ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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Yes!プリキュア5GoGo!編、今回は駆がプリキュア5の皆といろいろな場所を巡ったり、駆だけどこかに行ったりとします。すみません、夜勤で疲れて投稿が遅くなってしまいました。その上文章量も多いし、負でも進まないと言う悪循環でしたが、なんとか形にしました!では、お楽しみください!

ヒーリングっと♡プリキュア……完結おめでとう!コロナとの戦いの中での一年間だったけど、心の支えでもあり、皆に笑顔をたくさんくれた最高の作品でした!ヴァールハイト・プリキュアへの登場はまだまだ先……だけど、この作品でも会えるように頑張ります!それはそれとして、もうすぐこの作品も一周年……と、いう訳で一周年の特別編を製作することにしました!と言っても、物語ではなくて駆達の設定やヴァールハイト・プリキュア”終了後に書こうと思っている”次回作”のプリキュアを登場などを書こうと思っています。来月も忙しいので、頑張りますです!


第四十八話:駆とのぞみの二者面談!バラと鏡に迷い込む!?

駆の夢の中

 

side:駆

 

駆(ん……また、こんな感じの……”夢”か)

 

 僕は……暗い空間の中で目を覚ます。デスパライアさんの時と同じような夢をみているようだ……でも、ナイトメアの世界のように建物はない。何もない……どちらかと言うと、ここは”世界”と言うより、そこに向かうための”道”の様だ。

 

ヒラッ……ヒラッ……

 

駆(白い蝶が僕の夢の中に……どこかに向かおうとしているのか?)

 

 白い蝶は暗闇の奥へと向かって行く……ああ、なんとなく分かった。その奥で……また誰かが待っているんだ。進まない訳には……行かないな。

 

駆(僕を……今度は何処へ導いてくれるんだろうな)

 

 さあ、進め!僕を待つのは……誰なんだ!

 

 

??????????

 

駆「んっ!?……あ、うわぁ……!ここは……”バラ園”?」

 

 暗闇を通り抜け、白い蝶に導かれた僕がいたのは……色鮮やかなバラが咲き誇る”バラ園”のような場所だった。それにしても……”ナイトメアの世界”やこの”バラ園”はあまりにも現実味がある。本当に……ここにいるみたいだ。

 

ヒラッ……ヒラッ……パタ……

 

駆「白いバラ?それが……気に入ったのか?でも……小さいバラだな……それに所々の花びらが枯れそうになっている」

 

 白い蝶は、バラ園を飛び回っていると……一輪の”白いバラの花”に止まる。隣に咲いている……小さいけど綺麗な”赤いバラ”と比べると、その白い花は……それよりも小さく、少し枯れていて……この綺麗なバラ園の一輪にしては”相応しくない”ように感じる。

 

そのバラは、病気で今も苦しんでいる”男の子”のバラです

 

駆「誰だっ!?何処にいる!?」

 

 このバラ園に誰かいるのか!?僕はそう思い周囲を見る……人が隠れることが出来そうなのは、あの中央にある”ガゼボ”(西洋風の東屋)みたいなところしかないけれど……。行ってみるか……そう思って僕はガゼボへと向かう。

 

駆「……えっ?花の……プリンセス?」

 

フローラ「いいえ……私は”フローラ”。この”キュアローズガーデン”の管理者です」

 

駆「キュアローズガーデン……?」

 

 そこにいたのは、桃色のロングヘアにティアラを身に着けた女性。どこか……種の好きな”花のプリンセス”を思わせる彼女の名は……”フローラ”と言うらしい。さっきの声は彼女のものだ……それにしても、あながち……”花のプリンセス”みたいと言う僕のイメージは外れていないのかもしれない。でも、彼女の言う”キュアローズガーデン”とは……この場所の事だろうが、ここはどういう所なのだろう?

 

フローラ「キュアローズガーデンは”命の庭”……ここにあるバラの全てが世界の”生命”。あなたが先ほど見たバラも、世界に生きる”命”なのです」

 

駆「このバラの全てが……”生命”だって!?……あの、さっき言っていたバラの事ですけど……病気に苦しむ男の子のバラって言ってましたよね。あれも……命なんですか?」

 

フローラ「はい……その通りです。あのバラの隣に咲いていた赤いバラは”男の子の妹”のバラで……二輪のバラの左右に咲く黄色のバラは”子供たちの両親”……このように、ここに咲くバラは全て世界に生きる”命”なのです」

 

駆「信じられない……そんな空間があるなんて。……聞きたい事があります!あなたが僕をここへ導いたのですか?僕が……プリキュアを救っているのを知って」

 

フローラ「いいえ……私はあなたをキュアローズガーデンに導いてはいません。あなたを導いたのは……おそらくあなたが持っている”パルミエの蝶”の力でしょう」

 

 僕を導いたのは……フローラさんではなくて、この”白い蝶”だと言うのか?このキュアローズガーデンに僕を導いたのは……何故?

 

フローラ「それにしても……あなたの存在は”白いバラ”の男の子と同じに感じます。ですが、あなたの中に……”赤いバラ”の少女の命も感じる。いいえ……彼女の命があなたの命を繋いだのですね」

 

駆「それって……!」(あのバラは僕と種の事なのか!?)

 

フローラ「あなたの存在は……不思議ですね。確かに”プリキュア”によく似ている……そうですね、宜しければこれを受け取ってください」

 

駆「これは……花の種ですか?」

 

 彼女が僕に渡したのは、白い殻に包まれた小さな花の種だった。

 

フローラ「そのバラの種をあなたが”心”を込めて育てる事が出来れば……あなたとプリキュアを救う力になるでしょう」

 

駆「……分かりました」

 

フローラ「心には"優しさ"や"憎しみ"があります。どうか……その種があなたの優しさを受けて、綺麗に咲くバラになる事を祈ります。そして……プリキュアの皆さんを、シロップを……お願いします」

 

駆「はい!あ、あれ……?また蝶がっ!?うわぁっ!!!」

 

 白い蝶がまた飛び上がったと思ったら蝶は光を放つと、光が僕を包んでいき……僕は目を覚ました。

 

 

ナッツハウス シロップの部屋

 

駆「はっ!!……はぁ……はぁ……ナッツハウス?あれも……夢……ん?こ、この種は……!」

 

 目を覚ました僕は、昨日泊めていただいたナッツハウスのシロップの部屋にいた。僕が見たのは”夢”だったのかと思った……しかし、僕の手の中にフローラさんから貰った”バラの種”が握られている。つまり……夢じゃないのだ。2008年に来てから……こんな事ばかりだが、この”バラの種”が固定化のアイテム……になるのかな?

 

シロップ「うるさいぞ……あ~……!ん……どうしたんだよ。変な夢でも見たか?その手に持ってるの……バラの種か?」

 

駆「……はい、”フローラ”さんと言う人に貰ったんです……”キュアローズガーデン”と言う所で……」

 

シロップ「キュアローズガーデン!?お、おい!どうやって行ってきた!?」

 

フローラ『駆君、私……バラの種なんて渡してないよ~?』

 

駆「いや……”キュアフローラ”じゃなくて、キュアローズガーデンの”フローラ”さんなんですけど……」

 

シロップ「そんな話はいいから、どうやって行ったのか教えろ!」

 

 シロップだけに話しても、疑問は解決しないだろうし……ココさんやナッツさん、コルーリ達にも話して相談してみよう。僕はそう考えて、シロップさんに皆にも相談することを話し……みんなが集まってから僕はこの事について話す事にした。

 

 

ナッツハウス 二階スペース

 

のぞみ「フローラさんに会ったの!?」

 

駆「はい……キュアローズガーデンと言う所に、この”白い蝶”に導かれて……フローラさんと言う女性と話して、この”バラの種”を頂いたんです」

 

コルーリ「ですが……それはカケルの”夢”だったんですよね。しかし、デスパライアとの件もありますし……」

 

ナッツ「そのキュアローズガーデンに導いたのは、お前がデスパライアから受け取ったと言う”蝶”だと言ったな……4人の国王、ローズパクトもなしに、意識だけをキュアローズガーデンに送り込んだ。信じがたい話だが……この種がある以上、事実だろう」

 

シロップ「だったら、その蝶を使ってキュアローズガーデンに向かおうぜ!その蝶があれば行けるんだろ?」

 

 この蝶にそれ程の力があるのかもしれないが……どうなのだろう?

 

ココ「いや、その蝶だけでは力があるように感じない」

 

ナッツ「恐らく、”駆”と”白い蝶”にある”力の波長”の様なものが重なる事で力を増幅し、シロップの部屋にあったローズパクトに干渉して意識だけをキュアローズガーデンに導いたのだろう。つまり、その蝶の力でキュアローズガーデンに行けるのは……蝶と波長が合う”駆”だけだ。しかも、波長が重なった事に気付いていない様子を見ると、無意識の出来事だ。意識的にキュアローズガーデンにいく事は出来ないだろう」

 

シロップ「そんな……!」

 

のぞみ「大丈夫だよ、シロップ!ちゃんと”パルミン”も集めてるし!」

 

うらら「そうですよ!きっと……キュアローズガーデンに行けるから!」

 

 なんか……僕のせいで重い空気にしてしまったかもしれない。

 

駆「ごめんなさい……僕のせいで……」

 

りん「駆君が謝る事ないって!偶然が重なっただけなんだしさ!」

 

くるみ「そうよ!駆が謝ったってどうしようもないんだから!」

 

こまち「そう言えば……今日は町を案内する予定だけど、どこに行こうかしら?」

 

かれん「こまち……このタイミングでそれを聞く?」

 

 確かに、このタイミングでそれを聞くとは……秋元こまち先生、恐るべし。まあ、いい加減に重い雰囲気の話は嫌だったし、話が逸れて助かったかもしれない。

 

のぞみ「うっふっふ~!私、ちゃんと考えて来たんだ~!みんな、ちゅうも~く!!」

 

駆「えっと……”うららのおすすめの場所”、”りんちゃんのおすすめの場所”、”こまちさんのおすすめの場所”、”かれんさんのおすすめの場所”……最後が”プリンセスランド”で……みんなと楽しく遊ぶ?何ですか、これ?」

 

のぞみ「私が考えた今日の計画表!駆君に私達の好きな所を知って欲しいから、みんなの”おすすめの場所”に行くことにしたんだ~!良い考えでしょ!えっへん!」

 

りん「のぞみ、あんたね~……それ!最後のプリンセスランド以外”ノープラン”じゃないの!!」

 

くるみ「しかも、私が入ってないじゃない!」

 

のぞみ「え~!良い考えだと思ったのにな~……て言うか、くるみはこの町の事そんなに知らないでしょ~!」

 

 夢原先生……そう言えば1年生の時から担任だったけど、社会科見学の時に作ってきた”しおり”の内容も……あんな感じだったな。

 

駆「でも……楽しそうですね。皆さんのおすすめの場所なら、ぜひ……行ってみたいです」

 

のぞみ「でしょ~!そういう訳で!みんなのおすすめの場所を巡って、駆君を楽しませちゃうぞ~!そして、最後のプリンセスランドでみんなといっぱい遊ぼ~!!けって~い!!!あっ!ココとナッツ、それにシロップも行こうよ~!」

 

ココ「分かったよ、のぞみ。ナッツも準備しろよ」

 

シロップ「俺はパス!そんな気分じゃないしな」

 

ナッツ「シロップ、ネツゾーンの脅威があるのと同時に、エターナルの存在のある……寧ろ普段よりも警戒しなくてはいけない」

 

 シロップ……やはりフローラさんの事やキュアローズガーデンの事が気になるのだろう。少し不安そうな表情をしている……ん?うららさん、シロップに近付きだした……何をするのだろう?

 

うらら「シロップ、私……シロップと一緒に、プリンセスランドを回りたいな……」

 

シロップ「ッ!?……しょうがねえなぁ///」

 

うらら「やった!ありがとう、シロップ!」

 

クルッ!

 

駆(ん?うららさんがこっちに振り向いた……何だ?)

 

うらら「えへっ♪」

 

 うららさん……涙目でシロップに近付いて、手まで握って説得したが、振り向いたら満面の笑みで、舌を少しだけ出して、可愛らしく笑ってみせた……これが女優の演技力か。恐ろしいな……”女性”って……。まあそんな訳で、無事に全員で出かける事となった……さあ、僕はプリンセスランドと言う所に行くまでに、どこへ連れてかれるのだろう……不安だな。

 

 

2008年 商店街

 

side:ブンビー

 

ブンビー「はあ~……昨日は散々な目にあった。変な男にいきなり”ホシイナー”を持ってかれるし、そのせいで帰るに帰れないし、”転職”……考えようかな~?」

 

 エターナルのメンバーである”ブンビー”は、昨日遭遇した謎の男……ネツゾーンの幹部”インペイル”によってホシイナーの球を奪われてしまった。それを報告すれば自身の立場が危うくなることを感じた彼は、こうやって帰る事もせず、商店街に備え付けられたベンチに座って……転職しようなどと考えている。

 

ブンビー「う~~~ん……あの男を探してホシイナーを取り返せば問題はないだろうが……あの男、怖かったしな~……それに抵抗したけど、力ずくでねじ伏せられちゃったしな~……ん?お、お前はっ!?あの時のっ!?」

 

 ブンビーはそんな事を考えていると、自分の目の前に何者かの気配を感じる。そう思ってうなだれていた頭を持ち上げると、そこにいたのは……自分が探そうか考えていた”インペイル”だった。昨日の奴とは違って、右手に”真っ黒なカエルのぬいぐるみ”を持っていると思ったが……すぐにその事から意識をそらし、ブンビーはベンチから立ち上がってインペイルに近寄る。

 

ブンビー「探す手間が省けた!ホシイナーを返してもらおうか!!お前のせいで帰れなくなったんだぞ~!!!」

 

インペイル「・・・・・・」

 

ブンビー「おい!私の話を聞いてるのかっ!!」

 

お前、ホシイナーを持ってた奴だな~……。

 

ブンビー「えっ?今……誰が喋ったんだ?”下”の方から聞こえたけど……」

 

ここだよ~……ここ。手の平の上にいるだろ~。

 

 ブンビーは声の聞こえる方へ……視線を下へ、下へと落とす。すると、声の主だったのは……さっき気付いていたけど、気にしようとしなかった”真っ黒なカエルのぬいぐるみ”だった。

 

ブンビー「お、お前が喋ってるのか?ぬいぐるみじゃなくて……」

 

デリート『そうだよ~……俺は”デリート”。そしてこいつは……』

 

インペイル(デリート)「俺が使ってる……”人形”さ~!」

 

ブンビー「ひぃっ!?な、なんだぁ!お、お前……その男を操ってるのか!?」

 

デリート『キヒャヒャ!お前、面白いヤツだな~……気に入った!お前にしよう!!んま~~~~~!!!!!』

 

ブンビー「いやあああああああああああっ!!!!!」

 

バクッ!!!

 

 商店街に響き渡るブンビーの悲鳴。しかし、その悲鳴を聞いて驚く者も……騒ぎ出す者もいない。何故ならそれは……。

 

デリート『やっぱり……普通の人間の記憶を喰っても、腹の足しになんねえな~……まあいいか、腹八分目だ……ベッ!!!』

 

 ”誰もいなかった”からだ。人で賑わうはずの商店街……そこに静寂を作り出したのは、立った一匹の小さな”兵器”。デリートが吐き出したのは大量の”人”や”動物”。誰も騒がないのは……みんながデリートに飲み込まれてしまっていたからだ。

 

デリート『楽しみだな……キュアエクス!お前を喰ったらどんな味がするのかな~!!』

 

 カイザーンにAqライトを与えられ、自身の意志で動き始めた”デリート”。小さな兵器は不気味な笑い声をあげながら……静まり返った商店街を進む。アカシックのプリキュア……キュアエクスの元に向かうために。

 

 

プリンセスランド 入場口

 

side:駆

 

のぞみ「とうちゃ~く!」

 

駆「テーマパークみたいですけど、ここが最後の目的地ですか?」

 

のぞみ「うん!前にここに来た時、コワイナーに襲われて大変だったんだ~!だからもう一回来たかったの!」

 

りん「のぞみ……駆君に町の案内をするのが目的なのに、それじゃあ自分が来たかっただけでしょうが!」

 

のぞみ「だってだって~!プリンセスランドのアトラクション、すっごく楽しいし、駆君も喜ぶと思ったんだもん!」

 

 現在、僕らは最後の目的地……”プリンセスランド”と言うテーマパークに到着した。

 

うらら「のぞみさんらしいですね!そう言えば駆さん、カレー……”あれだけ”で足りましたか?」

 

駆「いや……あれでも結構、食べたんだけど……」

 

りん「でも、良かったんじゃない?もっと食べてたら、”ゆう”と”あい”に走らされた時に大変な目にあってたと思うし」

 

駆「僕も最近は鍛えて体力ついてきましたけど……小さい子の体力にはついていけませんでした。とっても元気でしたね……”ゆうくん”と”あいちゃん”」

 

りん「ウチの弟と妹に付き合わせちゃってごめんね、駆君。でも、駆君が”花”に詳しいとは知らなかったよ!未来のプリキュア?の子が詳しいんだってね~」

 

 ついでに……ここまで来るのに立ち寄った場所はと言うと、うららさんのおすすめの場所は……なんと”カレー屋”だった。”森田 よしみ”さんと言う同級生のご両親が経営するお店で、結構おいしかったので”3杯”ほどおかわりを頂いた。次のりんさんのおすすめの場所は……”実家の花屋さん”だった。品揃えに関しての意見だが、つぼみさん曰く、”とても手入れが行き届いているし、種類も豊富、りんさんのお母様は花の知識もよく知っているのでスゴイ!”との事だった。お店で会ったりんさんのご弟妹こと”ゆうくん”と”あいちゃん”……双子でとってもやんちゃだったな……僕も種と同じように普通に過ごせていたら、あんな風になっていたのだろうか?

 

こまち「お姉ちゃんも駆君の事を褒めてたわ。”ウチの店の職人として雇いたい”って」

 

駆「あれは見様見真似と言いますか……まあ料理で”包み”の工程とかもするので、それで出来た感じですよ」

 

かれん「でも、それだけの料理の経験があるから出来たのよ。そんなに料理やスイーツを熱心に研究しているなんて……将来の夢は”料理人”か”パティシエ”かしら?あ、それとも”音楽家”かもしれないわね。駆君のおじい様とおばあ様は”調律師”と”ピアニスト”なのでしょう?まさかお父様とお母様、じいやまでお二人に面識があるなんて知らなかったわ」

 

駆「えっと……僕もおじいちゃんとおばあちゃんの事をよくは知らないんです。それに……音楽家は目指してないので、楽器とか練習してませんしね」

 

くるみ「料理人なんてピッタリじゃない!今日の朝食で作ったホットケーキなんて絶品だったわ!」

 

シロップ「あれはすごかったな!焼く前の生地に”マヨネーズ”入れた時は何するんだと思ったけどな~……それが焼けたら中はふわふわ、表面もカリッとして!それに付け合わせのベーコンにも驚いたぜ!メープルシロップと以外に合うのなぁ」

 

 えっと……秋元こまち先生のおすすめの場所が”実家の和菓子店”〈小町〉だったので、和菓子作りの体験をさせてもらった。その時に厨房で教えてくれたのが、秋元こまち先生のお姉さんにあたる”秋元 まどか”さんだったのだが、料理の知識がある僕が教わる和菓子を難なく作るので、”ウチで働かない?”とスカウトがきたのだ……勿論、丁重にお断りしている。その後に行ったかれんさんのおすすめの場所……と言うか”かれんさんの自宅”だったんだけど、すごいお屋敷だった。そこで水無月家の執事さんこと”坂本”さんが僕の顔を見て、おじいちゃんの名前を言った時には驚いた。水無月家は音楽家の一家らしく、調律師であったおじいちゃんとかれんさんのお父様と同じピアニストだったおばあちゃんは面識があったらしい。その際に坂本さんもあったことがあるらしい……まあ僕が”孫”だと言う事は誤魔化したけど、色々聞けて良かった。それにしても、僕の将来の夢か……考えてないわけではない。だけど……胸を張って言う程の自信がない。

 

駆「おっと、そろそろ入場しましょう!時間が勿体ないですよ」

 

のぞみ「あっ!そうだね!よ~し、着替えたら広場の所に集合ね!」

 

コルーリ「ドレスを着てテーマパークを楽しむなんて、すごいですね」

 

駆「男性もそれに合わせて”王子様”の衣装を着るらしい……種がいたら喜びそうだな」

 

コルーリ「そうですね……では、ドレスを選んできます!」

 

 このプリンセスランドは”女の子がお姫さまになることが出来る”と言うテーマを元に出来た施設で、ドレスを着て場内を楽しむことが出来るらしい。種のようにお姫様に憧れがある女の子なら……きっと喜んだだろう。……ん?女性のスタッフさんが僕の所に来る……どうしたのだろう?

 

スタッフ「さあ、あなたもドレスを選んできてください。きっとお似合いですよ!」

 

駆「……僕は男です」

 

シロップ「……ッ!!ぷぷっ!!」

 

ココ「あ、あはは……」

 

ナッツ「……はぁ」

 

 はぁ……さっさと着替えよう。

 

 

プリンセスランド 場内広場

 

side:コルーリ

 

くるみ「コルーリ”様”、これでいかがですか?」

 

コルーリ「あ、あの……くるみさん、私は確かに”アカシック女王の娘”だと話しましたが、そのように畏まらなくても結構ですよ。普通のお友達のように接してください」

 

くるみ「そういう訳にはいかないです!パルミエ王国の妖精として、ココ様やナッツ様、パルミエ王国の評価を下げる訳にはいきません!」

 

 私が着たドレスは、駆をイメージした”白”をベースにして”青”をアクセントにしたドレス。くるみさんに準備を手伝ってもらったのだが……昨日の夜に私が”アカシック女王の娘”だと話したら、少しだけ他人行儀になってしまった。ココ様やナッツ様の事を考えており、一国民としての誇りを持っての行動だと思いますけど……元々ただの”一国民”であった私としては、少しむず痒いです。

 

のぞみ「あっ!いたいた~!お~い、ココ~~~!!!」

 

くるみ「ココ様~!とってもお似合いです!!」

 

こまち「ナッツさん、お待たせしました」

 

うらら「あ~!シロップ、その服!とっても似合ってるよ!」

 

りん「わ~お!駆君、結構似合うね~!コルーリ、見てみたら?」

 

コルーリ「・・・・・・わぁ///」

 

 白い王子の衣装を身に纏うカケル……とても凛々しく、美しい。白の衣装とは対照的な彼の”黒髪”のコントラストが、その凛々しさを一層引き立てている。勿論、ココ様やナッツ様、シロップさんの衣装も素敵だと思う……ですが、やはり私の視線はカケル……彼に向かってしまう。どうしよう……心臓の鼓動が早くなる///!顔が……熱い///!!

 

駆「りんさん、ありがとうございます。赤のドレス……よくお似合いですよ。コルーリ……青のドレスじゃなかったんだね。白がメインのドレスか……コルーリの綺麗な青髪がよく映えるし、素敵だよ」

 

コルーリ「は……はい、ありがとうございます、カケル///」

 

かれん「コルーリ、顔が真っ赤よ……大丈夫?」

 

コルーリ「ッ///!?だ、大丈夫ですチュン///!」

 

駆「大丈夫ではないかな……でも」

 

 そう言うと、カケルは私の横に立ち……左腕を私の差し出す。

 

駆「せっかくだし楽しもうよ、コルーリ。さあ、どうぞ……”プリンセス”……なんて、種がこういうのやって欲しいって言ったから覚えたヤツだけど」

 

コルーリ「……うふふっ!では……エスコートをお願いします」

 

駆「勿論……喜んで」

 

のぞみ「わ~!!ココ、私も~!!!」

 

ココ「ああ、姫……お手をどうぞ」

 

 私はカケルと、のぞみさんはココ様と、こまちさんはナッツ様、うららさんはシロップさんと腕を組む。りんさんはクマの着ぐるみを着た方で、かれんさんはくるみさんと手を繋いでいたが……くるみさん、すごい顔でのぞみさんを睨んでいる。さっきの礼儀正しさからは考えられない顔をしていて……少し怖いです。ですが、私達はプリンセスランドの中へと向かって行く……その興奮とカケルと近付いている事による胸の鼓動を彼に伝えるために、私はカケルの腕に……しっかりと抱きついていた。

 

 

プリンセスランド 鏡のアトラクション〈入口〉

 

side:駆

 

のぞみ「駆君、ここの迷路すごいんだよ〜!」

 

駆「鏡の迷路ですか……沢山の鏡を使った視界の錯覚を利用したアトラクションなんですね」

 

うらら「あれ?なんか張り紙がありますよ」

 

コルーリ「"リニューアルしました"……と書いてありますね」

 

りん「あらま……これじゃあ、のぞみがまた迷っちゃうわね〜」

 

のぞみ「りんちゃん、ひど〜い!あの時のビリはココとナッツだったでしょ〜!!」

 

 僕たちがきたのは、鏡による視界の錯覚を利用したアトラクション……"鏡の迷路"。夢原先生達は以前来たことがあるらしいのだが、最近リニューアルしたようだ。

 

駆「へえ、迷路だけじゃなくていろいろな鏡を見ることも出来るようになってるみたいですね」

 

コルーリ「面白そうですね」

 

くるみ「それじゃあ、早速入ってみましょうか」

 

のぞみ「うん!いっくぞ~!!」

 

 こうして僕らは、鏡のアトラクションへと入っていく……さて、どんなのもがあるか楽しみだな。

 

 

鏡のアトラクション 内部

 

駆「横長に見える鏡に、縦長に見える鏡、合わせ鏡……こんなに鏡があったら、ミラーモンスターにすぐにでも襲われそうだな……」

 

やよい(戦え……戦え……)

 

 やよいさん、やめて下さい!それはシャレにならない奴ですよ!……ん?夢原先生がコソコソとこっちにやって来た……どうしたのだろう?

 

駆「夢原先生、どうしたんですか?そんなにコソコソして?」

 

のぞみ「し~っ!……よし、みんな向こうにいるね!駆君、実はちょっと聞きたい事があるんだ~!」

 

駆「聞きたい事……ですか?」

 

のぞみ「うん!駆君は未来だと私の”教え子”なんだよね?未来の私がどんな先生なのか教えて!こまちさんがね、その話を聞くと”タイムパラ何とか”になるから聞いちゃダメよって言うの!逆に気になっちゃうよ!!」

 

駆「”タイムパラドックス”……ですね。まあ、本来知るべきではないのは事実ですよ。だから……知らない方が……」

 

のぞみ「う~~~!」(涙目上目遣い)

 

 やめて下さい……お願いなのでそんな目で見ないでほしい。断わり辛くなるだろ……弱いんだよな、女の子の”涙目”と”上目遣い”、それから”猫撫で声”には……仕方ない。

 

駆「……分かりました。全部は話せないですけど……少しだけなら」

 

のぞみ「ホントッ!?やった~~~!!それじゃあ、早速だけど私は何の先生?駆君にとって私ってどんな先生だった?」

 

駆「分かりました……では、歩きながら話しましょう。初めての出会いは、僕が中学にあがった時の事です」

 

 僕は夢原先生との出会いを思い出しながら、話を始める。

 

 

2018年 4月2日 

 

種(お兄ちゃん、中等部に進級おめでとう!初等部の時に着てた制服よりカッコいいね!お兄ちゃんのカッコよさが十割増しだよ!)

 

駆(ありがとう、種……でも、十割増しは言い過ぎ)

 

 初めての出会いは僕が現在も通っている学園の始業式の日の事です。学校まで向かっている通学路の途中で……僕は夢原先生に出会ったんです。その時は……まだ名前を知りませんでしたけどね。

 

スーツを着た女性『あっ!ちょっと~!!そこの君~~~!!!』

 

駆『……僕?』

 

種(わ~!大人のお姉さんだ~!!でも……なんか落ち着きがないね)

 

スーツを着た女性『その制服って満星学園のだよね!ココが渡してくれた地図が分かりずらくてさ~!!学校の場所を教えてほしいの!!!学校の道ってこっち!?そっち!?どっち~~~!?』

 

駆(……やかましいな)『えっと……この道を真っ直ぐ行くと、大きな建物が”2つ”あります。そしたら右側にある建物に行ってください。左側は”三ッ星大学”で、右側が三ッ星大学付属の小中高一貫校”満星学園”です。満星学園に行くなら……”右側”の建物が目的地です』

 

スーツを着た女性『ありがとう!これで初日から遅刻しなくて済むよ~!!それじゃあ、君も遅刻しないようにね!!!バイバ~イ!!!』

 

 困り顔をしたと思ったら、いきなり笑顔になったり……遅刻しそうなのに、僕の遅刻を心配したり……なんと言うか、最初の印象は”嵐の様な人”と言うのが印象でしたね。

 

のぞみ「あ、あはは……で、でも私、遅刻しないで行けたんだよね?」

 

駆「いいえ、遅刻してましたので……始業式での紹介でいませんでした」

 

のぞみ「嘘~!?なんでなんで~!?」

 

駆「右側の建物って言ったのに……左側の三ッ星大学の方に行ったそうです。話を戻しますね、そして……ちゃんと名前を聞けたのは教室に来てからでした」

 

 

満星学園 1年A組

 

駆「……担任の先生、一向に来ない」

 

種(初日から遅刻する先生っているんだね~……どんな先生なのかな?)

 

遅くなりました~~~~~っ!!!!!

 

 何故か担任の先生が一向に来ず、教室で待たされていた僕たち……その間に仲良くなる者や、静かに待つものが現れ出した頃、教室のドアを勢いよく開けて……先生は入ってきました。走って来たのであろう……セットした髪は乱れ、息は荒くなっていた。

 

シー――――ン……

 

駆(あの人……通学路で会った人だよね?)

 

種(うん、あの時の大人のお姉さん……みたいだね)

 

のぞみ『み、みんな、おはよう!あ、ちょっと待っててね~!……はい!サンクルミエール学園から赴任してきました、”夢原 のぞみ”です!教科は国語で、みんなの担任になりました!!みんなが楽しい一年を過ごせるように精一杯頑張ります!だからみんな、よろしくね!!』

 

 黒板に大きく書かれた名前……”夢原 のぞみ”。僕の知る先生の堅苦しいイメージとは違う、あまりにも自由で、やかましくて、夢がありますよって感じがして……その時の僕が感じていたのは”嫌いなタイプ”って言うのが本音ですね。

 

のぞみ「え~~~!?駆君、私の事……嫌いなタイプだったの!?」

 

駆「ま、前の僕の話ですから……でも、夢原先生は生徒達には人気でしたよ。教頭先生は……夢原先生の遅刻癖のせいで”胃”を痛めていましたけど」

 

のぞみ「あ、あはは……」

 

駆「でも、人気だったのは事実ですよ。”夢”を持つ生徒の相談を”クラス”、”学年”に関係なく行ってましたからね……先生の授業も面白いって評判でした。僕は……所々に間違いがあるのが気になりましたけど、嫌いではなかったです。でも、あの時の僕は”夢原先生自体”は……やっぱり”嫌い”でしたね」

 

のぞみ「……どうして?」

 

 そう……あの時の僕は、誰にも関わらず、誰にも触れず……”夢”をみてはいけないと決めていた……”プリキュア”に出会う前の僕だ。夢原先生の……”人と関わり”仲良くなる才能、”夢を持つことが大切”だと言う彼女の言葉が嫌いだった。自分がないものをすべて持っていて、それを悪意なく僕にまで向けてくる……それは僕自身の惨めさを浮き彫りにし、苦しみを大きくする要因でもあったからだ。

 

駆「今思うと……羨ましかったんだと思います。人と関わって仲良くなれて、夢を持っていて……自分にないものばかり持っていて、自分がどうやっても手にする事の出来ないものだったから」

 

のぞみ「で、でも!駆君、和菓子だって綺麗に作れるし、お花も詳しいよ!話して頭も良いんだな~って思うもん!私なんかより、ず~~~~~っと沢山のものを持ってるよ!」

 

駆「そういう人の”本質”みたいな部分を見抜けるのは……昔からなんですね」

 

のぞみ「えっ?」

 

駆「……この話は、夢原先生とした”二者面談”の時の事です」

 

 

放課後 1年A組 教室 

 

のぞみ『時生君、待たせてゴメンね。……結局、お父さんとお母さんの出席はダメだったの?』

 

駆『父も母も……忙しいですから。申し訳ありませんが……二者面談でお願いします』

 

のぞみ『仕方がないよ、お仕事も大事だからね。それじゃあ、座って下さい』

 

駆『……はい』

 

 満星学園は進学にも力を入れている学園なので、一年生から進路指導があるんですけど……僕は両親が忙しい人なので、最後まで親の出席が決まらなかった。なので、先生が”二者面談”と言う形で……僕との進路指導をしてくれたんです。

 

のぞみ『それでは進路指導を始めます。えっと……時生君の希望は、このまま満星学園の”高等部への進学”でいいの?』

 

駆『はい……特に希望とかないので』

 

のぞみ『勿体ないよ!時生君、成績いいからもっといい高校とかも選べるよ!』

 

駆『……僕くらいの成績じゃ、難関校への受験は無理ですよ。一応、学年十位内の成績は取っていますけど……隣のクラスの学年一位の生徒は、五教科で499点も取れるんですよ。僕なんか450点を超えたことがないし……無理ですよ』

 

のぞみ『でも、”本気”でやったら出来るんでしょ?』

 

 あの時の言葉には……本気で驚きましたよ。僕が本気でテストをしてないのを見破られるなんて思ってなかったですからね。

 

駆『……何の事ですか?』

 

のぞみ『時生君、テストでわざと間違った答え書いてるでしょう。先生、知ってるんだからね~!』

 

駆『……僕は本気でやってますが』

 

のぞみ『嘘は良くないよ!それじゃあ……これを見なさい』

 

駆『これって……中間と期末テストの僕の答案ですか?』

 

 夢原先生が出して来たのは、中間と期末テストの答案用紙でした。先生の教科の国語から、他教科の答案までそろえてあったんです。そして……先生は僕の手抜きを指摘し始めました。

 

のぞみ「他の教科の先生にお願いして借りて来たの。まず、時生君の国語の点数は……90点、優秀です。そして他の教科も”全部”……90点です。まだあるよ……これは初等部の時のテストで四年生の一学期からず~~~~っと、全教科90点を取ってる。最初にココ……じゃなかった、私の先生が点数を見て変だなって言ったから、小学校の時のテストまで探したら分かったの」

 

駆『四年生の時から90点ですか……すごい確率ですね』

 

のぞみ『それからね……間違ってる問題があるでしょ。この4問目の問題……それから英語も、数学も、社会も理科も全部4問目を間違えてる。何点の問題かを考えて”4”のつく問題の所だけ間違えてピッタリ10点分を間違えてる……ちゃんと答えが分ってないと出来ないよ』

 

駆『……でも、それくらいはまだあり得ますよ。僕がちゃんとやってないって言うしっかりとした証拠じゃありません』

 

のぞみ『む~!まだ認めない気?それじゃあ問題です!〈花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに〉と言う歌を詠った作者の名前は何でしょう?』

 

 なんだ急に……と思いましたけど、僕は正直に問題を答えました。

 

駆『……”小野小町”です』

 

のぞみ『正解!よくできました!!』

 

駆『……ふざけてるんですか?』

 

のぞみ『ふざけてないよ!それじゃあ、期末テストの第四問の問題の答え……なんでしょう?』

 

駆『……なるほど、僕を嵌めたって事ですか』

 

 期末テストの第四問目の問題は、夢原先生が今まさに言った問題だった。僕の事をわざと間違えてると疑って……僕を嵌めたんだと思いました。

 

のぞみ『違うよ……この問題、時生君に授業で答えてもらった問題だよ。それから私が黒板に書こうとした時に……その……ちょっと思い出せなかったら時生君が全部読んでくれてね。”有名な歌なんですから……普通は忘れませんよ”って言われたから覚えてたんだ。四問目に出したのはその……たまたまです』

 

駆『分かりました、僕の負けです。……はい、僕は問題をわざと間違えてました……で、それで何が言いたいんですか?』

 

 夢原先生の表情は分かりやすく、嘘をついてないのも分かった……だから僕は諦めて正直に話すことにした。

 

のぞみ『そうだった!時生君、”夢”とかはないの?やっぱり進学するんだったら、夢を叶えるためにしっかりと考えるべきだと思うんだ!』

 

駆『……特にないです』

 

のぞみ『ええ~~~!!頭が良いなら”先生”にもなれるし、あとは……”弁護士”さんとか……あっ!”お医者さん”とかもあるよ!』

 

駆『・・・・・・”医者”』

 

のぞみ『おっ!結構気になる感じかな?』

 

 ”夢は呪い”……あの時の僕の考え方。そんな中でも……別に将来の夢を考えなかったわけではない。それを考えたからと言って、僕が夢をみていい理由にならないから……考えるだけ無意味だから、いつの間にか分からなくなっただけですけどね。

 

駆『どうでもいいです。僕が”夢”をみることに……意味はない』

 

のぞみ『意味なくない!夢を見たら……変われるんだよ!!私は……そうやって変わったんだもん!!!』

 

駆『……何も知らないで、勝手な事を言うなよ』ボソッ

 

のぞみ『えっ?』

 

駆『……すいません、これ以上話しても意味がないと思うので……もういいですか?話すだけ……無駄ですよ』

 

 僕はそう言い残して、教室から出ていきました……あの時、僕がしたことは最低な事だってわかってます。でも……我慢ならなかくって、悪意のない優しさを向けられることに耐えられなかったんです。

 

のぞみ「そ、その後はどうなったの?」

 

駆「別に……夢原先生はそんな事があっても普通に接してくれました。僕の方が……先生にあまり関わらなくなりましたけどね」

 

のぞみ「……そうなんだ」

 

駆「でも……今はなんとなく分かります、夢原先生が何で”夢を見たら変われる”って言ったのか。実際に僕も……変われましたから」

 

のぞみ「そっか!それじゃあ……私の事もさ”夢原先生”じゃなくてさ”のぞみ先生”にしてよ!そっちの方が嬉しいから!!」

 

 のぞみ先生……か、良いかもしれないな。

 

駆「では、”のぞみ先生”……これで良いですか?」

 

のぞみ「うん、バッチリ!」

 

駆「はい!」

 

のぞみ「あ、ココが行っちゃう!お~~~い!ココ~~~!!!」

 

駆「の、のぞみ先生!?……行ってしまった」

 

 のぞみ先生はココさんが鏡の迷路に入っていくのを見つけたらしく、迷路の中へと急いで入っていってしまった。えっ……僕一人で回るの?

 

 

数分後 鏡の迷路〈出口〉

 

side:Yes!プリキュア5

 

のぞみ「出れた~~~!!!」

 

ココ「今回は僕らが一番だったね、のぞみ」

 

のぞみ「うん!」

 

りん「うっそ~!のぞみとココに負けちゃったか~……あれ?のぞみ、駆君どうしたの?アトラクションの最初の方で一緒だったよね?」

 

のぞみ「えっ?あ~~~!!ココが迷路に入ってくと思ったから置いてきちゃった!?で、でも……中で誰かと合流してるかも!」

 

 それからさらに五分……順調に皆が戻ってくるが、しかし……駆君だけはいまだに戻って来ていない。

 

コルーリ「カケル……まだ中にいるみたいですね」

 

うらら「きっとすぐに戻ってきますよ」

 

シロップ「だと良いけどな……でも、結構複雑な迷路だったよな。行き止まりも多かったしさ……一緒に回る奴がいないと難しいだろ」

 

こまち「私達は11人で、駆君だけ出て来てないから……丁度一人だけになってしまっているわね」

 

かれん「出て来ないって事はないと思うけど……もう少し待ってみましょうか?」

 

やあ、今日は随分とめかし込んだ格好をしているじゃないか……プリキュア!

 

「「「「「エターナルッ!?」」」」」

 

 私達は駆君をもう少し待とうとしたら、背後から知っている声が聞こえる。一斉に振り向くと、そこにいたのはエターナルのメンバーである”ブンビー”が笑いながら立っていた。

 

くるみ「シロップ、ローズパクトを!」

 

ブンビー「ああ、いいよ……今回の目的はローズパクトではなくて、”キュアエクス”の方だから」

 

コルーリ「ど、どうしてエターナルがカケルを狙うんですか!?」

 

ブンビー「えっ?それはね~……」

 

インペイル「”俺”が探してるからさ~~~!!!」

 

 あの人は……昨日私達を襲ってきた”インペイル”って人!どうしてエターナルと一緒に居るの!?

 

コルーリ「デリートまで連れている!?このままでは危険です!カケルがいないとまずいです!!」

 

ナッツ「どう言う事だ!?」

 

インペイル「こう言う事だよ……やるぞ~!!!」

 

ブンビー「へい、デリートの旦那!」

 

コルーリ「デリートの旦那?どうしてインペイルではなく……デリート?」

 

 そう叫んだインペイルは、右手に持っている”真っ黒いカエル”をブンビーに向けると、そのカエルがブンビーを食べてしまった。

 

インペイル『Yes!プリキュア5の歴史を全部消してやる!来やがれ、ゲンサー――ク!!!』

 

ブンビーG『私がゲンサークだーーーーーっ!!!!!』

 

コルーリ「やはりゲンサーク!皆さん、あのゲンサークもガンサークと同じで皆さんの攻撃は殆ど効きません!カケルが来るのを待つべきです!!」

 

のぞみ「でも……このままには出来ないよ!ここは私達が何とかしよう!!いくよ、みんな!!!」

 

プリキュア5「「「「「Yes!」」」」」

 

 駆君が来るまで……何とかしなくちゃ!だって私、駆君の”先生”でもあるんだもん!先生なら、教え子のために頑張る……それが私の覚悟だもん!!

 

 

鏡の迷路

 

side:駆

 

駆「道が……鏡のせいで分かりずらい。のぞみ先生……どこにいるんだろう?」

 

ドンッ!!!!!

 

駆「何だこの揺れは!?外で何かあるのか?まさか……ネツゾーン!?」

 

 僕は出口を探すために迷路の中を走り回る……が、その度に行き止まりの道に入り込んでしまい、どんどん焦ってしまう。

 

駆「くそっ!何かあってからじゃ遅いのに!!」

 

・・・・・・こっちよ

 

駆「……声?でも……声が聞こえたのは鏡の方からだぞ……あり得ない」

 

・・・・・・こっちへ来て。プリキュアの元に行きたいんでしょ?

 

駆「ッ!?……どうすれば良い?」

 

鏡の中に……”鏡の国”に来なさい。鏡の国なら……世界のあらゆる場所を見ることが出来る。そうすれば、プリキュアの場所に行ける。

 

駆「そう言う事か……でも鏡の国に行く方法はどうすれば……ッ!!そうか!クルン、鏡を入り口にしろ!!!」

 

クルン『クルンッ!』

 

 僕が手に入れたピックルンの”クルン”……その能力は”他のピックルンの能力が使える事”なのだが、クルンの能力はオリジナルよりも弱く、アカルンのテレポート能力による異世界への移動を使うにも、入口になる”素材”が必要になる。だから僕はこの迷路の”鏡”を使い、鏡の国へ行くための入り口にすることにした。

 

駆「いくぞ……それっ!!!」

 

 入り口になった行き止まりの鏡に飛び込む。早く……急がないと!

 

 

鏡の国 

 

駆「ここが鏡の国か……でも、左右反対という訳ではないんだな。それに……目の前にあるは”宝石”か?」

 

 僕が辿り着いた鏡の国は、西洋風の建物の中だと思うが鏡の中だと言うのに左右反対じゃない事など……鏡の中の様に思えない。そして、祭壇と思わしき場所に置かれた宝石が”5つ”ある……ピンク、赤、黄、緑、青と5色の巨大なクリスタルで、ピンクのクリスタルだけひび割れている。

 

来てくれたのね。お願い……ひび割れたクリスタルに触れてほしいの。

 

駆「……このクリスタルに?分かった……急いでるから、手短に頼むよ!」

 

ピタッ……ギュウウウウウウウウウウッ!!!

 

駆「ッ!?Aqライトが……クリスタルのひびを塞いでいく!?な、直ったのか……?うわっ!?」

 

キラ――――ンッ!!!

 

ドリーム?「ありがとう……私の事を直してくれて」ニコッ

 

駆「君は……キュアドリーム!?」

 

 僕がAqライトで直した?クリスタルがいきなり輝きだすと、そこにいたのは黒い衣装を身に纏った……キュアドリームだった。

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?今回は遅くなってしまったので申しわけありません。今週からトロピカル~ジュ!プリキュアが開始です!ヒープリが放送開始してから始めたヴァールハイト・プリキュア……つまりもうすぐ一周年になります。駆達の戦いは、彼らの感覚では3か月くらいですけど、現実では1年になるんですね……時間が経つのが早すぎる。でも、駆の戦いはまだ終わってない!もう少し続くし、劇場版2も作らないといけないし……やることがいっぱいあるんだぜ!次回は、ダークドリームの協力でプリキュアの元へと向かう駆!エクスとなり戦おうとするが、その前にインペイルの身体を操るデリートの姿が!?プリキュア5の歴史を守るために……エクスは”重なる光”を掴み取る!乞うご期待ください!
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