ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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魔法つかいプリキュア編、今回で最終回となります。駆の指輪から放たれる光でキュアシードに奇跡が!?その先に待つ”絶望とは!?では、お楽しみ下さい!


第十三話:キュアップ・ラパパ!奇跡の魔法、”ふたりで”プリキュア!

side:インペイル

 

ベガ「インペイルはいるかしら?」

 

インペイル「何か御用ですか?ベガ様?」

 

私の元に突然ベガが現れる。私は普通の対応として即座に彼女の傍へ向かう。

 

ベガ「何か面白いことを企んでるみたいじゃない?そうね…そのお手伝いってところかしら」

 

インペイル「はて…何のことやら?しかしベガ様、何をお手伝いしていただけるのですか?」

 

この小娘…どうも信用できん。こいつはカイザーン直属の部下と言うが…それほどの力があるように思えないが、まあいい…使えるモノは全て使わせてもらおう!

 

ベガ「私がお願いして、カイザーン様に許可をいただいたの…”あれ”を使用して良いそうよ」

 

インペイル「ッ!!それは本当ですか!」

 

ベガ「ええ。”あれ”を使ってのテストを許可したの。いつ使うかは…あなたに任せるわ」

 

信じられない!”あれ”を使っていいなんて!私の最高傑作!度重なる研究によって生み出した…”私の”兵器!

 

インペイル「ありがとうございます!ベガ様!…?どこか向かわれるのですか?」

 

ベガ「ええ…”私のアルタイル”の元にね…///」

 

インペイル(小娘が…!お前も”こいつ”が完成した暁には…カイザーン諸共”消してやる”!)

 

駆の元に向かうベガと、自身の野望を企むインペイル。二人の心には”歪な願い”が渦巻いている

 

 

AM2:10 朝日奈家 

 

side:駆

 

「ん…重い?誰…?」

 

ソファーで眠る僕の上に突然何かが乗りかかる。寝ぼけた目を擦り、僕は”何か”を確認する。

 

みらい「駆君…起きちゃったの///?」

 

駆「み、みらいさん!?」

 

そこにいたのは、僕に跨った”みらいさん”だった。可愛らしいパジャマを身に着け、僕が掛けていた毛布の中にまで潜り込んでいる。

 

みらい「駆君…私とイイ事…しよ///?」

 

駆「…あれ?」

 

みらいさんが僕に胸に手を置き身体を寄せてくる。すると、みらいさんの髪が一瞬だが”黒”に変わる。光も飲み込んでしまいそうな黒髪の持ち主を僕は…”知っている”。

 

駆「君は…ベガだね。その黒髪…すごく綺麗だったから、よく覚えてるよ」

 

みらい?「…あら、口説き文句が上手になったのね…”私のアルタイル”」

 

僕に跨っていたみらいさんは、その姿を”ベガ”へと変えていく。いや…戻したと言うべきか。

 

駆「この世界は君の空間だね」

 

ベガ「二人きりの方が…素敵じゃない?」

 

駆「なんで君が?…また何かを知らせに来たの?」

 

ベガ「察しが良いわね。今日…フェイクが来るわ。”この時代を改竄した”方がね」

 

ベガはまたしても僕たちを助けることをする。彼女は何者なんだ?ネツゾーンなのか?もしかしたら…。

 

駆「君も…”プリキュア”なの?」

 

ベガ「…知りたい?」

 

駆「知りたい…君の事」

 

ベガは僕の身体に自身の身体を密着させていく。窓から射す月光で輝く黒髪と甘い香り、人肌の柔らかさに、僕はドキドキするが、ベガはすぐに僕から身体を離す。

 

ベガ「やっぱり…だめ。女の子は秘密があるから綺麗になるの。残念だけど…今回はお別れ」

 

駆「また…会える?」

 

ベガ「ええ…”また”会いましょう、私のアルタイル」

 

彼女は立ち上がると、僕に”また”会おうと言ってくる。そして次の瞬間にはその姿はなかった。

 

駆(いつか…君の事を知る時が来るのだろうか)

 

そう思いながら僕は布団をかぶり、再び夢の中へと落ちていった。

 

 

AM11:35 mofu mofu bakery(モフモフベーカリー)前

 

店員「ありがとうございました!」

 

駆「買えてよかった…皆さんの分」

 

コルーリ「三個買えたんですね」

 

駆「昨日は一個しかあげられなかったし、今日で”お別れ”になるから…」

 

種(お兄ちゃん、ホントに今日フェイクが来るの?)

 

僕は今朝、ベガから聞いた情報を二人に話した。マーネルの件もあるし…きっとフェイクは来る!

 

通行人「逃げろー!!!怪物が出たぞ!!!」

 

駆「まさか!?」

 

コルーリ「フェイクが!?」

 

種(お兄ちゃん!あいつらきっとみらいちゃん達を狙うよ!早くいかなきゃ!」

 

駆「うん!コルーリ、行くよ!」

 

僕は逃げてくる人と逆に走り出す。早く…みんなの所に行かなくちゃ!

 

 

side:魔法つかいプリキュア

 

ことは「駆、遅いね~」

 

リコ「買い物があるって言ってたからね。きっとすぐ戻るわよ」

 

みらい「ゆっくり待ってよ。ね?」

 

ことは「うん!そうだね!」

 

ワアーーーー!!!バケモノだ!!!

 

駆君たちを待っていると、向こうから人たちが走ってくる。バケモノが出たと言って逃げていく人たちを見て私たちは逃げてくる人たちと反対の方向へ向かっていく。

 

フェイク「どこだ!プリキュア~!!」

 

みらい「あっ!あれ見て!」

 

リコ「あいつ!昨日の!」

 

ことは「ネツゾーンだ!」

 

フェイク「ん?…来たか!魔法つかいプリキュア!くっくっく!俺の名はフェイク!ネツゾーン三幹部が一人!てめえらを歴史から消しに来たぜ!!!」

 

まるで初めて会ったような反応をするフェイク。しかしそんなの関係ない。駆君たちが来るまで時間を稼がないと!

 

モフルン「みらい!リコ!はーちゃん!変身モッフ!?何するモフ!?」

 

みらい「モフルン!?あなた誰!?モフルンを離して!」

 

インペイル「私はインペイル。ネツゾーン三幹部が一人!面白いものを連れているね…”プリキュア”の諸君!」

 

フェイク「インペイル!?何でてめえが!?」

 

インペイル「”未来”のお前との取引でね、お前に協力しに来た。お前のガンサークを借りようか…丁度いい!このクマも使ってやる!」

 

インペイル『魔法、入るがいい!いでよ、ヨクバール!』

 

ヨクバール『ヨクバール!モフ!』

 

インペイルと言う男により、フェイクのガンサークとモフルンを合わせたヨクバールが生み出される。

 

みらい「そんな…モフルン!!!」

 

インペイル「終わらんよ…まだな!」

 

インペイル『魔法つかいプリキュアの歴史を隠せ!ガンサーク!!!』

 

Gヨクバール『ガンサ~クヨクバール!!!』

 

さらにヨクバールをパワーアップさせるインペイル。モフルンがいない以上、みらいとリコは変身することはできない。

 

ことは「ッ!こうなったら私だけでも!」

 

インペイル「威勢のいい小娘だ…しかし!」

 

ことは「ッ!?きゃあ!?」

 

みらい「はーちゃん!きゃあ!?」

 

インペイル「私は不安材料は一つずつ潰していくタイプでね。悪いが…君たち全員、変身させんよ」

 

インペイルはことはを掴むとみらいへと投げる。そして彼の手には”リンクルスマホン”と”リンクルストーン・エメラルド”があった。

 

インペイル「これで…君たちは何もできん。終わりだよ…君たちの歴史はね」

 

みらい「ッ!!!」

 

インペイル「ほう?まだ諦めていないな。何故まだ諦めない?」

 

リコ「当たり前でしょ!私たちはこんなことで諦めない!それに”駆”だっている!」

 

ことは「うん!駆は絶対に来てくれる!」

 

そうだ!駆君は来る!種ちゃんと一緒に!だって二人は…私たちの”希望”だから!!!

 

フェイク「何言ってるか知らね~が助けなんて来ねえ!!!やれ!ガンサクヨクバール!!!」

 

Gヨクバール『ギョイ!ガンサーーーク!!!』

 

インペイル「ここで…潰れてしまえ!」

 

私たちは三人で身を寄せ合い祈る。彼の到着を…。そして言葉にする。

 

みらい「駆君…!」

 

リコ「駆…!」

 

ことは「駆…!」

 

(((助けて!)))

 

駆「待て!!!!!」

 

この時、私たちの”希望”はその姿を現した。

 

 

side:ヴァールハイト・プリキュア

 

フェイク「?…なんだお前は?」

 

インペイル「キュアシード…”アカシックのプリキュア”だ」

 

フェイク「なんだと!まさか…もう生まれてたのか!?」

 

あの反応…フェイクは”歴史改竄時”のヤツで間違いない。しかし…あのスーツの男は誰だ?

 

コルーリ「あいつは…インペイル!気を付けてください!あいつが三幹部の最後の一人です!」

 

駆「…これで三幹部全員か。でも今はそんなのどうでもいい!」

 

種(みらいちゃん達を助けなきゃ!)

 

駆「最初からトバすよ!種!」

 

種(おっけ~!)

 

僕はQaフォーンをケースから取り出し、変身を開始する。

 

駆・種『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈キラキラ☆アラモード〉

 

駆・種『『キュアラモード・デコレーション!ショートケーキ!』』

 

駆・種「「未来と、喜びを!レッツ・ラ・まぜまぜ!」」

 

W・シード「「小さな種から花開け!キュアホイップ・シード!できあがり!」」

 

変身を完了した僕らは、ガンサークとフェイク達の方を向き名乗りを上げる。

 

W・シード(駆)「偽りの闇に消えた光を」

 

W・シード(種)「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

W・キュアシード「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」

 

インペイル「さあ!お手並み拝見だ!!!」

 

駆(種!キャンディロッドだ!)

 

駆は種にキャンディロッド出すように指示する。手早くキャンディロッドをプリブートしクマ型のガンサークへ向かう。

 

みらい「お願いシード!あのガンサークの中にモフルンがいるの!助けてあげて!!!」

 

W・シード「ひどい!絶対に許さないよ!」

 

フェイク「へっ!やれ!ガンサクヨクバール!」

 

Gヨクバール『ギョイ!ヨックバーーール!』

 

W・シード「おりゃーーー!!!

 

ガンサークはシードに向かい両手を振り下ろす。シードはクリームエネルギーで巨大な二本の腕を作りそれを受け止める。しかし…少しずつシードが押されていく。

 

W・シード「な、なにこれ!?」

 

駆(攻撃がっ!重い!なんで!?)

 

インペイル「ヨクバールとは、二つのものを合わせて生まれる怪物。その一つにガンサークを使った。そしてそのヨクバールをガンサークとして強化した…つまりそのガンサークは”ガンサーク二体分”の力がある!」

 

W・シード「そ、そんな!?あっ!?きゃあああああ!!!」

 

駆(種!)

 

インペイルはガンサークが二倍の力を持つことを告げる。その言葉に動揺してか、はたまた力の差なのかシードはクリームの腕ごと逆バンジーのように空中へ放り投げられる。

 

フェイク「今だ!やれ!!!」

 

G『ガンサーーーク!!!』

 

空中に浮いているシードにガンサークが再び両手を振り下ろす。すでに攻撃は鼻の先、キャンディロッドでのガードも間に合わない。

 

W・シード「シード・ガード!」

 

種(ッ!?お兄ちゃん!?)

 

W・シード「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

コルーリ「シード!!!」

 

みらい・リコ・ことは「「「シード!」」」

 

シードは攻撃を受け地面に叩き落される。しかし”種に”ダメージはなかった。寸前の所で駆は種との主導権を入れ替え、ダメージを”駆が”受けたからである。

 

種(お兄ちゃん!?何で!?)

 

W・シード「…僕には、これしかできないから」

 

種(え?)

 

W・シード「この力は”種の”力で…僕は身体だけ。種が…無事ならまだ…何とかなる!」

 

コルーリ「ッ!?」

 

クアライト博士の言葉を思い出すコルーリ。駆は種の身体としての価値しかないという言葉。自分の力のなさを駆も感じていたのだと言うことをコルーリは今初めて知ったのだ。

 

W・シード「だから…種…後は…お願い…ね」

 

シード「はっ!?お兄ちゃん!お兄ちゃん!!!…ぐっ!」

 

お兄ちゃんの意識がなくなるのに合わせ、プリアラの力が解けてしまう。最初の威力の高いダメージを肩代わりしたに過ぎないため、痛みが残るシードは動くこともできない。

 

インペイル「なんだ?この程度か。二倍程度のガンサークで倒れるとは…拍子抜けだ」

 

フェイク「まあいい!これでお終いだ!!!」

 

Gヨクバール『ヨクバーーール!!!』

 

ガンサークの拳が私たちに迫る。身体が動かない、何もできない…ここで終わりなの?

 

駆『大丈夫…だよ。僕が…種を…守るから…ね…』

 

シード「!?…だめ…!」

 

お兄ちゃんは…あの時私を助けてくれた。そのせいで…ずっと苦しんでた!やっと変わっていけるようになったのに…こんなところで”お兄ちゃんの未来”を終わりになんてできない!!!

 

フェイク「消えろー!プリキュア!!!」

 

シード「ダメえええええ!!!!!」

 

インペイル「な、なんだ…この光は?」

 

コルーリ「この光…”Qaライト”なのですか?」

 

リコ「綺麗…」

 

シードの身体から碧の光が迸る。それだけではない。少しずつ光は色を変え”碧”から”赤”へとその輝きを変える。シードの右手首に結ばれた”白”のリボンも”赤”に染められていく。

 

シード「プリキュア!ストライクシード!!!」

 

Gヨクバール『ガッ!?ガンサ~~~ク!?』

 

シード「お兄ちゃんの!未来を奪うなぁぁぁぁぁ!!!」

 

Gヨクバール『ヨクバーーーーール!!!』

 

シードは”赤い光”を殴り飛ばしガンサークを吹き飛ばす。今までの力の差を感じさせないほどの威力に皆が驚く。

 

シード「ど…どうだ…!これ・・・で」

 

コルーリ「種!」

 

シードの変身が解け、駆の姿に戻る。しかし先ほどの一撃でもGヨクバールは浄化されていない。

 

インペイル「素晴らしい…!今のは驚いたよ。しかし…それも終わりだ」

 

フェイク「へっ!浄化できなかったか!ガンサクヨクバール!そいつを潰して、さっさと魔法つかいプリキュアを消すぞ!」

 

Gヨクバール『ギョイ!ガンサ~ク…ヨクバーーール』

 

みらい・リコ・ことは「「「キュアップ・ラパパ!」」」

 

フェイク「…あ?」

 

Gヨクバール『ヨクバ~ル?』

 

私たちに再び迫るガンサークの拳。しかしその拳が止まる。それを遮ったのは…魔法つかいプリキュアの三人が発した言葉だった。

 

みらい「キュアップ・ラパパ!駆君たちに力を貸して!」

 

リコ「キュアップ・ラパパ!駆と種に力を貸して!」

 

ことは「キュアップ・ラパパ!駆と種を助けて!」

 

種「みらいちゃん…リコちゃん…はーちゃん!」

 

インペイル「そんなもの…何の役に立つ?そんなことしたって…この状況は変わらんよ!」

 

インペイルの言う通り、この状況は変わらない。それでも尚、三人は魔法を唱え続ける。

 

みらい・リコ・ことは「「「キュアップ・ラパパ!」」」

 

みらい・リコ・ことは「「「キュアップ・ラパパ!!!」」」

 

みらい・リコ・ことは「「「キュアップ・ラパパ!!!!!」」」

 

みらい・リコ・ことは「「「二人に力を!貸してーーー!!!」」」

 

インペイル「ん?なんだ?うわっ!?」

 

奇跡でも起こったとでもいうのか、インペイルの手にあるエメラルドが輝き、駆達の元へと飛んでいく。それに続くように、みらいたちが持つ”ダイヤ”、”ルビー”、サファイヤ”、”トパーズ”も駆に向かう。

 

種「これ…リンクルストーン?なんで?」

 

駆(…聞こえたよ…みらいさん達の声)

 

種「お兄ちゃん!?気が付いたの!?」

 

駆(…うん!種…変わってくれる?)

 

種「うん!」

 

私は目覚めたお兄ちゃんに主導権を渡す。

 

 

side:駆

 

僕は首にかけていたネックレスのチェーンを外し、そこから”クォーツ”の指輪をとり、自分の左手の中指にはめる。

 

駆「この五つの光…魔法つかいプリキュアさんの思いを感じる。僕たちを信じてくれている!」

 

種(優しい…”魔法”の力…。私たちを信じてくれる…その気持ちに応えたい!)

 

駆・種「「キュアップ…ラパパ!みんなを守る力を…僕たち(私たち)に下さい!」」

 

僕たちの”魔法”…その願いに応えるように五つのリンクルストーンが、僕の”クォーツ”に集まっていく。そして僕の指輪は”リンクルストーン”の指輪に変わる。

 

コルーリ「あれは!」

 

みらい・リコ・ことは「「「(はー!)リンクルストーン!」」」

 

駆「皆さんの思いに…応えて見せる!僕が…僕たちが最後の”希望”だ!!!」

 

僕は指輪を近づけてQaフォーンにしまう。

 

魔法つかいプリキュアダウンロード率…25パーセント…50パーセント…75パーセント…90パーセント…

100パーセント…ダウンロード完了。インストール準備完了。

 

駆・種『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈魔法つかい〉

 

新しいアプリを起動すると、僕は”二人”になっていた。いや…ちがう、もう一人の僕は黒いロングヘアー、身体は少女のようである。

 

駆「種…なの?」

 

種「お兄ちゃん…私…どうなってるの?」

 

僕は種に手を伸ばす。最後に見たのは…6歳の時で、その後の姿なんて知らない。でも…こうやって”二人”でいられるなんて!

 

駆「きっと、魔法の”奇跡”なんだよ…。今回は”二人”で戦おう!」

 

種「うん…。お兄ちゃん…離さないでね」

 

駆「勿論だよ…この手だけは離さない」

 

僕は種の手を握る。この手だけは…絶対に離さないし…離したりしない!

 

駆・種『『キュアップ・ラパパ!クォーツ!』』

 

Qaフォーンの画面にリンクルストーン”クォーツ”とモフルンのリボン部分が表示される。クォーツをドラッグしてリボン部分にセットし、新たに表示されるモフルンの手に僕たち”二人”でタッチする。

 

駆・種『『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』』

 

「「小さな種から花開け!」」

 

M・シード(種)「二人の奇跡!キュアミラクル・シード!」

 

シード・M(駆)「二人の魔法!キュアシード・マジカル!」

 

シード・M「偽りの闇に消えた光を」

 

M・シード「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

「「ヴァールハイト・プリキュア!」」

 

「「さあ…ショータイムだ(終わりの時よ)!」」

 

種の姿はミラクルの衣装を意識したようなコスチュームだが、僕のは大きく違う。カラーはマジカル寄りだが、コートにズボンで…なんか”ウィザード”っぽいかもしれない。そんな考えが浮かんでいたが、僕たちは気持ちを切り替えガンサークに向き合う。これが、僕たちが”ふたりで”プリキュアになった瞬間である。

 

フェイク「二人に増えたから何だってんだ!やれ!」

 

Gヨクバール『ヨクバール!』

 

シード・M「”僕が”相手だよ!はっ!」

 

僕は一気に走り出すとガンサークの足元まで行く。そのまま全力で足に蹴りを入れバランスを崩す。

 

Gヨクバール『ガ!?ガンサ!?』

 

M・シード「こっちだよ!おりゃーーー!!!」

 

Gヨクバール『ガンサーーーク!!!』

 

バランスを崩すガンサークにすかさずパンチを叩き込む種。どうやら僕たちのパワーは上がっているようで、ガンサークにも負けていない。

 

フェイク「何やってる!?さっさと立て!」

 

「「さあ…フィナーレだ(だよ)!」」

 

種はQaフォーンを取り出すとプリキュアイテムアプリの新しい項目〈魔法つかい〉を開き、リンクルステッキを二回タップする。

 

『『リンクルステッキ!』』

 

「「クォーツ!調和のきらめきよ!僕たち(私たち)の手に!」」

 

「「フルフルリンクル!プリキュア・クォーツ・ハルモニー!」」

 

僕たちはリンクルステッキにクォーツをセットし、水晶の丸を描く。現れた水晶をガンサークへと放つと、ガンサークは水晶の中に拘束される。

 

Gヨクバール『ガ!?ガ!?ガンサ~ク!?』

 

フェイク「ガンサクヨクバール!?」

 

M・シード「まだ終わらないよ!行くよ!お兄ちゃん!」

 

シード・M「うん!」

 

僕たちはふたりでジャンプし握っていた手をより強く握ると輝く斧が現れる。その斧はどんどん大きくなり、巨大なガンサークにも届きそうな約10メートルほどになった斧を僕たちは振り下ろす。

 

「「ストライク!!!」」

 

Gヨクバール『ケッサ~~~~~ク///ヨクバ~ル!』

 

一撃を受けたガンサークは浄化され、モフルンだけが残る。その様子を見たフェイクとインペイルはそれぞれの反応をする。

 

フェイク「くそ!こんな奴に!」

 

インペイル「フェイク…退くぞ。長居は無用だ」

 

フェイク「ちっ!おぼえてーろ!」

 

フェイクは次元の裂け目を開くとインペイルと共に消えていく。僕たちも集中が切れてしまったからか魔法つかいプリキュアの姿から元の”一人”に戻る。

 

みらい「シード!大丈夫!?」

 

シード「みらいさん!リコさん!ことはさん!」

 

コルーリ「シード!やりましたね!」

 

僕たちにみんなが寄ってくる。やっと終わったんだ。そうだ!みんなに買ったイチゴメロンパンもあるし、お別れの前に渡さないと。

 

シード「皆さん!やりまし…」

 

インペイル「やっていないさ!」

 

シード「は!?皆さん!コルーリ!避けて!!!」

 

みらい「はっ!コルーリ!」バンッ

 

コルーリ「きゃあ!あっ!皆さん!!!」

 

突如として四人の後ろに現れるインペイル。ヤツの持っている”何か”が口を開き四人を飲み込もうとする。コルーリはみらいさんに突き飛ばされ助かるが、三人はその”何か”に飲み込まれる。

 

シード「皆さん!インペイル!!!何をした!!!」

 

インペイル「心配するな…消した訳ではない。こいつの…”デリート”のテストでね」

 

シード「”デリート”?」

 

種(あのおっきいオタマジャクシみたいな丸いヤツの事?)

 

デリート『デリ~ト~!べっ!!!」

 

デリートと言う黒い手のひらサイズの球体型の生き物。そいつは鳴き声を出したと思うと、三人を吐き出した。するとデリートに手足が生える。例えるなら”手足が生えたオタマジャクシ”である。それを見たインペイルは歓喜の声を上げる。

 

インペイル「素晴らしい!成功だ!やはりプリキュアの記憶は凄まじい力がある!前回開発した”ミデン”のデータは間違いではなかった!ただの古いカメラでも成果は出せるもんだ!はっはっは!!!」

 

シード「何を…何をした!?三人に何をした!!!」

 

インペイル「”記憶を奪った”のだよ…キュアシード。プリキュアの記憶には凄まじい力がある。本来ならこの”デリート”もここまで成長するのに相当な量の記憶が必要なのだぞ」

 

シード「記憶…?何で…記憶を?」

 

インペイル「記憶とは…歴史そのものなのだよ。その人間が生きてる間こそ歴史が刻まれている瞬間だ!ならば、その人間が生きてる間に覚えている記憶も歴史の断片に他ならない!このデリートは”生物の忘却”を利用して作った代物でね!”忘れる”と言う現象を使うことで人々の記憶を奪える!だからこそ!プリキュアと言う特殊な生命でも記憶が奪えるのさ!」

 

こいつは…何を言っているんだ?つまり…三人から記憶を奪ったって事か?なら…僕たちと…過ごした思い出は?

 

インペイル「彼女たちから君たちの記憶を奪ってみた…テストだからねえ。もし成功しているなら…この時代は彼女たちを中心にしている。つまり他の人間からも”君たち”の記憶は消えているだろう」

 

シード「ッ!」

 

コルーリ「そんな…」

 

こいつの…こいつのせいで!こいつのせいで!!!

 

シード「…えせ」

 

インペイル「ん?」

 

シード「返せえええええ!!!!!」

 

こいつだけは!こいつだけは!!!絶対に!!!許さない!!!!!

 

シード「ああああああ!!!!!」

 

インペイル「どうしたね?その程度かな?そんなパンチでは私は倒せんよ!」

 

種(お兄ちゃん!落ち着いて!)

 

シード「黙れええええええ!!!!!」

 

種(お兄ちゃ!)ブチッ

 

怒りに飲まれた駆は種とのリンクを切る。タネとのリンクが切れた場合、シードになれないはずの駆。しかし駆は…”シードのまま”だった。

 

シード「お前のせいで!お前のせいで!!!お前さえ!!!お前さえいなければ!!!!!」

 

コルーリ「カケル!っ!?なに…あれ!?」

 

シードの身体から”黒い光”が溢れてくる。右手首に結ばれたリボンが”黒”に染まりきり、キュアシードの拳も赤く染まっていく。まるで…駆がみる”赤く汚れ切った手”のように。

 

シード「僕の前から!!!いなくなれ!!!!!」

 

インペイル「っ!そうだ!その黒い光!お前が絶望した証だ!!!ぐうぅぅぅぅぅ!!!ぐあああああ!!!!!」

 

シードの黒い光を纏ったパンチを受け止めようとするインペイル。しかしその力は凄まじく、インペイルは抑えきることもできずに吹き飛ばされる。

 

インペイル「素晴らしい!最高のデータが取れたよ!今回はここまでだ…」

 

インペイルは次元の裂け目を開きデリートと共に消えていく。それを見たシードは力尽きるように膝を付き、元の駆の姿に戻る。

 

コルーリ「カケル!大丈夫ですか!?」

 

駆「…はっ!?コルーリ…。あっ!三人は!?

 

駆は倒れている三人の元へ立ち上がり走り出す。

 

駆「みらいさん!リコさん!ことはさん!起きてください!!!」

 

みらい「…う、ん…!」

 

駆「みらいさん!大丈夫ですか!?」

 

みらい「ん…あなた…誰?」

 

駆「…え?」

 

そんな…そんな…!そんな…!!!

 

駆「リコさん!あの…」

 

リコ「あ…すみません!私、倒れてたんですか?”見ず知らず”の私を助けていただいてありがとうございます!」

 

嘘だ!嘘だ!!嘘だ!!!

 

ことは「みらい…リコ…私たちどうしてたの?あっ!”あなた”が助けてくれたの?ありがとう!」

 

本当に…”覚えて”いない。

 

みらい「あの…あなたは?」

 

駆「僕は…」

 

こんな…お別れなの?

 

駆「僕は…!」

 

もしそうなら…せめて…”笑顔”で…お別れ…したい!

 

駆「僕は…”指輪の魔法つかい”。君たちに希望と幸せを届けに来たんだ!魔法つかいプリキュアさん」

 

左手の中指にクォーツの指輪を付け彼女たちに見せて、僕は…無理やり笑顔を作る。絶対に泣かないように自分を”偽る”。

 

みらい「いま、魔法つかいっていいました!?」

 

リコ「嘘!?ナシマホウ界にも魔法つかいがいるなんて!」

 

ことは「はー!すご~い!ワクワクもんだし!」

 

駆「頑張っている君たちに、ささやかながらプレゼント!はい、どうぞ!」

 

僕はカバンから買っておいたイチゴメロンパンを三人の前に出す。

 

ことは「はー!イチゴメロンパン!いいの?」

 

駆「勿論だよ!はい、二人にも!」

 

みらい「ありがとうございます!」

 

リコ「ありがとうございます!嬉しいです!」

 

駆「…”忘れないで”。君たちは…みんなの希望なんだ。だから…絶対に世界を救ってください!伝説の魔法つかい”魔法つかいプリキュア”」

 

僕の言った言葉に対し三人は笑顔で返してくる。

 

みらい「はい!任せてください!」

 

リコ「私たちが!」

 

ことは「はー!絶対世界を守るからね!」

 

駆「期待してます!…それじゃあ、また!…行こう、コルーリ」

 

コルーリ「か、カケル!待ってください!」

 

僕たちは急ぎ足でアカーシャへと向かう。その間も種の声は…聞こえないままだった。

 

 

プリキュアカーシャ 操縦室

 

side:コルーリ

 

コルーリ「カケル!待ってください!」

 

駆「・・・」

 

コルーリ「カケル?」

 

駆は操縦室まで入ると壁に正面からもたれかかる。するとカケルの身体が少しずつ震えていく。

 

コルーリ「…カケル」

 

私は駆に近づく。するとカケルの足元に一粒、また一粒と水滴が落ちる。

 

駆「あっ…ああ…あああああ!!!」

 

コルーリ「カケル!!!」

 

私は駆の背中を抱きしめる。

 

コルーリ「カケル…あなたは…立派でした!だから…今は…泣いたっていいです。私には…翼があるので…あなたの涙は…私が隠しますから…だから…今は…我慢しなくていいですよ」

 

駆の叫びがアカーシャの中に響く。

 

コルーリ(私が…あなたの支えになれたなら…私は…)

 

コルーリは駆が落ち着くまでずっと…駆の背中を抱きしめていた。

 

 

side:魔法つかいプリキュア

 

ことは「は~!イチゴメロンパン美味しい!」

 

みらい「そうだね、はーちゃん!あれ?リコ、どうしたの?」

 

リコ「なんだか…大事なことを忘れてるような気がして」

 

リコは”何か”を忘れているのを感じている。しかしその”何か”に気付くことができない。

 

みらい「…リコも?私も…”何か”忘れてる感じがして…って、はーちゃん!?どうしたの!?」

 

ことは「わからない…分からないのに…涙が出るの…」

 

みらい、ことはも違和感を感じている。ことはは何とも言えない喪失感を感じて涙を流す。そんな時、空にまばゆい”碧の光”が走り抜ける。

 

みらい「リコ!はーちゃん!見て!緑色の流れ星!」

 

リコ「昼間にあんなに輝く流れ星なんて…」

 

ことは「…でも、元気が湧いてくるね」

 

みらい「うん…そうだね!」

 

リコ「何か…お願いをしましょう」

 

三人は空に光る流れ星に願いを唱える。

 

「「「キュアップ・ラパパ…世界に幸せが訪れますように」」」

 

私たちの願いを背負い、碧の流星は”遥か彼方”へと消えていった…。

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?今回はネツゾーンの兵器”デリート”の登場と初めてキュアシードが”二人”になって戦いました。今回出たシードの赤い光や黒い光は今後の伏線で赤い方はキュアシードの強化に使おうと考えております!お楽しみに!次回からはGo!プリンセスプリキュア編です!キャラ設定にもあるように駆は夢を見ないようにしているので、この時代では”夢”に向き合ってもらおうと思います。乞うご期待ください!
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