2019年4月30日 AM6:40 平成終了まで…あと17時間20分
ジリリリリッ!ジリリリリッ!
スマートフォンから響くアラームで、私は目を覚ましアラームを止めた。
?「う、う~~~ん…もう時間なんだ~」(朝は少し苦手…だけど…)
?「今日も良い日になりますように!」(朝一番に見る朝日はとっても好き!)
眠い目を擦りベッドから体を起こした後、窓際へ足を進めカーテンを開ける。これは彼女の日課であり、1日を元気にする”おまじない”なのである。
〈私、”麻琴 旭《まこと あさひ》”中学2年生。お父さんのお仕事の都合で、4月からこの《タダシキ市》に引っ越してきた。まだこの街に慣れてはいないけど、友達だって出来たし、それに…うん!〉
旭「よし!今日も1日頑張るぞ~!ぉ、お~…」
少し空元気が過ぎたことに恥ずかしくなり、私は握った拳を天高くは上げず、顔の高さまで上げて、小さな声で気合を入れた。
AM7:10 平成終了まで…あと16時間50分
旭は、身支度を整えて母の”真昼”が待つリビングへと向かう。
『…・・・横浜で発生した怪物の出現は、”プリキュア”と名乗る5名の少女達により事態は収束しました。続いてのニュースは、人気女優”春日野うらら”さんと、人気アイドルまこぴーこと”剣崎真琴”さんが主演を…』
旭「お母さん、おはよう。あっ…今のニュース…プリキュアが出てたの?」
真昼「おはよう、旭。なんでも横浜にでた怪物を、プリキュアが退治してくれたんですって」
旭「ふ~ん…」(不思議な力を持った私と同い年位の女の子達…なんだよね)
旭はリビングにいた母に挨拶をしつつ、テレビから流れるニュースが目に入った。そこには”プリキュア”と言う、自分と年の変わらないであろう少女たちが取り上げられていた。旭はプリキュアの事を友達の男の子がよく話しているのを耳にしていた。だが、それはプリキュアに興味があるからではなく、”彼”が男の子の話を聞いているのを近くで自分も聞いていたからである。
真昼「ほら!早く朝ごはん食べちゃって。学校遅れちゃうわよ」
旭「うん、いただきます。」
旭は母に返事をして料理に手を伸ばし、いつも通りの朝食を味わっている。この時はまだ、旭は知らなかった。これから来る異変が、もう間近に迫っていることに…。
AM8:00 平成終了まで…あと16時間
タダシキ市立 満星《ミツボシ》学園 2年A組 教室
旭「おはよう、和澄ちゃん」
和澄「あっ!旭ちゃん、おはよう!月末の席替え発表されてるよ。それと…おめでとう。やったじゃん!隣の席…愛しの”彼”だよ」
旭「えっ!?」
教室に入ると親友の”水部和澄《みずべ かずみ》”ちゃんがいるので挨拶をする。彼女は私の1番の親友で引っ越してすぐに友達になってくれた。そんな彼女に驚きの発言をされた私は、黒板に書きだされた席替え表をみる。自分の名前を探していくと、窓際の最後尾の席に自分の名前は書かれていた。そして右隣の席には、和澄ちゃんの言う通り”彼”の名前が書かれている。
和澄「ほらほら~、挨拶してきなよ~」
旭「えっ!?で…でも…」
和澄「緊張してないで…さっさとイケ~!」
旭「ウェッ!?お、押さないで、キャア!?」
和澄ちゃんに背中を押された私は、見事に”彼”の席までたどり着いてしまった。
?「…大丈夫?」
和澄ちゃんに押されたことを心配してか、本を読んでいる手を止めて”彼”は、私に声をかけてくる。彼の声がすごく近くで聞こえるせいで心臓が強くはねる。
旭「!?う、うん…大丈夫。お…おはよう…時生君」
時生「…うん、おはよう麻琴さん」
彼の名前は”時生 駆《ときお かける》”君。すごい読書家で、成績は学年10位内に入るらしい。あまりクラスのみんなと関わらないとみんなは噂しているが、そんなことはない。だって、引っ越してすぐの私に手を差し伸べてくれたり、和澄ちゃんと引き合わせてくれたのだって時生君だもん。
時生『よろしくね!わ、じゃなかった…僕は時生 駆!あなたの名前、聞いてもいいかな?」
差し伸べてくれた手の温かさ、彼の手を取った時から、ずっとこの手に残ってて、彼を考えるたびに、胸の鼓動が早くなる。これが…”恋”なんだって気づくのに時間は掛からなかった。
時生「…麻琴さん?どうしたの、ぼんやりしているみたいだけど…」
旭「あ、ごめんなさい、読書の邪魔しちゃったね。私、直ぐに退くから!」
そう言って私は自分の席に着いた。そんな私を目で追う時生君は、何も言わずに読んでいた本【海賊ハリケーン】に視線を戻した。とても居心地の悪い空気が私と彼の間に出来てしまった。だが、そんな空気の中に”猿分詩文《さるわけ しもん》”君がお構いなしに入ってくる。
詩文「よお!駆!見ろ視ろ観ろ!こいつを~!見ろ!!!」
時生「うるさいよ、詩文。…で、僕は何を見ればいいの?」
詩文「これだよ!これ!プリキュア!横浜の街を救うって記事!」
旭「あ、それって朝ニュースでやってた…」
詩文「そ~なんだよ!旭ちゃん!あ~プリキュアの雄姿!この目で見たかったな~」
詩文君は、プリキュアの大ファンで、プリキュアの載っている雑誌は全部持っていると豪語しているほどである。和澄ちゃんとは幼馴染でとっても仲が良い。時生君の一番の友達って詩文君は言ってるんだけど…ほんとかな?
詩文「旭ちゃん!よかったら俺とプリキュアについてっていててててって!?おい!?和澄なにすんだよ!?」
和澄「うるさいわよ、このヘンタイ!旭ちゃんに変なことしようとして!大体あんたは…」
すごい口論になっているが、これはいつも通りの事で、クラスのみんなも理解している事なのだが、ど、どうしよう?止めないと先生きちゃうよ~。
時生「二人とも…」
和澄・詩文「「なによ(なんだよ)!」」
時生「…夢原先生…もう来てるけど…」
和澄・詩文「「えっ」」
夢原先生「う~~、私の可愛い生徒達が~」
彼女は”夢原のぞみ”先生。私たちの担任で、教科は国語を担当している。とっても優しくて、すごく生徒思いで、夢がある生徒には、とても親身になってくれる頼れる…頼れ…る…先生…なんです。
夢原先生「うわ~ん、ケンカしちゃダメ~!」
先生の鶴の一声により、喧嘩は収まり、無事にホームルームが始まった。
AM8:59:50 平成終了まで…あと15時間10秒
夢原先生「では、ホームルームは以上です。1時間目は国語だから、みんな国語の用意をするよ~に」
・・・・9・・・・8・・・・7・・・6・・・・5・・・・4・・・・3・・・・2・・・・1
夢原先生「けって~い!」
・・・・0!
AM9:00 平成終了まで…あと■■時間
ガッチャ…
旭「え・・・」
世界が…歪んだ。ほんの一瞬…1秒あるかないかの歪みが確かにあった。
?「では、国語の準備をしておくように」
旭「あれ?夢原先生は…?」
和澄「夢原先生?誰?そんな先生いたっけ?詩文、知ってる?」
詩文「さあ?確かいなかったと思うけど…」
旭「嘘…!」(そんなはずない!さっきまで確かにいた!)
旭「国語の!?私たちの担任の先生だよ!?」
詩文「はあ?担任は佐藤先生だろ。さっきまでいたじゃん」
和澄「旭ちゃん、大丈夫?気分悪いなら、保健室ついていこうか?」
(何…これ?どうなってるの?お願い!…夢なら…覚めて!)
目を瞑って、私は精一杯願っていた。願うしかなかった。だって…どうすることも…できないんだもん…。
ネ・・・ツ・・・ゾーーーーーン!!!
謎の叫び声が響き渡り、私は閉じていた目を開く。そこには青かった空は”赤く”、先ほどまで話していた友達は、”静止”していた。いや、これは正確ではない。”私以外”の全てが…静止していた。
旭「嘘…嫌だ…たす…けて…助けて…駆…君…!」
呼んだって来てくれるわけがない。でも…この絶望の中では…何かにすがるしか…できないよ・・・。
キラーーーーーン!!!
旭「流れ…星…」
赤く染まった空に、碧に輝く流れ星が現れた。それだけではない。その流れ星は、学校の校庭に落ちたのである。揺れは一切なく、ただ碧の輝きは、校庭で光を放ち続けている。
旭「行かなきゃ…行かなくちゃ!」
私はただ光へと走った。あの碧の光は、希望に繋がっていると感じたから。
旭「はあ…はあ…はあ…何…これ?UFO?」
光の下へとたどり着くと、それは…流れ星は隕石ではなかった。それはどう見ても金属でできた人工物…例えるなら宇宙船やUFOに近いものだった。
シャーーーーン
?「間に合わなかったチュン!?プリキュアの歴史が…」
宇宙船?から鳥?によく似た人の言葉を喋る生き物が降りてきた。降りたとたんに何かを喋りだし、落ち込みだした。私は聞きなれた言葉を耳にした。
(え、今…この子…)
旭「あなた今、プリキュアって言った?」
?「!?プリキュアの事…わかるチュン?」
旭「う、うん。知ってるよ」
?「捏造された歴史の中で、プリキュアを覚えているなんて」
鳥?さんはプリキュアの話をしたとたんに、信じられないという表情を浮かべる。そして鳥?さんは、何かを思い出したように声を上げた。
?「”特異点”!あなたは”特異点”なんだチュン!」
旭「とくいてん?」
?「やったチュン!これでプリキュアの歴史を救うことができるチュン!」
旭「ちょ、ちょっと待って!まず、あなたは何なの?」
?「申し遅れましたチュン!私はアカシック王国より、特異点…つまりあなたを探すために派遣された、妖精の”コルーリ”と言いまチュン」
旭「コルーリ、今この世界に何が起こってるの?」
コルーリ「世界がこんなになってしまったのは、歴史が”捏造”せれてしまったからチュン」
旭「歴史を…捏造?」
コルーリ「この世界のプリキュアの歴史が、”ヤツら”によって変えられてしまったせいチュン!」
旭「ヤツらって?」
コルーリ「”正しい真実”を”偽りの虚偽”に捏造し、世界を侵略しようとする…悪の軍団”ネツゾーン”チュン!!」
旭「ネツゾーン…あっ!」
《ネ・・・ツ・・・ゾーーーーーン!!!》
あの時の叫び声が…ネツゾーンって奴らのだったんだ!
コルーリ「お願いしますチュン!あなたの力を貸していただきたいチュン!」
旭「でも待って?じゃあ、何で夢原先生はいなくなったの?プリキュアは5人だけでしょ?」
プリキュアの歴史が捏造されたなら、なんで先生はいなくなったの?先生はプリキュアじゃないはずだし、5人だけだよね。
コルーリ「そんなことないチュン!プリキュアは古くから存在し、地球の神様が、世界に多くのプリキュアを誕生させたチュン!」
旭「そうなんだ…。じゃあ、先生もプリキュアだったから…」
コルーリ「いなくなってしまった可能性があるチュン」
衝撃だった。私は、世界のことをちっとも知らなかった。
コルーリ「お願いチュン。この”Qaフォーン《キュアフォーン》”を使って”プリキュアを救うプリキュア”になってほしいチュン!特異点であるあなたしか、Qaフォーンは使えないチュン!」
コルーリが取り出したのは、スマートフォンのような携帯端末だった。ピンクを基調とした機体でハートのマークが裏面に大きくあしらわれている。
?「そうはさせねーよ!」ギュウーーーーーーーボンッ!!
私達に向かって赤い火の玉が飛んできた。間一髪で避けることでき、私達は声がした方向に顔を向けた。そこには、170センチくらいの細身の青年で、黒いコートを素肌に纏い、黒のスキニージーンズ、全身を”黒”く統一している中に、彼の肌と、一本に結あれた長髪の”白”がとても印象的である。
コルーリ「フェイク!あいつはネツゾーン三幹部の一人チュン!」
フェイク「そいつが特異点か。なら…見逃すわけには…いかねえよな」
フェイクが私へと視線を向ける。冷たく、恐ろしいほどの絶望が目の前にあるのを感じる。
(だけど…!)
旭「コルーリ」
コルーリ「チュン?」
旭「そのQaフォーンを使えば、夢原先生も…和澄ちゃんも…クラスのみんなも…駆君も…助けることができるんだよね?」
コルーリ「!もちろんチュン!このQaフォーンをあなたに…」
Qaフォーンを渡そうとするコルーリに、私は一言声を掛ける。
旭「旭…私の名前。これから一緒に頑張るんだもん!名前で呼んで欲しいな」
コルーリ「はいチュン!アサヒ!Qaフォーンを受け取ってチュン!私も一緒にネツゾーンと戦うチュン!」
旭「うん!私、プリキュアになる!」
私は覚悟を決めてコルーリからQaフォーンを受け取る。
コルーリ「アサヒ!Qaフォーンを起動して【プリキュアプリケーション!インストール】って叫んでプリキュアプリをタップするチュン!」
旭「分かった!Qaフォーン、スタンバイ!」
プリキュアプリダウンロード率…25パーセント…50パーセント…75パーセント…90パーセント…
100パーセント…ダウンロード完了。インストール準備完了。
旭「プリキュアプリケーション!インストール!!!」〈タップ〉
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(えっ!?なんで!?どうして!?)
Qaフォーンを何度タップしてもプリキュアになることはできなかった。
コルーリ「そ、そんなチュン…」
フェイク「はっはっはっはっは!こいつはお笑いだぜ!プリキュアになれねーなんてな~」
旭「……ッ!」
フェイク「そんなら、そのアイテムも…いらねーよなーーー!!」バシッ!
旭「キャア!」
旭が握っていたQaフォーンは、フェイクによって反対の校舎側へ飛ばされてしまい、旭自身もフェイクに胸元をつかまれ宙吊りにされてしまう。
コルーリ「アサヒ!」
フェイク「こいつがいなくなれば、もう我らネツゾーンと”あのお方”の邪魔をするものはいねえ!!!」
コルーリ「やめるチュン!アサヒを…アサヒを離すチュン!!!」
フェイク「今回は運がいいぜ。本来なら”2人”いるはずの特異点が1人しかいないなんてよ!じゃあな、嬢ちゃん。俺は紳士的なんでな~痛くないように…消してやる!!!」
旭「!?」
(私の身体を、”黒い何か”が飲み込んでいく。少しずつ・まるで溶かすように・・いたみは・・・ない・・・・ごめn・・・・・ko…ru-…ri・・・・・・ka……ke………ru…………ku……………n)
コルーリ「アサヒーーーーーーーー!!!!!」
?「旭ちゃん!!!」
消えそうな意識の中、麻琴 旭が最後に見たものは大好きな”彼”、最後に聞いたのは”彼”の声。そして彼女が遂げようとした使命は最後に現れた”彼女達”に託されていく。
To Be Continued……?
いかがでしたでしょうか。頑張ってベストは尽くしました。何か感想等ありましたら、遠慮なく書いていたいただきたいです。
これからも少しずつ投稿していきますのでよろしくお願いいたします。