ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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ドキドキ!プリキュア編、今回は”ありすとの出会いの回想”と、フェイクの召喚するGジコチューとの対決になります。今日は夜勤なのでちょっと早めの投稿です。では、お楽しみください!

そういえば、ブロッサムの中の人……奈々さま、ご結婚おめでとうございます!そして、ララルンは誕生日おめでとう!遅くなってしまいましたが二人に幸せがありますように!そして、キュアパッションこと"東せつな"ちゃん!今日が誕生日だった!おめでとうございます!まだまだ出るのは先だけど…それまで、精一杯頑張ります!


第二十三話:分からぬ鼓動の正体!それは……?

四葉邸 庭園

 

side:駆

 

駆・亜久里「「ブラボー!」」

 

駆「すごい……!この苺の甘味!そして、それを損なわない生クリーム……あえて砂糖の分量を少なくしているんですね!」

 

亜久里?「はい!スポンジ生地のふんわり感に、クリームが合わさり……まさに芸術ですわ~!」

 

駆「そうだね!それよりも、君……誰!?」

 

亜久里?「えっ?」

 

空腹の限界を迎えそうになった僕は、”執事服を着た老人”に担がれ、車に乗せられ、気が付いたら大きな屋敷に着いていて、庭にテーブルとイスが用意されており、マナさんとコルーリ、その他4名と一緒にテーブルを囲んで執事さんが作ったと言うケーキを食べている。……僕がおかしくなった訳じゃないよね?それにしてもこのケーキすごく美味しい!後でレシピを頂けないかな?

 

ありす?「お気に召していただけました?」

 

そういえば、六花?と言う名前の紺色のロングヘアの少女が”ありす?”と呼んでいた黄色いドレスを着た子が僕に話しかけてくる。

 

駆「は、はい!とっても美味しいです!……って!それどころじゃないんです!」

 

そうだよ、僕たちの目的である”ドキドキ!プリキュアさんの捜索”は、今をもって完了しているのだ。直ぐに説明をしないと!

 

ありす「まあまあ、落ち着いて下さいな。わたくしは”四葉 ありす”と申しますわ。マナちゃんの事はご存じですわよね?ご一緒にお店のお手伝いをしていらっしゃいましたし。でしたら、こちらから”菱川 六花”ちゃん、”剣崎 真琴”さん、”円 亜久里”ちゃんですわ。そして、わたくし達のパートナーである……」

 

シャルル「”シャルル”シャル!」

 

ラケル「僕は”ラケル”ケル!」

 

ランス「ランスでランス~!」

 

ダビィ「”ダビィ”だビィ!」

 

ありすさんによるメンバー紹介の後、マナさん達の後ろから”パートナー妖精”が出てきて、空中に浮いている。亜久里ちゃんだけ妖精がいないと思っていたら、彼女が抱いていた赤ん坊が……自身の背中にある翼で飛び出した。……何を言ってるのかと思うが、事実である。

 

マナ「この子は”アイちゃん”!あたしたちが育てていて、亜久里ちゃんが変身する時に力を貸してくれるんだ~!すごいでしょう!」

 

アイちゃん「ア~イ!」

 

なんか色々言われてしまい、会話の主導権を握られてしまった。とりあえず僕も自己紹介をしないと……。

 

駆「えっ?……えっと、よろしくお願いします。僕は……」

 

ありす「伺っておりますわ。”駆君”……でしたわね?もしかして……”時生議員”の息子さんですか?」

 

駆「ッ!?……なんでそのことを!?」

 

どうして、彼女が”お父さん”の事を知っているんだ!?

 

六花「”時生議員”って……今、話題になってる若手議員じゃない!そういえば、結婚してるんだっけ……でも待って?確か、子供は二人で……去年誘拐されたってニュースになってたけど、歳は”6歳”だったはずよ!少なくとも、今現在は”7歳”……どう考えても年齢と合わないじゃない!?どうなってるの!?」

 

マナ「私も知ってるよ!”時生議員”って”病気で苦しむ子供への政策”を考えてる議員さんで、今とっても注目されてるんだよね~!」

 

真琴「そんなにすごい人なの?」

 

亜久里「それよりも、何で”年齢が合わないのか?”ですわ!」

 

ありす「その件は、もう分かっていますわ。……駆君、あなたは”未来から”いらっしゃったのではないですか?」

 

この人たち……何者なんだ?プリキュアなのは分かるけど、僕が接触する前に、ここまで僕の素性を看破するなんて……。特に、”ありすさん”……この人はただモノじゃない!どこまでわかって話しているんだ?表情を全く崩さないところを見ると……相当な駆け引きを経験しているみたいだし。

 

駆「……ありすさんの言う通りです。僕の名前は”時生 駆”……現役議員の”時生 歩夢”の息子で、2019年の”未来”から来ました。あなた達、ドキドキ!プリキュアさんの歴史を……守るために!」

 

ランス「どういう事でランス~?」

 

ありす「早速ですが……駆君、説明をお願いしますわ」

 

駆「分かりました。僕とコルーリ……そちらの少女と一緒にご説明します」

 

僕とコルーリは、プリキュアの歴史が改竄された事、それによりプリキュアが消えたこと、その原因であるネツゾーンと僕たちが戦っていることを話した。

 

駆「……一先ずは、そんな感じです。それにしても……ありすさん、何で僕がお父さんの……”時生議員”の息子だって分かったんですか?」

 

シャルル「ありすは最初から分かってたシャル?」

 

ラケル「僕も知りたいケル!」

 

僕は、疑問に思っていた”何故、ありすさんが僕の事をお父さんの息子だと分かったのか?”について聞いてみる。僕の質問に対し、ありすさんは表情を変えることなく”笑顔”で答えた。

 

ありす「一つは”骨格鑑定”ですわ。監視カメラから顔写真を作成し、この時代の写真と照らし合わせてみましたの。同一人物である可能性は”96,56%”……ほぼ間違いありません。二つ目は、わたくし自身ですわ」

 

ダビィ「まさか……ずっと監視してたビィ!?」

 

駆「監視カメラって……まさか!?僕たちを追跡させていたのって、ありすさん!?……まあ、なんとなくあなたがやったと言うのは分かりました。……えっと、ありすさん自身が分かった理由って……どういうことですか?」

 

真琴「それ!私も気になるわ!」

 

ありす「駆君は覚えていらっしゃらないと思いますが……わたくし達、一度お会いしていますの。駆君が入院していた”病院”で……」

 

ありすさんが、僕の入院していた病院に来ていた?

 

ありす「お会いしたのは、”2011年”……あなたが5歳の時ですわ。医療器具の契約をしに来ていた際に、あなたとお会いしています。あなたの事は、駆君のお父様……時生議員から伺っておりましたので、よく覚えていますわ」

 

駆「2011年……話した人……あっ!あ、あの時のお姉さんが……ありすさんなんですか!?」

 

ありす「思い出していただけましたか?」

 

そうだ……思い出した!確かに、小学校高学年くらいのお姉さんと話したことがある!僕は過去の記憶を呼び起こし、あの時の事を思い出していく。

 

 

2011年 多田織市中央病院 小児科〈ナースステーション前〉

 

駆『チノさん、今日はお散歩していいの?』

 

チノさん『うん!先生の許可も出てるから大丈夫!私も今日はフリー担当だから、一緒に行ってあげる!』

 

先生から院内までの散歩が許可されて、新人看護師だった”チノさん”こと”千野 天音《ちの あまね》”さんに車椅子を押してもらって……広い院内を回ろうとしていたんだ。僕が入院していた小児科のステーション前でお姉さんに……”ありすさん”に出会った。よく思い出せば、あの”執事さん”もいたような気がする。

 

ありす『あら?……あなたは……』

 

駆『……お姉さん、だれ?初めて見るお顔だけど……どこか悪いの?』

 

ありす『いいえ、わたくしはとっても元気ですわ。あなたは……どこか悪いのですか?』

 

駆『心臓の病気……今は、”ドナー”って言うのを待ってるところ』

 

チノさん『何か御用ですか?面会でしたら、ナースステーションの受付前にある用紙に記入を……』

 

チノさんが面会時の病院の決まりを説明しようとすると、執事さんが右手を軽く前に出して言った。

 

執事『いいえ、面会ではございません。今、担当の方を待っているだけですので……お気遣いなく』

 

チノさん『そうですか?……分かりました。私はこちらの患者様の介助がありますので……この辺で失礼いたします。宜しければ、デイルームに椅子がございますので、そちらでお待ちください』

 

ありす「ありがとうございます。……あっ!丁度、担当の方もいらしたので、わたくしも失礼いたしますわ。……あの、車椅子の方?」

 

駆『ぼく?……なに?』

 

僕はありすさんに呼び止められたので、どうしたのか確認する。

 

ありす『”妹さん”と、遊べるようになると良いですね』

 

駆『えっ?なんで種の事知ってるの?』

 

ありす『うふふっ……お姉さんは何でも知ってるのですわ。それでは……また何時かお会いしましょう、”駆君”』

 

そう言って、ありすさんは廊下の奥からやってきた”院長先生”と一緒にどこかへ行ってしまった。今思うと、ありすさんはお父さんから、僕の事を……種の事を聞いていたから、あの時、偶々出会った僕の事を名前で呼べたり、種の事が出てきたのも……辻褄が合う。あの時の”違和感”の答えが……やっと分かった。

 

 

四葉邸 庭園

 

種「ふ~ん……お兄ちゃんとありすちゃんにそんなことが……知らなかった!」

 

六花「知らなかったって……何言ってんのよ?今あなたが思い出した……ん?今……”お兄ちゃん”って言った?」

 

種「うん。言ったよ、六花ちゃん。あ、執事さん、このケーキおかわり!」

 

セバスチャン「かしこまりました」

 

ありす「あなたとは”始めまして”……ですわね、”時生 種”さん」

 

いつの間にか主導権を横取りしていた種は、僕とありすさんの出会いの話を聞いて驚く。しかも僕の食べていたケーキの残りまで食べてるし……。まあ、昨日ケーキ食べたいって言ってたから……丁度いいか。そんなことを考えてると、六花さんは種の発言に対しての違和感に気付き、発言の確認をしようとする。そんな中、ありすさんは、見事に僕の中にいる種の事を”分かった上で”話を始める。

 

種「すごい!なんで分かったの、ありすちゃん?」

 

ありす「駆君の事を”兄”と呼ぶのは、妹さんである”種さん”だけですからね~」

 

六花「ちょ、ちょっと待って!?妹って……どういう事!?それっておかしいじゃない!私が覚えてる通りなら、妹さんは誘拐事件の時に”亡くなってる”のよ!?……まさか、彼に妹さんの人格が宿ってるって事!?」

 

種「お~!六花ちゃん、大正解!そうだよ、私は”時生 種”。駆お兄ちゃんの妹で、二人で一緒にプリキュアやってるの!」

 

マナ「えっと?……どういう事、六花?」

 

六花さんは僕たちの事件を知っていたため、種が亡くなっている事を指摘し、僕に種の人格が宿っている事を見抜く。マナさんは今の六花さんの発言の意図がいまいち分からないのか、六花さんに確認しようとする。

 

駆「僕が話しますよ、マナさん。……亜久里ちゃんは、少し聞かない方が良いかもしれない。……あまりいい話じゃないから」

 

亜久里「わ、わたくしを子ども扱いしないで下さい!わたくしだってプリキュアです!」

 

駆「……分かった。でも、聞きたくなかったら……我慢しないでね」

 

僕は種から主導権を奪い、マナさん達に説明しようとする。しかし、亜久里ちゃんは小学生くらいだから……聞かない方が良いと忠告したのだが、本人の強い希望もあり仕方なく了承した。そして僕は、あの事件の事、僕の中に種が宿った経緯を話していく。

 

マナ「そうだったんだ……」

 

六花「臓器移植による記憶を持った人格が宿る……確か、アメリカの女性が出版した書籍があったはずよ。性格や食べ物の好みの変化、夢の中でのドナーとの会話があったらしいけど……まさか現実に存在するなんてね」

 

真琴「こんなことが……本当にあるなんて」

 

亜久里「……ごめんなさい。ちゃんと……聞いていられませんでした」

 

駆「……いいよ、こんな話……好きで聞きたい人なんていないさ」

 

僕の話を聞い終えた皆さんは、それぞれの反応をする。亜久里ちゃんは途中から目と耳を塞いでしまっていたが……まだ小さい子が聞いていい話ではなかったのだから、仕方ないだろう。……ありすさんは先ほどまでの笑顔ではなく、真剣な表情になり僕を見つめる。

 

ありす「……思っていたよりも、あまりいい状況ではなかったみたいですわね。手術が成功したことは知っていましたが……時生議員も会食の際はそのことを話していませんでしたから」

 

駆「……それはそうですよ。……お父さんは、僕を”なかったこと”にしてしまったんですから……」

 

マナ「……”なかったこと”?それって……どういう事なの?」

 

駆「それは……」

 

僕は……マナさんの質問を聞いて思い出していた。お父さんが僕に言った言葉……話していいのか?そう考えているとセバスチャンさんが、種に頼まれていたケーキのおかわりを持ってきた。

 

セバスチャン「お待たせいたしました。……皆様、暗い顔になっておられますな。紅茶を淹れ直しましょう……一度お話をお止めになって、甘いものを召し上がった方がよろしいかと……。甘いものは心を温かく致します。今の気持ちを取り除くには……丁度良いかもしれません」

 

駆「セバスチャンさん……そうですね。種、ケーキが来たよ」

 

僕は主導権を種に渡すと、種はテーブルに置いていたフォークを再び握る。

 

種「では……いっただっきま~す!」

 

フェイク「よっと!」

 

種がケーキをフォークで取ろうとした瞬間、皿からケーキが消える。そこにいたのはなんとフェイクで、手に持ったケーキを口に放り込む。

 

フェイク「ん……ん……ゴクッ!あっま!……やっぱ俺には合わね~な~」

 

真琴「あなたは誰!?一体何処から!?」

 

シャルル「ジコチューの気配がしないシャル!」

 

亜久里「あなた……何者です!?名前を名乗りなさい!」

 

フェイク「ああ、いいぜ!俺の名はフェイク、ネツゾーン三幹部が一人!ドキドキ!プリキュアって言うのはお前らだよな~?おまえらを歴史から消しに来たんだよ」

 

僕に反応しないのという事は”改竄時のフェイク”か。僕はすぐに主導権を戻し、フェイクの前に出る。どちらにしても早く対処しないと!

 

駆「こいつが僕らの話していた敵”ネツゾーン”なんです!皆さん、変身しましょう!」

 

マナ「分かった……みんな、行くよ!」

 

六花・ありす・真琴・亜久里「「「「ええ(はい)!」」」」

 

皆さんは変身を覚悟すると、僕はQaフォーンをケースから取り出し、皆さんはパートナー妖精が変身したアイテムになり、亜久里ちゃんはアイちゃんが出したアイテムによって変身を開始する。

 

シャルル・ラケル・ランス・ダビィ『『『『シャルル(ラケル)(ランス)(ダビィ)!』』』』

 

マナ・六花・ありす・真琴『『『『プリキュア、ラブリンク!』』』』

 

シャルル・ラケル・ランス・ダビィ『『『『L・O・V・E!』』』』

 

亜久里『プリキュア、ドレスアップ!』

 

アイちゃん『きゅぴらっぱ~!』

 

4人は変身アイテムとなった妖精たちに、亜久里ちゃんもアイちゃんの出したアイテムに”キュアラビーズ”をセットする。4人はタッチパネルに文字をなぞり、亜久里ちゃんはペンで5つの宝石を左から順に押していく。光に包まれた4人は”髪”、”アクセサリー”、”腕”、”胴体”と衣装を身に纏っていく。亜久里ちゃんは炎に包まれていき、その炎が衣装へと変わっていく……ついでに身長も伸びて、明らかに十代後半の見た目になっている。……どうなってるんだ?

 

ハート「みなぎる愛!キュアハート!」

 

ダイヤモンド「英知の光!キュアダイヤモンド!」

 

ロゼッタ「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

 

ソード「勇気の刃!キュアソード!」

 

エース「愛の切り札!キュアエース!」

 

「「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!!!」」」」」

 

皆さんの変身が完了したのを確認し、僕たちも変身する。

 

種・駆『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈タップ〉

 

シード「「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」」

 

シード(駆)「偽りの闇に消えた光を!」

 

シード(種)「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

シード「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」

 

そしてここに、6人のプリキュアが現れる。それを見るとフェイクは、口角を上げて笑顔になり、セバスチャンさんの方を睨む。

 

フェイク『はっ!良いじゃね~か!おっさんしかいね~が……まあいい!てめえをイカレたジコチューにしてらるよ!』

 

セバスチャン「うわーーーーー!!!」

 

ロゼッタ「セバスチャン!?」

 

フェイクはいきなり指先から黒いビームを出し、セバスチャンさんを襲いだす。すると、セバスチャンさんの胸から”黒い羽の生えたハート”が出てくる。セバスチャンさんは……どうやら気絶してしまったみたいだ。そのハートを手の平に上に浮かせたフェイクは、”何か”をしようとする。

 

フェイク『暴れろ!てめえの心の闇を解き放て!』

 

ジコチュー『ジコチュ~!』

 

シャルル「ジコチュ~シャル!」

 

フェイク「まだまだ!こんなもんじゃねえぞ!!!」

 

セバスチャンさんのハートは”ジコチュー”と言う怪物に姿を変える。見た目は”四葉”の模様が入った甲冑を着た騎士ようなデザインである。そして、フェイクはジコチューに右腕を向けてガンサーク化を始める。

 

フェイク『ドキドキ!プリキュアの歴史を欺け!ガンサーク!!!』

 

Gジコチュー『ガンサ~クジコチュ~~~!!!』

 

ダイヤモンド「パワーアップしたの!?」

 

ラケル「あんなジコチュー、見たことないケル!」

 

ランス「怖いランス~!」

 

見たこともないパワーアップをしたジコチューに驚くドキドキ!プリキュアさん達。しかし、キュアハート……マナさんだけは、笑って前に出てきた。

 

ハート「大丈夫!何とかなるって!そうでしょ、シード?」

 

シード「ッ!!……はい、もちろんです!」

 

ハート「オッケー!愛を無くした悲しい甲冑さん!このキュアハートがあなたのドキドキ取り戻して見せる!」

 

フェイク「上等だ、掛かって来いよ……プリキュア!!!」

 

そして、ドキドキ!プリキュアさんと僕たちの戦いが始まる。

 

 

side:キュアシード

 

ハート「シード、一緒に行くよ!」

 

シード「はい!」

 

僕とハートはGジコチューへと飛び掛かる。

 

シード・ハート「「だりゃあああああ(たあああああ)!!!」」

 

Gジコチュー『ジコッ!?』

 

フェイク「どういうことだ!?何で切り離した歴史であるガンサクジコチューにダメージが!?」

 

シード「”アカシックのプリキュア”……舐めないでもらおうか!だりゃ!!!」

 

フェイク「”アカシックのプリキュア”!?……チッ!もう誕生してたのか!!」

 

僕とハートのダブルパンチでダメ―ジが入った事に驚くフェイク。僕が”アカシックのプリキュア”であることを告げると嫌そうな顔をする。この機を逃す手はない……まだいける!!!

 

ハート「ダイヤモンド、お願い!」

 

ダイヤモンド「任せて!煌めきなさい!トゥインクルダイヤモンド!」

 

Gジコチュー『ガンサ~ク!?ジッ!?ジコチュ~~!?』

 

ダイヤモンドの氷により足元を凍らせられるGジコチュー。この隙に際して、ロゼッタ、ソード、エースが追撃に入る。

 

ロゼッタ「プリキュア・ロゼッタリフレクション!」

 

Gジコチュー『ジコ~~~!!!』

 

シード「シールドでガンサークを叩いた!?……そういう使い方もありなのか」

 

ソード「閃け!ホーリーソード!」

 

エース「ときめきなさい!エースショット!ばきゅ~ん!」

 

ロゼッタは大型のシールドを出現させたら、なんとシールドの側面を使ってGジコチューの頭部を叩きつける。それに加えて、ソードの斬撃とエースのハート型のエネルギー弾がヒットする。

 

エース「シード!ハート!いきなさい!」

 

ハート「うん!やあああああ!!!」

 

Gジコチュー『お嬢様の隣は私だけでいい!ガンサーーーク!!!』

 

ハート「きゃあ!?」

 

シード「ハート!?……ッ!ラブリー!〈ハピネスチャージ〉」

 

ハートのパンチに対し、手に持っていた盾を使って反撃するGジコチュー。反撃が成功してしまい吹き飛ばされてしまうハートを助けるために、僕はラブリー・シードの飛行能力をを使って空中で受け止める。

 

ハート「……シードなの?」

 

L・シード「大丈夫ですか……ハート?」

 

ハート「うん……平気。ありがとう、シード」

 

ドキッ!ドキッ!

 

なんだろう?ハートを抱きしめていると……胸がドキドキする。この感じ……何なんだろう?でも、嫌な感じじゃない……むしろ、力が湧いてくる!

 

L・シード「種……聞こえる?」

 

種(どうしたの、お兄ちゃん?)

 

L・シード「……アストラル・シードだ!トバしていくよ……種!」

 

種(わ~!お兄ちゃんやる気~!!よ~し、やっちゃおう!!!)

 

L・シード「ハート、地上に降ります」

 

僕はハートを地上に下ろすと、QaウォッチにQaフォーンをスキャンする。すると、シードは元の姿に戻り、主導権が強制的に種に移る。

 

シード・駆『『プリキュアプリケーション!アップデート!!』』

 

スーパーQaライト:アクティベーション……〈Ready?〉

 

シード・駆『『インストール!!!』』〈タップ〉

 

A・シード「「輝く種から花開け!未来を照らす星の種!キュアアストラル・シード!」」

 

ハート「……綺麗」

 

僕たちの新しい力”アストラル・シード”の輝きに見惚れるハート。やっぱり……マナさんに辛そうな顔は似合わない。そのキラキラした瞳が……僕は好きなんだ!……”好き”?……まさか……。

 

A・シード「お兄ちゃん、どうしたの?やるんでしょ?」

 

駆『……えっ!?う、うん!いくよ!制御はどうする?』

 

A・シード「お兄ちゃんにお任せする!」

 

駆『了解!じゃあ……シード、GO!』

 

A・シード「よっしゃ~!いくよ!!!」

 

A・シードは飛行能力を使い、Gジコチューへと突撃する。

 

駆『”コメット”を4個展開!射出!!』

 

Gジコチュー『ジコチュー!!!』

 

ガキンッ!

 

ダイヤモンド「盾に止められちゃった!?」

 

ガキンッ!!

 

ロゼッタ「でも待って下さい!エネルギー弾が!」

 

ガキンッ!!!

 

シャルル「エネルギー弾が……並んでるシャル!?」

 

ラケル「お団子みたいに……」

 

ランス「仲良しさんでランス~」

 

ソード「これは一体……」

 

エース「どうなると言うのですか?」

 

A・シードの小型エネルギー弾”コメット”の4個中3個を射出してGジコチューを攻撃する。しかし、その攻撃はGジコチューの盾に阻まれてしまう。……しかし、エネルギー弾は最初に盾に当たったエネルギー弾に並ぶように”数珠繋ぎ”で真っ直ぐぶつかっていく。

 

駆『シード、ど真ん中をぶん殴って!!!』

 

A・シード「おりゃ―――――!!!!!」

 

ドンッ!!

 

Gジコチュー『……ジコ~?』

 

ドンッ!!!

 

Gジコチュ―『ガッ!?ガンサーク!?』

 

突っ込むA・シードは”数珠つなぎになったエネルギー弾”に向かって……残っていたエネルギー弾を拳の前に展開してパンチをする。最初は衝撃が強くなく、Gジコチューも怪しんでいたが……盾にぶつかっていたエネルギー弾とA・シードの打ち込んだエネルギー弾が”一つ”になっていくにつれて……衝撃が強くなり、最後に盾とぶつかった瞬間……。

 

ガキンッ!!!!バッキ―――――ン!!!!!

 

Gジコチューの盾は”粉々”になった。一点に蓄積したダメージが……限界を超えてしまい強靭な盾すら砕いてしまったのだ。そして、A・シードのパンチがGジコチューの腹部へと炸裂する。だが……それだけではない。

 

Gジコチュー『ジコチューーー!?』

 

A・シード「まだまだ!お兄ちゃん!!』

 

駆『オッケー!”伸びろ”!!』

 

Gジコチュー『ガンサ――――――――ク!!!!!』

 

ハート「真っ赤な光が……伸びてく」

 

ヒットしたパンチの先から赤い光が迸り、Gジコチューを空中へと”持って行った”。例えるなら、”ゴム人間の手が伸びたみたい”だと思う。

 

駆『スーパーQaライトによる射程の拡張……結構いけるな』

 

A・シード「お兄ちゃん……決めちゃうよ!私、フェイクにケーキ取られちゃっったから……一回殴らないと気が済まない!」

 

駆『そうだね。さっさと終わらせよう!』

 

A・シードはQaフォーンをQaウォッチにスキャンし、プリキュアプリをタップする。

 

スーパーQaライト……フルチャージ!〈プリキュアップ!!!〉

 

駆『プリキュアプリ!アップデート!!』

 

A・シード『インスト―――ル!!!』〈タップ〉

 

A・シード「プリキュア・アストライク・ヴァールハイト!!!」

 

A・シードの放った浄化技の矢は、空中に漂うGジコチュー目掛けて真っ直ぐに向かっていく。その一撃がぶつかった瞬間、青空に真っ赤な”光の花”が咲き……Gジコチューを浄化する。

 

Gジコチュー『『ケッサ~~~~~ク///ラブ、ラブ、ラ~ブ!』

 

フェイク「チッ!やられたか、くそが!!!キュアシード……覚えてろよ!!!!!」

 

フェイクは異次元の裂け目を作り出すと、その中へと消えてしまった。

 

A・シード「あ~~~!!!待って!!!ケーキ返せ!!!バカ~~~~~!!!!!」

 

駆『落ち着いてよ……種。はあ~、変身解除……お疲れ様』

 

種「ん~~~~~!!!」

 

駆(ふくれっ面したってケーキは返ってこないから……ほら、皆さんも来たよ)

 

不機嫌になった種を落ち着かせようしていると、ドキドキ!プリキュアさんの皆さんがやってくる。セバスチャンさんも……あ、コルーリもいる。

 

マナ「駆く~ん!種ちゃ~ん!」

 

六花「大丈夫だったのね!よかった~!」

 

ありす「とってもすごかったですわね」

 

真琴「本当ね!すごかったわ!!」

 

亜久里「これほどの力……あなたはどのような戦いをしてきたのですか?」

 

皆さんの労いの言葉や、僕たちの力の疑問など様々な言葉が飛んでくる中……。

 

ぐう~~~~~!!!

 

駆「……すいません、僕です」

 

まだ、バックファイアの影響が続いているらしく……もう空腹がやってきた。その音を聞いてマナさんが笑顔で僕に詰め寄ってくる。なんだろう……ていうか顔が近いです////。

 

マナ「駆君、お腹空いたの?ん~~~……あ、そうだ!家でご飯食べていく?オムライス、食べ損なっちゃったでしょ!あ、ついでに泊まっていったらいいよ!助けてもらったお礼もしたいし!ね!ね!いいでしょ?」

 

駆「えっ///!?は、はい///!」

 

マナ「やった~!」

 

六花「ちょっと待った~!!!男の子を泊めるって正気!?な、何かあったらどうするのよ!泊めるって言うなら……私も泊まるからね、マナ!!!」

 

マナさんからご飯とお泊りのお誘いを上目遣いでされてしまったため、とっさに了承(僕的にほぼ強制)した僕。しかし、異性を泊める危険を考えた六花さんのストップが掛かる。……が、”それを待ってました”と言わんばかりに、マナさんはさらに笑顔になる。

 

マナ「そう言うと思ってました!という訳で……みんなでお泊り会しよう!ありすは予定ある?」

 

ありす「まあ、素敵ですわね!ぜひ、参加いたしますわ」

 

マナ「まこぴーは?お仕事大丈夫?」

 

真琴「明日はオフだから大丈夫。そうだったよね、ダビィ?」

 

ダビィ「その通りビィ。お泊りしても大丈夫だビィ」

 

どんどんお泊り会が現実味をおびていく事に、六花さんは……少しビクビクしている。

 

マナ「亜久里ちゃんは?」

 

亜久里「わたくしは……おばあさまに聞いてみないと……」

 

セバスチャン「ご家族には、私がご連絡をしておきましょう」

 

亜久里「……わ~!わ、わたくしも行きます!」

 

マナ「決まりだね!よ~し、みんなでお泊り会だ!!」

 

結局、お泊り会が決定してしまい、六花さんは地面に膝を付く……大丈夫かな?

 

マナ「コルーリも来るでしょ?妖精の姿じゃなくて大丈夫だから、遠慮しないでね!」

 

コルーリ「は、はい!」

 

セバスチャン「私も落ち着いてきましたし、車をお出しします。こちらへ」

 

マナ「ありがとう、セバスチャンさん!」

 

六花「もう!マナ、本当にやるの!?大丈夫なんでしょうね!?マナ!!!」

 

セバスチャンさんに先導され、車の元へと向かう皆さん。そんな中、僕だけは……その場に立ち尽くして考えていた。

 

種(お兄ちゃん、どうしたの?)

 

駆「……種、誰の事を考えて”ドキドキ”するのってさ……どういうことなのかな?」

 

僕は種に、マナさんに感じている気持ちについて……少しだけ誤魔化しながら聞いてみる。そして……種の声で”答え”は告げられた。

 

種(……それは、”好き”って……事なんじゃないの?普通に考えれば”恋”って奴でしょ。……どうしてそんなこと聞くの?……まさか、誰か好きになったの?)

 

駆「……違うよ。僕たちに……そんなことしている暇……ないだろ」

 

”好き”……”恋”……僕が……マナさんを?そう分かった時から……僕の心臓は確かに強い鼓動を刻み始める。

 

コルーリ「駆?みなさん、行ってしまいますよ?私たちも行きましょう」

 

駆「……うん。直ぐに行くよ」

 

ドキッ!……ドキッ!……

 

僕は……守りたい。”プリキュアさん達”でなく……”マナさん”を……ただ一人”好きな人”を。僕の心には……もうその気持ちしか……残っていなかった。

 

 

side:?

 

やだ!やだ!!やだ!!!やだ!!!!やだ!!!!!

 

違う!違う!!違う!!!違う!!!!!

 

こんなのおかしい!!!

 

絶対おかしい!!!!!

 

だって……だって!!!

 

駆は……私のモノなんだから!!!!!

 

少女の声は……誰にも届かない。何故なら、彼女の声を聞けるものは……他ならぬ”彼”のみ。しかし、その声は……彼にも届かない。彼女の心に渦巻く”愛”は……”彼の心”に届くことはない。

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?最後に出てきた人物は……もう少ししたら分かります。一応言うと”新キャラではないです。回想に出てきた”チノさん”は使い捨てなのでキャラクター設定には載せません。一応設定は考えてはあるんですけど……いらないですよね。次回は、相田家で行われるのは……亜久里による”プリキュア五番勝負”!明かされる父”歩夢”との過去。そして、駆はついに……手を握る事を決める。乞うご期待ください!

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