ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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スマイルプリキュア編、今回が最終回となります。インペイルとジョーカーによって生み出されたゲンサーク、その脅威から駆達を救ったのは?では、お楽しみください!

9/12はキュアトゥインクルこと”天ノ川きららちゃんの誕生日!おめでとう!!!キラキラ輝く最高のスタープリンセス!これからも輝いてほしいです!そして8日、9日にキュアソレイユこと、”天宮えれなちゃん”シャイニールミナスこと”九条 ひかりちゃん”の誕生日でした!!遅くなったけどおめでとう!ひかりのはいろいろと思い出深く、当時、マックスハートをリアルタイム視聴していた私は、無印からいたあかねさんがいきなり出て来た見ず知らずの少女から”洗脳”みたいな事されて親戚だってなった時は……こいつヤバイと思いましたよ(汗)でも……どう考えても、いなくなった”クイーン=ひかり”かなって……あの時点で誰でも分かってたんじゃないですかね……少なくとも私はそう思っていたんですけど……まあ、そんなこと良いや!二人が登場するのはもっと先だけど……早くかける様に頑張りたいです!


第二十九話:笑顔を守れ!奇跡の苗 キュアザート!

side:コルーリ

 

コルーリ……コルーリ……起きなさい

 

コルーリ「……んっ……ここは?」

 

クアライト「漸く起きたようだな……今日は大事な日だと言うのに……そういう所は”母さん”に似てしまったかな?」

 

コルーリ「おとう……さま?……お父様!?どうして!?……あれ、この服は……」

 

 私を起こした声の主は、お父様だった。しかも、人間の姿になっている……あの姿はお父様がアカシック女王様に謁見する際になったのを見た切りでした。そして一番の驚きは……私が着ている服である。純白のレースに、白い羽があしらわれているドレス……そして、私の頭には宝石のあしらわれたティアラが乗せられている。これは……”ウエディングドレス”と言うものでしょう……それだけでも驚きなのだが、私の身体もどこか変だ……胸が大きくなり、身長も高い……髪は結ってあるためそこまで長いように見えないが、この毛量ならもしかしたら”腰くらい”まであるかもしれない。

 

クアライト「良く似合っているよ……まさか、母さんのドレスが似合う様になるとはな。これだけ美しければきっと……”彼”も喜ぶだろうな」

 

コルーリ「……”彼”?」

 

クアライト「そうだ……さあ、もう時間だ。……ヴァージンロードとは……意外と緊張するものなのだな」

 

コルーリ「これって……」

 

 私とお父様は教会と思わしき場所の大きな扉が開くのを確認して、腕を組んで一歩ずつ歩み始める。私たちが進む先には大きなステンドグラスがあり、そこに牧師と……身長が伸び、髪も伸びて後ろに結われた黒髪、少年と言うよりも”青年”……それでいて表情は私の好きな”彼”のモノだった。

 

駆「……コルーリ、待ってたよ」

 

コルーリ「カケル……!」

 

クアライト「まさか、こんな時が来ようとはな……娘を……頼むクア」

 

駆「はい……お義父さん」

 

 白のタキシードに、黒のシャツ、それを着こなすスラっとしたカケルのスタイルがとても素敵で見惚れてしまう。そして……お父様の腕から離れた私は、カケルに手を取られて牧師の前に並んで立つ。

 

牧師「新郎……時生 駆、汝は彼女を妻とし、生涯を共にすることを誓いますか?」

 

駆「誓います」

 

牧師「新婦……コルーリ・ブルー・タイムオウル、汝は彼を夫とし、生涯を共にすることを誓いますか?」

 

 永遠の愛を誓う……”誓いの言葉”。聞くまでもない……答えは決まっているから。

 

コルーリ「はい……誓います!」

 

牧師「……では、誓いの口づけを」

 

 私とカケルは……向かい合う。そして……私の顔に掛けられたベールをゆっくりと持ち上げ……私の顔とカケルの顔を遮るものが無くなる。

 

駆?「おめでとう、コルーリ!」

 

コルーリ「……タネ」

 

種「えへへっ!お兄ちゃんと……幸せになってね、お義姉ちゃん!」

 

コルーリ「はい……ありがとうございます!」

 

駆「……コルーリ、いくよ?」

 

 種からの祝福を受け取り、そして……その瞬間はやってきた。

 

コルーリ「……カケル///」

 

駆「……コルーリ」

 

 私の顔に、ゆっくりとカケルの顔が近づいてくる……そして彼の唇と、私の唇が……触れようとした瞬間……。

 

・・・・・・ダメだよ

 

コルーリ「……えっ?」

 

 私は……”幸せな夢”から覚めた。

 

 

緑川家 寝室

 

コルーリ「……ん?」

 

 私の唇を誰かが手で押さえている。この手は私の隣に寝ていた”はるちゃん”でも”ひなちゃん”のものでもない……それよりも大きい”少年”の手だ。そして、その正体は……。

 

駆「ダメだよ……コルーリ」

 

 なぜか私の隣で横になっている……”カケル”だった。

 

コルーリ「か、カケむんんっ!?」

 

駆?「騒がないで、コルーリ……みんなと……”お兄ちゃん”が起きちゃうよ」

 

コルーリ「ぷはっ!……もしかして、タネですか?」

 

種「うん、おはよう……お兄ちゃんが間違って寝ちゃったのがコルーリのお隣だったんだ~……ゴメンね」

 

コルーリ「そ、そうだったんですか?」

 

種「あっ!お兄ちゃんが起きちゃう!それじゃあ、私は引っ込むね!」

 

 そう言ってタネは布団に横になり目を閉じる、1分程経つとすぐに身体を起こして伸びをし始めた……どうやら、今起きたのはカケルの様だ。

 

駆「ん……、ふぁ~~~!おはよう……種。あれ?……コルーリが何で隣に?」

 

種『お兄ちゃん、おはよう!それはね、お兄ちゃん……戻って来た時に適当な所に寝ちゃったからだよ~』

 

駆「そっか……ごめんね、コルーリ……僕、変な事しなかった?ちゃんと寝れた?」

 

種『大丈夫だよね~……コル~リ♪』

 

コルーリ「っ!?……は、はい、大丈夫でしたよ!」

 

 私は寝ぼけて本当にキスしてしまいそうになったことを思い出し、慌てながらも何もないと嘘を答えた。

 

 

side:ネツゾーン

 

インペイル「……くっくっく、デリート……お前の力、私も試させてもらおうか!」

 

デリート『モット!モット!!クイタインダ!!!プリキュア~~~~~!!!!!』

 

ジョーカー「おやおや、これまた恐ろしいことを考えていらっしゃいますね~!」

 

インペイル「……まさか君から接触してこようとはね、”ジョーカー”!」

 

 暗闇の空間で自身の兵器”デリート”と共にいるインペイル。そんな時に、突如として現れるピエロ姿の男……インペイルはその男を知っていた。そもそも、この時代を改竄したのは自身であり、その際にバッドエンド王国を利用しようと考えていたためである。そして、この男こそバッドエンド王国で最も警戒すべき存在と考えていた……”ジョーカー”だ。

 

ジョーカー「あれま!わたくしの事を御存じでしたか!いや~!これはまいりました!」

 

インペイル「あらかじめ調べさせてもらっていたのでね……それで、目的は何かね?」

 

ジョーカー「私の目的は”交渉”です。いや~!是非、あなたにご協力したいと思いましてね~!勿論タダとは言いません、あなたにご提供したいものもあるのですよ~!うっふっふっふ!」

 

 何とも胡散臭い男だ。そしてこの喋り方もだ……上手く相手に本心が分からない様にふざけた態度をとっているのだろう……しかし、こういう奴ほど与える力は大きいものだ……もちろん”リスク”が付き物だがね……しかし、今は丁度いい!

 

インペイル「いいだろう!是非、見せてもらおうか……君の提供するものを!」

 

ジョーカー「うっふっふ!きっと気に入りますよ~!」

 

 暗い空間の中に響く、ジョーカーの笑い声……プリキュア達にせまる恐怖は、既に背後まで来ているが……プリキュア達は、知る由もない。

 

 

ふしぎ図書館 秘密基地内

 

side:駆

 

駆「……と、言う夢をみたんですよ」

 

みゆき「宿題……本当にやってない!……で、でもまだ7月だし」

 

あかね「お好み焼きを一緒に焼くと……へ~!オモロイな!」

 

やよい「駆君、早速!夢の中だけじゃなくて……私にも見せて!せっかくだから、その年に出たスーパー戦隊も一緒にポーズやって!!何でもするから~!!!」

 

れいか「しかし、夢にしては随分と正確ですね。わたくしの家に黒電話がある事や掛け軸についても……」

 

 僕らは緑川家を後にし、再び商店街の本屋からふしぎ図書館にやってきた。事前に皆さんに連絡した有ったので全員そろっている。後は、再びインペイルのやつが来るのを待てば良い……しかし、ただ待っているのも退屈と言う種の要望で、僕は昨夜に見た”夢”について話していく。内容はこうだ……僕が選ばなかったスマイルプリキュアさんの家にお泊りしていくと言うもので……その中の彼女たちの家族構成や、家族の名前、住まい、部屋の内装まで……気持ち悪いくらい全て当ててしまったのだ。……もしかして、僕は”時の王者”として覚醒し、別の世界線にでも干渉したのだろうか……まさかね~!

 

駆「まあ、変ではありますよね……そう言えば、サインありがとうございます!種が集めていまして……皆さんのも欲しかったんですよ!……あれ?なおさん、背中にテントウムシが……」

 

なお「ッ!?テントウムシィィィィィ!?と、取って!誰か取って!!」

 

種『お兄ちゃん、取ってあげたら?』

 

駆「そうだね……失礼します……よっと。ふぅ~……さあ、森へお帰り」

 

なお「はあ……はあ……あ、ありがとう、駆君」

 

 なおさんはすごく息を切らしながらお礼を言ってくれた……お化けが苦手で、虫もダメか……カッコいい見た目と反して、意外と可愛らしいな。

 

駆「なおさん、虫もダメなんですね」

 

れいか「なおは昔から虫が苦手なんです」

 

なお「し、仕方ないでしょ!それなら、駆君は苦手な物とかないの?」

 

駆「僕ですか?……まあ、色々ありますけど」

 

種『お兄ちゃん、私と同じものが嫌いなんだよ!」

 

 そうだ、確かに僕と種の苦手なものは……共通している。

 

やよい「二人は、何が苦手なの?」

 

駆・種「『ピエロ』」

 

みゆき「ピエロ?ピエロって……あの赤い鼻の?」

 

駆「何で嫌いなのかは分からないんですけど……一度、襲われたことがある……気がするんですよ」

 

種「私はね、ピエロがお兄ちゃんに酷いことしたから嫌い!もし見つけたら……絶対”消す”よ、お兄ちゃんのために!」

 

 種、物騒だからやめてよ……別に今となっては良く覚えていないし、ホントに襲われたのかも分からないし……。それにしても種の様子がおかしい……ドキドキ!プリキュアさん達の時代、特に僕がマナさんに好意を持ったあたりから……なにか……”リンク”からぞわぞわした”黒い感情”の様なものが完全に僕が読み切れないくらいの小さいもので流れてくる……それのせいで種の口調が”攻撃的”になっているのかな?……どうしよう?……ッ!?この気配は……まさか!?。

 

キャンディ「クルッ!?バッドエンド空間クル!」

 

コルーリ「本当ですか!?キャンディ様、一体どこで……」

 

駆「横浜の……港の見える丘公園付近……ってところかな」

 

 僕の頭の中にある日本地図に、気配を感じたところを当てはめて探した結果……気配のするポイントは、今僕が言った公園付近が一番近い……多分ここしかない。

 

コルーリ「カケル、また……」

 

駆「分かるんだから仕方ないよ……そんなことより、すぐに向かわないと!」

 

あかね「お、おい!ちょっと待たんかい!」

 

 僕はふしぎ図書館の本棚を以前教わった方法で本を動かし、横浜に移動できるようにする。

 

種『お兄ちゃん、行こう!』

 

駆「うん!」

 

 本棚の中へと飛び込む僕。その後に続く様にスマイルプリキュアさん達も飛び込んでいく……そして僕らはどこかの大型書店と思わしき本棚から出てくる。スマイルプリキュアさん達は一度、横浜に来たことがあるらしく案内してもらう事となり、港の見える丘公園の方向へと向かう。多くの観光客や地元住民が皆、道にへたり込んだり、壁にもたれたりしている。もうインペイルが動いている……早く止めないと!

 

 

横浜 港の見える丘公園

 

駆「インペイル!それに……ピエロ?」

 

スマイルプリキュア「「「「「ジョーカー!?」」」」」

 

キャンディ「どうしてジョーカーがいるクル!?」

 

ジョーカー「ん~?お~や!プリキュアの皆さんではないですか~!そして、初めまして……”未来”から来たプリキュア、キュアシード」

 

コルーリ「な、なんで私たちが未来から来たことを知っているんですか!?」

 

 気味の悪い道化師の格好をした男……スマイルプリキュアさん達は”ジョーカー”と呼んでいる。どうやら、プリンセスプリキュアさんの時のように、この時代の敵が干渉してしまっているようだ。……しかし、なんだろう……このジョーカーと言う男に”会ったことがある”ような感じがする……どうして?

 

ジョーカー「ああ、そのことですか~!前回のキュアシードの活躍……拝見しておりましたからね~。それにキュアピースも仰っていました、”未来の救ってきたプリキュア”……と。つまり、未来から来ているのだと分かります」

 

やよい「うっ!」

 

ジョーカー「と、いう訳で、私もあなたと遊んでみたくなってしまったんですよ~!そして……絶望する表情も……是非、見てみたいですね~~~!!!」

 

駆「……狂ってる!」

 

ジョーカー「んふふっ!お褒めの言葉と受け取っておきましょう~。そして、皆さんのためにとっておきの物も用意したんですよ~……ほら!」

 

 そう言ってジョーカーが取り出したものは、”真っ黒の正方形の紙”と……まるで鉄球と言わんばかりの大きさの”真っ黒の玉”だった。

 

種『あれって……!』

 

駆「インペイルが使った”赤っ鼻”って言うのよりデカい……”黒い鼻”?それに……あの紙はなんだ?」

 

ジョーカー「これは、”真っ黒デカっ鼻”!”闇の黒い絵の具”を惜しげもなく使った特別製です!……ウルフルンさん達に使うにもどれくらいの量が良いか分かりませんからね~!そう思って実験用の大きい物も作っておいたんですよ!そしてこの紙は……と、言ってもあなたに説明はいりませんよね、キュアシード」

 

駆「えっ?」

 

種『やっぱり……あの時の!お兄ちゃんに酷いことしたピエロ!!!』

 

 種はどうやら覚えがあるらしい……そんな種の声を聞いたジョーカーは高らかに笑いだした。

 

ジョーカー「あっはっはっは!!!そうですよ~!!!この紙に染み込んでいる”絶望”はこの時代の”あなた”から取ったんですよ!!!」

 

駆「じゃあ、僕がうろ覚えだった……僕がピエロに襲われたって言うのも……!」

 

ジョーカー「そう!全て事実です!!昨日の夜、過去のあなたから取った新鮮な”絶望”ですよ!!!」

 

種『お前!!!!!』

 

駆「種、落ち着くんだ……僕は大丈夫だから……いきましょう、皆さん!」

 

 僕は種を何とか落ち着かせ、スマイルプリキュアさん達に変身を促す。皆さんはスマイルパクトを、僕らはQaフォーンを取り出す……躊躇している暇はない!

 

みゆき・あかね・やよい・なお・れいか『『『『『プリキュア、スマイルチャージ!』』』』』

 

ゴー!ゴーゴー!レッツゴー!

 

ハッピー「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

 

サニー「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」

 

ピース「ピカピカぴかりんじゃんけんポン(チョキ)♪キュアピース!」

 

マーチ「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

 

ビューティ「しんしんと降りつもる清き心!キュアビューティ!」

 

「「「「「五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!!」」」」」

 

 スマイルプリキュアの変身が完了し、僕らも変身を開始する。

 

種・駆『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈タップ〉

 

シード「「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」」

 

シード(駆)「偽りの闇に消えた光を!」

 

シード(種)「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

シード「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」

 

 僕たち7人の変身が完了したのを確認すると、インペイルではなくジョーカーが、例の”真っ黒デカっ鼻”を空高く掲げる。

 

ジョーカー『では……わたくしもいきましょうか!いでよ、アカンベェ!そして……こちらもどうぞ!!』

 

 真っ黒デカっ鼻から光が溢れると、その光とジョーカーが投げた黒い紙が”僕の影”に吸い込まれる……すると僕の影から、真っ黒く手足がない、人の形をしていない……大きな黒い鼻とピエロのメイクだけのあるアカンベェが生まれる。そして……それだけではない。

 

インペイル「では……メインディッシュの前の腹ごなしだ、”デリート”!!!」

 

ジョーカー「は~い、インペイルさん!どうぞ、召し上がってくださ~い!!!」

 

デリート『デリ~~~~~~ト!!!!!』バクッ!

 

 インペイルの手に現れた”デリート”により、例のアカンベェは飲み込まれてしまう……あの怪物が来る!

 

インペイル『スマイルプリキュアの歴史を……消し去り!隠せ!ゲンサーク!!!』

 

デリート『ン~~~~~!!!……ベッ!!』

 

 デリートの口から吐き出されたゲンサークは……まるで”黒い絵の具”のようにドロドロとしたもので、そのまま地面へとぶちまけられたようになる。しかし、その絵の具が少しずつ一か所に集まっていき……最終的に人の形になる……その姿は……。

 

バッドエンドシード『……やあ、君が……本物の”僕”で良いのかな?』

 

コルーリ「あ、あれって……!?」

 

ハッピー「ど、どうなってるの!?」

 

種(お兄ちゃん……あれっ!?)

 

シード「あれは……”僕”か?」

 

 そこに立っているのは、黒く染められた道化師衣装を纏い、黒髪をショートカットにした男。ピエロの様なメイクをしているが間違いない……あれは、”僕”のコピーだ!

 

バッドエンドシード『へえ~……分かるんだ。一応、名乗るなら……”バッドエンドシード”とでも呼んでもらおうかな。いや……種がいないから”シード”は変かな~?ん~~~……まあいいや、僕は”僕”でいかせてもらうよ』

 

ジョーカー「うっふっふ!実に素晴らしいですよ~!」

 

インペイル「くっふっふ!これは……傑作だな!やれ!ゲンサーク!!プリキュア共を消し去ってしまえ!!!」

 

・・・・・・チッ!

 

 公園の中に小さく響くクリック音……今のは”舌打ち”か?一体、誰が?……そう思っていると、バッドエンドシードが自身の後ろにいたジョーカーとインペイルの元へと向かう。

 

バッドエンドシード『ジョーカー様、少しよろしいですか?』

 

ジョーカー「ええ、なんですかっ!?」

 

 ジョーカーの前に立ったバッドエンドシードは、ジョーカーの腹部を……拳で貫いていた。

 

バッドエンドシード『耳障りなんですよね~……あんたの声』

 

ジョーカー「あ、あなた!!!うあぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

 

バッドエンドシード『絵の具風情がデカい顔するなよ……さて、次はお前だよ……インペイル』

 

インペイル「な、何故だ!?何故、言う事を聞かない!?」

 

バッドエンドシード『さあね……多分、あっちにいる”僕”の力がゲンサークを取り込んでしまったから……僕の自我があんたの制御を超えて独り歩きしてるんだと思う』

 

 バッドエンドシードによりジョーカーは黒い絵の具にされ、そのまま吸収されてしまう。そして……バッドエンドシード、次の標的をインペイルへと定め、一歩、また一歩と距離を縮めていく。

 

バッドエンドシード『まあ、そんなこと良いじゃないですか。僕はね……僕の力でプリキュア達を”絶望”させたいんだよ……だからさ、”二流悪党”と”二流兵器”はご退場願いたいんだ』

 

インペイル「この私が、”二流”……だとおおおおおお!!! ぐっ!?』

 

バッドエンドシード『ごめん、訂正するよ。あんたは……”三流以下”だ』

 

インペイル「きっ……さま!!!」

 

バッドエンドシード『勘違いするなよ……お前は”僕”以下なんだからさ~!抗うだけ無駄だよ~』

 

 バッドエンドシードから出たAqライトに似た黒いオーラがインペイルの身体を包み拘束する。その力の前にあのインペイルですら抵抗できずにいる……その時……。

 

シュンッ!!!

 

バッドエンドシード『ん?……ああ、確か”本物の僕”の記憶にあった……”マーネル”だったかな……何?』

 

 黒いオーラの拘束に向かって放たれた”黒いビーム”……その攻撃で拘束が剥がれ、インペイルが自由になる。一撃を放ったのはプリキュアでも、インペイル本人でもなく……突如として現れたネツゾーン三幹部の一人”マーネル”であった。

 

マーネル「……キュアシードのそっくりさん、この”三流以下”と”二流兵器”を私が預かってもいいわよね?」

 

バッドエンドシード『ふ~ん……なんで?』

 

マーネル「別に”三流以下”どうでもいいけど……こっちの”二流兵器”はまだ使えるのよ。という訳で、こっちのデカいのは……そのおまけって感じ」

 

バッドエンドシード『ふっ……ふふ!!……あっはっはっは~!!!いいね!面白いよ、そのジョーク!!気に入った!好きにしなよ!!その代わり……後は僕の好きにやらせてもらってもいいよね?』

 

マーネル「……勝手にしなさいよ」

 

 マーネルはそう言うと、インペイルからデリートを奪いインペイルの足元に日傘で次元の穴を開く。

 

インペイル「ま、マーネル!?貴様あああぁぁぁ……」

 

マーネル「うるさい男……それじゃあ任せるわよ、”偽物シード”」

 

バッドエンドシード『ええ、任されましたよ』

 

 そして、マーネルも自身が作った次元の穴へと飛び込み、その姿を消す。まさか、デリートを回収しに来たと言うのだろうか?だとしたら次の時代でも……いや、今は……!

 

バッドエンドシード『さあ、邪魔者はいなくなった……これから君たちを!」

 

シード「お前を……倒す!」

 

バッドエンドシード『最高に”絶望”させてあげる!そして……僕を”笑顔”にしてくれよ!!!』

 

 目の前のこいつを……止めないと!!!

 

 

side:キュアシード

 

シード「だりゃあああああ!!!」

 

バッドエンドシード『おっと、危ない!当たったら一溜りもないかもな~』

 

サニー「次はウチらの番や!」

 

マーチ「いくよ、サニー!でやあああああ!!!」

 

バッドエンドシード『おや、素敵なレディのお誘いかな?……でも』

 

 僕のパンチを避けて出来た隙に、サニーとマーチによる炎と風の攻撃がバッドエンドシードへと向かっていく。しかし、奴は避けることなく棒立ちになり正面から攻撃を喰らう……勿論、ダメージはない。

 

バッドエンドシード『強すぎるのも困りものだな……退屈で仕方ない』

 

シード「こいつ……!」

 

バッドエンドシード『ん~……そうだ!ねえ、本物の僕、もうスマイルプリキュアのアイテムを手に入れてるんだろ?”Aqライト”で書き換えて、さっさとインストールしなよ。それからスマイルプリキュアも……君たちは僕に傷を付けられないけどさ、合体浄化技くらい打っとけば~?シードが僕を討つ隙くらいにはなるかもよ?』

 

 あいつは、余裕の表情で僕らを挑発する。前回の戦いで手に入れた”キュアデコル”の事を言ってるのなら……正直、微妙だ。ゲンサークが元になっているあいつを確実に倒せる手段が分からないし、ゲンサークを倒せたのが”シード・ハート”だけ……仮に新しいスマイルプリキュアの姿が、前回の様にゲンサークを圧倒できる可能性があるかも分からない……だとしても、やるしかないのか!

 

シード「分かったよ、望み通りに……」

 

種(お兄ちゃん、ダメ!あいつの罠だよ!わざとお兄ちゃんにAqライトを使わせようとしてるんだよ!)

 

シード「だろうね……。でも、今しかないんだ……そうすることが出来る瞬間も……ね!」

 

 僕は、しまっていた”キュアデコル”を左手に握り……力を込める。キュアデコルにゆっくりAqライトが集まっていき、その存在を僕たちの形に書き換えていく。そして……集まったAqライトの光が完全に散った瞬間……。

 

ピカ―――ン!!

 

 今度は、左手の中から眩い”Qaライト”の光が溢れだし、シードのためのキュアデコル……”Qaデコル”が完成する。

 

ハッピー「あれって……駆君にあげた”キュアデコル”?」

 

ピース「すごい綺麗……」

 

ビューティ「しかし、先ほどの”黒い光”は一体……?」

 

 僕のAqライトについては説明していなかったから気になっているのだろう……しかし、説明してる暇はない!今は……これに賭けるだけだ!そう思い、僕は”Qaデコル”をQaフォーンに近付ける。

 

スマイルプリキュアダウンロード率…25パーセント…50パーセント…75パーセント…90パーセント…

100パーセント…ダウンロード完了。インストール準備完了。

 

シード『プリキュアプリケーション!インストール!!!』〈スマイル〉

 

 スマイルプリキュアさんのプリキュアプリをタップすると、画面に”スマイルパクト”と”Qaデコル”表示され、僕はデコルをドラッグし、スマイルパクトにセットする。

 

レディー!

 

シード『プリキュア、スマイルチャージ!』

 

ゴー!ゴーゴー!レッツゴー、シード!

 

 僕はQaフォーンのから出てきた”光のパフ”を使い、”手”、”足”、”胴”、と叩いていき、最後の仕上げに”頬”をパフで叩いてピンク色に染める。

 

H・シード「小さな種から花開け!キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー・シード!」

 

種(お兄ちゃん、すごいよ!どんどん温かい力が湧き上がってくるみたい!これなら!!)

 

 ハッピーをイメージした衣装も身に纏い、あいつを……バッドエンドシードを睨む。身体の奥から湧き上がるエネルギー……これなら、負ける気がしない!

 

ピース「うわぁ~!!!か、カメンライド!カメンライドだ!!ハッピーになってるんだね、シード!!!」

 

ハッピー「私と同じ格好!?あれが……シードの力なんだ!」

 

サニー「……なんや、めっちゃやるやないか!シード!!」

 

マーチ「うん!きっとこれなら!」

 

ビューティ「そうね、これなら……いけるかもしれません!」

 

 さあ、ここからが……本番だ!

 

H・シード「ふ~~~……よし!皆さん、僕があいつにトドメを刺します!そのために、皆さんの技で隙を作って欲しいんです!」

 

ハッピー「分かった!みんな、いくよ!!!」

 

「「「「うん(おう)(はい)!!!」」」」

 

バッドエンドシード『やっとその気になったんだ!よし、来い!!!』

 

H・シード『言われなくても!プリキュアプリ!インストール!!!』〈スマイル〉

 

 僕は最高の一撃を放つために”気合”を溜め始め、スマイルプリキュアさん達もバッドエンドシードを止めるための浄化技の構えに入る。そんな彼女たちの前に現れたのはペガサスを象った”剣”?……いや、あれは”キャンドル”か?それに、5人はそれぞれの持つデコルをセットし声を上げる。

 

スマイルプリキュア『『『『『ペガサスよ、私たちに力を!』』』』』

 

 その掛け声と共に、5頭の光るペガサスが空を翔る。5人の色に合わせたペガサスたちの光に包まれ、スマイルプリキュアは新たな姿となる。

 

Pハッピー「プリンセスハッピー!」

 

Pサニー「プリンセスサニー!」

 

Pピース「プリンセスピース!」

 

Pマーチ「プリンセスマーチ!」

 

Pビューティ「プリンセスビューティ!」

 

スマイルプリキュア「「「「「プリキュア・プリンセスフォーム!」」」」」

 

 白いドレスを上から纏ったような姿、胸のリボンに白いラインが入り、頭の上に光の輪がある……なんて神々しい姿なんだ。すると、みんなはトリガーを引いて、キャンドルに暖かな火を灯す……そして、5人はペガサスに跨り、僕たちの目の前に……宇宙が広がった。

 

種(あの星の形……)

 

H・シード「……ペガサス座だ!」

 

Pハッピー「届け!希望の光!」

 

Pサニー・Pピース・Pマーチ・Pビューティ「「「「はばたけ!未来へ!」」」」

 

スマイルプリキュア「「「「「プリキュア・レインボーバースト!」」」」」

 

 キャンドルから現れた巨大なペガサスから虹色のビームが放たれる。そのビームは真っ直ぐにバッドエンドシードへと向かい……直撃する。

 

バッドエンドシード『ぐっ!?さすがに過去のプリキュアってだけあって”歴史”がある分……重いし、完全に無効か出来ないか!面倒だなぁ……!』

 

Pハッピー「今だよ、シード!」

 

H・シード「「うん!気合だ!気合だ!!気合だーーー!!!」」

 

バッドエンドシード『ッ!?……ヤバイな……!」

 

H・シード「「プリキュア・スマイルシード……シャワー――――!!!!!」」

 

 バッドエンドシードに向かってQaライトによるビームを放つ。あいつに当たるまであと少しの所まで来た!絶対に当てるんだ!そのために全部だ!僕たちの中にある全部!!!この一撃に……出し切ってやる!!!!!

 

バッドエンドシード『うわあああああああああ!!!!!』

 

H・シード「「いっけええええええええ!!!」」

 

バッドエンドシード『あああぁぁぁ……あ~あ、つまんないの……それ!』

 

パチンッ!

 

 バッドエンドシードは、両手で押さえていたスマイルプリキュアさん達の浄化技を片手に変え、僕たちが放ったビームを……人差し指を軽く弾くだけで消し去ってしまった。

 

バッドエンドシード『はあ……もっと楽しめると思ったのにさ……』

 

グシャッ!

 

スマイルプリキュア「「「「「嘘……ッ!?」」」」」

 

バッドエンドシード『これじゃあ、笑顔には程遠いな……よっと!』

 

スマイルプリキュア「「「「「きゃあっ!?」」」」」

 

H・シード「皆さん!くっ!?……はあっ……はあっ……!」

 

バッドエンドシード『お疲れみたいだね……それじゃあ、今度は僕の番だね!残念だけど、僕は肉弾戦が苦手でさ……せっかくだし”言葉”で攻撃しようかな~!』

 

 スマイルプリキュアさん達の技も片手で握りつぶし、そのまま彼女たちを拘束する。僕も体力の殆どをさっきの技に使ってしまい動けそうにない……それを分かってかバッドエンドシードは、”言葉”による攻撃を宣言してくる。

 

バッドエンドシード『どんな内容の話で攻撃しよう?そうだな……じゃあ、本物の僕の”秘密”なんてどうかな~?』

 

Pハッピー「駆君の……?」

 

種(……”秘密”?)

 

H・シード「……ッ!」

 

 そして……僕の”真実”は、僕の”偽物”によって語られる……。

 

 

side:コルーリ

 

コルーリ「カケルの……秘密?」

 

 そう言ったもう一人のカケル……バッドエンドシードは、膝を付いたカケルの前まで向かい、言葉を発する。

 

バッドエンドシード『Aqライト……その力がどうやって出来るのか知ってるよね?”今ある世界は間違っている、だから変わって欲しい”……そう願うことでQaライトが反転して生まれる。なら……本物の僕はさ、この世界の”何”が間違いだって考えてるの?』

 

H・シード「……そ、それはっ!?」

 

バッドエンドシード『キヒヒッ!それじゃあ教えてあげるよ!もう一人の僕……君はさ、”自分が生きてる事”自体が間違ってるって思ってるんでしょう!!!』

 

H・シード「ッ!?」

 

コルーリ「自分が……”生きてる事”が間違ってる?」

 

 それは……どういう事?

 

バッドエンドシード『自分は人の命を奪った大罪人……だから生きていちゃいけない!君は”生きてる”だけでで、この世界に”絶望”しているんだ!いや、何なら生まれて!苦しい治療を受け続けてた時からだろう~?君は生まれた時から、ず~~~~っと”絶望”してたんじゃないか!!!』

 

H・シード「違う!……そんなこと……!」

 

バッドエンドシード『だから君は、いつだって”自分を”消して欲しいって願ってるんだ!君がカウンターを使って戦うのはさ~!敵を自分に近付かせて、もし一瞬でもタイミングが狂えば致命傷になる……そうやって自分が倒されるのを期待してるからだ!ヒーローが好きなのだってそうだよ!悪である自分を消してくれる”正義の味方が欲しいから……いや、君があの事件に巻き込まれる前は本当に”正義の味方”に憧れたのかもしれないけどね。でも運がよかったよね~!自分が思っていたそんな存在……正義の味方……自分を消してくれるかもしれない君の”希望”!”プリキュア”が現れたんだからさ~!!!』

 

H・シード「違う……違う!……違う!!!」

 

バッドエンドシード『極めつけは~……マナさんに恋した事!君はさ……変に勘が良いだろ?ルールーさんがアンドロイドだって言うのも、シエルさんが妖精なのも見破るくらいにさ……だから分かったんでしょう?マナさんが……プリキュアの中でも強力な力があるってさ!だから……欲しかったんでしょう?自分を消せるかもしれない力がある彼女が!だから一目惚れしたなんて勘違いして!!彼女を手に入れようとしたんだろ!!!それに……願えば利いてくれるとも思っていたんだ!!だって彼女は、お願いすれば何でも言う事を利いてくれる……”幸せの王子”だもんね~!!!!!』

 

H・シード「黙れええええええええええ!!!!!」

 

 バッドエンドシードの口にする言葉に激情するカケル。仮に……今語られた全てが事実だとしたら、カケルが今までして来た事も……マナさんを好きになったのも……全部、”自分を消したかったから”なのですか!?そこまで……カケルは絶望していたと言うのですか!?……そんなことって!?

 

バッドエンドシード『おいおい!まだ僕の攻撃は終わってない……ぞ!』

 

H・シード「がっ!?」

 

 話を遮られたことが気に入らなかったのか、膝を付くカケルの顔に蹴りを入れて黙らせる。

 

バッドエンドシード『自分を騙し、嘘をつき続ける……”ヴァールハイト(真実)”が聞いて呆れるよ』

 

種『うるさい!お兄ちゃんの……お兄ちゃんの痛みを知った風に言わないで!!!』

 

バッドエンドシード『知ってるんだけどな~……僕は元々、彼から生まれてるわけだしね。それに、嘘つきなのは”彼”だけじゃないでしょ……種、”君”だって嘘つきじゃないか!』

 

種『ッ!?……そ、そんなことないもん!』

 

バッドエンドシード『ふふっ!さあ……もっと楽しい事をしようか!君をもっと絶望させたいんだ!そのために……今度はスマイルプリキュアさんにも協力してもらおうかな~!』

 

 そう口にしたバッドエンドシードは、拘束していた5人を自身の近くに引き寄せる。一体、何をしようと言うのですか?

 

種『ハッピーたちを離して!』

 

H・シード「何を……何をする気だ!!!」

 

バッドエンドシード『そうだね……彼女たちを絶望させつつ、君を絶望させようかな~!例えば彼女たちを傷つけたら……君も彼女達も絶望するかな~?家族……そうだ”家族”!みんなの家族を目の前で消すとかどうかな~!……ん~、でも在り来たりすぎるかな?それなら……彼女達から、”女性の尊厳”を片っ端から奪ってみようか?ほら……”種”があの男にされたみたいにさ……」

 

種『ッ!?』

 

H・シード「お前!!!……そんなことしてみろ!!!そんなことしたら……僕は!!!僕はお前を!!!!!」

 

……それ以上言ってはダメ、駆君……!

 

カケルの怒りに任せた言葉を遮る”少女”の声。私たちは聞き覚えのある声がする方を向く……その姿を見て私たちは驚き、バッドエンドシードは喜びの表情をする。

 

コルーリ「あ、アサヒ!」

 

H・シード「旭……さん?」

 

種『旭ちゃん!……来てくれたんだ!』

 

旭「駆君、助けに来るのが遅くてごめん……でも、もう大丈夫。私が駆君を支える……何があっても、何をしても……絶対に!」

 

バッドエンドシード『いいね~!さっきからずっとコソコソしてたからさ、いつ出てくるかと思ってたんだよね~……ようやくお出ましか』

 

 ずっと……見ていたのですか?一体どうして……早く来てくれなかったんですか、アサヒ!

 

旭「本当はもっと早く出たかったけど、駆君の話が始まったから聞いてたの。……ここまで酷いなんて思わなかった……私の知ってるはずの彼も、きっと同じくらい苦しかったのに……分かってなかった自分が嫌になるよ」

 

種『旭ちゃん……」

 

Pハッピー「えっと……あなたは誰?味方なの?」

 

旭「安心して、私は味方だから……直ぐに終わらせて、助けてあげるからね」

 

バッドエンドシード『へえ~……それは楽しみだ!さあ、早く変身してくれるかな~』

 

旭「それ以上、喋らないで……駆君の顔で、駆君の声で……それ以上言葉を紡いで欲しくないから!”Aqフォーン”、スタンバイ!!」

 

 アサヒは、自分のケースから黒いキュアフォーン……”Aqフォーン”を取り出し、変身を開始する。

 

旭『プリキュアプリケーション!インストール!!!』〈タップ〉

 

 AqフォーンからQaライトと同様の”碧の光”が溢れ、アサヒを包んでいく。しかし、ゆっくりと”碧”を”黒”く塗り潰し……そして、黒い羽を広げる様に光の中から姿を現す。

 

ザート「未来へ芽吹く、奇跡の苗!キュアザート!」

 

バッドエンドシード『くっくっく……いいよ!追加戦士乱入ってヤツ!!さあ、僕をあの必殺のパンチで倒してみてよ!!!』

 

ザート「……そう」シュンッ!

 

バッドエンドシード『……えっ?』

 

 ザートは小さく呟く様に声を漏らしながら、右手の人差し指をバッドエンドシードに向ける……その刹那、バッドエンドシードの顔を掠めるように黒い光が駆け抜けた。

 

ザート「……言っておくわ、あなたは私に触れられない……それからパンチも使わない」

 

バッドエンドシード『言ってくれるじゃん!”手加減”のつもりって訳……なら、意地でもパンチさせてやる!!!』

 

シュンッ!シュンッ!シュンッ!

 

バッドエンドシード『なっ!?』

 

ザート「違う……”本気”なのよ。だって私は、”砲撃”の方が得意だもの!」

 

 ザートの背後に黒いエネルギーの玉が数個浮いていて、そこからビームのようにバッドエンドシードへと放たれていた。

 

H・シード「今まで、ザートがそんな事したのを見たことがないよ……」

 

種『旭ちゃん、今まで隠してたんだ!』

 

ザート「始めましょう……あなたに”絶望”をプレゼントするわ」

 

バッドエンドシード『キヒヒッ!女性からプレゼントを貰うより、渡す方が好きなんだよね……だから、僕も君に”絶望”をプレゼントするよ!可愛いリボンも添えてあげる!!その手首に巻かれた素敵な黒のリボンをね~!!!』

 

 ザートとバッドエンドシード……黒い衣装を身に纏う二人の戦いが、今始まる。

 

 

side:キュアシード

 

バッドエンドシード『いくよ……だりゃああああああ!!!』

 

ザート「ふっ!」

 

バッドエンドシード『甘い!』

 

 黒の砲撃……その一閃が放たれる。しかし、その砲撃が当たる瞬間……奴は消えていた。

 

バッドエンドシード『後ろ、も~らい!!!』

 

ザート「……思った通りね」

 

バッドエンドシード『……なっ!?何だよ、これ!?』

 

 ザートの背後に回ったバッドエンドシード。しかし、その行動はザートの予想通りだったらしく……バッドエンドシードは、黒いエネルギー弾に囲まれる。しかも、それは上下左右なんて甘いものじゃない……360度、奴の半径1メートル全てをエネルギー弾が取り囲む……その数はザッと数えて”100”個程だ。

 

ザート「プリキュア・ハンドレット・ジェイルレイ」

 

バッドエンドシード『があああああああああああああ!!!!!』

 

 逃げ場のない全方向からの砲撃……その全てがバッドエンドシードを貫く。ビームが交差する様に交わった部分がまるで”檻”のように見えるのだ。

 

バッドエンドシード『がはっ!……なんちゃって!おらっ!!!』

 

 バッドエンドシードは、元々の身体が液状である事を利用し”砲撃の檻”を抜けてザートへと迫る……しかし……。

 

ザート「言ったでしょ……私に触れられないって」

 

 黒い光……Aqライトがザートから漏れ出し、バッドエンドシードを飲み込んでいた。

 

バッドエンドシード『これは!?がっ!?があああああああああああ!!!!!』

 

ザート「分かる?それが絶望よ……本当の痛み、彼の痛みのごく一部よ!」

 

バッドエンドシード『こ、こいつ!!……ッ!?何だ!?か、身体が……い、痛い!?僕は……こんなことで痛みを感じないのに!?何を……何をした!!!』

 

ザート「あなたはゲンサーク……世界に生まれた”矛盾”なのよね?だったら……駆君ほどではない私でも、Aqライトで”書き換えれる”のよ」

 

バッドエンドシード『僕の存在を……”書き換えた”って言うのか!?』

 

 Aqライトによる書き換え……”変わった世界に発生した不都合”……本来の使い方である”矛盾”の修正に使ったのか?

 

ザート「もう終わりよ……これ以上、彼の姿をするあなたを見ていたくないの……だから、ここから消えなさい!!」

 

 ザートは右手にAqフォーンを持ち、浄化技用のプリキュアプリをタップする。

 

ザート『プリキュアプリ!インストール!!!』〈タップ〉

 

バッドエンドシード『そうか……だったらやれば良い!僕を消せ!!君が愛する者の姿をした僕を消して……その苦しみを味わって絶望しろ!!!キュアザート!!!!!』

 

ザート「プリキュア!アーク・レイ・ザート!!!』

 

バッドエンドシード『ぐあああああああああああ!!!!!』

 

 ザートの右手首に巻かれた黒いリボンが黒く輝きだし、そこから生成されたAqライトがザートの右手に集まる。そして……その光を極太のビームとしてバッドエンドシードに放つ……そのビームを避けることが出来なかった奴は……”消し炭”のように”消滅”された。

 

Pハッピー「わっ!?……黒いのが解けた!やった~!!動けるよ~~~!!」

 

Pサニー「一時はどうなるかと思ったわ~!でも……」

 

Pピース「うん!新しいプリキュア、”キュアザート”に助けられちゃったね!」

 

Pマーチ「うん!……でも、変じゃない?」

 

Pビューティ「確かに……何故、バッドエンド空間が解けないのでしょうか?」

 

まだ……終わってないからさ!

 

 こ、この声は……まさか!?

 

バッドエンドシード『アンコールに応えて再登場……ってね』

 

H・シード「な、何で!?お前は……さっき倒されたはず……!?」

 

バッドエンドシード『倒されたよ……今僕が残ってるのは、僕が取り込んだ”ジョーカー”のおかげ……彼の身体に僕の姿を映しているに過ぎない。もう少ししたら……僕は消える……でもさ~、このまま消えるのはつまらないだろう!!!』

 

シュンッ!

 

H・シード「ぐっ!?……な、何を……」

 

バッドエンドシード『僕からのプレゼント……この空間に溜まった”バッドエナジー”を”全部”……君に打ち込んだ。本来なら”皇帝ピエーロ”に行くはずなんだけど、この空間は僕が完全に支配してるからね~……だから、君に全部あげるよ……本当の僕。精々……”絶望”しなよ!!!あっはっはっは……!!!!!』

 

 僕たちの前に再び現れたバッドエンドシード……直ぐに消えると言うそいつは、僕に向かって”黒い種”の様なものを打ち込んだ。それは、この空間に集まった”バッドエナジー”……人々が発した絶望そのもの……それを打ち込み、僕に絶望しろと言い残し……奴は高笑いしながら完全に消え、そこにはジョーカーの身体だけが残った。

 

ジョーカー「……はっ!?わ、私は……ッ!?プ、プリキュア!?まさか……あのゲンサークが負けたのですか!?」

 

 どうやら、取り込まれたことは覚えていないらしい。

 

Pハッピー「ジョーカー!もうここまでだよ!」

 

ジョーカー「くっ!!……ッ!?な、なんだ……あれは!?」

 

Pサニー「誤魔化そうとしても無駄やで!!」

 

Pビューティ「いえ!皆さん、”空”を見て下さい!!」

 

コルーリ「空?……あ、あれは!?」

 

 ビューティの言葉に従い、僕たちも空を見る。するとそこにあったのは……”バッドエンド空間”がまるで竜巻のように渦巻き……空に浮いていた。そして、その竜巻は……”僕”に向かって飛んでくる。

 

H・シード「ッ!?ぐっ!!があああああああああ!!!!!」

 

何をしても無駄だ! どうしようもない! つまらない! 夢は叶わない! どうやって生きていけばいいんだ! 感謝なんて下らない! いなくなっちゃえばいい! 消えちゃえばいい! 消えろ! 消えろ!! 消えろ!!! 消えろ!!!! 消えろ!!!!!

 

全部……無くなっちゃえばいいんだ!!!!!

 

駆「ああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

コルーリ「ッ!?か、カケル!!!だ、ダメ!衝撃が強すぎて……近づけない!!!」

 

ジョーカー「な、何なのですか、この衝撃は!?う、うわあああああああ!!!」

 

スマイルプリキュア「「「「「くっ!!!!!」」」」」

 

 竜巻は駆へと向かっていき、そのまま”駆の中”に入っていく。駆の頭の中に、無数の人の苦しみ、怒り、絶望が束になって押し寄せ、感情の暴流を受けた駆は変身が解けてしまう。それだけではない、駆が起こすAqライトの衝撃波も凄まじく、プリキュア達は何とか耐えているが、ジョーカーはその衝撃の強さに吹き飛ばされてしまう程だ……しかし、キュアザートだけは何事もないように立ち、カケルへと歩を進めていく。

 

ザート「これが……あいつの言ってたプレゼントなんだ。最後までふざけたことしてくれるよ……」

 

駆「あ、旭……さん……」

 

ザート「……大丈夫」

 

 駆の前まで辿り着いたザートは、苦しむ駆を抱きしめる……すると、駆から出るAqライトが少しずつザートへと吸収されていき、衝撃波も少しずつ弱まっていく。

 

ザート「はあ……はあ……少しだけ、”絶望”を肩代わりしたの……私の方が”Aqライト”には耐性があるか……ら……」バタッ!

 

駆「旭さん!!」

 

旭「ごめんなさい……少し、疲れちゃったみたい……えへへ……」

 

駆「旭さん……!!!」

 

 僕の絶望……Aqライトを肩代わりすることで、みんなを救ってくれた旭さん。その反動で倒れてしまった彼女を僕は抱きかかえ叫んだ……そこにはもう敵はいなくなっており、僕の声しか響かない。こうして、僕とスマイルプリキュアさん……そして旭さんの戦いは幕を閉じた。

 

 

プリキュアカーシャ 着陸地点

 

side:スマイルプリキュア

 

みゆき「旭ちゃん……大丈夫なの?」

 

駆「気を失っているだけみたいです……一旦アカーシャに乗せて、看病しようと思います」

 

やよい「そっか……早く目が覚めると良いね!」

 

駆「はい……そうですね」

 

 私たちは駆君達が乗って来たと言う船の前まで来ている。なんでも、駆君達のこの時代での目的が終わったからだそうだ……でも、私たちを助けてくれた”キュアザート”……旭ちゃんはまだ目覚めていない。駆君は看病すると言っていたから……大丈夫だと思うけど、心配だな……。

 

駆「あの……本当にありがとうございました。……ごめんなさい!僕……何もできないで……!」

 

種『違うよ!私が……何にもできなかった!だから……みんなお願い!お兄ちゃんを責めないで上げて!!』

 

あかね「何言ってんねん!責めたりするわけあらへんて!」

 

なお「二人共、私たちを助けるために精一杯やってくれた……誰も責めないよ。むしろ感謝しかない!」

 

れいか「はい……私たちのために、お二人こそ……苦しい思いを……」

 

 駆君達は何もできなかったことを謝罪する。けど……それは違う!私たちのために自分の秘密を暴露されても、戦おうとしてくれた……こんなに一生懸命な駆君を、種ちゃんを責めたりする訳ない。でも……いっぱい辛い思いを暴露されてたし、私たちもそれを聞いてしまったから……どうしても、すごく暗い空気になってしまう……こんなの全然”ウルトラハッピー”じゃないよ!

 

みゆき「みんな、もうこれでお別れだけど……こんな暗い気持ちでお別れなんて……全然、”ウルトラハッピー”じゃないよ!今出来る……最高の笑顔で送らないと、幸せが逃げちゃうよ!」

 

駆「みゆきさん……」

 

みゆき「駆君、笑って!駆君が……生きてるだけで辛いって言うのは分かってる……でも、辛くても……苦しくても……笑顔で精一杯生きていけば……絶対に、ウルトラハッピーになる!!そしたら……絶対、絶対にハッピーエンドが待ってるんだよ!!!」

 

種『ハッピーエンド……!』

 

駆「……分かりました!僕……笑ってみます!!”絶望”に負けないくらい……精一杯!!!」

 

 そう言って駆君は、顔だけじゃなく”手”まで使って頬を引っ張り、彼の精一杯の”笑顔”を作った。

 

みゆき「うっ……ふふふ!」

 

あかね「ぷふ~!何やその笑顔~!」

 

やよい「おっかし~!お腹痛いよ~!」

 

なお「ぷっ!……うん!いい感じだね!」

 

れいか「み、皆さん……笑っては失礼ですよ……うふふ!」

 

 私たちの笑顔を見た駆君は、自分の笑顔を崩し……優しそうに微笑んだ。よかった……あれが本当の駆君の笑顔なんだ!

 

コルーリ「カケル、タネ!出発の準備が出来ました!」

 

駆「分かった!……あの、握手してもらっても良いですか?」

 

みゆき「うん!喜んで~!」

 

 私、あかねちゃん、やよいちゃん、なおちゃん、れいかちゃん、それからキャンディ……みんなが順番に駆君と握手をする。そして……握手が終了し、本当のお別れがやってきた。

 

駆「……よし!それでは、もう行きます!また……どこかで会いましょう!」

 

種『みんな、バイバイ!私たち……精一杯頑張るから……絶対、残りのプリキュアさんを助けるからね!』

 

 そう言い残して、駆君達は船に乗り込む。すると船が空中に浮き始め、凄まじい速度で飛び上がっていき……駆君達が乗った船は”碧色の流れ星”となって空を駆け抜けていった。

 

みゆき「行っちゃったね……」

 

あかね「そうやな……でも、きっと大丈夫だと思うで!」

 

やよい「うん!三人なら……ううん、”四人”なら……だね!」

 

なお「きっと……あの流れ星みたいに、一直線に進んでいける!」

 

れいか「はい、彼らの進む先が、正しき”道”であると……わたくしも信じます!」

 

 うん……きっと、みんなを……プリキュアを……絶対に救って、ハッピーエンドにしてくれる!だから……!

 

みゆき「駆君、種ちゃん、コルーリ、旭ちゃん……目指せ!」

 

スマイルプリキュア「「「「「みんな笑顔でウルトラハッピー!!!」」」」」

 

キャンディ「クル~~~!!!」

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?ザートはドイツ語で”苗”を意味する言葉です。私は自分のプリキュア達に、”時”や”歴史”に関係するものをセレクトしています……と言ってもあいまいなんですけどね。シードやザートは……歴史から……歴史は”枝分かれ”など”木”に例えられることが多いです……なので、そんな歴史の始まりなら、植物は”種”から始まると思ったからシード、そんな種よりも成長し、先を行く存在は、種から成長した”苗”かなと思って考えました。
次回はスイートプリキュア編に行く前に……旭ちゃんのプリキュアになった経緯とオリヒメとカケルとの出会いを書きたいと思います!乞うご期待ください!

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