Z月H日
昨日は大変だった。
バトリングの選手となって初試合があんなことになるとは。
俺とキリコの対戦相手は、ゴウトが持つコネでイレブンの赤い悪魔と呼ばれるKMF乗りと対戦することになった。
会場に入って相手を待つと、会場に現れたのKMFではなくATだった。
バトリングの上役と思わしき男が何かいちゃもんをつけてきて、ATが出てきたがあの時は迷惑だった。
現れたATをキリコは難なく撃破し、俺もどうにか撃破することが出来た。
アクセルの体が戦いの仕方を覚えていたのか、あの時はどうにか戦えてホッとしたよ。
そして、本来の対戦相手であったイレブンの赤い悪魔が登場した。
赤という色がつくだけあって、機体の色も赤だった。
俺は一瞬某彗星さんの顔を思い浮かべたが、乗っていたのは少女だった。
俺とキリコは少女と戦っていたが、そこにまたもや横槍が入れられた。
しかも現れたATは勝手なことを言って実弾を撃ってきた。
赤いKMFに向けて実弾が撃たれ、俺は咄嗟に前に出て庇った。
実弾は機体に命中して動かなくなったけど、女の子を守れたから後悔はしてない。
余計なことだったかもしれないけど・・・。
その後は新たに現れた機体と武器を渡されたキリコ達とATの戦闘が始まった。
彼等が戦っている間、俺は機体から降りるとすぐさま会場を出た。
こうして俺のバトリング初試合は幕を閉じた。
Z月I日
結局お金を稼げなかった俺は、空腹を我慢しながら再び金稼ぎの方法を探していた。
とはいえ、昨日のバトリングの騒ぎの影響なのか。
ゲットーはピリピリしている感じだった。
治安警察に正規軍もゲットーを警戒しているのが関係しているのだろう。
そんな俺は昨日は金を貰えず食べ物が買えなかったため、何も食べてないからあまり元気が出なかったよ。
そんな俺に誰かが話しかけてきた。
また怪しい勧誘かと思っていたら、話しかけてきたのは紅い髪の少女だった。
俺の記憶が確かなら、その少女はバトリングのイレブンの赤い悪魔と呼ばれていたKMFのパイロットだ。
どうして少女が俺に話しかけてきたかわからず考えていると、我慢できなかったのか腹が鳴ってしまった。
しばらく場が静まり、俺はこの場から逃げ出したかった。
女の子に腹の音聞かせるなんてめっちゃ恥ずかしい。
見れば少女はどうにか笑うのを堪えていたよ。
よし回れ右で逃げよう。
すぐさま回れ右しようとすると、少女が謝って止めてきた。
少女は少し待つように言ってこの場を離れた。
流石にこの場を離れるのは失礼だと思い待つことにした。
そうして待っていると、手にパンと水を持って少女が戻ってきた。
先程のことを笑った詫びとバトリングで助けてくれたことに対しての感謝を含めて渡してくれた。
俺は少女からパンと水を受け取ると、パンを大きく頬張る。
美味い、パンってこんなに美味かったかな?
合間に水を飲むと、水も美味しく感じられた。
久しぶりのまとも食事に涙が出てきそうだったよ。
食べ終えた俺は少女に対して感謝してもしきれなかった。
このゲットーではパンと水だけでもかなり貴重な食料だ。
そんな食料を分けてくれたことに嬉しくもあり申し訳なかった。
それから俺は少女こと紅月カレンとお互いのことを話していた。
カレンは日本をブリタニアから取り戻そうとレジスタンスとして戦っているらしい。
バトリングでは活動資金と操縦技術を鍛えるために出ていたそうだ。
カレンから俺のことを聞かれ、実は俺アクセルになったんですよと言えるわけがない。
なので突然この世界に転移して放浪していたという設定で話した。
俺の話にカレンは信じてくれて、俺としては嘘を言っているので心苦しかった。
そのあとカレンはレジスタンスの元に戻り、俺もヴァイサーガのところに戻ろうとするとまた呼び止められた。
呼び止めたのはゴウトだった。
なんでもせっかく契約したのに試合が無茶苦茶になったことに対し、その詫びで少しだがお金が入った袋を渡してきた。
断ろうかと思ったが、今はお金が必要なのでありがたく貰った。
そうしてゴウトと別れ、ヴァイサーガに戻った俺はもう寝ることにした。
明日も稼ぎ口を探すか。
そう思い俺は寝るのであった。
「んんっ?」
寝ていた俺は外の騒音に目を覚ました。
「何だ?」
外が騒がしく確認しようと機体を降りて外を覗いてみる。
「何じゃこりゃー!?」
何と外では戦闘が起こっていたのだ。
急いで機体に戻り、もう一度外を覗く。
「何で・・・?」
外では変わらず戦闘が続いていた。
戦っているのはブリタニア・ユニオン正規軍とレジスタンスだった。
「どうするべきか?」
この情況での選択肢は3つある。
1、隠れてやり過ごす
2、戦闘に参加する
3、戦わずに全力で逃走する
2は戦いたくないから却下。
1は見つからなければ問題ないが、見つかったら2に移行してしまう。
3は逃げ切れると思うが狙われるのは確実である。
「どうしようかな〜?」
頭を抱えて外を見ると、そこには見慣れた機体があった。
「え?ウイングガンダムにガンダムデスサイズ?」
それはスパロボAPでは出なかったが、興味が出てアニメで見た機体だった。
「しかも、あれは・・・カレンなのか?」
もう一つはバトリングでも見た赤いグラスゴーだった。
あの色の機体はあまりないためしっかりと覚えていた。
「・・・・・・見過ごすわけにはいかないよな」
カレンには食べ物の恩がある。
それに女の子が戦っているのに、男がしっぽ巻いて逃げるわけにはいかない。
「・・・いくぞ」
俺は気合を入れ、ヴァイサーガは廃倉庫を突き破って戦場に向かう。
「ああもう!鬱陶しい!」
カレン達はブラスタのパイロットであるクロウや二機のガンダムのパイロットであるヒイロとデュオに、キリコの力を借りて軍が非公式に開発した毒ガスを奪おうとした。
だが、結果は失敗してしまい現在軍と交戦していた。
突然通信してきた謎の男の指揮により、伏兵は排除できたが敵は増援を出してきた。
いくらガンダムやブラスタのような高性能の機体がいようと数では相手が上のため苦戦していた。
建物を盾にして敵の様子を窺っていると、遠くの廃倉庫から何かが飛び出してきた。
飛び出してきた何かはビルの屋上に着地した。
それは漆黒の騎士を思わせるような外観の機体だった。
「敵?それとも味方なの?」
敵か味方か分からず様子を見ていると、漆黒の騎士はビルを飛び降りた。
漆黒の騎士はそのまま敵部隊の方に向かうと、腰の剣を抜きざまに斬りかかった。
ユニオンフラッグやサザーランドは頭部や脚部を中心に斬られていた。
「味方なの?」
そのまま次々と敵機に斬りかかり、戦闘不能へとさせていた。
『何をしているこの機を逃すな!一気に畳み掛けろ!』
通信機からの声にカレンは戦闘中だったことを思い出す。
「わ、わかっている!」
一体何者かわからないが、カレンは漆黒の騎士が頼もしく思えた。
ette様この度は本作品を評価してくださり誠にありがとうございます。
これからも喜んでもらえるように頑張っていきます。