蝶屋敷から解放されて、鬼の出現報告は無し
炭治郎は未だに眠っているけども・・・
今日は、時透達の引っ越しの手伝いをしに来た
影屋敷に住むと一点張りで介護でもするつもりなのだろうか
婚約もまだ諦めていないようで、疲れる
何かの嫌がらせなのか、婚約届があるらしくそれを書くだけで良いと言ってくる日々
書くだけって言ってるけどさ、書いたら婚約じゃん
俺、アホじゃないから知ってるんだよな
無知な自分になりたいけどなったら恐らく婚約
絶対に嫌だ
ある時は
「荒神 紅蓮ってどんな字で書くの?ちょっと書いて見てよ」
「いいぞ」
唐突に言われたが、まぁいいだろう
名前を書くくらい
ん?名前・・・
「はい、これに書いて」
《婚約届》
そう書かれた紙を無言で、破り捨てた
油断の隙もない
ある時は
「紅蓮、お前さ見合い話も来てるんだろ?なら丁度良いじゃねぇか」
「良くねぇよ」
結婚したくないから断ってるんだよ、有一郎
妹とは違う手口で攻めてきたな
「紙に名前を書くだけだろ?」
「書いたら婚約だろ?」
なんだよ、この世界の女は面倒くさいな
婚約に対する執着がすごいんだけど
ある時は
「今日こそは会わないように」
藤の花の屋敷
鬼が出ない今は、まわる必要なんか無い
今は鬼より恐ろしい者から逃げている
「それで、逃げたつもり?」
聴き慣れた聴きたく無い声
ここまでされたら普通、諦めるだろ
「そんなんだったら俺らが面倒見てやる」
余計なお世話だ
やけに上から目線だな、おい
「お婿さんにおいで」
当然のように言うな
そして、普通そう言うことを言うの俺だと思う
「絶対に嫌だ、というかなんでお前らここがわかったの?」
そうだ、四郎も頑張って置いてきた
どうやって俺を見つけたの
もしかして、監視?
「目撃情報を聞いてこの辺りかなって思ってきたんだ」
恐怖しか感じない
それ、俺が刀鍛冶の里に行く時にやった事だけども
もう嫌だー!!
誰か、あのアホどもを忙しくしてくれ
柱や知り合いの誰かと話してる時に
「紅蓮と僕達、婚約したんですよ」
「してない、寝言は寝てから言いやがれ」
このままだと俺は知り合いと話せなくなる
「なぁ、お前ら俺のどこが好きなの?というか好きってどんなの?」
本人達に聞くことにした
あわよくば諦めさせる
「口が悪い割に面倒見が良いところとか、頑張り屋な所とか好きだよ?」
今言ったのは別人じゃなかろうか?
そもそもお前らの面倒なんて見たことがないし
「恋愛の好きがわからないから教えてくれないか?」
2人は少し考えている
多分、友人としての愛情が恋愛の愛情とでも思っているのだろう
そうであって欲しい
「心臓がドキドキしたり」
「動悸だ。胡蝶のところへ行け」
よし、一つ目はごまかせた(ごまかせてません)
無一郎のは簡単にごまかせたな
「頭の中がお前でいっぱいになったり」
えぇ、そんなに重傷
いや、重症なんかじゃない
「恐怖しか感じない!それは、新しい病気だ!吊り橋効果も入ってるかもしれない」
ジリジリとジト目で迫ってくる有一郎から距離を置きつつ逃げる
こういう顔した女が近づいてくるとろくでもない事が起きるからな
ある種の呪いなのかもしれない
「じゃあ・・・お前に接吻したいって思うのもか?」
「・・・・・・」
ダメだ、なんも言えない
とにかく頑張って逃げなければ
電流を流したら多分、無一郎に捕まる
どうしよう・・・
咄嗟に口元を抑える
「手、邪魔」
「至急、産屋敷ニ集マレ!!」
初めてまともに四郎に感謝した瞬間だった