ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

40 / 86
スイートプリキュア編、今回はマーネルが召喚したGネガトーンとの戦闘、駆達の祖父母である”進武”と”廻”の話をお送りします!では、お楽しみください!

10月10日と11日はキュアブラックこと”美墨 なぎさ”ちゃんとキュアコスモこと”ユニ”の誕生日でした。なぎさちゃんは始まりのふたりの一人である偉大なる伝説の戦士……この小説では当分出ないけど、駆にとっての”超えるべき存在”でもあります。今回の回で、少しだけマックスハート要素もありますので探してください!次はユニですが……どうしても中の人のイメージが強くて……と、言うか朗読会のイメージのせいでウォッカしか浮かばない!……なんてことはないですけど、そうですね……可愛いのはもちろんですけど、素直になれない所とか少しずつスタプリのメンバーに心を開いていく姿はとても良かったです!そしてアイワ―ンとの和解、レインボー星の復興を手伝う仲になるところも……一人の宇宙人としての成長も素敵です。こっちも登場は先……と、言うか多分最終回終わってからになると思うんで、気長に待って下さい!では最後に……二人共、誕生日おめでとう!


第三十一話:音楽の力!プリキュア・スペシャルセッション!

調べの館 館内 

 

side:駆

 

ドド! レレ! ララ! ドド!

 

響・奏・エレン・アコ『『『『レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!』』』』

 

 ドリー、レリー、ラリー、ドドリーの4人が彼女たちの持つアイテム”キュアモジューレ”に装着される。そして4人はト音記号を描き、モジューレの下部にあるスイッチを掌で押し込む。すると、装着したフェアリートーンがモジューレの中に入り込み、その中から輝く”ト音記号”が現れ……その輝きが4人を包んでいく。多分、それぞれのカラーと思わしきリボンが彼女たちの身体へと巻き付き、それが衣装へと変わる。

 

ド!レ! ミ!ファ! ソ!ラ! シ!ド!

 

 最後に身に着けたイヤリングが、ドレミファソラシドと素敵な音色を奏で……彼女たちの変身は完了する。

 

メロディ「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

リズム「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

ビート「爪弾くは魂の調べ!キュアビート!」

 

ミューズ「爪弾くは女神の調べ!キュアミューズ!」

 

スイートプリキュア「「「「届け!4人の組曲!スイートプリキュア!」」」」

 

 スイートプリキュアさんの変身が完了したのを確認し、僕らも変身を開始する。

 

駆・種・旭『『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』』〈タップ〉

 

シード「「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」」

 

ザート「未来へ芽吹く、奇跡の苗!キュアザート!」

 

 変身を終え、名乗りをあげようとするとザートが僕たちを見てくる。

 

シード「……どうしたの、ザート?」

 

ザート「……私、本当に名乗っていいのかな?」

 

シード「勿論だよ!ザートは……僕たちの仲間なんだから!」

 

ザート「ッ!!……うん!偽りの闇に消えた光を!」

 

シード「「正しき歴史へ紡ぐ使者!」」

 

シード・ザート「「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」」

 

 7人の変身が完了したのを確認するマーネル。そんな彼女はスカートのポケットから何かを取り出す……それには見覚えがあった。なぜなら、ついさっきまで僕の腕にくっ付いていたものだったからだ。

 

マーネル『長い変身をどうも~……うふふっ!それも無駄になるんだけどね!!いでよ!ネガトーン!』

 

ネガトーン『ネガトー――ン!!』

 

 音符はマーネルから発した黒いオーラを受けて黒く染まると、地面に落ちた”カップケーキ”と一つとなり、ネガトーンと言う怪物へと姿を変える……もちろん、これだけではない。マーネルはすでにそのネガトーンに向けて、日傘の先端を向けている……ガンサークにするつもりなのだ。

 

マーネル『スイートプリキュア♪の歴史を真似て……奪え!ガンサーク!!!』

 

Gネガトーン『ガンサ~クネガトーーーン!!!』

 

メロディ「な、何をしたの!?」

 

ビート「ネガトーンがパワーアップした!?」

 

 初めて見るガンサークに驚くスイートプリキュアさん。それを落ち着かせるために、僕たちは対処方法を素早く説明する。

 

シード「あれは”ガンサーク”、ネツゾーンが使う怪物で各時代の怪物をパワーアップして生み出しているんです……でも、安心してください。僕たちヴァールハイト・プリキュアはあのガンサークにダメージを与えられます」

 

リズム「シード達がダメージを与えられるってことは……その逆で、私たちの攻撃は効かないって事?」

 

ザート「うん……でも、動きを止めるくらいはできる。だから、サポートをお願い!」

 

ミューズ「分かったわ!」

 

シード「説明、お終い!それじゃあ、みんな……いっちゃうよ!!!」

 

 ネツザーン幹部”マーネル”の生み出した”Gネガトーン”に対し、スイートプリキュアさんと新生ヴァールハイトプリキュアの二組……この時代を守る戦いが、今幕を開ける!

 

 

side:キュアシード

 

マーネル「な~んだ……”ハートのト音記号”も伝説の楽譜の音符と同質と思ったのに、”変身が解けない”ってことは、やはりそれだけは別格って訳……まあいいわ、どっちにしろこれでスイートプリキュアは足手まとい、問題は”アカシックのプリキュア”だけ……ガンサクネガトーン!まずはアカシックのプリキュアをやりなさい!!」

 

Gネガトーン『ネ―――――ガッ!!』

 

シード「やらせないよ!!たりゃーーーーー!!!」

 

ボムッ!

 

シード「へっ?……うにゃぁぁぁぁぁ!?」

 

メロディ「シード、大丈夫!?」

 

ビート「今、攻撃が弾き返されたみたいだった!」

 

ザート「カップケーキをベースにしてるから……ふわふわの生地ではじき返されたのかも!」

 

 Gネガトーンのパンチに攻撃を仕掛けたけど、私のパンチは効かなかった。何故なら、私のパンチがGネガトーンの放った拳に沈み込み、弾き返されてしまったからだ。その事を分析してくれたザートはそれに対抗すべく行動を起こす。

 

ザート「物理がダメなら……いって!!!」シュンッ!

 

Gネガトーン『ガンサーーーク!!』

 

リズム「やった!物理攻撃がダメでも、ビームみたいな攻撃は効くみたい!」

 

ミューズ「分かったわ!でも、館の中でむやみに大きな攻撃は出来ない!パイプオルガンもあるし……一旦、あのネガトーンを外に出しましょう!」

 

 確かにこの館内での大型の攻撃は、周囲に被害が出るかもしれない。それにミューズは私たちの後ろにあるパイプオルガンを気にしているみたいだし……多分、あれが重要なものなのかもしれない。でも……どうやって大きいGネガトーンを外に出すのだろう?ドアから追い出すにしても、大きすぎて入り口壊しちゃうし……どうしたらいいの?

 

ザート「……私が何とかしてみるよ」

 

リズム「えっ?でも……あんなに大きいのよ?」

 

ビート「出来るの……ザート?」

 

ザート「うん……任せて!」

 

マーネル「何をするつもりか知らないけど……いいわ!やってみなさいよ!!」

 

 ザートが何かをしようとしている……もしかして!

 

ザート「いくよ……プリキュア!アーク・レイ・ザート!!」

 

マーネル「ッ!?ガンサクネガトーン、守りなさい!!」

 

Gネガトーン『ネガトーーーーーン!!!』

 

ザート「ふふっ!守らなくていいわよ……狙いは”そこ”じゃないから!」

 

マーネル「何っ!?なっ!ガンサクネガトーンの後ろ!?」

 

 ザートが放ったAqライトの砲撃……それに対して防御の態勢に入るGネガトーンだが、その砲撃はGネガトーンの横をすり抜けて後方に”黒いの穴”を作り出す。

 

ザート「シード!思いっきり押し込んで!!!」

 

シード「ッ!?で、でも……どうやって!?パンチじゃダメなんだよ!?」

 

駆(”直接”殴らなければいいんだ!ストライクシードを”放たないで”叩き込む!!)

 

シード「そっか!!それじゃあ……プリキュア・ストライクシード……」

 

 右の拳の前にエネルギー弾を形成するシードは、その状態を維持したまま……。

 

シード「「スマッシュ!!!」」

 

Gネガトーン『ネガ~~~~~!?!?!?』

 

その一撃を、Gネガトーンに叩き込んだ。黒い穴に飲み込まれたGネガトーンは、館の外に出来上がったもう一つの黒い穴から出て来る。これは、旭ちゃんが普段使っていた”空間移動”の応用だろう……あの大きなGネガトーンを館から追い出すために、Aqライトで作った次元の穴を使って移動させたんだ。

 

ザート「はぁ……はぁ……あの大きさの穴を作るなんて初めて……はぁ……はぁ……こんなに……消耗するんだ……」

 

シード「ザート、大丈夫!?」

 

ザート「あの大きさは流石にきつかったけど……うん、大丈夫!援護くらいは出来るから!行って、シード!みんな!!」

 

メロディ「ザートが頑張ってくれたんだもん!私たちもそれに応えないとね、リズム!」

 

リズム「そうね、メロディ!」

 

 私たちはザートの作ってくれたこの機会を無駄にしないために、一斉に外にいるGネガトーンの元へと向かう……そして、各々は自分たちの攻撃の準備を開始していく。

 

メロディ「奏でましょう、奇跡のメロディ!〈ミラクルベルティエ〉!おいで、ミリー!」

 

リズム「刻みましょう、大いなるリズム!〈ファンタスティックベルティエ〉!おいで、ファリー!」

 

ビート「弾き鳴らせ、愛の魂!〈ラブギターロッド〉!おいで、ソリー!チェンジ、ソウルロッド!」

 

ミューズ「おいで、シリー!シの音符のシャイニングメロディ!」

 

シード「よ~し!私も!!」

 

それなら……私たちにお任せなのです!

 

駆(えっ?今の……えみるちゃん?)

 

アムール(私もいますよ……”これ”を使ってください!)

 

マシェリ(良いですか、駆さん。使う時は……ギュイーンとソウルをシャウトさせるのです!)

 

〈ツインラブギター…プリプリブート!〉

 

シード「へっ?なんでツインラブギターが……しかも”二本”も」

 

エール(マシェリ、私たちも!)

 

アンジュ(一緒にやろう!)

 

エトワール(そういう事!いくよ!)

 

〈メロディソード…プリプリプリブート!〉

 

スカーレット(わたくしもいきますわ!駆、バイオリンもまた”心”で弾くのです……あなたの音を信じなさい!)

 

〈スカーレットバイオリン…プリブート!〉

 

ハニー(私たちも行きましょう、フォーチュン!)

 

フォーチュン(そうね、ハニー!)

 

〈トリプルダンスハニーバトン…プリブート!〉

〈フォーチュンタンバリン…プリブート!〉

 

シード「えっ!?えっ!?どんどん出てくる!?私、プリキュアイテムアプリ操作してないよ!?なになにな~に!?」

 

駆(これって……”楽器”か?……なるほどね、分かりました!)

 

 プリキュアイテムアプリから、どんどんアイテムがプリブートされていく。この状況に種は戸惑い始めるが、プリキュア達の声が聞こえる駆は落ち着いていた。空中に浮いているアイテムを見て駆は考え……そして分かった。このアイテムたちには共通点がある……それは”楽器”であること。どうしても出せない”マジカルラブリーハープ”を除けば、この場に出せる全ての楽器関係になれるアイテムたち……これに気付いた駆は、心の中で笑った。

 

コルーリ「これは……なんですか?一体なにが……?」

 

ハミィ「すごいニャ!キラキラの楽器たちニャ!」

 

駆(よし……種、スイートプリキュアさん達と心を一つにするんだ!最高のコンサートの始まりだよ!!)

 

シード「コンサート?……そっか!このアイテム、全部”楽器”なんだ!!そうと分かれば……皆、合わせるよ!!!」

 

スイートプリキュア「「「「オッケー!!!」」」」

 

 スイートプリキュア4人とシードのセッションが始まる。

 

メロディ・リズム・ビート「「「駆けめぐれ、トーンのリング!」」」

 

メロディ・リズム「「プリキュア・ミュージックロンド!」」

 

ビート「プリキュア・ハートフルビートロック!」

 

ミューズ「プリキュア・スパークリングシャワー!」

 

シード「「プリキュア・ヴァールハイトコンサート!スペシャルセッション!!!」」

 

Gネガトーン『ガンサーーーーーク!?!?!?』

 

 メロディ、リズム、ビートのエネルギーリング、ミューズの音符型の泡、そしてシードが出した時代の異なるプリキュア達のアイテムから光のビームが放たれる。その光に包まれたGネガトーンは、浄化はされないものの動きを止めてします……今がチャンスだ!

 

駆(種、アストラル・シードでいこう!完璧に倒し切らないと!!)

 

シード「ッ!?お、お兄ちゃん……大丈夫なの?」

 

駆(前回の時代で改良済みだし……大丈夫、問題はないよ。それにアストラル・シードの方が種に主導権が移るから、Aqライトの暴走の危険も少ない……そっちの方が安全なんだ)

 

シード「……分かった、いくよ……とりゃ!」

 

シード・駆『『プリキュアプリケーション!アップデート!!』』

 

スーパーQaライト:アクティベーション……〈Ready?〉

 

シード・駆『『インストール!!!』』〈タップ〉

 

A・シード「「輝く種から花開け!未来を照らす星の種!キュア アストラル・シード!」」

 

 久しぶりのアストラル・シード……ドキドキ!プリキュアさん達の時代だと欠点があって長時間戦えないってことが分かったけど、何か変わったのかな?

 

メロディ「な、何あれ!?」

 

リズム「綺麗……!あれってシードなのよね?」

 

ビート「すごい光の力を感じるわ……どんなことが出来るのかしら?」

 

ミューズ「クレッシェンドトーン以上の力……キュアシード、あなたは一体……?」

 

マーネル「キュアシードがパワーアップした!?くっ!!ガンサクネガトーン、何かする前にキュアシードを止めるのよ!!!」

 

 私に向かってくるGネガトーン。私はGネガトーンが私のパンチの射程に入るのを待ち……射程に入った瞬間……!

 

Gネガトーン『ネガァァァァァァッ!!!!』

 

A・シード「おりゃーーーーーーー!!!!!」

 

 思いっきりのパンチをGネガトーンに撃ち込む……もちろん、弾力があるから効かないのは分かってる。でも……アストラル・シードには!!!

 

A・シード「お兄ちゃん!!」

 

駆『射程拡張っ!!!』

 

Gネガトーン『ガッ!?ガンサ――――――ク!?!?』

 

 アストラル・シードにはパンチの射程を伸ばす機能がある。スーパーQaライトによって拡張されたパンチは、弾力によって先に弾かれる前にGネガトーンを上空まで押し出していく。

 

駆『よしっ!!スイートプリキュアさん、もう一回セッション……お願いします!!種、僕たちも浄化技だ!!!』

 

A・シード「おっけー!お兄ちゃん!!とりゃっ!!!」

 

スーパーQaライト……フルチャージ!〈プリキュアップ!!!〉

 

駆『プリキュアプリ!アップデート!!』

 

A・シード『インスト―――ル!!!』〈タップ〉

 

 私たちは浄化技の態勢に入ると、スイートプリキュアさんも合体浄化技の準備を始める。

 

スイートプリキュア『『『『出でよ、全ての音の源よ!』』』』

 

 なんか綺麗な”箱”が現れると……その箱が開き、8つのフェアリートーンがそれぞれの色を箱に込める……そして鍵盤をなぞると中から、羽が生え、王冠を身に着けた金色の”フェアリートーン”が現れる。

 

スイートプリキュア「「「「届けましょう、希望のシンフォニー!」」」」

 

スイートプリキュア「「「「プリキュア・スイートセッション・アンサンブル・クレッシェンド!」」」」

 

 Gネガトーンへと伸びる鮮やかな鍵盤の道を、金色のフェアリートーン”クレッシェンドトーン”の金色の光と共に進んでいく。

 

A・シード「お兄ちゃん……私たちも!!」

 

ザート「あら……私を忘れてるよ、シード」

 

駆『ザート!……いけるの?』

 

ザート『ええっ!!プリキュアプリ!インストール!!!』〈タップ〉

 

 ザートも揃い、私たちも準備万端!私はアストライク・ヴァールハイトを放つためにスーパーQaライトを溜め始めると……なんとエネルギー弾が”5発”出来てしまった。……えっ!?待って!?私……五回もスキャンしたっけ!?

 

駆『あっ!そうだ、言ってなかったね。今度から5発が”標準”だから……これで合ってるよ!』

 

A・シード「はぁ~~~~~!?エネルギー処理できなかった矢先になんてことしてるの、お兄ちゃん!?これじゃあ、改善になってないじゃん!!」

 

駆『う~ん……まあ、撃てば分かるよ』

 

A・シード「え~……まあいいよ。これで倒せばいいんだもんね……それじゃあ、ザート、一緒に撃つよ!!」

 

ザート「ええっ!!」

 

 私たちはそれぞれ溜めたエネルギー弾を上空のGネガトーンに向ける。

 

ザート「プリキュア!アーク・レイ・ザート!!!」

 

A・シード「プリキュア・アストライク・ヴァールハイト!!!」

 

メロディ「みんな、仕上げだよ!せ~のっ!!」

 

「「「「「フィナーレ(だ)!」」」」」

 

Gネガトーン『ケッサ~~~~~ク///ネガ……zzZ』

 

 スイートプリキュアさんの突撃、ザートと私たちの浄化技が当たり、見事Gネガトーンの浄化に成功する……それにしても、アストラル・シードの変身が強制解除されない!えっ!?本当にお兄ちゃん改良したんだ!!

 

マーネル「チッ!!アカシックのプリキュア!!邪魔をしやがって……!!!まあいいわ、今回の秘策が失敗だったのはあたしのせいだし……でも!!次は……次はお前たちを消してやる!!!そう……愛しのカイザーン様のためにね!!!!」

 

ザート「……逃げたみたいね」

 

 マーネルは次元の穴を開いて、その中へと消えてしまう。何とか今回も一先ずの危機は回避できたみたい……でも、まだ固定化してないんだよね。

 

ハミィ「みんな、お疲れ様ニャ!」

 

コルーリ「お疲れ様でした、皆さん。シード、アストラル・シードになったんですね……あの、浄化技が5発に見えたんですけど……変身は解けないんですか?」

 

駆『えっとね……その説明は長いから後で話すよ。取り合えず、変身を解こうか』

 

 おにいちゃんの言葉に従い、みんな変身を解除する。はぁ……疲れちゃった……。

 

種『お兄ちゃん、主導権をそっちに渡すよ』

 

駆「分かった……お疲れ様、種」

 

 お兄ちゃんに主導権を渡し休もうとすると、お兄ちゃんは何かを見つけたのか空を見ている。

 

種『お兄ちゃん、どうしたの』

 

駆「あれ……黒い音符だ。そうか……マーネルが使ってた……」

 

 お兄ちゃんはどうやら、マーネルがネガトーンを出す時に使った音符を見つけたから、空を見ていたらしい。お兄ちゃん、本当に見えてるのかな……不思議でならないが、お兄ちゃんは空中に浮いているらしい”黒い音符”を掴もうとする。

 

音吉「触っちゃいかん!!!」

 

駆「えっ?」ギュッ!

 

 自宅からおじいちゃんたちの写真を取りに帰っていた音吉さんが戻って来ており、お兄ちゃんが黒い音符を掴むのを止めようとする……しかし、それはもう遅く、お兄ちゃんは黒い音符を掴んだ後だった。

 

音吉「早く離すんじゃ!!……ッ!?不幸の気配がない……”浄化されとる”」

 

ハミィ「本当ニャ!駆も音符を浄化できるニャ?」

 

駆「出来る訳ないだろう……まあ良いです。ハミィ、音符をフェアリートーンにしまいなよ」

 

ハミィ「駆、ありがとうニャ!」

 

 音吉さんのあの様子……不幸の気配を直接触っちゃいけなかったんじゃないの?だって……ネガトーンにするのにあのままの状態で物にくっ付けてたし、少しでも違ったらお兄ちゃんはどうなっていたの?……ううん、そもそも……お兄ちゃんはどうして”浄化出来たの”?メディカルチェックでは異常がなかったけど、やっぱり……お兄ちゃんに何かあるんじゃないの?お願いだから……これ以上、お兄ちゃんを”何か”にしないで欲しい……私は心の中で、強く願った。

 

 

調べの館 館内

 

side:駆

 

音吉「本当に……何ともないんじゃな?」

 

駆「はい……ご心配ありがとうございます。あの……それで例の写真は?」

 

音吉「ああ、あったぞ!ほれ……」

 

駆「この人たちが……」

 

種『”おじいちゃん”と”おばあちゃん”……なの?』

 

 音吉さんから渡されたのは、少しだけ古ぼけた写真。写っているのは三人、今よりも若い音吉さんと……二十代ほどの男女。どこか僕に似ている顔の男性はスーツを着ていて、種に雰囲気が似ている女性はワンピースを着て、長い黒髪が腰まである……二人の左手の薬指には指輪がはめられており、どうやら結婚した後のようだ。

 

響「ホントだ!駆君そっくり!」

 

奏「この男の人、かっこいいわね……隣の女の人も素敵だし、お似合いの夫婦ね!」

 

エレン「音吉さんが若いわ!」

 

アコ「1982年……三十年近くも前の写真だもの」

 

音吉「はっはっは!儂も随分と年を取ったもんじゃ!」

 

 スイートプリキュアさん達が様々な感想を述べている中、コルーリだけ何か考える様に写真を見ていた。

 

コルーリ「この人たち……どこかで……」

 

駆「……? コルーリ、知ってるの?」

 

コルーリ「え?えっと……はい、どこかで会ったような気がするんですが……思い出せないんです」

 

種『お兄ちゃんにそっくりなんだから、会ったことあるって勘違いもするんじゃないの?』

 

旭「そうだね……髪色以外、殆ど同じ……まるで生き写しみたいだしね」

 

コルーリ「そう……なんでしょうか?」

 

 コルーリの疑問は解決しなかったが、それよりも……もう少しおじいちゃんたちの事が聞きたい。

 

駆「音吉さん、おじいちゃん達の事……もっと教えていただいても良いですか?」

 

音吉「ああ……構わんとも」

 

 

1980年 加音町 調べの館

 

音吉『う~ん……ズレとる』

 

バンッ!

 

茶髪の青年『あ、あの!ここに”調辺 音吉”さんはいらっしゃいますか?』

 

 儂はノイズのと戦いを終え、隠居してこの世界にやってきてから少し経ったときの事じゃ。この後ろにあるパイプオルガンを完成させるために作業しとった儂の元に、まだ若い青年が訪ねて来た。

 

音吉『なんじゃ、騒々しい……ん?お前さん、ここらじゃ見ない顔じゃな……儂が”調辺 音吉”じゃが、儂に何か用かね?』

 

茶髪の青年『あ、あなたが!!あ、あの!僕、ここら辺一帯の楽器屋を回って……すごい”調律師”がいるって聞いて来たんです!!僕……”調律師”になりたくて……だから、弟子入りしに来ました!!!』

 

音吉『ふむ……確かに儂はここいらで楽器の調律をしておるがの……別に”調律師”という訳ではないぞ』

 

茶髪の青年『えっ!?で、でも……噂があるんです!加音町の楽器の音色を素晴らしいものにする”調律師”がいるって!!』

 

音吉『……まあ、所詮は噂じゃからな……』

 

 儂の言葉を聞いて落ち込んでおったんじゃがな……それでも、彼の目は本気じゃった。”夢を叶えたい”と願う真剣な目……儂はその目に心打たれての……。

 

音吉『……まあ、暇な時間でよいなら、調律を教えてやらんでもないがな』

 

茶髪の青年『ほ、本当ですか!?か、感激です!!』

 

音吉『……で、お前さん……名前は何というんじゃ?』

 

進武『ッ!?し、失礼しました!僕は”時生 進武《ときお すすむ》”と言います!今年から音大に通う大学一年生です!!』

 

 それこそが……儂が進武君と出会ったきっかけじゃった。それからと言うもの、大学の空き時間や儂の暇な時間を使って、彼は”調律”を学んでいった……その才能は儂をも超えるかもしれんほどでのう、何より”耳”と”目”が良かったんじゃ。音を決して聞き違えず、些細な弦や金属の動きを見落とさない……素晴らしい”調律師”へと成長していった。……そして、それから2年程しての……”彼女”を連れて来たんじゃ。

 

 

1982年 調べの館

 

進武『お、音吉さん!』

 

音吉『なんじゃ、進武君?そんなに慌てて……ん?そちらのお嬢さんは?』

 

進武『音吉さん、前に……告白したい人がいるって話したじゃないですか。それで……無事、お付き合い出来て……け、け、結婚しました!!!』

 

音吉『な、なんじゃと!?』

 

進武『そ、それで……僕の師匠と言うべき音吉さんに、つ、妻を紹介したくてお連れしたんです!”廻《めぐる》”……この人が僕がよく話す”音吉さん”……僕の尊敬する方なんだ!』

 

 進武君は、在学中じゃったがその実力もあって調律師として現場で活動しとった。そんな彼が見つけたのがピアニストであった廻さんだったんじゃ。

 

廻『と、”時生 廻《ときお めぐる》”です……夫からよく話は聞いております』

 

音吉『進武君が話しとった子じゃな!黒髪が綺麗で、素晴らしい音を奏でる人だと聞いておるよ!』

 

廻『進武っ///!!そ、そぎゃんこと言うとったと///!?』

 

進武『め、廻っ!標準語!!博多弁が出ちゃってるから!!!』

 

廻『ッ!?す、すいません……取り乱しました///』

 

 なんでも二人は中学生の時の同級生で、お互い違う道を進んどったらしいんじゃが……たまたま音楽の現場で出会ったらしい。それから進武君は彼女の”音”に惚れ、告白したらしい……じゃが、驚きなのは廻さんの方なんじゃよ。廻さんは中学生の時、転校生だった自分に優しくしてくれた進武君が”当時から”好きじゃったんじゃと……音楽によって結ばれた素敵な再会だったわけじゃ。

 

 

2011年 調べの館

 

side:駆

 

音吉「そして、その時に撮った写真がこれじゃ。この一年後、二人には男の子が出来た……それが”歩夢君”……君のお父さんと言う訳だ」

 

駆「そんな事が……あったんですね」

 

響「音楽が結び合わせた再会……すっごい素敵じゃない、奏!」

 

奏「本当ね!ああっ!!私も王子先輩と……きゃあ~~~///!!!」

 

種『おじいちゃんとおばあちゃん……そんなに素敵な出会いしてたんだ!ステキ!ステキ!!』

 

 おじいちゃんとおばあちゃんの思い出……その一部に触れることが出来た。生まれた時にはもういなかった時生の祖父母……お父さんにも教えてもらえなかったそんな二人の”歴史”……それをこんな形で知ることが出来るなんて思わなかった。

 

音吉「確か……今は進武君の実家がある”小泉学園町”に住んどったはずじゃが、二人とは未来で連絡は取っておるのかい?」

 

駆「・・・・・・」

 

種『お兄ちゃん、話すの?』

 

 音吉さんは知らないんだ……おじいちゃんとおばあちゃんが事故で死んでしまった事を。でも、事故があったのは2005年だから離しても問題ない……ただ、それで音吉さんはショックを受けるのではないだろうか?しかし……もしも僕なら、そんなに大事な事実を隠すなんて出来ない。

 

駆「……落ち着いて聞いて下さい。おじいちゃんとおばあちゃんは……2005年に事故で亡くなっています」

 

音吉「ッ!?……そうか、通りで年賀状も届かんわけだ。ありがとう……話してくれて」

 

駆「ッ!!……はい」

 

 ”真実”……それは本当に正しいのか?誰かの心を苦しめるかもしれないのに……現に音吉さんは感謝はしてくれたけど、すごく落ち込んだように見える。でも……だから”嘘”をつくべきなのか?違う……きっと違う……何が正しい?僕の行いは正しい?”真実”は正しい?”嘘”はいけない?……分からないよ……何にも。

 

音吉「その写真は君にあげよう。きっとその方が……進武君も喜ぶだろう」

 

駆「……ありがとうございます」

 

奏「……ねえ、良かったらこの後、私の家に来ない?カップケーキ……そっちでご馳走するから!」

 

ハミィ「やったニャ~!駆、一緒に行こうニャ!!」

 

音吉「……行っておいで、駆君」

 

 音吉さんの優しい微笑みが悲しみを忘れるようとしているように見える……だから僕は音吉さんに掛ける言葉が出てこなかったため、その言葉に従う様に僕は頷いた。

 

響「よっし!それじゃあ行こう!」

 

エレン「オッケー!ハミィ、こっち来て」

 

アコ「……行くわよ、駆」

 

コルーリ「カケル、無理は……」

 

駆「ううん、大丈夫……行きましょうか!おすすめ、教えて下さいね!」

 

 僕は……また自分の心を偽って笑う。……全く、本当に”ヴァールハイト(真実)”が聞いて呆れるな。

 

 

side:マイナーランド

 

ノイズ『ピー……』 

 

ファルセット「どうされました、ノイズ様?」

 

 あの人間の少年……奴は何だ?不完全態ではあるが、この私を……”宇宙全ての悲しみ”から生まれた私を”取り込もうとした”。私すら恐怖するほどの”絶望”……一体、あの少年はなんだ?奴は……本当に人間なのか?

 

マーネル「やっと……見~つけた!」

 

ファルセット「何者だ!?ノイズ様の御前だぞ!!」

 

 いつの間にか現れた女……確か、プリキュア達と戦っていた女だったはずだ。何故こいつがここにいる?

 

マーネル「前回の反省を兼ねてね、今度はちゃんと考えたのよ……ハートのト音記号は”伝説の楽譜”の中にあった……それで前回は”音符の存在”をガンサークに変えた。けど、それではスイートプリキュアを再起不能に出来なかった……なら、今回は全ての音符が入っていた”伝説の楽譜”を改竄しようと思ったの!!だから……楽譜を頂きに来たって訳!!!」

 

ファルセット「ふざけたことをっ!!!……なっ!?」

 

マーネル「最初に言っておく……抵抗は……」

 

デリート『デリ~~~~~ト!!!!!』

 

ファルセット「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

バクッ!!!

 

マーネル「無用よ!!!」

 

 ファルセットを飲み込んだのは……あの黒いカエルもどきか?ならば……!

 

ノイズ『ピ――――!!!』

 

バスドラ「ノイズ様!一体……何だこの女は?」

 

バリトン「どうやら……ファルセットは倒されてしまったようだな。しかし、私たち二人を相手に……わあ~~~!?」

 

バスドラ「どうした、バリトン……なあ~~~~~!?」

 

デリート『喰ワセロ……喰ワセローーーーー!!!!!』

 

バスドラ・バリトン「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」

 

バクッ!!!

 

デリート『モグッ……ベッ!!』

 

マーネル「さあ……後はあんただけよ、小鳥のノイズちゃん♪」

 

ノイズ『ピー……』

 

 どうやら……奴らの方が上手の様だ。そうだな……こいつらを利用するのもいいかもしれない!

 

ノイズ『ピー――!!!』

 

マーネル「へえ……潔く渡してくれる訳。でも……その顔は何か見返りが欲しいって顔ね」

 

ノイズ『ピーッ!』

 

マーネル「うふふっ!気に入ったわ!!それじゃあ、ノイズちゃん……あんたも一緒にやりましょうか♪」

 

ノイズ『ピッピッピー――――!!!』

 

 世界を不幸で満たす……手段は問わない。どんな方法であろうとも……この世界から耳障りな音を消し去れるなら、私はどんな手段でも取ろう。それが、未知の組織であろうとも……最後には私が止めてしまえばいいだけだからな!!

 

マーネル「待ってなさい、キュアシード!今回こそ……あんたの最後だ!!!』

 

 マイナーランドの空間に響く鳥の声。世界を静寂にしようとする”悲しみの結晶”と歴史を改竄しようとする”ネツゾーン”……二つの脅威がプリキュア達へと迫る。

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?今回は別時代のプリキュアまで出てきて少し豪華になりました!こう考えると、結構な量の楽器系アイテムありますよね。確か、最初に出た楽器系アイテムって……フレッシュだったと思うんですけど、何でベリーだけソードだったのか?囮にする印象が強すぎるキュアスティックこと”ベリーソード”……あれは楽器カウントで良いのだろうか?まあいいや、次回はスイートプリキュア達との加音町の観光。私立アリア学園中学校にも潜入する駆達、そこで会ったのは”王子”と”聖歌”!楽しい観光……出来るかな?乞うご期待ください!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。