運命を変える刃   作:水流

22 / 24
遭遇

アァ?拘束具が溶けちまったなぁ

 

なる程、拘束具が鉄か何かだから死にそうなくらい痛いのか

液体になった熱した鉄

それを熱くて涙を流しながらも片手で投げる

 

お天馬だねぇ。嫌いじゃない

 

後ろに避けながら余裕とでも言わんばかりに告げられ

 

お願いだから嫌ってくれないかな

こんな事を考えられるならまだ余裕だから

 

懐に常に隠していた

隊服と同じ繊維で作って絶対に燃えないようにしてもらったナイフ

 

それを二本、ろくに力の入らない手で持つ

 

隊服の上を脱ぎ捨て、捨て身の一手に出る

 

「闇の呼吸・壱の型・疾風迅雷」

 

狂気が目を瞑った瞬間に、脚の裏からの炎の噴射

 

雷を纏った攻撃

 

一歩、また一歩と近づく度に自分の死期が近づくのがわかる

 

もう体がろくに動かないような物なんだ

絶対、死ぬのは人間だから確定はして居る

いずれ死ぬのなら責めて仕返しを

 

お前・・・・!

 

ニヤリと嫌に余裕がありそうだ

 

その余裕を崩してやるから覚えてろよ、お前

 

骨身に染みて確実に蓄積され、威力が倍増された痛み

 

涙目になりながらも目の前の鬼の頸、目掛けて刃を振るう

 


 

狂気目線

 

痛みの連鎖

これを防ぐ術を持たない人間は、哀れだ

 

目の前の男がいい例だ

 

死にそうなボロボロの体で・・・!

 

お前見てると本当、飽きねぇな!!!血鬼術・閉ざされ血潮

 

丁度良い事にお前の体はもう、鬼の血が入り込んでる

後、ほんの少し待てばお前も()()()()()()

鬼舞辻から血を貰うなんて嫌だったがまぁ良い

お前の歪んだ顔がもっと、もっと、もっと見れるからな

まだ気付いていない

早く気づけ

 

腕を爪で切り裂いて血をまくと赤い四角い箱の出現

 

その箱を、避けるも

 

「ガハッ!!」

 

アァ、良いねぇ、その吐血

 

吐血も憎しみや殺意で歪んだ顔も、苦しそうなのも・・・・

 

全部、俺の思い通りの俺の好きな仕草だ

 

やっぱり、お前は・・・良い玩具だよ!!

 

ベンッ!

 

部屋の位置が変わった

あの根暗女か

くっそ、いい所だったのによぉ

どこ言ったんだ、荒神 紅蓮

別々の部屋に飛ばされた事に多少の苛つきを覚え、他の部屋に探しに行く

 

狂気目線終了

 


 

ここ、どこ?

あと少しで、頸に刃が入ったのに・・・

悔しさもあるけど良い事に気づいた

 

体が痛くない

 

恐らく、アドレナリンのお陰だ

ずっと電気ビリビリ言うのも何も感じない

この怪我ももう塞がった

ほぼ、本調子だ

 

廊下をずっと歩くと鬼が大量に群れて居るのを発見

これは・・・隊士か

 

「闇の呼吸・参の型・獅子奮迅」

 

壁を蹴って移動し続ける屋内用の技

 

時々、炎を足の裏から出したりしてスピードを上げ混乱させ頸を切る

 

「は、裸足?なんで、って影御前!!」

 

雨月だ

こんな顔できるんだな

刀を構え酷く機嫌が悪そうだ

 

「あ?光御前か。なんでここに?」

 

「いきなり音が聞こえたらここに居て囲まれた瞬間にお前が頸、切ったんだよ」

 

まぁ、その後の説明はなんとなくだが聞いた

雨月の認識だとお館様は亡くなったらしく、無惨達に柱が遭遇

その時にここに落とされたと・・・

 

こんなシーンがあったの?

 

「まぁ良い、鴉達もここに居る。鴉を使った連携を取るにしろ部屋の間取りの確認が第一だ」

 

冷静な判断してる

変な物を食べたのか、こいつ

 

暫く歩いてるとやけに冷気がある部屋

そして、音が聞こえる

中には4人?くらい居ると雨月は言う

 

「影御前、俺が先に入る。お前は後ろから来てスピードで攻め落とせ」

 

「光の呼吸・日輪・月影」

 

ドアを蹴破り、中に猛スピードで入って行く光御前

 

部屋の中には胡蝶の継子・カナヲと伊之助・胡蝶が居た

 

胡蝶は既にボロボロでトドメを刺されそうな時に光御前の突撃

 

上弦の弐・・・か

虹色の瞳の中の数字

鋭い扇を持っており、それで攻撃をしたのだろう

 

「血鬼術・粉氷」

 

凍らせた血を微細な霧状にする技だな

扇子で扇ぐことで周囲に散布していて、呼吸を封じる技だろう

 

「その氷を吸ってはいけません!!」

 

「闇の呼吸・弐の型・炎雷電」

 

一瞬にして氷を溶かし、頸を落とす為に突っ込んだ

 

「血鬼術・霧氷・睡蓮菩薩」

 

大仏!?

こんなでかいの持ってたのかよ

なんとかしろ、何とか・・・

 

大仏の側頭部あたりに蹴りを入れ、炎で威力倍増

池のような水溜りに落ちた大仏を水で沸騰させて溶かす

 

「君も面白いね。長い間、生きてたけど君のような人は始めだ」

 

「たくさん居たら怖いし」

 

「光の呼吸・日輪・月光円!」

 

特殊な形になったナイフのような物

 

その先にある輪に指を通しぐるぐると回した雨月

 

上弦の弐は扇で弾き

 

「血鬼術・冬ざれ氷柱」

 

上から氷柱を降らせてくる

 

胡蝶達の方にも攻撃は届いているようだ

 

俺とこいつの相性は相手にとって悪い

それもあるからか氷の数が他のやつに比べて少ない

 

「血鬼術・茨」

 

横から蔓が伸びてくる

 

今度はトゲが飛んでくるし数が多い

 

「影御前!渡し忘れてた!」

 

俺の日輪刀だ

今、渡されても困ると言いたいが・・・

 

「闇の呼吸・炎雷・電光石火!」

 

瞬きをするのを待つのも惜しい

 

それ程の圧倒的に不利な瞬間

 

黒い炎が白い炎に変わり、辺り一面が白で埋め尽くされ何も見えなくなる

 

炎が蔓に触れた感触

 

その感触の先へ刃を振るった

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。