凡人は気まぐれで山猫になる   作:seven4

9 / 140
久々に炒飯作ったけど、なんで炒飯の素より味覇で作った方が美味いんだろうか。


9.超速は北西洋に散る

インテリオル・ユニオンの依頼仲介人を務めるマリー=セシール・キャンデロロと申します。

以降、良い関係が築けるようお願い致します。

早速ですが、ミッションの概要を説明します。

ミッションターゲットはAF(アームズフォート)〝ギガベース〟

BFF第8艦隊に護衛され、北西洋を南下中です。

第8艦隊は、大型艦艇を中心に構成された極めて大規模な部隊です。

これがターゲットそのものではない以上、まともに戦う意味はありません。

従って、今回のミッション・プランはV O B(ヴァンガード オーバード ブースト)を使用して一気に第8艦隊の内に入り込み、速やかにターゲットを破壊する流れとなります。

なお、ユニオンは補給艦艇の破壊にボーナスを設定しています、それ以外は特に破壊目標とはなりません。

ミッションの概要は以上です。

ユニオンは、あなたを高く評価しています。

よいお返事を期待していますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AFはネクストの個体依存性を排除しながら、それ以上の戦力を有する巨大兵器だ。AF搭乗員はリンクスと違いAMS適性を必要とせず、訓練による習熟で搭乗可能となる。AFの構造上、多人数化は避けられないが、ネクスト以上の戦力を戦場の最小単位である『兵』のみで運用出来る恩恵は計り知れない。

 

しかしながら、そんな兵器でも欠点は存在する。

 

建前上、企業は次代の主戦力としてAFを持ち上げているが、AFは巨体故にネクストの柔軟性および即応性は持ち合わせていない。刻一刻と状況が変わる戦場において柔軟性および即応性の欠如は致命的であり、結果として企業の主戦力はネクストである事に変わりなく現在に至っている。

 

そんな火力一辺倒のデカブツを叩く際の定石(セオリー)は古今東西決まっている。『懐に飛び込み、全火力をぶつける』ことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は~や~す~ぎ~だ~ろ~!?」

 

《口を閉じてろ、舌を嚙むぞ》

 

 

現在時刻12:00(ヒトフタ マルマル)

北西洋上、BFF第8艦隊より100キロ南東の海域。

一人の新人リンクスがVOBにより実現する圧倒的速度に、精一杯の悪態をついていた。

 

VOBはコジマエネルギーを主燃料とした移動手段だ。使用限界時にはバラバラに分解し、再使用不可という片道切符であるが、平均時速2000キロ、軽量ネクストであれば時速3000キロにもなる。

文字通り、過ぎた推力(オーバードブースト)であった。

 

 

《あまり緊張するな。普段通りやればいい》

 

「緊張する暇も無いですよ!」

 

 

セレンさんが笑っているのだろうか、スピーカーからフッと微笑が漏れる。

 

今回のミッションに当たり、俺はストレイドの武装を対AF用に換装していた。

 

左手にはBFFの名銃【051ANNR】

右腕にはローゼンタール製近接武装(レーザーブレード)【EB-R500】

背部右側はオーメル製散布ミサイル【MP-O200I】

左側にはBFF製レーダー【050ANR】

 

全て中古の払い下げ品だが、性能に問題は無い。コンセプトとしては対AFを主眼に置きつつ、想定外に備え汎用性も確保しており『石橋を叩いて渡る』ような内容となっている。

 

 

《ギガベースは長距離砲を搭載している。当たるなよ》

 

 

セレンが忠告した瞬間、前方より眩い光が突如現れ、こちらに迫ってくる。

 

 

「!!」

 

 

俺は咄嗟にQB(クイックブースト)を噴かし、VOBの軌道を変える。1秒前に居た場所をネクスト大の光が通過した。

直撃すればタダでは済まないだろう。背中に冷や汗が流れる。しかし死の恐怖は無い。あるのは、絶対の自信と高揚感だ。

 

舐めるなよ。こちとら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そもそもの経験が違うんだよ!

 

イッシンは乗機ストレイドを巧みに操り、死を帯びた光を躱していく。VOBによる強烈なGが骨を軋ませるが、耐えられない程ではない。途中から、こちらの回避を予測した連射が放たれるがイッシンにとっては児戯に等しく軽々と躱す。

 

数十秒後、前方20キロ先に光を放つ異形の巨大兵器の輪郭が姿を現した。

 

 

「……見えた!」

 

 

〝ギガベース〟は『H』の上凹部を埋めるように巨大砲塔が搭載された形状をしている。形状はマヌケでも全高400m近いそれは、AFたる威圧感を存分に醸し出していた。

 

目標との会敵(エンゲージ)まで10キロ。ギガベース周辺に展開しているBFF第8艦隊が陣形を固めているのが確認出来た。

 

 

《VOB、間もなく使用限界だ。通常戦闘を準備し……何だ!?》

 

 

耳をつんざく轟音。

突如セレンの通信を遮るようにV()O()B()()()()()()音だった。ストレイドはコックピット内に警告音(アラート)が鳴り響かせ、燃料タンク付近で損傷が起こったことをイッシンに伝えている。

 

 

「っ! セレン、VOBはこちらで切るぞ!」

 

《待て! 状況の確認を……》

 

「待てない! VOB、パージする!」

 

 

イッシンはコンソールパネルを操作。数秒後、ストレイドはVOBより切り離され海上に着水する。周囲には第8艦隊の先駆けであろう駆逐艦群が居たが、()()()()()()()と言わんばかりに【051ANNR】を一発ずつ各駆逐艦の艦橋に発射、撃沈した。瞬間、光が見えQBを噴かす。

ギガベースからの長距離砲撃による光だったがイッシンは気に留めず難なく躱し、周囲を見渡す。

 

 

「どこだ? どこに居る……」

 

 

VOBが瓦解する直前、確かに見えた()()

見間違いじゃ無ければ確かにあれは……。

 

 

「ストリクス・クアドロ……!」

 

 

刹那、冷たい殺気がイッシンを襲った。反射的にQBを噴かし回避行動を取ると、元居た場所を亜音速の砲弾が駆け抜け、彼方に消える。

 

 

《ふん、目と勘は良いようだな》

 

 

コックピット内に老人のしゃがれた声が響いた。イッシンはストレイドをレーダーに表示された点へ向ける。

そこに居たのは、〝四本脚四つ目の巨人〟と〝二本脚単眼の巨人〟

 

 

「冗談キツいぜ……」

 

 

原作だとまだまだ先の筈だろ? ロリ爺さんよぉ。

 

 

《貴様の素養を見せて貰うぞ、小童(こわっぱ)

 

《お供します、大人(ターレン)

 

 

 

 

 

 

 

 

カラードNo.31〝ストレイド〟キドウ・イッシン

 

          VS

 

カラードNo.8〝ストリクス・クアドロ〟王小龍

          &

カラードNo.2〝アンビエント〟リリウム・ウォルコット




ギガベースよりもグレートウォール派です(唐突)

感想・評価・誤字脱字報告、良ければお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。