コードギアス ~生まれ変わっても君と~   作:葵柊真

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最終話 夜空の向こうへ

 すっかり冷えてしまった紅茶を口に含み、喉を潤したリヴァルは眼前にて対峙する両者に対して交互に視線を向ける。

 口を真一文字に結んで腕を組むビスマルクと口元に笑みを浮かべつつも、目に笑みのないドロテア。

 かつて、ナイトオブラウンズとして並び立っていた両者の対峙に、室内の人間達は息を呑みながら動向を見つめるしかなかった。

 

 

「どうやら、息子の事を色々と見てくれていたようだな」

 

「ええ。さすが、貴方の息子だけあって筋が良いですよ。それにしても、はじめに口にするのが息子の事とは、ヴァルトシュタイン卿も変わられましたね?」

 

「貴公ほどでは無いと思うがな。ドロテア、なぜ本国に戻らなかった?」

 

「分かっておられると思いますが? 私がマリアンヌ様に敗れ去ったとき、貴方もあの場に居たではありませんか?」

 

「…………噂は本当であったか」

 

 

 

 はじめに頭を抱えるリヴァルの事に触れ、事の確信へと話を詰めるビスマルクに対し、ドロテアは核心には触れず、また否定もすることなく答える。

 どうやら、ビスマルク達にはジェレミアの持つキャンセラーの事も知られている様子だった。

 

 

「過去を知った所で、陛下に対する忠義に関しては否定するつもりはありませんでしたよ。しかし、味方から撃たれるとあっては。部下達をも巻き込むとなればなおさらです」

 

「ヴィクトルは追放した。貴公等の名誉も回復する用意はある」

 

「今更でしょう。すでに我々の派閥に属する一族はすべてを捨てる形で亡命し、ジェレミア等は家門こそ残っていますが領地返上の上に家督も妹が受け継ぐ形で失っている。本国に戻れば、待っているのは水面下での粛清だけでしょう」

 

 

 

 仮にシャルルがドロテアやモニカを赦免したところで、勢力を失ったエルンスト、クルシェフスキーの両家が戻る場所などはない。

 両家の勢力を奪い取った人間達が大人しくそれを返上することなどまずないだろうし、勅命をもって返上させたとしても、両家がダメージを受ける爆弾は用意されているだろう。

 

 なにより、今となっては騎士団に協力した過去がマイナスすぎる。

 

 ドロテアやモニカ本人の実力からすれば、身を守ることは出来るだろうが、やはり家族や家人達が足枷となる。

 何より、ヴィクトル側の貴族達からすれば、当人達にそんなつもりはなくとも、勝手に報復を恐れて攻撃してくる可能性も高い。

 

 

 

「……どうあっても、ブリタニアに反逆するつもりか?」

 

「そうですね。シャルル陛下をブリタニアそのものとするのならば、反逆と言う事になりましょうか」

 

「なんだと?」

 

「私といたしましては、ブリタニアに反逆……はしているのでしょうが、祖国を滅ぼすつもりなど有りませんよ」

 

「陛下の否定はブリタニアの否定……違うのか?」

 

「かつて、新大陸に建国されたブリタニアには、欧州への介入を否定する孤立主義なるものが有りました。今の侵略と進化を肯定する政策とは真逆となるものでしょう」

 

「ブリタニアそのものを否定するわけでは無いと言う事か?」

 

「忠誠を誓っていた時間を否定するわけでは無い。だが、我が身に流れる血は否定できません。大恩ある主であると同時に、怨敵でもあるのですよ」

 

 

 

 ドロテア自身、ルルーシュの下で戦っている事を理由に、“ブリタニアに対する反逆”と言う自身の中で否定しがたい要素を何とか誤魔化している。

 日本人の多くはかつての自身の罪と共に後ろめたさを感じている相手でもあったが、それでも戦場を共に駆ける戦友達でもある。

 それらと道を同じくするための大義名分はルルーシュの存在でもあった。

 自身がシャルルを否定するならば、同じくシャルルを否定するルルーシュを旗印にする事で自身の中に大義を見出す。

 それはブリタニアの否定には繋がらないと言うのはドロテアの持論でもあり、この場に居るビスマルク夫妻以外のブリタニア人達の大義でもあった。

 

 

 

「……なれば、相応の覚悟は出来ているのだろうな?」

 

「もちろん。ですが、ヴァルトシュタイン卿、エクスカリバー無き貴方に後れを取るつもりはございませんよ?」

 

 

 

 そして、そんなドロテアの本音を聞いたビスマルクが放った闘気に、二人以外の者達は全身に粟が立つ。

 その場に座っているだけにも関わらず、歴戦の人間達が蛇に睨まれたか蛙の如く凍り付くほどに、その場にて対峙する両者の伎倆は群を抜いているのだ。

 

 

 

「……ふう。加えて、ヴァルトシュタイン卿、貴方の奥方はかつての私と同じ陣営。そして、御子息は今もなお私と道を同じくしている。……嘘を嫌う陛下の腹心足る貴方にもまた、後ろ暗きことがございますね?」

 

 

 

 そして、その闘気にただ一人あてられなかったドロテアは優雅な仕草で紅茶に口を付けると、不敵な笑みを浮かべたままビスマルクに対してそう告げる。

 今にも剣に手を掛けようかというビスマルクの動きが止まり、リンダとリヴァルが揃って凍り付く。

 

 

 

「……陛下もまた、私にはすべてをお話にはならぬ。だが、私は陛下の騎士としてその身をもって忠誠を誓った。なれば……っ!?」

 

「そこまでです。ヴァルトシュタイン卿」

 

「へ? その声って??」

 

 

 

 だが、腹の奥底から苦悩とともに声を振り絞ったかのようなビスマルクの言動は、背後から突き付けられた剣によって阻まれる。

 瞬時にビスマルクの背後を取ったメイドの声に、リヴァルは再び間の抜けた声を上げる。

 

 

 

「……どうにもおかしいと思ったが。お前はモニカか?」

 

「ふふ、ドロテアは口下手ですし、今のような優雅な仕草は苦手ですからね。ヴァルトシュタイン卿も息子達の手前、鈍られましたね?」

 

「一言、多いぞ。……ヴァルトシュタイン卿、我々の動向に気付いたことは見事ですが、逡巡は身を滅ぼしますぞ?」

 

 

 

 呆気にとられていたリヴァル達の目の前で、眼前に座るドロテアをにらみ付けたビスマルク。

 不敵に笑ったドロテアは、先ほどと同じように顔に手を掛けると、今度はその褐色肌の下から白皙の肌と金色の髪が現れる。

 背後に立つメイドに対してそう毒づいたモニカに対し、メイドも同じように変装を解くと、今度は本当にドロテアの呆れたような顔が表に出る。

 

 

 

「……リヴァルの言動には引っ掛かるところがあった。国是を否定する言動もどこまでが本気であるのか。とな」

 

「改めて顔を合わせてみたら、追放されたラウンズとは顔見知りであり、話の内容から後戻りは出来なくなっている事実を突き付けられましたか?」

 

「何よりも、ヴァルトシュタイン卿御自身が陛下に対する忠誠に疑問を感じておられるのですよ。リヴァル君とどんなやり取りをしたのかは分かりませんが、かつての貴方であれば、リヴァル君が居たとしてもドロテアはともかく、私の首は飛んでおりましたからね」

 

 

 

 モニカ自身、武勇に関してはビスマルクやドロテアには敵わないと言う自覚はある。

 

 そんな相手に対し、眼前にて対峙したのは変装やリヴァルの存在を加味した上で、ビスマルクの中にある逡巡を見抜いたからでもある。

 

 騎士として、シャルルの下で戦い続けてきた男だったが、“計画”への賛同者であっても、マリアンヌの存在を知らせてもらっては居らず、黄昏の間へ足を踏み入れたことも数えるほどしかない。

 自身はあくまでも同志ではなく騎士であると言う自負はあったが、リンダや友人達を秘密裏に救い出し、子を儲けたという過去は否定しがたく、そこにはシャルル達に対する不信がどこかにあったのかも知れない。

 さすがに、その辺りのことまでは知り得ぬモニカであったが、彼女自身の戦場は謀略や策略。

 それらに関してはルルーシュに及ばぬとも、経験や年齢の差から他者の心理などを読み取る能力は他の追随を許さない。

 

 ナイトオブワンであっても、戦場ではなく、謀略という蜘蛛の糸に絡め取られてしまえば動きが取れなくなるものだった。

 

 

 

「父さん……。俺は」

 

「言うな。私自身、お前を疑っていたことは事実だ。だが、それは誤解であって欲しかった……」

 

「…………ごめん。でも、俺は」

 

「リヴァル。あんたっ」

 

「よせ、リンダ。リヴァルが自分で決めた事だ。リヴァル、お前の言う友人というは、ドロテアやモニカではないだろう? ……それが誰なのか、お前は言えない。違うか?」

 

「ああ。父さんにも母さんにも」

 

「モニカの言を借りれば、ジェレミアとアッシュフォード卿。そして、リヴァルと同年。信じがたいことではあるな……」

 

 

 

 そして、リヴァルの言動を制したビスマルクは、彼自身が感じていた疑問とそれぞれが繋がった糸の先にある事実に辿り着く。

 同時に、それは自身が主君からも告げられていない事実とモニカやドロテアがシャルルに対して牙を向いた事実を肯定する。

 何よりも、ヴィクトル――V.V.が強行に日本を攻撃した理由にも繋がってきていた。

 

 

 

「父さん……。――っ」

 

 

 そんなビスマルクの様子に、リヴァル自身はルルーシュより明かされたシャルル達の計画の一端を知っているため、その事に対しても問い詰めたいという誘惑に駆られる。

 

 だが、それは喉から出かかる直前で思い留まった。

 

 問い詰めてしまえば、ビスマルクはこの場に居る者達とは刺し違える覚悟で討ち果たすだろう。知られてはいけない計画でもあるし、真相を知らぬ者達にとっては荒唐無稽すぎる。

 ギアスですら、目の当たりにしなければ信じがたいものであるのだ。コードやCの世界ともなればなおさら信じがたいモノになるし、なにより、そんな事のために戦争を始め、ドロテアやモニカの犠牲を捨て置いた事にもなる。

 

 何より、リヴァルにとってはビスマルクもまた、自分やリンダとは「Cの世界で再会できるから死んでも構わない」と考えるあの皇帝と同類であるとは思いたくなかったのだ。

 

 そもそも、血の紋章事件で反逆者となった母リンダを秘密裏に助け、自分が生まれたという事実があるからこそ、リヴァル自身はビスマルクを信じたいとも思ったのだ。

 

 

 

「あ…………っ」

 

 

 

 そんな時、静まりかえった室内を揺らす轟音が周囲に轟く。

 敵襲かと身構えるビスマルクとリンダだったが、他の者達はそんな二人の様子に逆に肩の重荷が抜けたように感じる。

 

 

 

「花火が始まったようですね……。ヴァルトシュタイン卿、今この時ぐらいは、親子として祭りの〆を楽しんではどうです?」

 

 

 

 そして、モニカの言に、ビスマルクもリンダもまた、瞑目しつつ肯いたのであった。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

『よっしゃー、最後ぐらいは一緒に行くとしようぜっ!! アッシュフォードのセイガク諸君っ!! 俺様は名誉ブリタニア人の玉城真一郎様よっ!! カウントダウンのはじまりだぜっ!!』

 

『これはゲットーの映像よ。嫌な人も居るかも知れないけど、最後の花火ぐらいは人種も主義主張も関係なく楽しむわよ―っ!! それじゃあ、合図よろしくっ!!』

 

 

 

 ユーフェミアを伴い、中庭に出てきたルルーシュの耳に、玉城とミレイの声が轟く。

 

 どちらも祭り好きな陽気者であり、その司会ぶりも板に付いているが、なぜか引っ張り出された合図の主はスザクであった。

 

 

 

『な、なんで僕が??』

 

『はいはい、空気読めないこと言わない。名誉として戦果を上げてる有名人なんだからね。はい、カウントダウン開始っ!!』

 

 

 

 藤堂等の追跡から戻ってきたところをミレイが捕まえ、ユーフェミアの下に行かせないようにしたのだが、想定通り、いきなりの事で困惑しているスザクを傍目に、中庭には玉城とミレイの音頭に乗せられて、観客達がカウントを続ける。

 

 

 

「賑やかですね。それにスザクも、大役ですね」

 

「ミレイのノリに付き合わされているだけだけどな。……アイツも変わらないのか」

 

「ルルーシュとナナリーのことを、スザクは懐かしく思って居るみたいよ?」

 

「……そうか」

 

「ええ」

 

 

 

 そんな喧噪の中、意図せず騒ぎの中心に連れ込まれたスザクに対し、互いに言葉を交わし合うルルーシュとユーフェミア。

 以前であれば、ルルーシュに対してスザクと会うよう促し、彼の怒りを買ったであろうユーフェミアだったが、さすがに散々やり込められた後となっては不用意な発言は慎む。

 ルルーシュとスザクが手を取り合ってくれればと言う思いはあったが、今となっては二人は敵同士であり、ルルーシュ自身もスザクとなれ合うことを良しとしていなかった。

 

 

 

『……1、0っ!! ハイっ!!』

 

『にゃ、にゃあ~~~んっ!!!!』

 

 

 

 そして、ミレイに背中を押されつつ、好例の音頭を叫ぶ羽目になったスザクはヤケクソと言ったノリで盛大に声を上げる。

 

 

 すると、それに乗った玉城の合図で盛大に花火が打ち上げられる。それは、轟音となって租界外縁部を彩り、租界とゲットーの両面に住む人間達の目には夜空を彩る光が映り込んでいく。

 

 

 当初は訝しげな表情を浮かべていたコーネリアも、政庁からも見えるその光景には思わず見とれ、良い笑顔を浮かべてダールトンとギルフォードに対して咳払いをして誤魔化すほどに、盛大かつ色とりどりの光は人々を魅了していた。

 

 しばらくは、周囲は轟音と光に包まれる事が分かっているルルーシュとナナリーは今のうちとばかりに変装を戻すべく咲世子の下へと向かう。

 スザクだけではなく、ビスマルクもいるこの場では、誤魔化せる手段はいくらでもあった方が良い。

 

 

 そして、その場にはユーフェミアとともにシャーリーとニーナ、そしてソフィーとユーフェミアの護衛達が残される。

 

 

 

「きれいですね」

 

「そうですね……。ええっと、ユーフェミア様」

 

「ユフィでいいですよ? それでなんですか? シャーリーさん」

 

 

 

 ルルーシュ達を見送った両者は、しばし花火に視線を奪われる。だが、沈黙に支配されていると、ふとした会話が生まれやすくもあった。

 

 

 

「ええっと、なんで変装したルルのことが分かったんですか?」

 

「ふふ、ルル。ですか」

 

「ふえっ!? いえ、それは前からそう呼んでいるからで」

 

「いえいえ。分かりますよ、ルルーシュはシャーリーさんのことを大切に思っているのが。だからですかね? でも、ルルーシュの事が分かったと言うのは本当にたまたまですよ? あの女性はルルーシュに違いない。顔を合わせた時に、そう思ったんです」

 

 

 

 ユーフェミア自身、確信が有ったわけでは無い。

 

 ただ、スザクからルルーシュ達の事を聞かされ、ジェレミア達に救出された後の事までは分からないと言う彼の言から、生存までは信じていなかった。

 アッシュフォードもゴットバルトもアールストレイムも、公式には彼等を死んだ者として扱っていたのだ。

 ただ、ニーナに話した特区案を否定してきた人物。なぜか、その人物に興味を引かれたことはたしかだった。

 

 

 

「やっぱり、仲の良い兄妹だったからなんですか?」

 

「うーん、どうなんでしょうか? それでしたら、お姉様も気付いたと思いますし」

 

「え、えっと、それじゃあ、初恋とかそう言うのだったら」

 

「シャーリー、落ち着いて……」

 

 

 

 シャーリー自身、ルルーシュのユーフェミアに対する言動が他者に比べて思い入れが強いことは悟っていたが、ナナリーと違い、ユーフェミアもまたシャーリーと同様にルルーシュに突き刺さった傷である事を知らないため、彼の思い入れを感じていたのだ。

 そんなシャーリーの一方的なライバル視が暴走しそうであったため、付き合いの長いソフィーが苦笑しながら宥める。

 ニーナ自身はユーフェミアに対する態度とシャーリーの明るさが苦手なこともあっていい顔はしていなかったが、それを態度には出さず口を開く。

 

 

 

「でも、ユーフェミア様。ルルーシュは協力するつもりはないみたいですけど、本当に日本人との融和は諦めないんですか?」

 

「あら、以前はイレブンと言ってしましたけど、ニーナも日本人と言ってくれるようになったんですね」

 

「あ、それは」

 

「いいえ。良いことだと思いますよ? そして、私も簡単に諦めたくはありません。……ルルーシュやシャーリーさん達。そして、お姉様達と戦うことになるかも知れなくても、私自身の思いは捨てたくないんです」

 

「ユーフェミア様……」

 

「そうなんですね……。私は、ルルと一緒に戦うと決めたから、戦場に出たら敵同士……になってしまいますね」

 

「シャーリーもそんなことを」

 

「良いんですよニーナ。それでも、今日のことを私は忘れませんし、いつかルルーシュやナナリーとまた仲良く出来る日が来ると信じています」

 

 

 

 舞い上がっていた花火が、今度は租界外縁部の沿うように張り巡らされた仕掛け花火にへと代わると、舞台を移していたスザクがミレイ達に捕まってなぜか胴上げされる光景が画面へと映し出されている。

 

 

 

「ふふふ、スザクも楽しそうですね」

 

「いや、あれは迷惑がっていると思いますけど」

 

 

 

 普段であれば、名誉や日本人からは愛憎入り混じった感情を向けられるスザクだったが、今ミレイ達に振り回されつつもはしゃぐ姿は年相応の少年であり、周囲の視線も柔らかいモノになっている。

 現状では、日本人にとっての希望ともブリタニア人にとっての出世頭とも言い難い複雑な立場にあるスザクだったが、映像を通じてスザクという人間を知ってもらう機会を与えたのはルルーシュなりのスザクに対する義理立てでもある。

 彼の出世や功績を立てる機会を奪い、その理想なども否定してきたルルーシュとしては、小さな形であろうとも借りを返したかったのだ。

 

 

 

「ルルーシュやナナリーと私。昔のようにはもう戻れない……。それでも」

 

 

 スザク達の様子を見つめながら、そう言いつつも言葉を切ったユーフェミア。

 彼女自身、ルルーシュやナナリーとともに平穏に過ごせる未来を望む。だが、それを成すには、倒さねばならない者達が居る。

 そして、それはユーフェミアにとっては、ルルーシュ達と同様に大切な人間達でもあるのだった。

 

 

 

 

 夜空を彩る光達。

 

 

 その下にてそれらを見つめる者。

 

 野心と大望を秘めつつ、その成就を目指す兄妹とそれらに忠誠を捧げる者達。

 

 友として、愛する者として、主君として、それぞれの思いを抱きつつ、信じる者のために戦う事を決めた者達。

 

 かつては一人の男に忠誠を誓い、その下にあって戦場を駆け、今となっては袂を分かちあった者達。

 

 過去の罪を背負いつつ、自身の道を正道を信じて戦う者とそれを利用しつつもどこかで非情になりきれず、世界の動向に身を任せる者達。

 

 他にも、失われた祖国の再興を復興を夢見る少女とその周囲にあって権謀を振るう老獪達。

 

 それぞれの主義主張を抱えつつも、祖国の武の象徴として戦場を掛ける者達。

 

 かつては、甘い考えを持ちながらも、一人の男との出会いでそれぞれの生きる道を見つけ、未来を切り開こうと考える者達。

 

 そして、一人、異なる時間を行きつつも、今を生きるこの場に思い入れを感じ始めている者。

 

 

 

 

 様々な者達の思いを乗せて夜空を彩り続ける花火。

 

 それは、彼等だけでなく、この日本の一つの都市に住む者達すべての思いを乗せて、夜空を彩り続けても居た。

 

 

 そして、その思いを乗せた彩りは、新たなる戦いの炎を静かに灯す火種となろうとしていたのだった。




激闘編は以上で終了となります。

ユーフェミアとの関係やリヴァルとビスマルクの関係などに一端区切りを付ける形になったのですが、見返してみるとジェレミアの出番が極端に減ってしまった事が一番の反省点でした。

この辺りも踏まえつつ、またルルーシュ達のみならず、ユーフェミアやビスマルク達がどのような決断をするのか、次章以降も注目してもらえたらと思います。


また、お気に入りが1500を超え、多くの皆様に注目して頂けている事をうれしく思いつつも、完結に向けて頑張ろうと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。
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