ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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ハピネスチャージプリキュア編、今回で最終回となります!そしてついに、私の考えたシードの強化形態の登場です!果たして、その実力は!?では、お楽しみください!

※今回、先にハピチャの変身アイテムを手に入れているから、もう”固定化”してるのに何で戦ったのと思うかもしれませんが、第三話で、キュアシードがやられたら”固定化”は意味がなくなることが明記されていますので、シードを倒せば”ネツゾーン”の目的は達成します。ですから、そういう理由で戦っておりますので、気にしないでください。


第二十一話:”愛”と”勇気”で生まれる”真実”!輝く”星の種” アストラル・シード!

ブルースカイ王国大使館 庭園

 

side:種

 

種「みんな、力を貸して!」

 

私は、神様からもらった”愛の結晶”……そこから生まれた”プリカード”をQaフォーンに近づける。

 

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種『プリキュアプリケーション!インストール!!!』〈ハピネスチャージ〉

 

Qaフォーンの画面に”プリチェンミラー”とプリカードが現れ、プリチェンミラーのフタが開く。

 

かわルンルン!

 

私は、三枚のプリカードをプリチェンミラーのトレイにドラッグして乗せる。キュアシードが光の衣を纏ったキャラクターカードを一番下に、トップスとボトムスをそれに重ねる様にして、トレイをプリチェンミラーの中にスライドしてセットする。

 

種『プリキュア・くるりんミラーチェンジ!』

 

私は、画面のプリチェンミラーに付いているミラーボールをスライドして回転させる。すると、私は足まで隠れるような白いマントを身に着け、”手”、”足”、”イヤリング”、”スカート”の順に衣装が付いて行く。そして、私はマントをバサッ!っと取り、最後に右手首のリボンと一体化するように、ラブプリブレスを付けて変身を完了する。

 

L・シード「小さな種から花開け!世界に広がるビッグな愛!キュアラブリー・シード!」

 

L・シード「偽りの闇に消えた光を、正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

L・シード「ヴァールハイト・プリキュア!」

 

マーネル「さあ、あたしのデザート……存分に味わいなさい!キュアシード!!!」

 

L・シード「幸せな気分の時に、不幸のスイーツなんて願い下げだよ!!!」

 

私は、マーネルが生み出したGサイアークへと飛び掛かる。

 

L・シード「神様も、リボンも、ぐらさんも……返してもらうから!」

 

そして今、ハピチャさんも……お兄ちゃんもいない”私”の……”一人ぼっち”の戦いが始まる。

 

 

プリキュアカーシャ 研究室

 

《システムプロテクト、解除できません》

 

コルーリ「……またダメ!……カケル、どうしたら……!」

 

warning!warning!warning!

 

コルーリ「こんな時に!?場所は……”ブルースカイ王国大使館”!?……直ぐに向かわないと!」ボンッ!

 

私は、解析装置に接続していた”Qaウォッチ”を外し、妖精の姿に戻った私の肩に掛ける。解析が終わっていなくても、タネに必要な力だし……もしかしたら、再度の使用でカケルの意識が戻る可能性だって否定できない。持ってかない訳にはいかない!

 

コルーリ「タネ……カケル……!待っていてチュン!」

 

?「……行ったみたいね。私も……準備をしないと」

 

コルーリが大使館へと飛び立つ。そんな中、物陰に隠れてコルーリがアカーシャから出発するのを確認する人物がいた。その人物は……。

 

旭「……駆君のために!」

 

大使館で種に暴言を浴びせ、立ち去ったはずの……麻琴 旭だった。

 

 

side:キュアシード

 

L・シード「たりゃーーーーー!!!」

 

めぐみ「シード!”ラブプリブレス”を使って!」

 

ひめ「技をイメージして、思いっきりぶつけるの~!」

 

L・シード「分かった!リボン一体型ラブプリブレス・・・・・・・名付けて、”ラブプリボンブレス”!」

 

私は右手首に巻かれる”ラブプリボンブレス”の中央部分をクルクルと回し、頭の中に技をイメージしていく。まずは……”おっきいパンチ”!

 

L・シード「ラブリー・シード・ジャイアントパ~ンチ!!!」

 

Gサイアーク『ガン……サーーーク!!!』

 

L「受け止められた!?……だったら!」

 

私は、大きなQaライトで出来た拳を消すと距離を取る。次は……”ビーム”!

 

L・シード「ラブリー・シード・ビーーーム!!!」

 

私は、手で指鉄砲を作りGサイアークに向ける。すると、極太のビームが指先から発射されGサイアークを飲み込む。

 

マーネル「ガンサクサイアーーーク!?……なんちゃって!」

 

L・シード「えっ?」

 

Gサイアーク『サイアーーーーーーーーーク!!!』

 

ゆうこ「嘘!?」

 

いおな「嘘でしょ!?無傷なんて……!?」

 

Gサイアークはビームの中から再び姿を現す。Qaライトの力でガンサークにもダメージが入るはずなのに、傷一つ付いていない。どうして!?

 

マーネル「良い!良いわ、キュアシード!あんたの絶望する顔!!ゾクゾクしちゃう!!!」

 

誠司「何でシードの攻撃が効かないんだ!?何か……仕掛けがあるのか?」

 

マーネル「あら、坊や……気になるの?だったらヒントを出してあげる」

 

誠司の声が聞こえたらしいマーネルは、その疑問に対してのヒントを出していく。

 

マーネル「”歴史の強さ”って……何で決まると思う?」

 

L・シード「歴史の……”強さ”?」

 

誠司「歴史の強さ?……”長い事”……とか?」

 

マーネル「あら、察しが良いわね!ご名答!歴史の強度は、その歴史の長さに比例するのよ!」

 

歴史の強さは、歴史が長い程強いって事?でも、それとGサイアークが強い理由って……どう繋がるの?

 

マーネル「まだ分からないって顔ね。……じゃあ、私が今回ガンサークに使った”存在”ってな~に?」

 

ひめ「えっ!?えっと……リボンでしょ?」

 

いおな「……ぐらさんもね」

 

ゆうこ「それから……ッ!?まさか!?」

 

めぐみ・ひめ・ゆうこ・いおな・誠司「「「「「ブルー(神様)!?」」」」」

 

その答えに気付いたハピチャのみんなと誠司君は、驚きの表情と共に声を上げる。それを見てマーネルは、より一層口の口角を上げて笑う。

 

マーネル「大正解!そうよ!地球の神ブルーの存在!それこそ、このガンサクサイアークの強さの理由!!!」

 

L・シード「ど、どう言うこと?」

 

マーネル「おバカさんのキュアシード、あなたにも分かるように教えてあげる!地球の神は、いつから存在していたと思う?そんなの決まっているわ!”地球が生まれた時”からよ!!地球の長き歴史を見てきた神……その歴史は紀元前よりも古い!今あんたが相手にしているのは”地球の歴史”そのものなのよ!!!」

 

L・シード「地球の歴史なんて……そんな!?」

 

地球の歴史……私が分かるだけでも二千年以上ある。その上、紀元前っていうもっと古い時代があったってお兄ちゃんが言ってた。それだけ長い歴史が……私の敵なんて……!?

 

マーネル「……あんたの力が強いことはわかるわ。でも、地球の歴史っていう長すぎる歴史……あんた”一人”に、引っ繰り返せるかしら!!!はっはっはっはっは!!!!!良いわよ!!!!!もっとその絶望の表情を私に見せなさい!!!!!」

 

L・シード「こんな……こんなのって!?」

 

マーネル「今度は……こっちの番よ!やれ、ガンサクサイアーク!!!」

 

Gサイアーク『ガンサーーーーーク!!!!!』

 

L・シード「ッ!?ぐううううう!!!!!きゃあ!?」

 

めぐみ「シード!?」

 

ガンサークの強力な蹴りを受け止めようとするシード。しかし、あまりにも重すぎる蹴りを押さえることが出来ず、空中に蹴り飛ばされる。

 

L・シード「まだ……まだ!……えっ!?」

 

G『サイ……アーーーーーク!!!!!』

 

L・シード「キャアアアアアアアア!!!!!」

 

空中で光の羽を出して体制を立て直すと、既にシードの前にGサイアークがいた。Gサイアークは両手をシードに向けると、先ほどのお返しと言わんばかりに極太のビームを放ち、シードを追い詰める。

 

L・シード「はあ……はあ……はあ……!これ位……お兄ちゃんの……痛みに比べたら!どうって事……無いんだから!!!!!」

 

ひめ「シード!無事だったのね!!!」

 

ゆうこ「ぶつかる瞬間に、小さかったけど……エネルギー弾を前に出して攻撃の威力を下げていたみたいだった」

 

シードはビームが接触する直前にエネルギー弾を形成し、即席のバリアとして利用し直撃を回避していた。しかし、完全なバリアという訳ではなかったためダメージは受けている。衣装もところどころ破けている上に、シードの顔にも確かな疲労が見られる。

 

いおな「でも、ダメージは相当なものよ!……頑張って、シード!」

 

誠司「まだ……諦めんな!お前ならできる!!お前は……プリキュアだろ!!!」

 

L・シード「プリ……キュア!」

 

そうだよ!私は……キュアシード!プリキュアさん達を助ける……ヴァールハイト・プリキュアだよ!

 

駆『タネ、タネが知ってるプリキュアは、これ以上の事をしているでしょ。なら、タネだって出来るよ…タネはプリキュア…”キュアシード”なんだから!』

 

お兄ちゃんが言ってた!私だって……プリキュアなんだって!それに……それに……!!!

 

ひめ「いっけ~!シード!!!」

 

ゆうこ「シード!負けないで!」

 

めぐみ「シード、思い出して!さっき感じた”幸せ”を!!それから、大好きな駆君への”愛”を!!!”愛”があれば……プリキュアは無敵なんだから!!!!!」

 

”愛”……そうだね!だったら……!!!

 

L・シード『プリキュアプリ!インストール!!!』〈ハピネスチャージ〉

 

L・シード『愛の種を聖なる力に、ラブプリボンブレス!』

 

マーネル「あら、決めようって訳?無駄だって言ってんのよ!!!もう一発お見舞いしてやんな、ガンサクサイアーク!!!!!」

 

Gサイアーク『ガンサ~ク……』

 

私は、Qaフォーンのプリキュアプリを起動すると、再びブレスの中央を回す。するとリボン部分が”碧”の光を放ち、それをハート型にしていく。その様を見ていたGサイアークも、もう一度ビームを打とうとこちらに両手を向けている。

 

L・シード「プリキュア・ピンキーラブ……!」

 

Gサイアーク『サイ……!』

 

絶対に……負けない!!!

 

L・シード「シーーーーーーーード!!!!!」

 

Gサイアーク『アーーーーーーーク!!!!!』

 

私が殴り飛ばしたハートのエネルギー弾とGサイアークのビームが激突する。接触してすぐは拮抗していたが、ゆっくりとGサイアークのビームがエネルギー弾を押してくる。

 

ひめ「嘘!?シードが押されてる!」

 

ゆうこ「大丈夫だよ、ひめちゃん!シードなら!!」

 

誠司「大森の言う通りだ。シードなら……やってくれる!」

 

いおな「そうよ。たとえ”一人”だとしても……シードは”二人”で戦っている!」

 

めぐみ「そうだよ!シードの”愛”が……”彼”に届けば!きっと!!!」

 

シードを祈るハピチャのみんな。その思いが通じてか、シードのエネルギー弾がゆっくりとビームを押し返していく。

 

Gサイアーク『ガッ!?ガンサーーーーーク!?』

 

マーネル「な、なんで!?地球の歴史に……何故、その重さに抗える!?これ程の時代の積み重ねに……何故、勝れると言うの!?」

 

L・シード「……関係ない」

 

マーネル「……はっ?」

 

L・シード「”愛”に……”時代”なんて関係ない!!!」

 

私は、ありったけの力を込めてマーネルに叫ぶ。

 

L・シード「”愛”は、人が紡いできたすっごく大事なものなの!誰かを大好きになるのに……時代なんて関係ない!!人が……生き物が生まれた時から……ずっと心の中にある!!!地球の歴史と一緒だよ!!!!!」

 

マーネル「ッ!?……”愛”と言う”生命の歴史”で、”地球の歴史”の力と並んだというの!?」

 

L・シード「私……お兄ちゃんが大好き!私のお兄ちゃんへの”愛”はね……世界より!!地球より!!!大きいんだからーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

Gサイアーク『さ、サイ!?あ、アーーーーーク!!!』

 

L・シード「いっちゃえええええええええええ!!!!!」

 

Gサイアークのビームを押し返し、ついにシードの浄化技が炸裂する。

 

マーネル「ガンサクサイアーク!?」

 

Gサイアークの身体を、ハートのエネルギー弾が包む。

 

L・シード「種よ、土に帰れ!」

 

Gサイアーク『ケッサ~~~~~ク///ゴクラ~……サイア―――ク!!!』

 

めぐみ「そんな!?」

 

ひめ「浄化できなかったの~!?」

 

Gサイアークをあと一息まで追い詰めるが……浄化することが出来なかった。

 

マーネル「……は、はっはっはっは!残念だったわね!!!あとちょっとだったのにね~!!!」

 

L・シード「……くっ!」

 

マーネル「さあ、もうおしまいよ!潰しなさい、ガンサクサイアーク!!!」

 

Gサイアーク『ガンサ~ク……サイアーーーーーク!!!』

 

L・シード「……ッ!?」

 

地面に膝を付く私に、Gサイアークは右腕を上げてパンチを放とうとする……その時だった。

 

コルーリ「待つチューーーーーン!!!!!」ボンッ!

 

マーネル「ん?」

 

Gサイアーク「ガンサ~ク?」

 

コルーリ「し、シードを……これ以上、傷つけさせません!」

 

L・シード「コルーリ!だめ、逃げて!!」

 

空から”青い風”の様な速さでやってきたのは……コルーリだった。彼女は人間の姿に変わり、Gサイアークの拳の前に出てきたのだ。幸い、コルーリの声に注意が逸れたため攻撃は当たらなかったが、一歩間違えれば怪我では済まなかったと思う。

 

コルーリ「い、嫌です!私は……もう失いたくないんです!アサヒも……カケルも……タネだって!だ、だから、怖くったって……”勇気”を振り絞って!私は、皆さんの盾になります!!!カケルなら……そうやってみんなを守るはずですから!!!」

 

コルーリの足は、ガタガタと震えていた。怖くてたまらないのに……それでも私を守るために出て来てくれた。私が……頑張らなくちゃいけないのに!身体が……動かないよ……!

 

マーネル「ふんっ!そんなに足が震えちゃって……怖いのね~!臆病者なのね~!!だったら……そいつと一緒に消えれば、寂しくないわねーーーーー!!!!!」

 

Gサイアーク『サイアーーーーーク!!!!!』

 

L・シード「だめえええええええ!!!!!」

 

私は、全ての力を込めて叫んだ。しかし、再び振り下ろされる右腕は止まらない……そんな時だった。

 

ピカーーーン!!!

 

コルーリ「Qaウォッチが……!?」

 

L・シード「”黒く”……光ってる!?」

 

コルーリが手に握っていた”Qaウォッチ”。攻撃があと少しの所まで迫ってきた瞬間、”黒い光”を放つ。これって……一体なに?

 

 

駆の深層意識

 

side:駆

 

駆(眩しい……なんだ?)

 

僕は眩しい光があることに気付く。眠っていて、瞼は閉じているはずなのに……それでも分かるくらい眩しい光があるのを感じる。それが何なのか気になった僕は、ゆっくりと瞼を開く。

 

駆(あれは……”星”?……とっても綺麗だ)

 

今まで見てきた”星”の中で一番と言って良い程に美しい星。自分のいる場所が暗闇なだけに、その輝きがとてつもない。こんなに綺麗なら……種にも見せたいな。

 

……種?

 

駆(ッ!!……そうだ!こんなところで……寝ている場合じゃない!帰らなくちゃ!種の所に……コルーリの所に!プリキュアさん達の待つ場所に!!!)

 

グアアアアアッ!!!

 

駆(ッ!?この鳥……あの時、僕を飲み込んだヤツ!?)

 

グアアアアアッ!!!グアアアアアアアアアアッ!!!!!

 

大きな黒い鳥がもう一度、僕を飲み込もうとする。力が強いため、振り払うことが出来ない!

 

駆(嫌だ!僕は……帰りたい!あの”星”は、きっと種の輝きなんだ!!僕は皆を、大切な人たちが待つ場所に戻りたいんだ!!!)

 

駆君……あなたならそう言うと信じてたよ!

 

ガギャアアアアアアッ!!!!!

 

黒い鳥が大きな悲鳴を上げる。よく鳥のいる方を見ると、鳥の”黒”とは違う……別の”黒”い姿をした少女がいた。僕は、彼女を知っている!

 

駆(キュアザート!?旭さんなの!?)

 

ザート(遅くなってしまってごめんなさい!あなたの深層心理への入るために、コルーリ……あの妖精の子が持っているQaウォッチのデータが必要だったんだけど……ずっと解析で部屋に籠もり切っていたから、手に入れられなかったの。でも、ようやく入ることが出来たわ!)

 

グアアアアアッ!!!グアアアアアッ!!!!グアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

 

ザート(うるさい鳥ね。プリキュアプリ!インストール!!!)〈タップ〉

 

グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

 

ザート(プリキュア!アーク・レイ・ザート!!!)

 

ザートの”黒い光”を纏った拳は、黒い鳥を貫いて悲鳴を上げさせる暇もなく”消滅”させる。

 

駆(ザート……今のって……まさか?)

 

《システムプロテクトを解除します》

 

ザートに今使った”黒い光”について聞こうとした瞬間、周囲から異様な機械音が聞こえてくる。それだけに止まらず、いきなり”数字の配列が表記されているディスプレイ”が空間の至る所に出現する。

 

駆(これは……一体、何?)

 

ザート(よく考える博士だね。システムプロテクトを対象の意識と一緒に”深層意識内に隠す”なんて……これじゃあ、機械を解析したって見つからないよ。もちろん、プロテクトも解除できない)

 

ザートが言うには、あの鳥は”Qaウォッチ”のシステムプロテクトだったのだそうだ。そして、それが消滅したことによって、今まで守られていたシステムが剥き出しになってしまったらしい。

 

駆(それは分かったけど……どうやって戻ればいいのか分からない。あの鳥が消滅しても……意識は戻らないし……)

 

ザート(……方法ならあるよ、駆君)

 

ザートはそう言うと、自身の右手の平に”黒い光”を出す。

 

駆(やっぱり、それって……)

 

ザート(これは、”Aqライト”。世界による記憶の修正を回避する”Qaライト”が反転した力で、”世界の修正力”そのものだよ)

 

駆(”Aqライト”……世界の修正力そのものって……まさか、”世界を書き換える”って言うんですか!?)

 

ザート(そう、世界が”変わってしまった歴史”によって発生する不都合を修正……言い換えれば、”書き換える力”のこと。……この力は、強く”今ある世界は間違っている、だから変わって欲しい”と望む人の願いによってQaライトが反転した時に発生するの……。怒りとか……憎しみ……恐怖……特に、絶望の感情が大きい程、その力は……際限なく強くなる)

 

”黒い光”……Aqライトの正体を知った僕は驚き、そしてやっとわかった。インペイルが言っていた”絶望している証”と言う意味を……。

 

ザート(この力を使って、システムを書き換えるの。駆君のAqライトの出力なら……世界の不都合なんか関係なく修正できる)

 

駆(この力を……ッ!?……もし、暴走してしまったら!?)

 

ザート(大丈夫……制御する方法はある。”希望”を忘れないこと……それだけでいい。”希望”を強く信じて……絶望に飲まれないで……)

 

駆(……分かったよ)

 

僕は決心すると、身体から”Aqライト”がゆっくり漏れ始める。そして、漏れ出した光が空間に出現したディスプレイ一枚一枚へと伸びて行き……”真っ黒”に染めていく。表記されていた数列を塗りつぶし、元々あった機能を書き換え、僕が考える物へと変えていく。その様は……今まであったものを、一瞬で違うものに変えてしまう……旭さんの言う様に”世界の修正力”……そのものだった。

 

ザート(これで……もう、あなたを止めるモノはない)

 

駆(……あっ!旭さん、種……大丈夫か知ってます?)

 

僕は、自分のしたことがあまりにも”簡単”に終わってしまったのでぼんやりしていたが、僕が寝ていた間、種がどうしていたのかが気になり聞いてみる。

 

ザート(……良い状態ではなかった。一応、地球の神に室内の状況を伝える手引きはしたけど……上手くいってるかは……分からない)

 

ザート……旭さんなりに、種に気を使ってくれたって事なのかな?嫌っているとしても、放っておかないところは……彼女が優しいからなのだろう。

 

駆(……ありがとう、旭さん。今度は、現実の世界で……お礼をさせて)

 

ザート(……分かった。楽しみに……してるね、駆君)

 

駆(うん!それじゃあ、行くよ!種が……待ってるから!!!)

 

僕はそう言うと、天高く輝く”星”へと向かっていく。そんな僕の背中を見ていたであろうザートは、振り向くと……もうそこにはいなかった。

 

 

ブルースカイ王国大使館 庭園

 

side:コルーリ

 

コルーリ「何!?この光は……カケルの!?きゃっ!?」

 

私の手にあったQaウォッチは、”黒い光”を放ちながらシードの元へと飛んでいく。そして、シードの左手首に勝手に巻き付くと、Qaウォッチのスピーカーから”彼”の声が響きだす。

 

……繋がった。どうやら……間に合ったみたいだね、種!

 

めぐみ「この声!?」

 

ひめ「もしかして!……もしかしちゃうの~!?」

 

ゆうこ「うん、きっとそうだよ!」

 

いおな「ええ、”彼”が帰って来たのね!」

 

誠司「ああ!……あいつが帰って来たんだ!最高のタイミングでな!」

 

間違いない……それを確信するハピネスチャージプリキュアの皆さんが声を上げる。

 

コルーリ「……やっぱり、あなたなんですね!」

 

L・シード「お兄ちゃん!!!!!」

 

駆『おはよう……ってタイミングじゃないね。Gサイアークにマーネル……シードが追い込まれてる感じかな?丁度いい……シードの”新しい力”を披露するには、絶好の機会だよ!』

 

カケルは周りの様子が見えているのか、Qaウォッチのスピーカーから状況を考えている言葉が漏れている。それにしても、どうしてカケルは、このような状態になっているのか?さっきの光の正体は?シードの新しい力とは?……分からないことが多すぎます。

 

コルーリ「カケル……さっきの”黒い光は一体なんですか?どうして、目覚めることが出来たんですか?」

 

駆『……その話は長くなるから、後で話すよ。……種、Qaウォッチをもう一回起動してくれないかな?そうしないと、僕の意識が完全に戻れないんだ』

 

L・シード「で、でも、またお兄ちゃんがどこかに行っちゃったら……!」

 

シードは不安そうな声で、カケルの提案に意見する。その声を聞いたカケルは、何故か……笑って言葉を返した。

 

駆『ふふっ!……大丈夫だよ。もう、その機能は”僕が”書き換えたから……問題はない』

 

書き換えた?……まさか、お父様のプログラムを書き換えたというのですか!?あの強固なプロテクトを超えて……私でも書き換えれるか分からない”アカシック王国最高の天才”が考えたプログラムを!?いつの間に?……まさか、あの”黒い光”を放っていた瞬間に!?あの短い間で!?

 

駆『大丈夫、約束しただろ。僕が王子様で……どこにも行っちゃダメって……』

 

L・シード「お兄ちゃん……うん!今の私、なんか……行ける気がする!」

 

駆『さあ、実験を始めようか?』

 

そう言うと、シードは再び立ち上がり、QaフォーンをQaウォッチにスキャンする。

 

Qaフォーン”001”……リンケージ!〈プリキュアップデート!〉

 

シードはハピネスチャージから元の衣装に戻ると、Qaフォーンに表示される”変身用プリキュアプリ”のアイコンが変化する。前回は、浄化技用のアイコンが変更されていたのに……一体何が起こるのでしょう?

 

シード・駆『『プリキュアプリケーション!アップデート!!』』

 

スーパーQaライト:アクティベーション……〈Ready?〉

 

シード・駆『『インストール!!!』』〈タップ〉

 

アイコンをタップした瞬間、シードをスーパーQaライトの赤い光が包み、空へと飛び上がる。その様は、”赤い流星”……その光が青空を縦に切り裂く様に素早く空を舞う。そして、赤い光の種は空で花開く様に……ゆっくりと消えていき、その中から”新たなシード”が現れる。

 

A・シード「「輝く種から花開け!未来を照らす星の種!キュアアストラル・シード!」」

 

アストラル・シード……その姿は、まるで輝く星の様。キュアシードのサイドテールの髪留め、イヤリングは星形になり、ピンクのワンピースには、さらに大きな白のフリルスカートが羽を思わせる様に追加されており、シードの右手首だけだったリボンは両手首に巻かれ、色も”赤”になっている。そして、シードのピンクのスニーカーや衣装には、星も象った模様が沢山あしらわれとても可愛らしい。そう思っていると、カケルの声がQaウォッチから響く。

 

駆『祝え!そして見上げるがいい!!偽りの歴史の中で、真実の道筋を照らす星の種!その名もアストラル・シード!!!偽りの闇に埋もれる希望を救う……新たなる”星”が誕生した瞬間である!!!!!』

 

マーネル「な、なに!?その姿……修正された記録にはそんなものなかったわよ!?」

 

駆『ああ、僕が深層意識の中で見た種の輝き……それを”星”とイメージして”ついさっき”考えたから、知ってる訳ないよ』

 

 

見たこともないシードの姿に驚くマーネルに対して、カケルはあまりにもあっさりした返答をする。その様子を見たマーネルは、身体を震わせて怒りを露わにする。

 

マーネル「ふざけるんじゃないわよ!!!そんなもの……直ぐに消してやる!!!!やれ、ガンサクサイアーク!!!!!」

 

Gサイアーク『ガンサーーーーーク!!!!!』

 

マーネルの指示に従って、Gサイアークはシードがいる空中へと突撃する。その様子を見ながら、シード……カケルとタネは会話をしているようだ。

 

駆『種、アストラル・シードの時は主導権の入れ替えできないからね。その代わり、僕はサポートに徹するから、種はあのガンサークを”殴る事だけ”考えて……』

 

A・シード「分かった、お兄ちゃん!それじゃあ……行くよ!!!」

 

Qaウォッチ越しのカケルとの会話を終わらせたシードも、Gサイアークへと向かう。

 

 

side:キュアシード

 

Gサイアーク『サイア―――――――ク!!!!!』

 

Gサイアークは私に近づくと右手でパンチをしようとする。あのパンチは避けて……そこから反撃だ!

 

駆『シード、そのまま突っ込んで。さっきも言ったけど、パンチすることだけ考えて』

 

A・シード「でも、突っ込んだらぶつかっちゃうよ!?」

 

駆『大丈夫!僕が付いてる!』

 

A・シード「む~!!分かった!!!お兄ちゃん、任せたからね!!!おりゃーーーーーー!!!!!」

 

私はお兄ちゃんの指示に従って、Gサイアークに突っ込んでいく。パンチは目の前……あと、ちょっとでぶつかる!?だめ、もう避けられない!!!

 

Gサイアーク『ガンサ――――――ク!!!!!ガッ!?』

 

私にパンチがぶつかると思って目を閉じていたら……一向にパンチがぶつからない。どうして?私は不思議に思い目を開けると、そこには”赤い光のバリア”に引っ付いたGサイアークがいた。まるで、窓ガラスがあるのに気づかずに突っ込んだ人みたいな様子である。

 

駆『種の一定範囲を守るバリアだよ。スーパーQaライトの”膨張”の性質をフルに使うことで、敵を絶対に近づけない。機能はそれだけじゃないよ!』

 

お兄ちゃんはそう言うと、いきなり私の両手首のリボンから赤い光が漏れ出し、私の周囲にビー玉くらいのエネルギー弾を10個作り出す。すると、そのエネルギー弾が一斉に別々の軌道を描いてGサイアークへと飛んでいく。

 

Gサイアーク『ガンッ!!サ、サク!?サクッ!!サイ!!アーーーーーク!?!?!?!?』

 

駆『小型のエネルギー弾を使った攻撃。軌道は僕がコントロールしていて、最大で10個まで展開可能、今のサイズが最小……最大で直径5メートルまで”膨張”させられる。形状を変えることも出来て、場合によっては武器にもできる優れものさ』

 

お兄ちゃんは楽しそうに、自分が考えた機能を話していく。そんな中、Gサイアークはエネルギー弾の攻撃を抜けて、私たちへと向かってくる。

 

駆『種、一発殴ってみなよ。きっとすごいから……』

 

お兄ちゃんは私に、Gサイアークに攻撃するよう指示する。まあいいけど……何が違うのかな?

 

A・シード「おっけ~!それじゃあ……たりゃ――――――!!!!!って……へ!?」

 

私は、右腕に力を込めると拳に赤い光が迸る。そして拳をGサイアークへと振るう……すると、私は。

 

ビュンッ!!!!!

 

既にGサイアークを殴っていた。しかもその威力は凄まじく、殴られたGサイアークは地面まで吹き飛ばされ、地面にめり込んで”クレーター”が出来てしまった。……一体何が起こったの?

 

駆『スーパーQaライトの”膨張”は、言うなれば膨らむこと。……今のは、シードが拳を振るう瞬間に、シードの後ろに”爆弾”を作ったんだ。とは言っても、正確には”風船”って言う例えの方が正しいかもね。ぎゅうぎゅうに膨らませた風船に空気を入れ続けると破裂し……その際には”衝撃”が発生する。今の高速移動は、スーパーQaライトの”爆弾”が爆発した衝撃で吹き飛ばされるのを利用したものなんだ!直線的かつ高威力!シードのパンチ力に速度が加わって、さらに強くなるって寸法さ!』

 

A・シード「危ないよぉ!?私……爆発に巻き込まれたって事でしょ!」

 

駆『威力としては最小だよ、それに火薬が入ってる訳じゃないから痛くないし……。一応、展開位置はシードの半径1メートル以内、展開位置によっては緊急回避もできるし、相手が1メートル以内にいたら衝撃で吹き飛ばせるっていう結構使い勝手がいいものなんだけど……あっ!もちろん、威力を上げることも出来るよ!その時は、バリアを使って……』

 

A・シード「もう良い!後は、コルーリのココア飲みながら聞くから!……それじゃあ、決めるよ!」

 

駆『シード、Qaフォーンをもう一回スキャンして!』

 

A・シード『りょうかい!とりゃっ!!』

 

私はもう一度、QaフォーンをQaウォッチにスキャンする。

 

スーパーQaライト……フルチャージ!〈プリキュアップ!!!〉

 

駆『プリキュアプリ!アップデート!!』

 

A・シード『インストーーール!!!』〈タップ〉

 

私の両手首に巻かれたリボンが赤い光を強く放つ。私は左手を横に払う様に動かすと、弧を描く様に赤い一文字の線が引かれる。私はその線の中央に右腕を合わせると、ゆっくりと後ろに振りかぶる。すると、スーパーQaライトが膨らんでいき、エネルギー弾が出来上がるが……ただの球状ではなく、そのエネルギー弾はドリルのように尖り、回転しており、今もゆっくりと大きくなりながら回転が速くなっている。

 

コルーリ「あれって……」

 

いおな「大きな……”弓矢”!?」

 

誠司「いや……あれはもう”弓矢”のサイズじゃない。あれだと……古代兵器の”バリスタ”に近い」

 

ひめ「どんどん大きくなるよ~!?……でも、前の時よりは小っちゃい?」

 

ゆうこ「どうなっちゃうの……?」

 

既に、大きさは10メートルを超えた。しかし、前回のGサイアーク戦でシードが作ったエネルギー弾の方がサイズは大きかった。何故、今回はそれに比べて小さいのだろう?

 

駆『大きすぎると、スーパーQaライトのエネルギーをフルに発揮できないんだ。それよりも、爆発力と貫通力……そして速さを考えた結果、この形状って訳さ!でも、威力は前回より強いと思うよ……使ってるスーパーQaライトの量自体は同じだし……それを改良した形だからね』

 

A・シード「分かった!……それじゃあ、改めて!強化された浄化技……名付けて!!!』

 

めぐみ「シード!いっけええええええええええ!!!」

 

A・シード「プリキュア・アストライク・ヴァールハイト!!!」

 

私は拳を振り下ろすと、勢い良くエネルギー弾の矢がGサイアークへと向かう。それはまるで……”赤い流れ星”が駆け抜けたみたいである。

 

マーネル「前回よりは小さいじゃない!それにこっちには地球の歴史があるのよ!!!たかが数年生きた程度のお前に……超えられる訳がない!!!受け止めろ、ガンサクサイアーク!!!!!」

 

Gサイアーク『ガン……サク!……ッ!?サイアーーーーー……』

 

マーネル「……えっ?」

 

浄化技を受け止めようとしたGサイアーク。しかし、空中から放たれた矢は地上にいるGサイアークに接触する瞬間、軌道をいきなり変えて再び空に向かう。急に起動が変わったせいで矢を受け止められなかったGサイアークは、腹部に矢がぶつかり……矢と共に上空へと飛ばされる。その様をまじかで見ていたマーネルは、何が起こったか分からずに放心したように声を漏らす。

 

駆『ただ直線的なだけだと芸がないからさ、”追尾”と”遠隔操作”を付けてみたんだ。僕の目が届く範囲なら……どんな軌道でも描けるし、この時代のどこまででも追いかけるよ』

 

マーネル「バ、バカな!?」

 

A・シード「リボンとぐらさん、神様……それから、ハピネスチャージプリキュアさんの歴史!返してもらうんだから!!!」

 

Gサイアーク『ケッサ~~~~~ク///ゴクラ~ク』

 

矢はGサイアークをと共に空へ飛んでいき、そして見えなくなったところで”赤い光”が弾けてGサイアークを浄化する。それは、空に花開いた”花”であり”星”のように見えた。

 

マーネル「そ、そんな!?地球の歴史が……こんなに簡単に!?」

 

駆『あとは君だけだよ、マーネル。言っとくけど……アストラル・シードのスペックはこれで”50パーセント”だからね?」

 

いおな「あれで……半分の力なの!?」

 

駆『ほらっ!尻尾を巻いて……逃げたらどうだい?もう”存在の固定化”は済んでいる……戦うだけ無駄じゃない?それとも……戦うのが怖い?』

 

マーネル「お前!!!……くっ!覚えてろ、キュアシード!!!次は絶対……絶対!!!お前を消してやる!!!!!あたしに恥をかかせたこと……絶対に後悔させてやる!!!!!」

 

マーネルは怒りをむき出しにしながら日傘で次元の穴を開き、その中へと消える。やっと終わった~!

 

駆『……彼女の性格なら僕の挑発に乗ると思ったのに……仕留め損なったか。……ん?どうしたの、シード?』

 

私は変身を解いて、元の姿に戻る。そして、やっと……言いたかった言葉が言える……。

 

種「お帰りなさい……お兄ちゃん!!!」

 

駆(……ふっ!ただいま、種!)

 

お兄ちゃんが……やっと身体に戻って来た!リンクも繋がってる!もう……幸せハピネスだよ!

 

コルーリ「カケル!タネ!」

 

コルーリが私たちに抱き着いてきた。コルーリも会いたかったよね……そう思い、お兄ちゃんに主導権を渡す。

 

駆「……ただいま、コルーリ。……目のクマがひどいよ、ちゃんと寝てた?」

 

コルーリ「……一週間くらい、寝れてないかもです。……安心したら……ねむ……く……クー……zzZ」

 

コルーリはお兄ちゃんに抱き着いたまま眠ってしまった。解析作業をすると言っていたけど……ずっと寝ないでしてくれていたんだ。ありがとう、コルーリ……私からもお礼を言うね!

 

駆「おやすみ、コルーリ。ココアは……起きてから頼むね」

 

種(お兄ちゃん……私にもいう事あるでしょ!私もいっっっぱい心配したんだから!!!)

 

駆「ごめんね……種。……でも、食べ過ぎ……すっごい気持ち悪い」

 

種(っ!?食べてない!私、そんなにいっぱい食べないもん!!)

 

駆「……なんでいつも、僕の前でだけ”大食いじゃないよアピール”するの?いっぱい食べること知ってるよ?」

 

お兄ちゃんは分かってない!女の子に対してのデリカシーがなってないんだから!!

 

めぐみ「種ちゃ~ん!駆く~ん!」

 

駆「めぐみさん!皆さん!」

 

めぐみちゃんを筆頭に、ハピチャのメンバーが走ってやってきた。解放されたリボンにぐらさん……あっ!神様もいる!

 

ひめ「か、駆!お、おかえり///!!」

 

駆「はい、ただいまです……ひめさん」

 

ゆうこ「うん!これで、本当に”幸せハピネス”だね!」

 

いおな「そうね!本当に良かったわ……”駆君”!」

 

誠司「すごかったぜ、種!……それから”駆”もな!」

 

名字で呼んでいた”いおなちゃん”と”誠司君”。その二人が名前を呼んでくれたことが嬉しいのか、お兄ちゃんはすごく笑顔である。

 

駆「ありがとうございます!いおなさん、誠司君!」

 

誠司「なんかむず痒いな……”誠司”って呼び捨てでいいよ!」

 

駆「ッ!!……うん!ありがとう、誠司!」

 

誠司「おう!」

 

そんな様子を見ていたリボン、ぐらさん、神様も言葉を掛ける。

 

リボン「素晴らしい友情!!とっても素敵ですわ~!!!」

 

ぐらさん「く~!!泣かせるじゃねえか!!」

 

ブルー「本当にありがとう、駆君……そして種くん。二人のおかげで……この時代は守られた。何か、お礼をしないといけないね?」

 

種「あっ!それなら、私たちにお礼”させて”!お兄ちゃんに料理作ってもらうから!!!」

 

駆「それなら、お安い御用だよ。”満漢全席”ぐらいなら……ご馳走できますけど」

 

私は主導権を横取りして、私たちへのお礼として”お礼をさせてもらう”事をお願いする。お兄ちゃんがお礼のメニューとして”満漢全席”の言葉を言った途端、ゆうこちゃんは一瞬でお兄ちゃんの目の前に現れて肩を掴む。

 

ゆうこ「駆君、是非それを作って!」

 

駆「は……はい」

 

ひめ「私は、パンケーキがいいな~!」

 

いおな「満漢全席ってデザートも付いてるんじゃないの?」

 

誠司「氷川、そもそも食える量なのかも……分からないぞ」

 

そんな誠司君の言葉を聞いて振り返るゆうこは……すっごい笑顔だった。

 

ゆうこ「大丈夫だよ、相楽君!私が残さず頂いちゃうから!」

 

めぐみ「ゆうゆう……やる気だね!それじゃあ……駆君、お願いします!」

 

駆「はい、承りました!」

 

ブルー「厨房は大使館のを使ってくれ。食材は……今回は僕が出そう」

 

種「神様……!太っ腹だね~!!!じゃあ、早速大使館へ……レッツ・ゴ~!ゴ~!ゴ~~~~~!!!」

 

幸せいっぱいのお腹とコルーリを抱えて、私たちは大使館へと歩き出した。

 

 

ブルースカイ王国大使館 館内

 

side:駆

 

駆「……これで、最後の料理……です!ふ~!テーブル……いっぱいになっちゃいましたね……」

 

僕は最後の料理”ふかひれの姿煮”をテーブルに乗せる。ハピチャのみなさんが普段話とかをする部屋に元々あるテーブルを追加でもう一個用意してもらい、やっとすべての料理が乗り切った。普段ならこれくらいの料理を作っても疲れないのに、今回は格段に疲れが出ている。……種、僕がいない間ちゃんと寝てたのかな?

 

ひめ「……多すぎない?」

 

めぐみ「……だ、大丈夫だよ!五人もいるし……何より種ちゃんがいるし!」

 

種「えっ?私食べないよ。だって、皆に言ったでしょ?みんなへのお礼だって……それに私そんなに大食いじゃないし……こんなに食べられないよ~!」

 

ひめ「嘘つけ~!!!ついさっきすごい量食べてたでしょ~!!!」

 

種「食べてないもん!!お兄ちゃん!ホントにいっぱい食べてないの!!本当だよ!!!」

 

種は、ひめさんの発言に対して否定をする。まあ、僕としてはこれ以上食べられたら……胃がどうにかなってしまうので助かるけど……。

 

ゆうこ「ひめちゃん……任せて。私が……残さず頂くよ」

 

誠司「大森……これは無理じゃないか?」

 

ゆうこ「大丈夫だよ、相楽君。出された料理を……私は残さないから」

 

なんか……ゆうこさんの目がすごい。どこまでもはるか遠くを見ているようにな澄んだ目をしている。これが……”ご飯ガチ勢”の力なのだろうか?

 

駆「えっと……とりあえず、お召し上がりください」

 

種「召し上がれ~~~!!!」

 

「「「「いただきます!」」」」

 

ひめ「い、いただきま~す……はむっ!……ッ!?お、美味しい!」

 

めぐみ「おいし~い!!!すっごく美味しいよ、駆君!!!」

 

皆さんの顔に笑顔が出来る。どうやら喜んでいただけたみたいだ。

 

コルーリ「んっ……スンスン……いい匂いがします……ふぁ~!……おはようございまチュン」コックリ……コックリ……

 

駆「おはよう、コルーリ。寝起きで大丈夫なら……ご飯食べる?満漢全席しかないけど……あっ!コルーリは先にパンケーキにする?すぐ焼ける様に生地の用意はしてあるんだけど?」

 

今まで寝ていたコルーリは、ようやく目を覚ました。寝起きで食欲あるか分からないけど……何か食べた方が良いと思い、コルーリに聞いてみる。すると、まだ眠気が取れずに、こっくりしているコルーリは目元をこすって僕に注文を言う。

 

コルーリ「……パンケーキが……食べたいでしゅ……チュン……zzZ」

 

駆「……うん、ゆっくり作るから……もう少しお休み、コルーリ」

 

僕はそう言うと、再び厨房へ戻る。さて、盛り付け用のフルーツのカットと生クリームでも作ろうかな……ゆっくり作るって言っちゃったしね。

 

ゆうこ、そのお肉は私のよ~!

 

まあまあ、ひめ……まだまだいっぱいあるから。

 

氷川、なんか取ろうか?

 

ありがとう。それじゃあ、そこの炒め物をお願い。

 

とっても美味しい!私……”幸せ”だな~!

 

駆「……フッ!」

 

僕が出てきた部屋のドアの前……みんなが集まる部屋から聞こえる笑い声。それを聞いて……僕は少し笑った。

 

 

プリキュカーシャ 着陸地点

 

side:ハピネスチャージプリキュア

 

ひめ「う~……苦しい!」

 

めぐみ「結局、全部食べちゃったしね……”満漢全席”」

 

ゆうこ「とっても美味しかったよ、駆君!是非、次回も作って欲しいな!」

 

駆「機会がありましたら……喜んで!」

 

ひめ「もういいわよ~!それより、私はスイーツの方が良いな~!!」

 

私たちの感想に対して、笑顔を作る駆君。ひめの要望に対しても”それも機会があれば……”と笑顔で返した。

 

いおな「行っちゃうのよね……次の時代に」

 

駆「はい。でも、皆さんの思いと一緒ですから……大丈夫です!」

 

ブルー「……君たちの旅の無事を……祈っているよ」

 

駆「ありがとうございます、神様!……えっと、皆さん……握手してもらっても良いですか?」

 

駆君は、そう言うと”人差し指”を私たちの前に出してくる。

 

めぐみ「うん!お安い御用だよ!」

 

私、ゆうゆう、いおなちゃん、誠司、リボン、ぐらさん、ブルーと握手をしていき……そして最後にひめが駆君の前に来る。

 

ひめ「か、駆!が、頑張ってね!私、”友達”じゃないけど……応援してるから!!」

 

駆「……それは違いますよ、ひめさん」

 

ひめ「へっ?」

 

駆「僕は……ひめさんの事、大切な”友達”だと思ってますよ。それに……ステキな女の子とも思っています。これからも、いっぱいオシャレをして……いっぱい友達を作ってくださいね。もちろん、僕もその一人ですよ!」

 

種「私も!ひめちゃんのお友達だよ!でも、身体は一人だから……カウント的には”一人”なのかな?」

 

ひめは握手しながら、駆君と種ちゃんの二人から言葉を贈られる。ふふっ!素敵な友達が”二人”もできてよかったね、ひめ!

 

めぐみ「そうだ!次はドキドキ!プリキュアの所に行くんだよね!だったら、”マナちゃん”の所に行くといいよ!きっと助けてくれるから!なんてたって……”幸せの王子”だからね!」

 

駆「”幸せの王子”?確か、あまりいい話じゃなかったと思うんですけど……分かりました!”マナさん”ですね!」

 

コルーリ「カケル、タネ!発進の準備ができました!乗ってください!」

 

駆「了解!それでは皆さん、またいつか会いましょう!」

 

種「みんな、バイバ~イ!サインに、ご飯に、え~と……神様も!”愛の結晶”くれてありがとね~!!」

 

そう言い残すと、駆君と種ちゃんは大きな船の中に入る。すると、すぐさまハッチが閉まり”碧の光”を放ち、浮かび上がると、ものすごい速さで空へと飛んで行った。碧の輝きを纏った船は、空に”碧色の流れ星”を作り出し、彼方へと消えていった。

 

リボン「行ってしまいましたわね……」

 

ぐらさん「そうだな。……そう言えばお姫ちゃん、駆のヤツ行っちまったけどいいのか?白馬に乗った王子様だったんじゃないのか……あいつ?」

 

ひめ「……うん。そうだけど……私には勿体なさすぎるかなって」

 

いおな「勿体ない!?ひめからその言葉が出るなんて……熱でもあるんじゃないの?」

 

ひめ「失礼ね~!……駆は、すごく優しいし……私とは違う。誰にだって笑顔でさ……あんな完璧みたいな人に……私じゃ釣り合わないような気がして……」

 

ひめは、色々考えて駆君の事を好きにならなかった……いっぱい考えたの、ひめの表情を見たら私にもわかる。”恋”って……難しいな。私もいつか……ブルーに……///

 

めぐみ「はっ!!んんっ!!……ひめ、今回は縁がなかったけど……きっと素敵な王子様が見つかるよ!だから、一緒に頑張ろう!」

 

私は頭の中に浮かんだ考えを、顔を思いっきり振って忘れる。そして、ひめに精一杯の励ましの言葉を掛ける。

 

ひめ「めぐみ……!うん、私……絶対に白馬の王子様を見つけて見せるわ~!!!」

 

誠司「やっと、ひめらしくなったな。いつもの馬鹿っぽい感じに……」

 

ひめ「なんですって~!!誠司、そこにいなさい!!絶対に殴ってやるんだから~~~!!!

 

リボン「ひめ~!?口が悪くなってますわよ~!?」

 

ひめと誠司が追いかけっこを始めるのを見て、他のみんなも笑顔になる。

 

いおな「こ~ら!二人共!」

 

ゆうこ「良いじゃない、いおなちゃん!とっても楽しそうだし!」

 

ぐらさん「そうだな!俺もいくぜ~!」

 

ブルー「ふふふっ!……ん?どうしたんだい、めぐみ?」

 

ブルーは、私の顔を見ると心配をしてくる。私……そんなに暗い顔してたかな?

 

めぐみ「えっ!?……えっと、二人共……大丈夫かなって心配になっちゃってさ、えへへ……」

 

ブルー「……過酷な旅にはなるだろうね。僕すら制御下における敵”ネツゾーン”……危険であるのは間違いない。……しかし、彼ら戦うだろう。プリキュアを救うために……全力を掛けて……それが彼らの”愛”なんだから……」

 

めぐみ「そっか……そうだよね!種ちゃんの”愛”なら……きっと大丈夫だよね!」

 

ブルー「……そうだね」

 

ブルーは私の言葉に対して、少しだけ複雑そうな顔をする。どうしてそんな顔をするのか……聞かない方が、いいかもしれない。

 

めぐみ「……うん!駆君!種ちゃん!頑張れ!ハピネス注入!幸せチャージ!……えへっ!」

 

私は駆君たちの船が消えた空に、”幸せ”を送った。きっと届いてるよね……そして、他のプリキュア達を守ってくれる!二人なら……”愛”があれば……きっと無敵だから!

 

 

To Be Continued……

 




いかがだったでしょうか?種の強化形態”アストラル・シード”は、私の考えた”二人でプリキュア”とは、少し違うスタンスになっております。今後も活躍しますので是非お楽しみに!次回から、私のフェイバリット、”ドキドキ!プリキュア”編に突入します!私の最推しプリキュアである”キュアハート”こと”相田マナ”ちゃんがやっと書けます!

次回は、2013年に到着する駆達!何も手掛かりのない中、一軒のレストランに入る。そこに待っていたのは……”一目惚れ”!?乞うご期待ください!
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