「おい、どうしたんだよその血!」
「・・・・・・・・・口の中、切った」
「絶対に嘘だよね!?なんでそんな嘘つくの!?」
乙葉と有一郎の質問攻めにあいながら、里に戻りつつある
俺の吐血よりお前らの方が怪我は、ひどいんだけどな
朝日が差し込んだからなのかテンションが、高い気がするのは俺だけだろうか
「それにしても・・・・うるさいな」
2人は蝶屋敷への連行
そのついでと言わんばかりに俺も連行させられた
「だからってこの部屋の組み合わせはないと思うんだけど」
この組み合わせとは有一郎と無一郎と同じ部屋だという事
まだ、乙葉なら良かったものの何かの組み合わせ
俺に死ねと言いたいのか
「わがまま言わないで下さい。元はと言えば貴方が逃げ出すからでしょ?2人の事を見ててくださいね」
事実だから何も言えない
そのまま、大人しく眠っていた
次の日の朝
ネズコがトコトコ外を歩いていたのを見かけた
きちんと、原作通り進んでるんだな
俺の体が壊れた意味があって良かったよ
そういえば、あのくそ神は出てこないけど死んだのか
『まだ、死んどらんよ。勝手に神を殺すのをやめないか』
「チッ!」
盛大な舌打ち
それに、神すらも驚いた
『ねぇ君、今もしかして舌打ちした!?』
してねぇよ、用件は何?
お前、言ってないことがあるだろ
そういえば、体壊れました
『君の事じゃが、すまない』
何が?
その後の言葉に神を恨み“二度と出てくるな”その言葉を残して寝た
神様はやっぱり理不尽でしょうがないんだ
2日後
無一郎も有一郎も目が覚めた
やけに顔を見てくる
何か付いているのだろうか
無一郎にしてはロクなことをしないので多少の恐怖を感じるが
「紅蓮、僕は記憶を取り戻したよ」
「そうか」
特に興味がない
記憶があろうが無かろうが知ったことじゃないんでね
それに今は、機嫌が悪いんだ
「紅蓮、僕と婚約しよう」
「紅蓮、俺と婚約して欲しい」
「嫌だ」
普通の男ならここで“はい”とでも言うのだろう
ごめんだけど、俺はそんな余裕は無いし
長くても25歳で死ぬんだからほぼ意味がない婚約
誰がそんな物をするか
「そんなに僕達の事嫌い?」
そんな可愛い顔でお願いするのは卑怯だ
女は皆、卑怯なのかもしれないな
上目遣いで泣きそうになっているのか涙目の目
「違う、俺は鬼殺隊だ。それに長くても25歳で亡くなる」
しまった、余計な事を口走った
「紅蓮、それはどう言う意味だ?」
心底心配だと言いたいのか顔を覗き込む有一郎
そんな目で見ないでくれ
ある筈の無い心が痛い
「・・・・炎と雷の酷使と狂気との戦いで体はもうボロボロになっている」
「っ!なんでそれを早く言わないんだよ!?」
無一郎に肩を掴まれ、揺さぶられる
それもそうだろう
愛おしくて求婚した男が戦うのが危うい状態で戦っており、自分を頼ってくれなかった
その事実がどれだけ辛いかという話
「紅蓮・・・・!お前は俺らをもっと頼れよ!!何が俺が神様でも仏様にでもなってやるだ!なる前に死んじゃ意味ないだろ!」
自分が言った言葉を考えるとずっとそばに居なければならない事に気付く
こいつらの役にはもう俺はたてないんだ
「・・・2人とも・・・・すまない」
この言葉を言うと、2人とも抱きついてきた
有一郎は片手で器用に首に腕を巻き付かせて肩でまた泣いた
無一郎は、胸の辺りで泣いている
女ってなんでこんな涙貰いんだろうな
「泣くなよ、2人揃って・・・そんな事されたら、
鼻が熱くなり、目も熱くなる
初めての感覚
神が生きたいって思えるようになるまでこの世界に居させると言ったな
その目的は果たされたよ
紅蓮も、この2人の少女との出会いで変わった
良くも悪くも生きたいと願っている
だが、それを残酷にも切り裂くのが運命だ