー)
どうやらチノがあんこを持って帰ってしまったみたいだ。
しのぶ「ねぇ、義勇さん、ねぇ?」
義勇「なんだ?」
しのぶ「鬼殺隊って知ってます?」
義勇「知らん。用件はそれだけか?」
しのぶ「知らないなら知らないでいいんですよ」
義勇(なんだこいつ)