運命を変える刃   作:水流

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誘拐

鎖で体の拘束

腕はピクリとも動かず、口は口かせか何かで塞がれている

目は目隠しでもされているのだろうか

 

そういや、さっきまで何してたっけ

 

「目を覚ましましたか?紅蓮さん」

 

そう言って目隠しと口かせを外した胡蝶

あらかたの事情を聞いた

 

「これはあくまで雨月さんが建てた仮説なのですが、鬼の階級で数字がありますよね?その数字がないと言うこと。そして血鬼術がそれに伴っているのではないかと言う仮説」

 

「要するに、狂気は俺の中にある悪い感情を出したという事か?」

 

「はい、その認識で間違いありません」

 

血鬼術は血を使う物だと思っていたのだが、違ったのか

見せかけなのか、他にもその場に鬼が居た

もしくは“2つの血鬼術”を持っていたという可能性

 

胡蝶は毒の調合があるみたいで、すぐに何処かへ行く

夜が来る事にも気づかずそのまま眠っていたのがいけなかったのだろうか

誰一人として、ここに奴が居たことに気づかなかった

柱でさえも存在を疑わない隠密技術

 


 

目、覚ましな

 

目を開けると、そこは蝶屋敷では無かった

 

 

「上弦の狂気・・・・!」

 

またお前か

というか、お前はどうやって俺をここまで連れてきた

 

人間の割に、良い拘束具を持ってんなぁ。丁度良いからそのままで聞けよ

 

人間の割にって人間をなんだと思ってるんだ

丁度良いって俺は拘束されたまま話すの

流石に嫌だよ

 

「どこも丁度良くねぇよ!!」

 

舌打ちして、背中を向ける狂気

この状態では何も出来ないからだろう

とてつもなくうざいのは変わってないけども

 

俺の血はなぁ、相手の理性が有ればあるほど進行は遅えが、威力は高い

 

「何が言いたいんだ!」

 

知っている

何を言いたいのかは予想がついた

だからこそ、否定する答えが返ってきてほしい

 

まずは体から壊す、その後はもうわかってんだろ?精神を壊していく。列車の時に俺に切り刻まれたろ?その時に大量の血を流し込んだんだよ

 

かなりの重傷を負った時の事

炎と雷の酷使で体が駄目になったのではなくこいつが原因

そして、精神を壊す

 

「それじゃ・・・・!」

 

お前だって好きな奴くらい、居るだろ?そいつをお前はどうしても殺したくなるんだ。それ以外の人間も、殺したくなる。気づかなかったろ?

 

隊士の相手をしていたのは俺であり俺じゃない

俺の裏側、どちらかというと狂気よりの感情が相手していた

 

「良い性格してるよ」

 

今、言うことのできる精一杯の嫌味

このくらいはしてやらないと気が済まない

はぁ、俺はどうしても最悪なほうこうにすすんでいくんだな

 


 

乙葉目線

 

紅蓮の行方不明情報が出た

片目を潰して、雨月が婚約ってうるさいから折れた時に言われた言葉

鬼殺隊は辞めたけど、このくらいはするよ

紅蓮は蝶屋敷で拘束されていて、鎖は何かで断ち切られていたそう

 

「本当、どうして私の周りの男は、こんなトラブルに巻き込まれるのかな」

 

紅蓮はワザと悪く見せてるけど全然、悪い人じゃない

どちらかと言うと善人だ

 

昔からそうだった

七不思議の“仮面のヒーロー”も紅蓮で、いつも誰かをさりげなく助けたのを知ってる

私だってお金と才能があるのを知っていたし顔が良いのも知っていたんだよ

 

だけど、だからこそ君が嫌いだった

人生の勝ち組だから大した努力もした事が無い

そんな勝手な妄想で、偏見で君を嫌っていたんだよ

 

バスケの試合に出る時は、家でバスケの練習を

剣道の試合に出る時は、防具を身につけたままの筋トレ

テスト前になると教科書に穴が開く、くらいの勉強量

 

全部、私が出来ないような事をやってのけていた

紅蓮は天才なんかじゃなくて努力家だったんだなと確信してからは、そばに居る事が増えた気がする

なんだかんだ言って紅蓮は、少し抜けているのが可愛かった

 

レジで品物を出さないといけないのに、財布を出して店員さんが笑うのを見て、表情を全く崩さないのが凄いと思った事

ワイヤレスのイヤフォンが、いつの間にか取れていて音漏れのレベルを超えたりして周りの人に怒られていた

 

道路の信号待ちのボタンを押すのを忘れて立っていて、他の人に押されるとか

気付いたらいつも、ラッキースケベしてる事に気づかずにそのまま物事を進めていくとか本当に凄い事してた

 

手動のドアが自動で開くと思って、ずっと立って待っていたから教えたり本当に、頭がいいのかドジなのかわからない人

 

「あれ?なんで私、泣いてるんだろう」

 

ポロポロと流れ落ちる一筋の雫

今まで気づかなかった、いや気づかないふりしてたけどもう無理みたいだよ

紅蓮、君が大好きでした

 

私は紅蓮には何もしてあげられない

時透さん達とお似合いなんだよ

だから、変な死に方をする前にきちんと本当の気持ちを伝えてあげて

散々、色んな人に好かれて断ってきたんだからその人達の分までも幸せに、世界一の幸せ者にしてあげて

原作でも辛い過去だったんだから、それすら洗い流すような

 

「だから俺は・・・お前に死んで欲しかったんだ、紅蓮」

 

後ろでは悔し涙を流す雨月

その事に気づかず泣き続ける乙葉を見て、雨月は紅蓮を探しに出た

 

乙葉目線終了

 

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