アクセル・アルマー(憑)は平穏に過ごしたい   作:ボートマン

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第14話

Y月F日

 

昨日はブラスタと円盤の連携攻撃は凄かったな。

 

これまで見た戦闘ではあんなの無かったのに、それをぶっつけ本番で使いこなすとか。

 

やっぱり主人公は凄いねえ。

 

とはいえ、アイムはあそこで仕留めときたかったな。

 

でも、下手にあそこに留まって前みたいにZEXISに囲まれるわけにはいかないしな。

 

過ぎたことを愚痴愚痴言っても仕方ないし、今はマイホームとなる拠点のことを考えよう。

 

Y月G日

 

ボートマンから用意された拠点の座標が送られてきた。

 

俺はその座標へ向かうと、そこは中東にある廃棄された鉱山だった。

 

少し中を調べてみると、何と内部が改造された鉱山基地だった。

 

おそらくテロリストか何処かの軍が用意したのだろう。

 

何らかの理由で廃棄されたこの基地をボートマンが見つけて用意したのだろう。

 

俺はこの基地を用意したボートマンに手際の良さに開いた口が塞がらなかったよ。

 

とはいえ、長く廃棄されていたせいか埃が酷かった。

 

しばらくは掃除の日々だな。

 

Y月H日

 

掃除をしようと思ったけど、とんでもないことが発覚した。

 

それは・・・・・・掃除用具がなかった!

 

というわけで俺は近くの街に行き、掃除用具に日用品とついでに家具を買うことにした。

 

ヴァイサーガで街の近くに移動すると機体を降りて、バレないようにちゃんと偽装する。

 

そうして街に入った俺はまず一台のトラックを購入することにした。

 

流石に買ってからヴァイサーガのところに戻って置いてまた戻るのは大変だからな。

 

お金に関してはボートマンから貰った金がたんまりあるので問題はない。

 

それから掃除用具を先に購入し、そのあと必要な日用品や家具を購入していった。

 

購入した物をトラックの荷台に乗せ終えた俺にある物が目にとまる。

 

目にとまったものはシェリル・ノームのCDだった。

 

今も店頭で曲が流されており、俺は勢いでCDを買った。

 

そのうえ、高性能CDプレーヤーも購入してしまったが、後悔なんかしていないしね。

 

シェリルの歌を聞きたかったしね!

 

その分購入したこともあって、お金も殆ど無くなってしまった

 

というわけで今日はもう帰ろう。

 

トラックでヴァイサーガを隠した場所に戻り、機体に乗り込んでいつも通り起動する。

 

そして、荷台にある荷物を落とさないようにトラックを慎重に持ち上げる。

 

せっかく買った家具とか落として壊したら辛いからね。

 

帰ったら掃除を始めるか。

 

 

 

「はぁ・・・」

 

「随分と暗い溜息だなクロウ」

 

エルガン・ローディックに指定されて場所で溜息を吐くクロウに、仲間であるロックオンや青山達が声をかけてきた。

 

「借金が倍になったんだ。溜息でも吐きたくなるぜ」

 

「まあ・・・ご愁傷様だな」

 

ブラスタの開発元であるスコート・ラボを襲撃したインペリウムを撃退したクロウに、所長であるトライアは新たな借金があることを通告してきた。

 

ブラスタの修理と改良して出来た借金の額は199万G。

 

仲間であるZEXISのメンバーや新しく仲間になったZEUTHのメンバーは、この額にクロウ同様に言葉が出なかった。

 

「そういえば彼奴がきてたんだって?」

 

「彼奴?」

 

「名無しのことだよ」

 

ロックオンはとりあえず借金の話題から名無しことアクセルの話題に変えた。

 

「ああ。正直、あの時は猫の手も借りたい状況だったから助かったぜ」

 

実際他の次元獣はともかく、白い次元獣 MD(モビーディック)やパールネイル相手にアクシオでは歯が立たなかっただろう。

 

そんな時、以前会談で名無しと名乗った男が現れた。

 

名無しは何も言わずMDとパールネイルとの戦闘を始めた。

 

他の次元獣と戦闘していたクロウは、MDとパールネイルの2体を相手に戦う名無しを見た。

 

名無しは2対1ということもあって多少苦戦するも、問題なく戦える実力を持っていた。

 

「確か・・・名無しを最初に見たのはエリア11だったけ?」

 

「そうね。あの時はいきなり現れてびっくりしたわね」

 

カレンもヴァイサーガが現れた時のことを思い出していた。

 

「次はアツギ基地だったな。あれには本当に驚かされたぜ」

 

ロックオンが思い出すのは自分の狙撃を切り払った瞬間だった。

 

自分の狙撃コースを何らかの方法で先読みし、あまつさえその狙撃を切り払ったのだ。

 

「その次が暗黒大陸だったな」

 

「そうね。あの時は大量のガンメンで困っていたのに、目の前に現れた時はびっくりしたわよ」

 

ヨーコもその時のこと思い出していた。

 

「まあ、そんな相手に文句を言う奴がいたけどね」

 

その言葉に皆はカミナを見る。

 

「何だよ?俺が獣人共に名乗ってる時に、あの野郎が邪魔してきたんだよ」

 

敵か味方か分からない相手に文句を言うカミナに、まあカミナらしいと思っていた。

 

「まあ、操縦してるやつはよくわかんない奴だったな」

 

ZEUTH組が合流することになった際、名無しの機体を囲んで無理矢理だが同行してもらった。

 

その時に降りてきたパイロットは般若のお面に黒コートを羽織るなんとも怪しい人物だった。

 

「正直あの男は平穏に過ごしたいと言っていたが胡散臭そうだったな」

 

会談で名無しは自身の目的が、ただ平穏に過ごしたいと述べた。

 

しかし、ZEXISのメンバーは胡散臭すぎてあまり信じてなかった。

 

「結局のところ、今の所は味方と考えるべきなのかね」

 

謎に包まれた人物、名無し。

 

敵ではないが味方とも言えるかわからない人物に皆は頭を悩ませるのであった。

 

 

「ヘックション!・・・埃かな?」

 

名無しことアクセルは自分が噂されていることを知らず、1人で拠点の掃除に励むのであった。

 

 




yljs様、ケチャップの伝道師様、この度は本作品を評価していただきありがとうございます。
これからも楽しんでいただけるよう頑張らせていただきます。

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