目を開くとそこは学校だった
はぁ、この鬼は嫌な奴
よりにもよって何でこんなところを・・・
「あの、紅蓮先輩!好きです、付き合って下さい!」
俺が好きになった事がある少女
小学生の時、苦手な勉強を頑張っていた君が好きだなと思ったから
「ありがとう。俺も好きだよ」
そう言ってしまったんだ
付き合って数ヶ月経った
それまでは夢物語のように楽しく、騙されるなんて考えもしない
「ねぇ、紅蓮先輩とはどうなの?」
「うーん、スポーツとか勉強とか出来るし特に問題は無いけど無さすぎて気持ち悪くてさぁ」
「えぇー。その方がいいじゃん、そこらのダメ男とかじゃないし」
「それにしても私、賭けで負けてそれで告白したのに『俺も好きだよ』って笑えるよね」
そう言って笑う彼女の声を信じたくなかった
彼女のことを俺は好きだったのに向こうは遊び
まぁいいさ、別れれば良いんだから
この世界、星の数いや腐る程に女は居るんだ
あの女じゃないと死ぬなんて通り、ない
手元にあったカッターで、頸動脈を切った
乙葉目線
前の日に無限列車の切符を買ってそして、着いた途端に列車が出て泣きそうだった
急いで飛び乗ると後から、善逸と炭治郎と伊之助も乗ってきたので、この日だったんだ、そう思いながら皆んなを探す
車長さんに切符を切られて寝ちゃったけど
〜夕暮れの渡り廊下〜
そこには、沢山の男子と女子が居て私は物陰からそこを見ていた
「うざいんだけど、なんなのあんた?」
「す、すみません、もう何もしませんから許して下さい」
震える声でそう訴える少女を笑う皆んなを止められない自分が恥ずかしかった
水をかけた後に粉を掛けて、生卵をぶつける時の少女の歪んだ顔
“あの子、お家が貧乏な子だった”
中学生だから働けず、だからせめて大人になってから家族を養おうと勉強し、学力学年3位をキープしている子
一回、一位になったけどすぐ紅蓮が抜いた子だ
「優雨ちゃん!」
「皐月くん!!」
皐月くん?
そんな子、学校に居たかな
顔が見えない
「美しいねぇ、幼馴染みの友情は」
「優雨ちゃんを返せ!!」
いつの間にか男の子達に羽交い締めにされて殴られていた
助けなくちゃ、だけど体が恐怖で動かない
暫くして、男の子はピクリとも動かなくなって女の子は泣き叫んだ
「誰か、誰か助けて!皐月くん!皐月くん!!起きて!」
チャリン、そんな鈴の音が聞こえた
この鈴の音は今の現状では不相応だけどもとても落ち着く音色
渡り廊下の向こう側には・・・・
“黒い狐の面の耳元に鈴をつけたヒーローが立っていた”
「また来たぞ!!」「悪魔め!」
「俺が悪魔ならお前らはなんだよ」
その声は酷く低くてとても安心感を覚えた
だけど、後から思えば恐怖を感じる声
「毎回、毎回、俺達の邪魔をして!!」
「年中無休で虐めをして毎回返り討ちに遭っても飽きないのか?次は吊し上げるぞ」
「殴るな!!」
殴りかかった男子を止めた主犯格のような男
一回、殴りかかった男はその攻撃を避けられて戸惑っていた
あんな速い攻撃を避けたんだ
「先に喧嘩を打ったのはお前らだな」
あっという間に皆んなボコボコにして、怪我をしてないのかピンピンしてた
“仮面のヒーロー”
この学校にはそんな七不思議が最近出来ていて、そんな人、居ないと思ってたんだけどなぁ
「口止め料、貰っとけ」
その中にチラッと緑色の券も見えて、優しいんだなと感じた
口止め量と称してクリーニング代も出しているなんて
最後、財布ごと投げたのはどうかと思うけど・・・
「こんなにもらえません!」
「端金だ。さっさと男連れてけ。息はあるから」
途中、早口で捲し立ててどこかへ行くように仕向けた
その間、ずっと不自然にお面を抑えて
最後に“カラン”そう音を立てて落ちた仮面の破片
その先には・・・・
乙葉目線終了
「くっそ、何で乙葉がここにいるんだ!?」
列車が傾いた頃に目が覚めた
遅すぎたんだ、御前なのに、何と言う無様
「あっ、金髪!乙葉を頼んだ!」
善逸を見かけたので乙葉を投げ、炭治郎がいるであろう場所に向かう
横転する前は先頭車両にいたんだ
なら近くに・・・・!
居た、炭治郎しかいない
煉獄が居ないと言う事は上だ!
右目が既に潰れている
結構時間が経っているじゃないか
何をしてるんだ俺
「闇の呼吸・召雷・赤雷炎」
炎を細めて推進力で炎のスピードを上げるのでは無く、飛ぶ
自分の体重を持ち上げる力と炎によってバランス保つ
それに落雷の時のスピードを再現する為
普通は皮膚が抉れるが、体が強化されているのか抉られない
上弦の参の鬼
素手を使い戦う鬼であり、1番厄介
そいつの腕が煉獄の胸を貫こうとする
腕を切ったが、腕も刃が通り辛く少しズレていたのか煉獄の腕が飛んだ
右腕までも奪ってしまうとは・・・・・
「なんだ・・・・お前は・・・!」
「影御前・荒神 紅蓮」
嬉しそうに笑い、煉獄を見る
何をしてるんだこいつ
「鬼にならないか?」「ならない」
即答され、悲しいのか攻撃を仕掛けてきた
その腹を蹴っ飛ばし、懐から“青い彼岸花”を見せる
「!紅蓮、それをこちらに渡せ。渡せば命は取らない」
「断る」
一気に目の前で彼岸花を燃やす
ビキビキと効果音が付きそうな程、青筋が勢いよく着く
俺的には苛つくあいつの顔を見れて嬉しい
人間、怒りに任せた行動が1番、脆いからな
アカザはこちらに蹴りを何発を放つが全て、間一髪で避ける
それどころか、攻撃がどんどん脆くなっていく
本人も違和感があるが口に出してはいない
熱湿疹
熱で血の量を少なくさせ、動きづらくする
間合いに入り込んだ
「何してる、アカザ?そいつぁ俺の獲物だ。下がれ」
その言葉の瞬間に、体から血が大量に流れた
何が起きたのかなんて理解できない
確かな事は・・・・俺がこの瞬間を持って負けた
ただ、それだけだ
「荒神少年!!」
「紅蓮!!!」
炭治郎と煉獄の声だ
この傷を負わせたと思われる男
その男を見ると、“上弦の狂気”と書いてある
「残念ながら、もう夜明けだ。また会おうなぁ」
赤髪の男はそう告げて闇夜に溶けていく
気づけば上弦の参もいないじゃないか
誰も死んでない、これで良いんだ