チーズの焼ける匂いはようやく落ち着きを見せていた。
学園祭のメインイベントでもある巨大ピザ作りは、リヴァルの堅実な操縦とやる気を出したC.C.の味付けによって昨年以上の盛況のままに終わっていた。
イベント前にはコーネリアやユーフェミアの介入やビスマルク夫妻の登場など、予期せぬ事態に振り回されたモノの、全員に対してとにかくとぼけ続けることで事なきを得ている。
すでに関係者には、“自分はルルーシュではなく、リリーシャ”と言うギアスを掛けておいたため、周囲の予期せぬ介入は無いし、うっかりルルーシュの名を呼びそうなシャーリーは水泳部に、カレンはお化け屋敷に、玉城達はゲットー会場にと振り分け、ルルーシュはとにかく一人で行動することに徹していたのだ。
モニカからコーネリア等の手の者の動きを逐一報告されていたことも幸いし、祭にかこつけて騒ぎを起こそうとしていた主義者やテロリスト達も、背後に回っていたジェレミア、咲世子、ドロテア等によって排除されている。
自分の目の届かないゲットー会場も、日本人テロリストは藤堂が現れたことで平身低頭のまま逃げ去り、ブリタニア軍は彼に意識を奪われて、会場から引き離されたという。
それまで精彩を欠いていた藤堂だったが、ようやく本来の力を発揮することが出来たとも言えようか。
朝比奈達も日本人が日本人としてブリタニア人と楽しむ祭りを邪魔するつもりは無かったようである。
「それで、まだうろついているのか?」
『はい。一度は車に乗り込まれたようなのですが……』
広場では後夜祭の準備が進められている。
中庭でのキャンプファイヤーを中心に皆で騒いだ後は、全員が集まっているところで、意中の相手に対する告白イベントを執り行うと言うが……。
ユーフェミア達の動きを監視しているモニカの言にも力は無い。一度追い返したにもかかわらずこちらに戻ってきたのだ。
相変わらずの行動力であり、こちらも苦労させられる。
「参加させたら余計なことを言い出しそうで怖いぞ?」
『しかし、外部の方にも参加は許されているのでは?』
ミレイがどこからか見つけてきたイベントだったが、カレンや玉城達が懐かしがっていたため、昔日本であったイベントらしい。
問題は、特段異性に対する告白でも無く、受験や部活動に対する決意表明などでも良く、昨年などはシャルルの真似をして笑いを取ろうとしたふざけた者も居たぐらいだった。
「マスコミは帰らせたから特区に関して言及されても問題は無いが……。スザクに改めて告白でもされたらコーネリアが飛んできそうだ」
『二人の関係は皆知っておりますから今更だと思いますが……。暗殺の危険性もありますね』
「暗がりの中で明かりは炎の明かりのみ。加えて、告白者はライトアップされる。ただの標的だな」
もちろん、篠崎流や近衛騎士達が全力で周囲を警戒するが、人である以上は限界もある。
一番なのはそれまでに帰らせてしまうことなのだが、そうなると自分に対するしつこいほどの追求があるだろう。
ユーフェミアだけならともかく、スザクまでいるとなると話がさらに複雑になって言ってしまう。話をこじらせることに関しては天下一品な男だとルルーシュは思っている。
「今のところは展示品を見回ったりしているようだが……。コーネリアの手前、じっくり話す事をしなかったのは成長したようだが」
コーネリアがガニメデに興味を示しているとの情報が届いた際、ルルーシュはあえてコーネリアの前に姿を現し、他人行儀かつ女生徒として振る舞うことでコーネリアの目を欺いた。
情報が届いたのか、後になってユーフェミアとスザクも駆け付けてきたが、スザクの直球な問い掛けに、コーネリアが叱責したことも相まって、その場はユーフェミアにしつこく追求されずに済んでいた。
監視役と思われる者達はジェレミアと咲世子が排除しているため今の自分とモニカの会話が聞かれることは無いが、そう言った者達を残していたと言う事はユーフェミアは自分のことをまだ疑っていると見て良いだろう。
おそらく、根拠などは無く、単純に自分の直感で判断しているのだろうが。
そして、ルルーシュとしてもユーフェミアにはナナリーと同様に甘さが出てしまい、追求が続けば続くほどとぼけきれる自信は正直無かった。
そういう意味でも彼女は難敵であるのだ。だからこそ、あの場で空気を読んで退散したことを見て、彼女なりの成長を感じることが出来たのも事実だった。
『……迷っておられますね?』
「そういうつもりは……、お前には通じないな」
『殿下の中で、腹を割って話すべきだと感じているのならば、成されるべきでしょう。枢木スザクが側に居ては。と言うのならば、引き離す手段はあります』
そんなルルーシュの心情をモニカはあっさりと見抜き、主君の判断を後押しせんと口を開く。
機器越しとは言え、その表情はモニターを通じて読み取れるし、声色である程度の判断は付く。
個人の武勇以上に、その知略面でラウンズの地位を勝ち取った事実は否定しがたい。
そして、モニカと同様に、智慧の面では数少ない、この場の二人と同等に立ち回れる人物もまた、その場に介入しようとしていた。
「残念でした~。そう言う事なら、僕も協力しますよ~?」
「ロイドっ!?」
突然の飄々とした声と独特の口癖にルルーシュは思わず目を見開く。
ユーフェミアやビスマルクを警戒していたルルーシュにとって、ロイドの存在は彼に対する別の意味での信頼もあって気に留めていなかったのだ。
それはモニカも同様であり、ルルーシュの心情を探っていた際に近づいてきたことでそれをルルーシュに知らせることが出来なかった。
『アスプルンド卿……如何なるおつもりですか?』
「そんな怖い声を出さなくても大丈夫ですよ~。殿下を取って食おうなどと言うつもりは無いですって」
「殿下って……」
「だから大丈夫ですって。アッシュフォード家が破談にしてきたことは別に気にしていなかったけど、ガニメデのデータを渡してまでこちらを排除したかったのには理由がありそうだったのでね」
「そこから俺に行き着いたと言う事か?」
「そんなところです。ジェレミア卿とも懇意で、アールストレイム家も水面下で動いている。この三家が連携するとなるとね」
「その口ぶりだと、俺が生きていることも知っていたのか?」
過去においては、ロイド自身はルルーシュに対してそこまでの入れ込みも無かったためか、その生存については特に気にしていなかったと記憶している。
だが、今回はジェレミアが積極的に動いたことで、同窓の彼としては思い当たる節があったのかも知れない。
さらに、没落したアッシュフォードと今なお権門を誇るアールストレイムが地下で繋がる事実を把握すれば、ある程度の事態は見えてくる。
「それはつい最近ですよ~。あれだけ復権に熱心だったアッシュフォードがゼロが現れた途端に婚約を破棄してきたってのが一番大きいですがね」
『アッシュフォード家なりの信義だったようですが、ちょっとあからさまでしたね』
「ルーベンからすると、息子達を納得させるためにはああするしかなったようだがな」
ルーベンはリ家の筆頭格であったためか、水面下での立ち回りはお手の物だが、残念ながら息子達にはそこまでの器量は無く、その才覚は孫のミレイに受け継がれている。
過去において、ルルーシュがアッシュフォードを頼らなかったのも、ルーベンが老獪すぎてその真意を見抜けなかったこととともに、息子達が俗物過ぎたことを嫌った面もある。
今はルーベンが手綱を握り、ミレイも警戒しているため表だった動きは見せていないが、身内同士での暗闘はルルーシュが真意を明かした日から続いているだろう。
婚約者として関わりの多かったロイドからすれば察する機会はいくらでもあったはずだ。
「僕自身、ミレイさんは面白い子だし、ガニメデをはじめとするKMF研究の先鋭だった事も含めて興味はあったんですけどね。まさか、ここまでの大物を隠し持っているとは思いませんでしたよ」
「それで、お前の望みは何だ?」
『アスプルンド卿、ジェレミアや篠崎流が居ないことは気付いていると思いますが、我が手の者達はいつでも貴方の首を飛ばせると言う事を肝に銘じておいてください』
相変わらずの態度でそう告げたロイドに対し、ルルーシュはその真意を測りかねながらも鋭く視線を向ける。
モニカの口調もいつになく鋭く、おそらくファレル辺りの部下達が周囲に潜んで居るのであろう。ルルーシュも感じ取れるほどに周囲の殺気が強くなっている。
「うーん、そうですね……。殿下、僕自身はブリタニアの国是がどうだとか、皇族や貴族の勢力争いには興味が無いんですよ」
「そんな事は知っている。KMFがお前のすべてだろう? だが、お前のキレすぎる頭脳は、見る気になれば時代の情勢も見える。違うか?」
「随分、買いかぶって頂いてるんですね? 初対面とは思えないほどだ……。僕としては、ゼロとして、ガウェインの、ハドロン砲を撃った方の意見を知りたいだけですって」
「アレは返しただろ? 俺としてはそのままもらっていっても良かったが、ドロテア達を質に取られてはな」
「ええ。でもね、機体完熟も抜きにあそこまで動かせるパーツを僕は知らないんですよ。ハドロン砲にしても、収束化抜きにほぼ完璧に操って見せた」
「なるほど。ようするに、その理由も含めて知りたくなったと言うことか。だがな、ロイド。俺の正体を知った所で、機密を話してやるほど俺はお人好しじゃ無いぞ?」
ロイド自身は研究者として、開発途上にある兵器のデータは何よりも欲するだろう。
スザク個人を最終的には評価し、ルルーシュに対しても個人的に忠誠を誓った人間だったが、彼の本分はKMFの開発者である。
勢力争いには興味が無くとも、KMFの開発に関わるとなればそれに身を置く事も厭いはしない。
となると、ルルーシュに対して接触を試みた意図は何か。
現状、ロイド率いる特派はシュナイゼルのバックアップを受けてKMFの開発に全力を上げている最中だった。
『枢木スザクの騎士叙任が思わぬ波紋を呼んでいるのですね? アスプルンド卿』
そんな事を考えていたルルーシュの耳に、モニカの冷淡な声が届く。
「……っ!? なるほど、他陣営に属する騎士がデバイサーを務めることでいらぬ声が上がっているのか」
「ご名答。と言いたいところですが、はっきりとそういう感じなわけでも無いんですけどね」
過去においては、枢木スザクの騎士叙任は曲がりなりにも、日本人に対する救いの象徴的な印象を周囲に与えてきた。
日本人であっても実力を示せば騎士として出世できる。最終的にユーフェミアから特区という平等を旗印にした地域も勝ち取ったと。
だが、今回はそう言った声は多くは無い。ルルーシュや桐原が各地のレジスタンス組織の活動を制限させた事で、スザクの活躍の場は減り、彼の騎士叙勲に対する正当性を示す場は過去に比べて大幅に減っている。
キュウシュウ戦役でようやく日の目を見たが、ホテルジャックやナリタ戦役への参戦が無かった事は他のブリタニア人に対する心象をプラスにする事にはならなかったのだ。
『騎士に対する任免権は皇族にある。特に、後継争いに対してそこまで目立った動きを見せていないユーフェミアの騎士ならば、名誉であろうと特に問題は無い』
「だが、功績はあっても破格と言うほどでも無い人間が、陣営を跨いで二足の草鞋を履くことはいかがなものか? と言ったところか?」
そこまで考えて、モニカの声を引き継いだルルーシュはロイドへの視線を向ける。
ロイドは肯定するわけでも無く、眼鏡の下の飄々とした態度に苦笑いを浮かべるだけ。
とは言え、その表情がすべてを物語っている。
「ランスロットはお前にとっての傑作機。にもかかわらず、その傑作に適合したパーツを脇から奪われる。さらに、自身が手掛けるはずだったハドロン砲も問題無く使いこなした人物が敵陣営に現れた。……俺だったら耐えられんな」
「僕自身はそこまでじゃないですけどね。ただ、殿下とスザク君が手を結べる状況になれば、僕としては両方を手に入れる理由が出来る。そのためなら、協力は惜しまない。とだけ言っておきますよ」
「ふむ……」
ユーフェミアの事であるから、特区構想はスザクを通じてロイドやセシルにも話しているだろうし、ルルーシュの知るよしも無いところで実際に話してもいる。
加えて、ニーナに聞かされた際の全否定に対してスザクは不快感を示しても、ロイドやセシルはそれに賛同したとも思える。
だが、ロイドからしてみれば、ルルーシュとユーフェミアが手を結ぶと言う状況は歓迎するところであるし、ゼロとしての行動を見れば、ユーフェミアの構想を成功に導けるのもルルーシュだけであろうという思いもある。
シュナイゼルは理想としては歓迎しても、現実としてはその利用法と切り捨てまでを見込むであろうし、コーネリアは自身の政治信条とは真逆であるし、オデュッセウスは心情としては近くでも、実現に結びつける実務能力に欠け、ギネヴィアは実務能力はあってもコーネリア同様、信条に反する内容である。
他の皇族達も同様であるし、多くの大貴族達もまた彼女に賛同する事は無い。
だからといって、現状のままではロイドはせっかく見つけたデバイサーをユーフェミアに取られたまま、ゆくゆくは本国から送られてくるパーツの検品が優先されることになるだけだった。
「俺はユーフェミアに協力する気は無いぞ?」
「でも、話はしてみる気だったんじゃ無いですか?」
「……どこから聞いていたんだ?」
「クルシェフスキー卿の声が届くところからですよ。“迷って”辺りですかね?」
『……私が不覚を取るとは』
ロイドもまたルルーシュと同様に機器を耳に付けている。
モニカとの通信をこちらに気付かせること無く傍受したのはさすがだったが、ルルーシュ自身は自分を出し抜けるのはロイドとシュナイゼルぐらいのモノだという自覚はあったためそれほどの衝撃ではないが、モニカからすれば屈辱であったらしい。
「でも、わざわざ引き離そうとしてなくても、僕が引き止めれば良いだけですから簡単じゃ無いですか? 彼はちょっと頑固ですから、話に加わらせたくないと言うのも分かりますし」
「ちょっと? 俺としてはアイツには隠し事はしたくないが、今となってはな。……ロイド、仮に協力したとするが、お前に対する見返りは約束できんぞ?」
「いえいえ、こっちが勝手にやろうとしているだけですから。それに、この会話を公開されたら僕も終わりですからね」
『分かっているならばよろしい……。殿下』
「……うむ。モニカ、ミレイ達を呼んでくれ。それと、リヴァルには可能な限りビスマルクを遠ざけるようにもな。無理なら、ルーベンや咲世子にも応援させろ」
正直なところ、ユーフェミアと会うことへの懸念は大きい。
スザクが付いてくる事も含めて、二人は融通が効かない一面が目立つ。とは言え、一人だけ、かつユーフェミアだけならば、ルルーシュ自身も話せることはあるようにも思えている。
スザクを引き離したところで護衛は他にも居るが、それはそれで対処法はいくらでもあるのだ。
◇◆◇◆◇
リリーシャという女子生徒を探していたユーフェミア一向だったが、生徒会役員として忙しく動き回っているらしく、広い学園内で見つけることは中々難しかった。
何より、コーネリアが用意してくれた工作部隊はアッシュフォード家からの抗議とセットで皆捕らえられて追い出されてしまったという背景もある。
曰く、『殿下の安全はこのアッシュフォードの名にかけて保障いたします。如何に総督といえど、あのような者達を潜入させるのは失礼ですぞっ!!』
と、理事長室に招待されたコーネリア(とビスマルク)は、引っ立てられた工作員達を並べられて詰め寄られたという。
途中、彼女の弟だという少年や友人達とも会ったのだが、どこに居るかは分からないとの返答だった。
「ユフィ、リリーシャさんも忙しいみたいだし、今日は諦めた方が良いんじゃ無いかな?」
「そうね……。でも、今日会えなかったら、もう二度と会えないような気がしていて」
実際のところ、ルルーシュは学園祭の終了と同時に本格攻勢を開始する予定であり、その対処に追われるであろうユーフェミアもお忍びで学園に来ることなど不可能になる。
そうなってしまえば、この先二人が顔を合わせるのは、公の場でしかなくなるのだ。
「あ、スザク君、ロイドさんが呼んでいるんだけど、今大丈夫?」
「セシルさん? こんな時に何ですか??」
「それがね、ゲットーに藤堂将軍が現れたとかで、その追撃に参加して欲しいって」
「藤堂さんが? でも、ユーフェミア様は……」
「アッシュフォードが全力で守ると啖呵を切ったから、大丈夫だと……」
藤堂がゲットーに居るのは事実である。
ゲットーにて行われた学園祭の一行事を潰すべくブリタニア軍やテロリスト達が動いていたが、藤堂はその牽制としてシンジュクゲットーにやって来ていた。
その情報は騎士団やキョウトによって徹底的に秘匿されていたのだが、スザクを引き離す大義名分として、ルルーシュがコーネリア側に流したのである。
もちろん、藤堂達も了承済みであり、ゲットーでの祭りも玉城達が撤収作業へと入っている。元々、逃げ足と生存能力に関しては天下一品であるから心配は無いというのが、カレン等の心配に対するルルーシュの言だった。
「スザク、私は大丈夫ですよ。アッシュフォード卿の下に居りますし、何より今はヴァルトシュタイン卿が居られますから」
「たしかに……。休暇を邪魔してしまうのは申し訳無いですが」
リヴァルに会いに来たというビスマルクは、今日明日日本に滞在するという事はユーフェミアもスザクも聞き知っている。
さすがに、機体は持ってきていないため出撃まではしないであろうが、ブリタニア最強の武人が彼女を守るのならば問題は無いだろう。
「あ、ユーフェミア様……、こちらにいらっしゃいましたか」
そんな時、ニーナとともに長い黒髪が特徴の長身の少女が三人の下へと駆け寄ってくる。
それは、ユーフェミアが探し求めていたリリーシャだったが、随分慌てていたのか、ニーナ以上に息を荒げている。
「だ、大丈夫ですか?」
「え、ええ……。殿下、アッシュフォード理事長がおこし頂きたいと……」
「そうですか。ちょうど私も用がありましたの。ご案内いただけますか?」
肩で息をするリリーシャの手を取ると、やはりかつて失われたはずの異母兄の姿が思い浮かぶユーフェミアだったが、彼女が自分を呼びに来たのは渡りに船でもある。
おそらく、スザクが側を離れる以上は、命に代えて守るようコーネリアからルーベンに対して命令があったのだろう。
そう考えたユーフェミア達は、特に疑うことも無くリリーシャとニーナと共に学園内へと歩を向け、スザクとセシルはそれを見送ると特派のトレーラーへと急ぐ。
その姿を見送ったリリーシャは、ルルーシュとしてほくそ笑むと、ユーフェミアとともに学園へと足を向ける。
行き先は当然だが理事長室ではなく、生徒会室とヴィ兄妹のすまいがあるクラブハウスである。
ここは学園以上に防諜設備が張り巡らされた小さな要塞であり、ヴィ兄妹を守る城であるのだ。
(藤堂将軍が現れたというのは心配ですが、リリーシャさんはやはり……)
傍らを歩く美貌の少女に視線を向け、そんな事を考えたユーフェミアだったが、今は口にすることでは無かった。
彼女がルルーシュだったとすれば、余計なことを口にすれば心を閉ざすだけである。今はただ、彼女の言に従うしか無い。
まもなく始まるであろう、彼女達の戦いを前に、ユーフェミアは昂ぶる鼓動を自覚しつつ、そんな事を思うのだった。
相変わらず投稿が安定せずに申し訳ありません。
ユフィとルルーシュが話すというのはやるべきか否かと思う面はありましたが、神根島でのやり取りとかも含めて、ルルーシュの目が届く範囲なら余計なことはしないと思うので、いっそのこと思い切り話させてみようということにしていました。
あと、この手の後夜祭イベントは学生時代の定番でしたが、この手の告白が上手く行った例は一件だけでしたね。
ちなみに、誕生したカップルは男性同士でしたが(笑)