未知との遭遇 First contact
全てはあの苦しみから始まった。
我々はそれを一度たりとて忘れたことはない。
絶対二復讐シテヤル『人間』ドモニ
20XX年 月日 グアム島北東100マイル アメリカ海軍ロサンゼルス級原子力潜水艦シカゴ
「ソナーより発令所、スクリュー音を捉えました。」
「何?」
「本艦より北東に20マイル、深度は我が艦よりも浅いです深度100、速度25ノット、針路北西にとっています。
おかしい…この海域に友軍の潜水艦が展開しているなど聞いていない。そもそも、こんな海域に2隻も潜水艦は要らない。おそらく海外のものだろうが、ここまで来るか…
しかし、速度25ノットとは自分から見つけてくれと言わんばかりではないか。色々と不可解なことが多過ぎる。一回士官を集めるべきか?
「音紋はどうなんだ?」
「我々の識別表にある艦とは当てはまりません。」
「だとすると新鋭艦か…」
余計に分からなくなったぞ…
この時期に新鋭艦を出してくるとは、どこかの国には情勢など関係ないらしい。そもそも奴らにそんな技術があるのかも疑問だが。
「うん?変だな…」
「どうした?」
「いや、音が大きすぎます。イワンの戦略原潜よりも大きな音です。」
「それはおかしいな、調べてみよう。奴の後方3マイルにつけろ、そこからは微速前進だ。」
「アイアイサー!」
「副長どう思う?」
「このタイミングで新鋭艦を出してくるとは到底考えられませんね。」
「そうだな、コロナもまだ完全に収まっていないし何よりもオリンピックがあるからな。」
「しかし、今、リムパックもやっているのでは?」
「あ〜、そうだったな。アイツら前、情報収集艦出してきたよな?」
「そうでしたねww」
「いっそのこと俺らも今から出すように頼むか?ww」
「傑作ですねww」
「通信手!」
「ハッ!」
「定時報告に追加だ。『不明艦を発見し現在偵察中、偵察の要あり』と送っておけ。」
「アイアイサー!」
グアム島 アプラ港米海軍基地
「潜水艦シカゴより定時報告入りました。」
「どうやら不明艦を発見した模様です。偵察を要請しています。」
「よし、アンダーソン空軍基地に連絡、哨戒機による偵察を要請すると。」
グアム島 アンダーソン空軍基地
「司令!アプラ港より偵察要請です。」
「標的は?位置は?」
「どうやら国籍不明の潜水艦のようです。本島より北に100マイルです。」
「よし、ではP8に対潜装備で出動させろ。」
「機長!出動です!」
「何!?今、行く。」
「司令!どうしたんですか?」
「先程、アプラ港所属の原潜シカゴから国籍不明の潜水艦を発見したとの報告があった、貴官らにはそれの偵察をしてもらう」
「位置は本島より北東に100マイルだ、新鋭艦の可能性もある、出来るだけ多くの情報を集めてくれ。」
「アイサー!」
「健闘を祈る。」
『こちらP8離陸準備完了。管制塔、離陸許可を願う。』
『こちら管制塔離陸を許可する。グッドラック!』
P8哨戒機内
「機長?今回は普段の哨戒任務ではないんですよね?」
「ああ、そうだな。今回俺たちが相手するのは国籍不明の潜水艦だ。」
「そいつは大スクープですね!機長!」
「そうだ、しっかりカメラ回しとけよ観測手!」
「アイサー!」
「お、いよいよ現場海域だな。ソノブイ降下準備!」
「アイアイサー!」
「ソノブイ降下!」
「どうだ反応はあるか?」
「凄く大きな反応です!」
「そうか!一応あちらさんもとっているとは思うが音紋を録音しておけ。」
「了解!」
「ん?不明艦深度を下げ始めました!」
「逃げる気か!」
『シカゴ』発令所
「艦長!アンノウン深度下げてます、奴は逃げる気です!」
ここでやつを逃したら人生一の恥だ絶対に捕まえてやる。
「させるか!機関前進全速!」
「さらに深度下げます。」
「こちらも下げろ」
「了解!」
「深度250!」
「300」
「350」
「まだだ、もっとだ!」
「400」
「艦長!そろそろ引き返しませんと、」
「450」
「艦長!このままでは耐圧限界を超えます!」
「本艦は500が限界です」
「クソ!タンクブロー、浮上だ!」
「アイ!」
「奴は?」
「700、どんどん潜航していきます」
「800」
「900」
「1000」
「探知不能」
深度1000か奴は一体どれだけ潜るんだ、化け物か?
「よし、帰るぞ。」
「『不明艦をロストこれより帰港する。』と通信を入れておけ。」
「了解しました。」
こうして奴は海底へと姿を消した。
しかし、この時点ではまだ誰も知らない、これが単なる始まりに過ぎないということを。