コードギアス ~生まれ変わっても君と~   作:葵柊真

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前回に引き続き、過去の話になります。


第六話 ジェレミアの過去①

 暗がりに沈んでいたジェレミアの意識は、規則的な電子音とともに呼び起こされる。

 

 

「ぐおっ!?」

 

 

 はじめ、脳裏に浮かんだのは、なぜ目覚めたのかと言う純粋な疑問であり、次には困惑とともに目が開かれると、胸元に走った激痛に思わず声を上げる。

 激痛とともに視界に入ったのは、自身の口元を覆う呼吸器具や身体の方々から伸びる管。

 自身が寝かされていた状況を考えると、どうやら再び生き長らえてしまったようであった。

 

 

「な、なんと?? お、おい、目を覚ましたぞっ!!」

 

 

 そんな自身の様子に驚いたのは周囲に詰めていた医者や看護師達である。当然と言えば当然であろうか。

 悪逆皇帝ルルーシュの側近であり、ナイトオブワンまで務め、今は再び世界の敵となった男である。それが目を覚ましたとすれば、生命の危機を感じずには居られないだろう。

 だが、そんな考えとは裏腹に、医師や看護師達にあるのは、恐怖と言うよりは歓喜と言った方が良いのであろうか?

 

 

「良かったですね。辺境伯の御子息を救えなかったとしたら、どんな罰を受けるか」

 

「これ、声が大きい」

 

 

 そんな困惑に、聞き捨てならない台詞が耳に入る。“辺境伯の御子息”と、彼等はたしかにそう言ったのだ。

 

 

「なんの話だ?」

 

 

 違和感を察したところで、多くを語るわけにも行かないと思い、一言、そう声を発するしか無かった。

 

 

「ふん、ようやく目覚めたか。“ゴットバルト少尉”」

 

 

 そうやって、自身の状況を探ろうとしていた、ジェレミアの耳に聞き慣れた。と同時に、聞こえるはずの無い凜とした女性の声が届く。

 

 

「こ、コーネリア殿下っ!?」

 

 

 コーネリア・リ・ブリタニア。

 神聖ブリタニア帝国第二皇女にして、戦場に身を投じる戦女神として多くの将兵に慕われる皇女。しかし、ジェレミアの記憶の中では、彼女はゼロレクイエム後の混乱の最中に消息を絶っていたのであった。

 

 

「で、殿下……、ぐっ!?」

 

 

 とは言え、皇族の登場にベッドに寝そべっているわけにも行かず、呼吸器具と点滴針を自力で外し、身を起こす。

 慌ててそれを止めようと立ち上がった看護師達であったが、コーネリアの一瞥に即座に身体を震わせ、頭を垂れる。

 

 

「ほう? つい先ほどまで死の淵にあったと聞いていたが?」

 

「はっ……」

 

「お前達、この者と話がある。席を外せ」

 

 

 そして、記憶の中にある彼女と比べ、まだまだ幼さを残す様子に、ジェレミアの困惑は最高潮に達するとともに、一つの確信をも抱かせられる。

 とはいえ、彼女の口から発せられるであろう事実を聞くまでは、それを受け入れるわけにもいかなかった。

 

 

「さて、少尉。貴様は、あの晩のことを何か知っているのか?」

 

「はっ……。恐れながら、マリアンヌ様が何者かに害された事以外は……」

 

 

 嘘である。

 

 ジェレミアは、生前のルルーシュやC.C.より、マリアンヌ殺害の犯人とその真相を聞き及んでいる。そして、マリアンヌに引導を渡したのは、他ならぬ自らの主君であると言う事も。

 もっとも、“今、マリアンヌがどこに居るか”までは聞き及んでいなかったのだが。

 

 

「そうか。して、なぜ、貴様はそのような“事”に及んだ?」

 

「はっ……。我が、忠義を果たせず、その命を持って――ぐわっ!?」

 

 

 胸元の傷は、はっきりとした自害の痕である。おそらく、“この世界の自分”はマリアンヌの死に対し、自らの命を持って責任を果たしたのであろう。

 だが、それに対するコーネリアの返答は、拳による一撃であった。

 

 

「馬鹿者が。忠義を語るならば、命ある限り主君に尽くせっ!! 死して償えるのならば、私だって……」

 

 

 そうして続いたのは激しい怒声と自嘲ともいえる声。彼女もまた、マリアンヌの死を悔やみ、自身の手によって彼女の事績を語り継ごうとした人物でもある。彼女からしてみれば、殉死など逃げでしかないのであろう。

 

 

「申し訳ありませぬ。軽率でありました……」

 

「ふん。ならば、傷が癒えたら私の元へと戻れ。その身をもって、マリアンヌ様の御意志に報いるのだ」

 

「殿下?」

 

「ルルーシュとナナリーが……、日本へと送られた。だが、あの地はまもなく戦場となる。貴様も、マリアンヌ様に大恩がある身ならば、何をすれば良いのか分かるであろう?」

 

 

 そんなコーネリアの言に、記憶の奥底にあった過去が次々に蘇る。

 そして、ゼロレクイエムへと至る過程において、ルルーシュがスザクとともに語った日本での日々とその後の苦悩。

 すでにマリアンヌは亡く、彼等を守るモノは柩木スザクただ一人しか居ない状況に置かれているのだ。

 

 

「ははっ!! このジェレミア・ゴットバルト。必ずや、ルルーシュ様とナナリー様をお守りいたしますっ!!」

 

 

 そして、一気に身の高ぶりを感じていた。

 そう、今この時点で二人の居場所は分かっているのである。その地には藤堂鏡四郎も居るはずであり、彼を今の時点で味方に付ければ、戦時下にあっても二人の身を守ることは可能になる。

 もちろん、軍人として祖国に忠義を誓う以上は、表だっては行動出来ないであろうが、皇族の身を保持することの意味を理解できない愚か者では無い。

 それが不可能であったとしても、アッシュフォード家が日本に来るまでの間、守り抜く自信はある。

 そう、忠義は今なのである。

 

 

「む? 待て待て、貴様、日本へと赴くつもりか?」

 

「はっ!! すぐに用意をいたします」

 

「だから、待てと言っているっ!! 皇帝陛下は我らの日本への赴任を許されてはおらん」

 

 

 そんなジェレミアの様子に、訝しげな表情を浮かべたコーネリアは、立ち上がろうとした彼を慌てて押さえつける。

 一瞬の気の高ぶりが一気に萎んでいくのだが、自身が我先にと動けば、V.V.を刺激することになりかねない。とは言え、このままいたずらに時を過ごし、日本への赴任を待たねばならないのだろうか?

 過去と異なり、事件の後もコーネリアと接触できた事を生かさずに居るわけにも行かないのだ。

 

 

「醜態をお見せいたしました。お許しを」

 

「ふん、死にかけてからずいぶん大人びたと思ったが……。まあいい、マリアンヌ様に報いるべく同志達が動いている。貴様も、覚悟があるならばそれに加われ」

 

「と、申しますと?」

 

「ナイトメアフレームというモノを聞いたことはあるか?」

 

「アッシュフォード財団がマリアンヌ様とともに開発を進めておられたと言われる新兵器ですな」

 

「うむ。軍内部では、その性能に関しては懐疑的だが、閃光のマリアンヌが見出したる新兵器。これを世に知らしめる」

 

「……日本侵攻の尖兵となられるおつもりですか?」

 

「ああ。兄上達やナイトオブワンも同意は取り付けてある。後は、軍部を説得することだが、これは腹立たしいが皇帝陛下の鶴の一声をいただくしか無いだろう」

 

「殿下はその先陣を切り、ルルーシュ様とナナリー様を救出致そうと?」

 

「……私の出陣は許されておらん。だが、貴様のような一大貴族の将校ならば、押し込むことは難しくは無い。どうだ?」

 

 

 そう言うと、コーネリアは試すような視線を向けてくる。

 過去にあって、自分はマリアンヌの死を嘆き、軍務に勤しむことしか考えていなかった。だが、時の上司であった彼女もまた、使える手札を得られず、時を過ごしていたのであろう。

 ギルフォード、ダールトンと言った懐刀は、彼女が戦場で武勲を立てる中で見出していった英才達であったのだ。

 とはいえ、将来的にルルーシュと敵対する事は避けられぬ彼女に取り入りすぎることは危険ではあるまいか?

 皇帝シャルルの野望を知っている身としては、祖国ブリタニアに忠義を尽くすことが、世界を破滅へと導くこともまた理解している。

 そして、皇帝自身に嫌悪感を抱いていたとしても、コーネリアはブリタニアのまさに象徴的な人物となる。

 かつての自分であれば、感涙とともに彼女に忠誠を誓ったのかも知れないが、一度袂を分かった過去のある相手。

 いずれ敵対する彼女の手を取ることは、信義に反するのではないかという思いはあった。

 

 

「ふん、軽挙に走った割には慎重だな。まあよい、時間はまだある。今は身体を治せ。返事は復帰後に聞く」

 

 

 そんな自身の心情を察してか、コーネリアは若干不機嫌な態度をしつつもそう言うと、外套を翻しながら病室を出て行った。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「お前もあの時、日本に居たのか?」

 

「はっ、かつては恨みをぶつける形で戦い続けておりました」

 

「藤堂達がお前を頑として受け入れなかったのはそういう事情があったのか」

 

「日本への侵攻、純血派としての横暴。私に対する不信は当然のものとして受け入れておりました」

 

「……続けてくれ」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 それは子を持つ一人の母親としてはあまりに寂しい葬列であった。

 

 自身が産み落とした幼子達は遠き異国へと送られ、葬儀に参列する親族は居らず、その後援を務めていた貴族のみが参列するという極めて異例な葬儀。

 かつて、寵愛を一身に与えていた皇帝もまた、彼女の葬儀に参列することは無く、弔電を代読させるに止まった。

 ジェレミアは、胸元に刻まれた傷に疼きを感じつつも、柩に花を手向けていく。かつて、主君と定めた女性。だが、彼女の亡骸は柩には無い。

 皇帝シャルルが帝都ペンドラゴンの地下に用意した一室に彼女の亡骸は安置され、来たるべき日を待っているのである。

 

 もっとも、当の本人は自身の葬儀が寂しいモノになろうがそんなことを気にするような女性では無かったのだが。今もどこかで「みんな沈んじゃって、悪いことしちゃったわねえ」と悪い笑みを浮かべながら笑っている。

 そんな豪快かつ常人とは異なる次元で生きている人間だった。

 

 

「うん?」

 

 

 とは言え、哀悼の意を表さぬわけにもいかぬ場。黙祷を終えたジェレミアの傍らには、黒を基調とした侍女の装いに身を包んだ幼い少女が一人たたずんでいた。

 彼女もまた、静かに花を手向けると、目を閉ざし黙祷する。その姿に、ジェレミアは過去において、長く時を過ごした一人の女性の姿を思い返していた。

 

 

「これは、ゴットバルト少尉。貴方もこの場に?」

 

 

 そして、無言のまま柩から離れた先には、沈痛な面持ちの少壮の男が立つ。彼はヴィ家の後援であり、アッシュフォード家と並ぶ権門のアールストレイム家の当主である。

 基本的に高慢な人物が多いブリタニア貴族にあって、葬儀を主宰するルーベン・アッシュフォードと同じく穏健な人物であり、ヴィ家の没落によって、派閥抗争に巻き込まれていく事は間違いではないであろう門閥。

 ジェレミアにとっては、後々一門の一人になるわけだが、その事実を知る前に、彼とその一族は一人の少女を残してフレイヤの光とともに消えている。

 

 

「はっ。私が至らぬばかりに、このような事態を……。なんとお詫びするべきか」

 

「いや、君は任官したばかりの軍人だ。その責を負う立場には無い。ああ、これは私の娘でアーニャという。ほら、アーニャ、ご挨拶を」

 

「……はじめまして」

 

 

 アールストレイム卿に促されて、隣を歩いていた少女は、過去と変わらず抑揚の無い声とともに頭を下げる。

 どうやら、物静かなのはこの頃から変わらないらしい。だが、ジェレミアは、彼女に対してある異変を感じ取っていた。

 

 

(……どういうことだ? なぜ、これを感じるのだ??)

 

 

 過去において、自身に与えられた力。そして、その力を知覚する能力もまた、自分には植え付けられても居た。

 とは言え、死という終幕を迎えた自分は、そのような呪われた力とは無縁のはずであったのだ。だが、今もなお感じ取ることが出来たそれは、過去において自身が因果から救い出した少女のそれ。

 

 

(なんと言うことか……。アーニャはこれほど幼きときより)

 

 

 口数の少ない彼女は、ともに時を過ごすようになってからも寡黙な事が多く、過去を話したがらなかった。

 消えていた記憶を取り戻したとは言え、その中には思い出したくも無い過去もあったのであろう。

 だが、ここまで幼き時より苦しみが続いていたとは、ジェレミアも思っては居なかった。

 もっとも、その苦しみの原因となっていた人物の存在は、神ならざる身である彼が察することは出来なかったのだが。

 彼は今のこの場にあってははっきりと異分子であると言える。実際、過去の世界において、彼はこの葬儀に参列することは無かった。

 マリアンヌの死を嘆き、軍人としての栄達を志して、次なる戦場を求めていた時期でもあるし、何より過去の彼には、この時この時点でアーニャを救う手立てを持っては居なかった。

 そして、アールストレイム卿と何気ない雑談をかわし、彼の視線がジェレミアから離れたその時、常人には知覚しがたい変化が、ジェレミアを中心とした半径に起こった。

 

 

「むっ!? アーニャさん? どうした!?」

 

 

 そして、その変化が消え去ると同時に、目元から赤く縁取られた光が消えたアーニャは、眠るように意識を閉ざす。

 

 慌てた様子を装い、その小さな身体を抱きかかえたジェレミアは、我ながら下手な芝居だと自嘲しつつも、彼女の様子に安堵する。

 どうやら、彼が過去において得た力“ギアス・キャンセラー”はいまだに彼の身に宿り続けていたようであった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「アーニャのギアスを?」

 

 

 そこまで話を聞き、ルルーシュは思わず立ち上がる。

 マリアンヌの事はジェレミアに伝えはしていたが、アーニャの身に宿っていたことは伝えていなかったのだ。

 それは、皇帝へと登極した後、王宮に詰めていた者達から聞き出した両親のおぞましき悪行を知ったからでもある。

 だからこそ、ジェレミアに対し、マリアンヌの正体と自分がそれを討った事を伝えたのである。

 アーニャ自身も、奪われた記憶とともにあった残酷な事実を吹聴するはずも無く、ジェレミアがそれを知る機会は過去においてはついぞ無かったと言うことであろうか。

 とはいえ、そうなると先ほどのC.C.の反応におかしさを感じる。マリアンヌが今なおも健在であり、彼女が自分に接触するきっかけになったのはマリアンヌの存在があったからだろう。

 実際、C.C.は日本侵攻以前に日本に来てルルーシュとスザクの姿を目にしていたと言う。その直後に戦争が始まっていたため、実際にルルーシュに接触できるまでは八年の月日を必要としたのだが。

 だが、今はそれ以上に驚く要素があった。

 

「俺はともかくとして、ジェレミアはなぜキャンセラーを? V.V.によって改造された結果だろう?」

 

「そればかりは私にも。元々、キャンセラーを得てから、ギアスを知覚できるようにもなったのですが、やはりそれは外的要因かと」

 

「違うな」

 

 

 そして、ジェレミアによって、囚われから解放された少女の存在はそれを成した力の存在にも向けられる。

 

 実際、ジェレミアはカレンとの交戦によって瀕死の重傷を負い、またルルーシュによって地位も名誉も奪われた結果、精神に異常を来していた。

 そこに、ギアス嚮団による生体実験が行われ、サイボーグとしての肉体とギアスキャンセラーを得たのである。

 二人の認識は、あくまでもキャンセラーは外付け器具によるものだという意識だったのだ。

 だが、ギアスを与える側、コードユーザーたるC.C.の見解は異なるモノであったらしい。

 

 

「予測の範囲を得ないが、ジェレミアは元々キャンセラーを発現する素養があったんだ。ギアスですべてを失ったのだから、ギアスとその効果を消し去りたいと強く思うのは不思議でも無い。それに、お前達が異なる世界から来たというのなら、そう言った理解しがたい現象が起こったところで不思議では無いだろう?」

 

「有り得るのか? そんなことが」

 

「だから、予測だと言っている。そもそも、お前達は自分達が有り得ない存在だと言うことは分かっているだろう? 言ってしまえば、お前等の存在がある限りは、“何でもあり”と言う事だ」

 

 

 そう言って、C.C.はしたり顔でお手上げと言ったポーズを取る。

 実際問題、何事か理解しがたい現象が起こっている以上、それを理解するには最もギアスに近しい存在であるC.C.の言が一番正解に近いと言うしか無い。

 いずれ、嚮団を制圧できた暁にはその辺りの研究も必要になるかも知れない。と、ルルーシュは遠くない未来を見据えるしかなった。

 

 

「それで、アーニャは?」

 

「アールストレイム家は今もなお、ヴィ家とともにございます。当然、アッシュフォード家もまた」

 

「……そうか」

 

「遠くないうちに会う機会は設けられるかと。今回の事、アーニャの働きが大きいのです」

 

 

 と言うのは、虐殺を止めた停戦命令であろう。となれば、アーニャは今日本に居ることになる。

 彼女の実力にマリアンヌがどこまで関与していたのかは未知数であったが、富士決戦においてジェレミアを追い詰めた力量を考えれば、彼女の実力は天賦のモノであろう。でなければ、マリアンヌの無茶な機動に彼女の身体が耐えられるはずも無い。

 

 

「そんな小娘のことはどうでも良い。お前達は異なる世界から来た人間だと言うことは改めて分かった。それも、起こりうる未来を知った上でな。はは、ますます何でもありな状況じゃないか?」

 

「そうなるな。だが、ジェレミアが過去に。それも、マリアンヌが殺害された直後に目覚めたとなると、すでに変わってしまっていることもあるだろう」

 

「V.V.の動きがその最たるモノかと」

 

「まったく、よけいなことを。あのわがまま男が権力を持ったおかげで私も苦労したんだぞ?」

 

 

 そして、ここまで黙ったまま耳を傾けていたC.Cが主君と忠臣の間に割り込む。過去においてはC.C.とアーニャは数奇な関わりを持っていたのであるが、今の彼女には関係の無い話である。

 さらに言うと、V.V.によっていらぬ苦労を経験している様子でもあった。

 

 

「信じるのか? こんな誇大妄想とも取れるような話を」

 

「大真面目な顔をして私を騙そうとするほど暇でも無いだろう? 思い当たることもあるしな」

 

「それは?」

 

「…………まあいい。そんな話を聞いた以上、私もここに居るしかない。お前達と私は共犯。そういうつもりで話を聞かせたんだろう?」

 

 

 そんなC.C.の言に、ルルーシュは脳裏に浮かぶ言葉があった。そう、この目の前の少女と自分は魔王と魔女という間の共犯者でもあったのだ。

 だからこそ、聞く必要があるのだろう。改めて、彼女の過去を。

 

 

「聞かせてくれるか?」

 

「ああ。……まったく、どうしてかお前達には素直に話さねばならないような気がしてくるな」

 

 

 苦笑交じりにそう口を開いたC.C.。その表情は、アヴァロンでカレンとの戦いに赴く前に彼女が見せたそれとよく似ていた。




次回はジェレミアの顛末では無く、C.C.とシャルル達の話になります。
一応、アーニャ絡みというか、アールストレイム家の設定は完全オリジナルと言う事にしています。
アーニャがマリアンヌ暗殺現場に居たなら、ヴィ家とは親しい間柄だったんじゃ無いかと思いますので。
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