side:コルーリ
?「旭ちゃん!!!」
コルーリ「チュン!?」
校舎側の校庭へ続く昇降口の辺りから、アサヒを呼ぶ声が響く。声がする方へ顔を向けると、そこには”男の子”がいた。
?「旭ちゃんに…”私たち”の友達に何をしてるの!!!」
フェイク「なんだ?まだガキがいやがるのか?…いや待て…なんで動いてやがる?”クライアス社”の時間停止の中だぞ。それに、この特異点の名前まで”覚えてやがる”…」
コルーリ「どういうことチュン?君は…アサヒを覚えてるチュン!?」
アサヒの存在は、フェイクにより”改竄”されてしまい、この世界には”アサヒの存在はない”ことになっている。でも、この少年は、”アサヒを覚えている”。
コルーリ(まさか…!)
フェイク「てめえも特異点か!?なら、てめえもさっきのガキ同様に消してやる!!!」
コルーリ「危ないチュン!!!」
フェイクは火球を掌に出現させ、校舎に少年へと投げつけた。すると少年は、地面にある”何か”を拾い上げて全力で走り出す。火球は少年が元居た場所で爆発し、少年は私がいる船へと向かってきて、私の前でその足を止める。
コルーリ「き、君は…誰チュン?」
?「…”僕”は時生 駆。鳥さん、君は何者?それと、”麻琴さん”が持ってたこれを使えば…あの変なヤツを倒せて…みんなを…助けることができるの?」
少年はそう言うと、Qaフォーンを私に見せてくる。その口調は、アサヒを心配していた時よりも少し落ち着いており、また雰囲気や口調が違っていた。
コルーリ「わ、私はコルーリ。確かにそのQaフォーンを使えば、助けることが出来るっチュけど…でも、そのQaフォーンは”男の子用”じゃないんでチュン!女の子用で、女の子の心にある”Qaライト”にしか対応してないんだチュン…」
駆「…男の子用のはないの?」
コルーリ「アカシック王国にならあるっチュが…今ここには…」
Qaフォーンは、人の心にある”Qaライト”が一定の数値を超える場合に使用できる。その数値が最も高いのが特異点であり、Qaライトにより世界改竄の影響を受けない。しかし、Qaライトの性質は、性別により異なるため、男女別にQaフォーンが作成されている。
コルーリ「だから…カケル…あなたに変身は…」(もう…どうすることも…できないチュン…?)
駆「…なら、”女の子の心”があれば、このQaフォーンは…使えるんだね?」
コルーリ「…え?」
予想外の言葉で、私は何を言っているのか理解できなかった。そんな私を尻目に、カケルはフェイクの方向へ足を進めていく。
フェイク「何を話していたのか知らねえが、てめえもさっきのガキ同様!この世界から!!消してやるよ!!!」
駆「…消えるのは…嫌だな…」
フェイク「あ”!?」
駆「…僕は…消えたくない…」
フェイク「ほざけーーーーーーー!!!!!」
フェイクから放たれた火球は真っ直ぐにカケルへと向かう。カケルは、それを”避けようとはしない”。
コルーリ「カケル!!!」
フェイク「消えろーーーーーーーー!!!!!」
カケルは私の声に対して、振り返り…そっと笑顔つくり私に答えた。
駆?「大丈夫だよ、コルーリ。”私たち”が…何とかするから!!!」
side:駆
駆(本当に出来るの…?)
?「出来るよ…だって分かるから」
自らの足を火球へと進めながら、僕は心の中で不安を漏らす。すると、心の中で”彼女”は自信を持って答える
駆(なら…任せるよ…”タネ”)
タネ(うん…任せてよ、”お兄ちゃん”!)
僕は身体の主導権を”妹”に託し、心の中で自分も覚悟を決める。
side:タネ
タネ「大丈夫だよ、コルーリ。”私たち”が…何とかするから!!!」
振り向いて鳥さんに返事を返し、タネは手の中の機械”Qaフォーン”を握り、頭の中に浮かぶ言葉を力強く叫ぶ。
タネ『プリキュアプリケーション!インストール!!!』〈タップ〉
Qaフォーンから光が溢れ、タネのことを包んでいく。飛んできた火の玉が光に当たると、火の玉は爆発することなく消えていく。
変なやつ「なんだと!?」
全身を包んでいた光が弾けると、そこには”新しいプリキュア”が立っていた。
シード「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」
コルーリ「キュア…シード!プリキュアに…プリキュアになったチュン!」
ピンクを基調にしたワンピース、耳に丸形の黄色い宝石がついたイヤリング、髪型は駆の黒いショートカットから、ピンクのサイドテールで腰まで長さがある。右手首に白いリボンが蝶結びで結ばれている。
シード「すっごい!私たち、ホントにプリキュアになっちゃった!それに…すごい!ちゃんと女の子になってる!胸もある!声も…これが…”今の”タネの声なんだ…」
駆(…タネ、落ち着いて)
プリキュアになった喜びと、お兄ちゃんの身体が変化してしまった驚きで大声を出していると、お兄ちゃんが心の中で注意してくる。
駆(まず、あの変なやつを何とかしないと。麻琴さんを…みんなを助けられない…!)
シード「…ッ!うん!!!」
お兄ちゃんの言葉で気持ちを切り替え、シードは足に力を入れて、思いっきり一歩を踏み込んだ。
シード「ふぇ!?」
変なやつ「何!?こいつ!!!」
コルーリ「危ないチュン!シード、避けるチュン!!」
シード「なんの~、ってうわ~~~~~!?」
一歩踏み込んだ瞬間、目の前に変なやつがいた。目の前に現れたシードに驚いたのか、右腕で払うように攻撃してくる。それをジャンプして避けると、シードは”空にいた”。
シード「た、高いよ~~~~~!?お、落ちてる~~~~~~~!?」
駆(大丈夫だよ、タネ)
シード「なんで大丈夫なの~~~!?」
駆(タネ、タネが知ってるプリキュアは、これ以上の事をしているでしょ。なら、タネだって出来るよ…タネはプリキュア…”キュアシード”なんだから!)
上空にいる事や、落下している事にシードが取り乱していると、駆は大丈夫と答える。駆はタネがプリキュアであり、タネもプリキュアと同じように出来ると信じているからである。タネは駆の思いを心の中で感じ取る。
シード「…そうだよね…よ~~~~~し!うりゃーーーーーー!!!!!」
変なやつ「まさか、このまま俺に向かってくる気か!?上等だ!!!来やがれ!!!プリキュア!!!!!」
コルーリ「シード!いっけーーーチュン!」
シードは落下の勢いを利用し、フェイク目掛けて攻撃を仕掛けようとしている。右手を強く握り、右腕を大きく振りかぶるような体制をとる。フェイクは、それを面白いとばかりに、真正面から受け止めようと顔の前で防御の構えをとる。
シード「おりゃーーーーーーーーーーー!!!!!」
変なやつ「な、なんだこのパワーは!?ぐあーーーーーーー!?」
コルーリ「す、すごいチュン…」
シードの攻撃を受けたフェイクは、威力を防ぎきることが出来ず、後方へと吹き飛ばされる。
シード「どうよ!参ったか!!!」
変なやつ「なめんなよ~…プリキュア!!!」
シード「!?」
吹き飛ばされたフェイクが、校庭の砂ぼこりの中から現れる。フェイクは声を上げると、シードの目前に一瞬で移動し、シードに襲い掛かろうと手を伸ばす。
シード(だめ!間に合わない!)
コルーリ「シード!!!」
変なやつ「もらっ!?」
シード「…ッ!」
シードの顔面まであと少しというところで、フェイクの攻撃はシードの顔に当たることはなく、代わりにシードの右手がフェイクの腹部へと打ち込まれ、フェイクは再び後方へと吹き飛ぶ。
シード「…ふう…プリキュアの状態でも、”僕”とタネの入れ替わりは出来るみたいだね」
タネ(お兄ちゃん…ありがとう!)
変なやつ「てめえ…!二度までも…。許さねえ…!このネツゾーン三幹部が一人、フェイク様がよぉ!てめえみたいなガキに!負けるわけねえんだよ!!!!!」
シード「!?」タネ(また来る!?)
?「もう良い…退け…フェイク」
頭の中に直接、誰ともわからない声が響く。その声を聴いた瞬間、フェイクは血の気が引いたように、慌ててその声の主の名を呼ぶ。
フェイク「”カイザーン”様!!!しかし!」
カイザーン「私の命令が…聞けないか?」
フェイク「御意…!」
フェイクはカイザーンの言葉に威圧され、この場から去ろうとする。
フェイク「…キュアシード!その名前、覚えておくぞ!それと!消したガキを返せって言ってたよな?こいつは土産だ!」
シード「何!?あの石…旭ちゃん!?」
フェイク『歴史を欺け!ガンサーク!!!』
ガンサーク『ガンサ~~~~ク!!!』
フェイク「へっ!あばよ、キュアシード!」
フェイクは、突如謎の空間を開くと、旭ちゃんを象った石を取り出し、それを”ガンサーク”という怪物に変える。ガンサークを出現させたフェイクは、そのまま自身も開いた空間へと消え、謎の空間も消える。
コルーリ「ガンサークチュン!シード!あのガンサークを浄化するチュン!そうすればアサヒも助けられるチュン!もう一つのプリキュアプリをインストールするチュン!」
シード「うん!わかった!」
駆(やるよ、タネ!)
シード『プリキュアプリ!インストール!!!』〈タップ〉
シード『プリキュア!ストライク~シ~ド!!!』
プリキュアプリを起動すると、右手首のリボンが碧色に輝きだし、光は形を変え大きな球状のエネルギーになる。シードはそのエネルギーを右手で殴り飛ばしガンサークへと命中させる。命中した瞬間、碧の光がガンサークを包み浄化していく。
ガンサーク『ケッサ~~~~~ク///』
side:駆
浄化されたガンサークの中から、旭が元の人の姿で出てきた。
タネ「旭ちゃん!!!」
コルーリ「アサヒ!!!」
変身を解き、タネとコルーリが近づく。旭は気を失っているようだが、違和感がある
コルーリ「おかしいチュン、アサヒの時間が止まってるチュン。アサヒも特異点のはずチュン」
駆「麻琴さんが…特異点と言うことを改竄したんじゃないかな?」(そんな…)
コルーリ「そんな…チュン…」
駆「コルーリ、この時間停止は何で起こってるの?」(タネも!タネも知りたい!)
コルーリは旭に話した内容を、駆たちにも話していく。駆は顎に手を当てながら、考える仕草をとる。
駆「…つまり、プリキュアさん達の歴史を元に戻せば、この時間停止も直るということだね」
コルーリ「そうチュン。この時間停止は”HUGっと!プリキュア”の敵”クライアス社”の仕業チュン。本当の歴史なら、プリキュアがクライアス社を止めて、時間停止は回避されるチュン!」
駆「HUGっと!プリキュアさんがいなくなったから、クライアス社が時間停止を成功させてしまった…タイムパラドックスだね」
コルーリ「だから、これから2018年に向かい、HUGっと!プリキュアの歴史を改竄される前に戻すチュン」
駆「時間を…超えるってこと?コルーリ、そんなこと可能なの?」(タイムトラベル!すごい!!)
駆の疑問に対し、コルーリは自身の近くにある船を指さし答える。
コルーリ「”プリキュアカーシャ”!この船はアカシックレコードを移動できるチュン!」
駆「アカシックレコード!?未来、現在、過去…全ての記憶が書かれているっていうあの?」
コルーリ「そうチュン!さあ、早くプリキュアカーシャに乗るチュン!」
タネ「よーし!HUGっと!プリキュアさんを救いに行こう!」(ちょっと!?タネ!待って!)
コルーリに勧められるまま、僕の身体の主導権を奪ったタネがプリキュアカーシャへ乗り込む。船内は現代では到底理解できないような機器の数々があり、コックピットらしき座席に座ったコルーリが船のハッチを閉める。
コルーリ「これより、”プリカバリー作戦”を開始しまチュン!第一目標【2018年・HUGっと!プリキュア】の改竄地点へ!」
プリキュアカーシャ『時間軸・空間軸・・・設定完了。アカシックレコードへ接続。発進タイミングを操縦者に譲渡します」
コルーリ「了解チュン!プリキュアカーシャ!発進チュン!」
駆「待って!急に!?う、うあーーーーーーーー!?」
僕たちが(私たちが)プリキュアになった日、これが歴史(プリキュア)を取り戻し始めた日。そして、新たな歴史(プリキュア)の始まりの日。
To Be Continued……
いかがだったでしょうか?今作の主人公キュアシードは駆とタネの二人でなるプリキュアとなっております。今後キャラクター設定や駆sideのプロローグなども考えておりますのでご期待ください。
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