筋肉痛により寝床から出るのに10分かかりました。
旧ピースシティエリア
先の大戦以前は風光明媚な『
今では、後世に語り継がれる激戦の末に敗れ去った数多のネクストが眠る『
その廃墟に、一機のネクストが
生成されているネクストの名は〝ストレイド〟
ローゼンタール社の旧標準機『
『
特に汎用性に関しては他社の追随を許さず、加えて同社特有のヒロイックな意匠と相まってリンクス・一般人を問わず不動の人気を誇っている。
セレン曰く「まずはコイツを乗りこなしてみろ。話はそれからだ」だそうだ。先述したようにオーギルは優秀な機体であるため、判らない話ではない。
余談であるが、近ごろ夜中にセレンの目撃情報が相次いでいる。
証言によると、
ストレイドの生成が完了すると、コックピット内にセレンの声が降り注ぐ。
「あんな大見得を切ったんだ。勝算はあるんだろうな」
「五分には持ち込めるさ、あとは時の運だな」
「お前という奴は……後で覚えてろ」
セレンの呆れと苛立が合わさった恨み節が、まるで
「お取り込み中悪いけど、いいかい?」
「ん、いいぜ」
「それじゃ確認だ。君が勝ったら、僕の〝ランク3〟を譲り渡す。僕が勝ったら、君が
「ああ。……ついでに、吠え
「まさか。奢って貰うコーヒーを美味しく飲む予定さ」
――両者ともに滾る闘争心を隠すことなく会話しており、コックピットのスピーカー越しからも威圧感が放たれている。そんな一触即発の会話をインカム越しに聴きながら、備え付けのベンチに腰掛けているセレンは溜息をつく。
本来であれば多数の野次馬で溢れかえる
――どっちが勝つと思う?
――順当に考えれば当然ダン・モロだろう。
――でも、相手はあのルーキーだろ?
――こりゃ
当代最強と称されるリンクスと、次代最強と目されるリンクス。その勝負の証人となれる事に、カラード職員達は密かな興奮を抱いている。だが、彼等とは裏腹にセレンは焦りを感じていた。
イッシンがダン相手にランクマッチを吹っかけるとは想定外中の想定外。ましてや、ダンも二つ返事で快諾するなど誰が想像出来るだろうか。
「まったく、人の気も知らないで……」
「同感だ。付添人も楽じゃねぇな」
見ると、白いシャツに茶色の革ジャンを気怠そうに着込んだ髭面の男がカップを両手に
「ジョージ・オニールか。GAの仲介屋が何の用だ」
「何の用とは言い
「冗談も休みやすみ言え。ダンのオペレーターはフロイド・シャノンだろう」
「ところがどっこい、フロイドの旦那は急な仕事に駆り出されてな。他に
「……ダリオ・エンピオか」
「ご名答。
そういうとジョージはセレンの隣に腰掛けながらカップを渡す。ジョージからの仄かな紫煙の匂いが鼻を突くが、セレンは特に気にする素振りも無くカップを受け取り、中のコーヒーを口に含む。
ジョージ・オニールはGA社渉外課にて各リンクスへのミッション仲介を生業とする、いわば回し者だ。しかし提供される情報の精度はピンキリ。
GA直轄とはいえ信用しきれない仲介屋だが、どうも反権力主義的な面があるらしく、キナ臭い情報の早さはピカイチだ。そんな一面もありながら未だに渉外課に席を置いている事から、彼の能力の高さが窺える。
まあ、彼以外に
「それで、どっちが勝つと思う」
「俺か? 新進気鋭のルーキー〝キドウ・イッシン〟様に掛けるよ。若さと勢いは何にも代え難いからな」
「……本音は?」
「ダンに決まってるだろ。ダンが勝てばオペレーターとしての俺の評価は上がる、ダンもいい気になってる
「ふん。情報精度がアレでは、いずれ切られるだろうからな。いい働き口を見つけたようで何よりだ」
「勘弁してくれ。定年までGAに勤め上げるって決めてるんだ」
セレンとジョージが他愛ない罵り合いをしていると、どこからともなく合成音声が流れる。
「これよりランクマッチを開始します。出場リンクスはAMSへの接続を行って下さい」
――コックピットで待機していたイッシンは、呼応するように頸椎に設けられているコネクタに接続端子を繋ぐ。瞬間、異常ともいえる
シミュレーター自体が搭乗者の適性に自動対応するシステムだ。セレンはいないが、シンクロ率は100%近いのだろう。機体に吹き付ける風の振動は自分の身体であるかのように感じる。実機では感じることの無い、巻き上がる砂のザラつきすらも鬱陶しく思える。
同時に両者の闘争本能は最高潮に達していた。自らを鼓舞する意味も込めて、自然と相手に対する言葉尻も汚くなる。
「さてと。行かせて貰うぜ、
「……多少の
カラードNo.31〝ストレイド〟キドウ・イッシン
VS
カラードNo.3〝セレブリティ・アッシュ〟ダン・モロ
如何でしたでしょうか。
ジョージ・オニールのキャラ付けが難しくて、90年代アメリカ映画なノリが多分になってしまいました。
ちなみに、映画「デモリションマン」は全男の子が履修すべき科目だと思っております(押し付け)
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