目を閉じると、目の前に黒髪ショート微乳スレンダー薄顔クールビューティが現れるので彼女を見ながら晩酌しています。
たぶん疲れてます。
ミッションを説明しましょう、依頼主はアルゼブラ社。目的は、リッチランド農業プラントを占拠するネクスト機の排除となります。ネクスト機の詳細は不明ですが、少なくともカラードの所属ではありません。……リッチランドにはネクストを惹きつける魅力があるようですね。
何にせよ、相手は重量の二脚タイプで、かなりの難敵のようです。当然、依頼主は協力機との協働をご希望です。
最終的にはそちらの判断ですが、無理はしない方がよいのでは? 私からも、強く協働をお勧めします。
説明は以上です。
アルゼブラ社との繋がりを強くする好機です。
そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?
つい先月にも不明ネクストによる襲撃を受けて焼け野原と化していたリッチランドがまたも不明ネクストによる襲撃を受けたとあって、オーメル仲介人であるアディ・ネイサンも呆れ顔だった。
そんな不遇の大地から上空3000mにて二つの影がジェット音を鳴り響かせながら並行に飛行している。
一つは淡い桜色の現行輸送機であり、その下には黒一色で統一された軽量ネクストが合金製多重層ワイヤーロープで吊されていた。ネクストの名前はJOKER、ランク18であるキドウ・イッシンが駆る
もう一方の輸送機は輸送機というより早期警戒機に近いフォルムをしており、その下にはJOKERと同様に合金製多重層ワイヤーロープで懸架された黒いネクストがぶら下がっている。しかしそのネクストは、ネクストと呼ぶには
誇張のしようがない長細い丁の字型のコアに、丁の両端につけられた申し訳程度の腕部。いや、特殊なマシンガンが握られたその腕部は、腕部というより固定台と捉えた方が適切かも知れない。背部兵装にはバリカンヘッドのような形状のチェインガンが二つ装備されており、異形さに拍車をかけている。
そんな上半身を支える脚部は
総じて空力抵抗を最大限考慮した、JOKERとは似て非なるベクトルを持つ異形。その異形を隣からまじまじと眺めるイッシンに対して、オペレーターであるセレン・ヘイズから突然通信が入る。
《あまり気負うなよ? 不明機といえど同じネクストだ。2対1ならこちらに分がある》
「あぁ、分かってるさ」
インテリオル記念博物館での一件から複雑な空気感となっていたセレンとイッシンだが、約一週間の冷却期間を経て最終的に2人が出した結論は『触れない事』だった。
仮に当時のセレンが下した判断の是非を問うにしても、それで殺されたリンクス候補生が生き返る筈も無いし、劇的にウィン・D・ファンションとの仲が改善される訳でも無い。
何よりこの問題を長引かせた所で現パートナーであるイッシンとの関係を悪くするだけだ。ならば根本的な解決策が見つかるまで、そっとしておく事が一番であるという無言の協定を結ぶ運びとなった。
だから触れないし触れる必要も無い。
そう自らに言い聞かせる時間を必要としていたイッシン達にとって、このミッションは正に渡りに船だった。更に幸運だったのは仲介人から提示された僚機の中にイッシンが常々会いたいと思っていた一人のリンクスが居たことである。
つい最近カラードに登録されたばかりの新人リンクス。ランクこそ最下位層であり依頼件数も決して多くは無いが、引き受けたミッションはほぼ完璧に遂行されており依頼達成率は脅威の100%。次代を担う逸材としても注目されるそのリンクスの名前は――
《パートナー、フラジール単機でも敗率は殆どありません。あなたは戦わなくても構いませんよ》
「おーおー言ってくれるじゃねえかCUBEさんよぉ。なら遠慮なく紙装甲が折れる所を高みの見物させて貰うぜ」
《そうして頂いて結構です。フラジールのデータを取る状況においてリッチランド農業プラントでの単機運用は最適の環境ですので》
機械的かつ冷淡な青年の声にイッシンは心躍らせた。
CUBE。
最先端AMS技術の雄として名高いアスピナ機関に所属するリンクスであり、テスト個体でもある。
原作では実験用ネクストであるX-
そして極め付けはダン・モロ……いや転生者であるシンゴから情報提供された、
しかし先ずは確定させる事から始めなければ意味が無い。そう思い立ったイッシンはセレンに断って通信を切り、CUBEに対してド直球の質問を投げつけた。
「なぁCUBE、転生者ってのは聞いたことあるか?」
《ミッションになんら関係ないことに答える義務はあるのでしょうか》
「いいじゃねえか別に。こういう雑談で緊張がほぐれたりするんだよ」
《……なるほど。東洋宗教における輪廻思想に基づいて言っているのであれば、我々は転生者であると言えるかも知れません》
「いやそうじゃなくてよ……」
《新たな力を欲しているのであれば是非アスピナ機関への来訪をオススメします。我々の研究材料は多いに越したことはありませんので》
「研究材料って言ってるじゃん。100%シャバに帰す気ないよなそれ。――だから、お前はこのACFAの世界に転生した人間かって聞いてんだよ」
《ACFA……聞き慣れない単語です。もしよろしければアスピナ機関に在籍している精神科博士とのセラピーをご紹介しましょうか》
「はぁ、もういい」
まさかハズレるとは。
イッシンはヘッドレストにドカッと頭を預けて溜息を吐く。今思えばダンもといシンゴが言っていたCUBEが転生者である根拠は、アスピナの研究員がそう言っていた程度の確証だ。本気にした俺も悪いが、どうやらガセネタだったみたいだな。
落胆する気持ちを隠せないイッシンは、転生者じゃないと確認出来ただけマシであると自分に言い聞かせるながら、乱暴に操作パネルを叩いてセレンとの通信を再開させる。
《話は済んだか》
「ああ。アスピナらしく感情の欠片も感じられねぇよ」
《……信用は?》
「五分五分だな。データを採るためなら裏切るなんて朝飯前って感じだ」
《なら望み通り単機で不明ネクストの相手をさせるか》
「それも有りか」
CUBEに対して辛辣な評価を下しているセレンとイッシンを他所に、両輸送機は着々とリッチランド農業プラントに近づきつつあった。
薄雲一つ無い澄み切った空の下、ミステリーサークルのような円形農場が整然と並ぶ様子は農耕技術の終着点にも見えるが、前回の襲撃と同様に所々で狼煙のような煙が立ち上っている。穀物が燃える時に出る香ばしい匂いはアンバランスな風景の一助を担って、異様さを際立たせていた。
コックピットの中で男は退屈していた。
――
男が感慨に耽る中、それを遮るように電子音がコックピットに響く。コンソールを見ると珍しい人間から着信が入っていた。男は意外そうに鼻を鳴らすと片手で操作して応答する。
「どうしたメルツェル。君から通信なんて珍しいじゃないか」
《そちらにカラードランク18と31が向かっている。増援は必要か?》
「……首輪付きか、知らんな。強いのか?」
《31の方は未知数だが、18の方はマザーウィルを墜としたリンクスだ。下手を打てば喰われるぞ》
メルツェルの言った一言に男は眉をピクリと動かす。
――マザーウィルを墜とした
――喰われる?
――この俺が?
――面白い、受けて立とう。
「丁度いい。AFにも飽きていたところだ」
これに呼応するように灰色の巨人のモノアイが大きく輝き、両の手に据えられたグレネードが物々しく鈍く光っていた。
近所に精肉店が開店したので行ってみたら、中々上等な商品ばかりで悩んでしまいました。ホルモン系が旨い精肉店は良い店です。