アラもう聞いた?誰から聞いた?
夜廻少女のそのウワサ
家族に、友達、大事なあの人
探して夜をずーっと廻る、とってもカワイイ夜廻少女
小石をころころ、転がして
紙飛行機をビューンと飛ばし
雨にも負けず風にも負けず、オバケにも負けずに歩き続けるケナゲな子!
でもでも、どうか気を付けて
あんまりケナゲでカワイイから、神様が気に入って取りついちゃった!?
神様ってば、張り切りすぎて、近寄る相手には容赦ナシ!
会ったが最後、オバケじゃなくてもサクッとやられちゃうって
バサラ町の学生たちの間ではもっぱらのウワサ
ワタシニンゲンー!
××××
あやめサイド
「…ってうわさを聞いたんだけど、これ私かな」
「たぶん」
「やっぱりかー…うわあ…」
現在地、我が家の母屋の座敷。
この場にいるのは、私、ハル、こともちゃん。
夜廻ガールズ大集合。
「別に神様に取りつかれたわけじゃないんだけどなあ」
一応、心当たりは、ある。
いつだったか覚えていないが、いつものように夜のパトロールをしていた時のこと。
復活したミザリーリュトンのウワサを、町中歩き回ってようやく仕留めたはいいものの、疲れといら立ちで正常な判断ができなくなっていた私は…うっかり、真後ろにいた男性に、後ろ回し蹴りを決めてしまったのである。
大方、路地裏に入っていく私を心配したか、やましい目で見たかのどちらかだろう。焦ってとりあえず目が冴える蛇の力で目を隠す蛇の力を拡張し、ウワサに関する記憶を目を隠す蛇の力で隠してはおいた。でも、私を見つけた記憶を隠し忘れていた。
あの人に中途半端にウワサの記憶が残ってしまっていたのなら、あんなうわさが出回ったのにも説明はつく。
「やっちゃったなあ…」
××××
ハルサイド
どうしよう。
あのうわさは…私のせいかもしれない。
お姉ちゃんが心配するから、最近はあんまり夜中に外へ出ることはなくなった。
でも、たまに、夜に歩きたくなることがあって、この間、チャコを連れて外に出た。お姉ちゃんは疲れて眠ってたから、多分知らないけど。
歩いていたら、ゴミ捨て場の中で何かが光っているのを見つけて、気になって近寄った。
そうしたら、それは、時々台所とかに出る、私もお姉ちゃんも大嫌いな、お姉ちゃんが絶対に名前を呼ぼうとしない虫の大群で。
怖くなって逃げたら、後ろで虫が飛ぶ音がした。
それで、うっかり、叫んでしまったのだ。「もういやだ!」と。
そのあとは、うん。お姉ちゃんが藁人形の作り方を教えてくれてなかったら、たぶんすごく危なかった。
もしそれを、誰かに見られてたなら。
うわさになったのは、私なのかもしれない…。
××××
こともサイド
どうしよう…心当たりがある。
確か、あれは、1週間くらい前。よまわりさんにつかまった子がいないかどうか、工場に確認に行ったんだっけ。
歩いていくのは大変だから、お地蔵さまに頼んで移動させてもらって、工場をぐるっと回って誰もいないのを確かめて、帰ろうとした。
そしたら、よまわりさんに見つかって、コンテナに隠れながら走って逃げた。
逃げて逃げて、ようやく工場を出たころには、日付が変わっていた。
早く帰らないと、と思って走っていたら、後ろで男の人の声がした。振り向いたら、男の人がよまわりさんに追いかけられていた。よまわりさんは優しいお化けだから、あの人は悪い人だったのかもしれない。
男の人が無事だったら、あんな感じのうわさを流しても、おかしくないのかも…。
蛇の女王なオリ主
能力の拡張程度なら、劣化した目が冴える蛇でもなんとかなる。
夜を廻る理由は、本人曰くパトロールだが、実質ウワサを利用した肩慣らし。物理で殴って解決する系少女。
縁切りの神様に愛されてる二代目夜廻少女
ネズミが大丈夫でもさすがにゴキは無理だった。
時たま、夜廻したくなる。
うっかり「もういやだ」と言っちゃったときのために、あやめが折り紙のやっこさんや形代や藁人形の作り方を教え込んだ。ついでに持たせた。ただ、さすがにあやめも、コトワリ様が隣町の隣町まで出張してくるとは本気では思ってなかった。道具で何とかする系少女。
ムカデ様の巫女になった伝説の幼兵
よまわりさん、近所のやばいのとお隣さんのやばいのから子供を守るべく、パトロール強化中。
最近は夜中に1人で歩く子も増えてきたので、定期的に工場を見に行っている。隠れスポットと足で逃げる系少女。
夜廻少女のウワサ
3人の目撃情報が混ざって爆誕したうわさ。