ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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ヴァールハイト・プリキュア編、今回はカイザーンとの戦闘と種との再会、そして……ついにふたりの”アカシックのプリキュア”が並び立ちます。種の本心は知っている人も多いと思いますが、今回は駆の本心も話していきたいと思います。では、お楽しみください。

8/21、8/27は、キュアフォンテーヌの”沢泉ちゆ”ちゃんとキュアジェラートの”立神あおい”ちゃんの誕生日でした。ちゆちゃんの登場はまだまだ先ですね……だけど、駆と話したら意外と意見が合いそうな感じだと思います。あおいちゃん、今回のお話に名前が出てないけど、ちょこっと出てるので……お楽しみに。二人共、お誕生日おめでとう!

仮面ライダーリバイス、放送開始ですね!いや~……変身シークエンスのlineトーク画面みたいなの面白かったです。押したバイスタンプがlineトーク画面に出てくるのも面白かったです。いや、敵キャラもビジュアルいいですし、バイスのキャラも結構面白いので、私としては今後も期待していきたいですね。


第五十九話:種を取り戻せ!ヴァールハイト・プリキュア、復活!

2019年5月1日AM12:12 プリキュアカーシャ"モデル1" 操縦室

 

side:コルーリ

 

ブチッ!!!!!

 

コルーリ「チチュンッ!?え、エクスッ!?応答してチュン!!」

 

ペック『ネツゾーン城の最上階層を包む様にAqライトが出現!キュアエクスのQaフォーンと通信途絶、再通信を実行していますが……応答ありませんキー!』

 

 城の最上階を包み込んだAqライトによってエクスと通信が途絶えてしまった私達。その状況を確認するお父様は、少し悩む様子で口を開く。

 

クアライト『うむ……あのAqライトのフィールドが影響しているとみて間違いないクア。ペック、あのフィールドの予想硬度は?』

 

ペック『計算しますキー……っ!?……結果が出ましたキー。Aqライトのエネルギー密度から……恐らく"女王級兵器"なら30%の確率で破壊は可能かと』

 

クアライト『ッ!?……ペック、Qaライトエネルギーを1番砲身にチャージ開始!』

 

ペック『りょ、了解!』

 

コルーリ「1番砲身……まさか"トキーノン"を撃つ気チュン!?」

 

 その打開のために、お父様はある武装を使おうとしている。”女王級兵器”……アカシック王国の戦略兵器には代々の女王の名前が付けられるのだが、先代女王……私のお婆様の名前が付いた兵器こそ、アカシック王国が保有する最大戦略兵器。臨界まで収束させたQaライトエネルギーを放つ……収束式Qaライト砲"トキーノン"。もし威力を間違えれば……この城ごと消し飛んでしまう!

 

クアライト『もはや……やむを得ないクア!』

 

ペック『標準、セット完了!』

 

コルーリ「待ってチュン、お父様っ!!!」

 

クアライト『トキーノン……撃てーーーっ!!!』

 

ド・・・・・・・ゴオオオオオオオオオオッ!!!!!

 

 Aqライトのフィールドへと発射されたトキ―ノン……その凄まじい威力と衝撃がアカーシャ内にいる私にも伝わってくる。青い空を走る”碧色の流星”……その一撃が黒い球状となったAqライトに接触する……が。

 

ペック『ふぃ、フィールド……いまだ健在……損傷率……無しキー』

 

クアライト『くっ!!』

 

 恐らく……あのトキ―ノンがここに残された私達の最後の切り札だった。しかし、その一撃も空しく……Aqライトの前には無力だった。

 

コルーリ「……私、本当に何も……出来ないままになったチュン」

 

 私は……今の何も出来ない状態から、昨日の事を……思い出した。

 

 

……昨日 プリキュアカーシャ 駆と種の部屋

 

駆『……それは……出来ない』

 

コルーリ『な、なんでですか?わ、私が……妖精だから……!』

 

駆『そうじゃないよ……そうじゃないんだ』

 

 カケルは私の肩に手を置くと……肩を持って私の身体を離す。そして……彼の口から確かな拒絶の言葉が告げられる。私は……”自分が人間じゃないから”と、彼に問うが……あれはその言葉にも”違う”と答える。カケルは……私の目を真っ直ぐに見つめて、私に答えた。

 

駆『コルーリ、僕は……負けに行くんじゃないよ。カイザーンを何とかして、種を助けて……ここに帰ってくるつもりなんだ。コルーリは……僕が負けると思ってるの?僕が戻ってくるって……信じてない?』

 

コルーリ『そんな事……ありませんっ!信じてます……あなたが帰って来るって!でも、もう私には……何も……!』

 

駆『コルーリ、僕ね……コルーリも、種も、プリキュアさん達も、出会ってきた人たち皆……守りたいんだ。でも、僕の手は……そんなに大きくないから、手の届く範囲の人しか守れない。自分でもさ……バカみたいな願いだってわかってるけど、それが……僕の心からの願いだから。コルーリがアカーシャで待っててくれる……それだけで僕は本気で戦える。僕が守り切れない所だけど……きっと無事だって分かるから』

 

コルーリ『カケル……!』

 

駆『僕はいなくならない……だから、こんな事をしなくていいんだよ。コルーリ、お願いだから……僕を信じて待っていてほしい。絶対に……僕は消えたりしない!消されたりしない!絶対にここに……僕と種で帰って来る!だから……僕たちが帰ってきたら、とびきり美味しいココアを入れて欲しいな』ニコッ

 

 彼が見せた笑顔は……信じられないくらい純粋で、真っ直ぐで、迷いがなかった。私の悩みよりも……もっと大きなものに向かって行く彼の方が……私よりも迷っていなかった。そんな彼の笑顔に負け……私は結局、何もすることはなかった。彼の言葉に従うように……このアカーシャで待つと決めたのだ。

 

 

2019年5月1日AM12:20 プリキュアカーシャ"モデル1" 操縦室

 

コルーリ(だけど……本当にこれで良いの?何もできない……今の私でいいの?)

 

 

黒コートの男『あいつ……君の大好きな少年には、”君”が必要だ』

 

 

コルーリ「ッ!!」(そうだ……あの男の人も言っていたじゃないですか!カケルには……私が必要だって!カケルの事は好き、彼の言ったことを守ってあげたい……だけど!ただ好きだからって……私の気持ちまで止めていてはダメチュン!)

 

 悩んでいた私の中に思い浮かんだ……黒いコートの男性の言葉。カケルには私が必要……だったら、私が出来るかとか、出来ないとかなんて関係ない!私は……カケルの傍に居たい!私がカケルの傍に居たいんだ!カケルの意志が、私が来ない事を望んだとしても……私には私の意志がある!

 

コルーリ(出来ることは……行ってから考えるチュン。それくらい……やってやるチュン、私!)

 

 私の中にあった心の迷い……私はそれを振り切り、行動に移す。

 

コルーリ「ペック、リモート操縦でモデル1の位置を少し調整して欲しいチュン」

 

ペック『えっ?あ、ああ……ん?コルーリならそれくらい自分で……』

 

コルーリ「トキ―ノンの衝撃で少し操縦が利きにくいみたいチュン。お願いチュン……ペック」

 

ペック『ッ!?お、おお!任せるキー!モデル1に接続、操縦をリモートで……それじゃあ、動かすキー』

 

 ペックにモデル1の操縦権を譲渡できたのを確認し……私は……。

 

ペック『よし、調整完了キー!どうだ、コルーリ!……コルーリ?コルーリ!?コルーリ、応答しろキー!』

 

 ごめんなさい……お父様、お母様……ペック。私は……!

 

コルーリ「私は……カケルの所に行きまチュンッ!!!!!」

 

 アカーシャのハッチから飛び出し……カケルのいるネツゾーン城へと飛び立った。

 

 

side:クアライト

 

ペック「こ、コルーリ!?クアライト博士、コルーリがモデル1を放棄してネツゾーン城へ向かっていますキー!」

 

クアライト「なんだと!?ペック、操縦をこちらに渡すクア!お前もすぐにコル―リを追うクア!!!」

 

ペック「了解キー!キッキッキ……キー!?」ドンッ!

 

 コルーリが単身でネツゾーン城に向かうのを発見した私はペックに追いかける様に命令を出すが……ペックはドアに突っ込み倒れてしまう。

 

クアライト「何をしている、このような時にっ!!」

 

ペック「わざとじゃないですキー!ど、ドアが開かないッキー!?」

 

クアライト「何だと?……なっ!?どうなっている!?」

 

あんたらは……ここで待っててほしいんだよね

 

 操縦室に突如として響く男の声。その声の方を向くと、そこには顔を隠すように深くフードを被った黒いコートの男が立っていた。

 

クアライト「き、貴様は誰クア!?」

 

黒コートの男「俺は……”通りすがりの時の王者”さ。コルーリの邪魔をするあんたらを止めに来たんだ。あんたらに行かれても困るんだよ……結果が変わっても面倒なんでね」

 

クアライト「時の王者……だと?まさか、カイザーンの仲間クア!?」

 

黒コートの男「う~ん……ちょっと違う。どっちかと言うと……敵かな。まあ、そんな事はいいから……さっ!!!」

 

ペック・クアライト「「キー(クア)ッ!?」」

 

 瞬間移動にも似た速度で移動した男は……私とペックの頭を掴む。

 

黒コートの男「二人には……少しの間、眠っててもらう……よっ!!!!!」

 

ペック・クアライト「「うわあああああっ!!!!!」」

 

それじゃあ、お二人さん……いい夢を……ね

 

 身体に流れてきた衝撃が消え……一気に眠気がやって来る。あれ……私は”誰と”話していたクア?コルーリを……コル―リを追わなくては……コルーリ、無事で……いて……クア。

 

 

2019年5月1日AM12:12 ネツゾーン城〈最上階層:玉座の間〉

 

side:キュアエクス

 

カイザーン「それじゃあ……いくよ♪」

 

シュンッ!!!!!!!!!!

 

キンッ!

 

エクス「ッ!?」

 

カイザーン「おお~♪スゴイスゴイ!!あの速さで反応できるんだ~♪流石は私のアルタイル……もっと好きになっちゃうな~♡」

 

 何が起きた?一瞬、光が走ったと思ったら……僕は攻撃されていた。恐らく……超高密度に圧縮されたAqライトの光線……しかし、僕にダメージはなかった。光線の射線上に……黄色の小さなバリアが張られ僕を守ったから……これは、おばあちゃんのスーパーQaライトの糸で作られた物だ。僕が対応できなかったから……反射的にこの糸が守ってくれたのだろう。

 

カイザーン「うん、ご・う・か・く……だね♪ちゃんと成長してる……それじゃあ、あなたの本気を見せて♪怒りに震え、私をメチャクチャにしたいって……理性も捨ててかかってきて!」

 

 カイザーンの言葉は正直よく分からないが……全力じゃないといけないのは確かだ。ノーマルなエクスではあいつに勝てない、一瞬でやられる……それは間違いない!僕はすぐさまQaフォーンSを取り出し、”Sコネクター”の部分をQaウォッチへスキャンする。

 

Sコネクター……スキャン、S(ストリング):I’ll protect you wherever you are

 

ファサッ!!!!!

 

エクス『おばあちゃん、僕は種を助けたいんだ。おばあちゃんの力も……貸して!』

 

Qaフォーン”002”……リンケージ!〈プリキュアップデート!〉

 

エクス『プリキュアプリケーション!アップデート!!』

 

スーパーQaライト:アクティベーション……〈Ready?〉

 

エクス『インストーーーーールッ!!!』〈タップ〉

 

 Qaウォッチから取り出したマフラーを左手に握り、今度こそQaフォーンSをQaウォッチにスキャンする。身体から溢れるAqライトを、僕のスーパーQaライトが”凝縮”し、おばあちゃんの糸が僕とAqライトを完全に”繋ぐ”。今の僕の全てを賭けることが出来る……”未来へ駆け上がる”姿へと変わる。

 

Ri・エクス「重なる思いと繋がりで、未来へ駆け上がれ!キュアライジング・エクス!」

 

カイザーン「・・・・・・何、それ?違う、それは違う。いらないのが混じってる……それじゃあ、【RX《レクス》】と違う。……まあいいや、まだ完全じゃないのは予定通りだしね♪これからそのいらないのも剥がして、ちゃ~んと完成させればいいんだもん♪」

 

 僕の姿を見て、カイザーンが無表情になる。”違う”、”混じってる”などと言っているが……何か納得したらしく、すぐに元の笑顔に戻る。

 

カイザーン「それにしても……”ライジング”か~♪黒と黄色……へえ~、"ライジングホッパー"と同じ色合いだね。あ、アルタイル的には……クウガの”アルティメットフォーム”とか中間の”ライジング系”をイメージしたんでしょ~♪それに~フェイクのあの壊れ方を見て思ったよ♪剣を刺してエネルギーを流し込むってさ~……"仮面ライダーBLACK RX"の"リボルクラッシュ"の真似でしょう?嬉しいな~♪私の考えたレイジング・エクスの頭文字……RXから考えてくれたんでしょ~♪」

 

Ri・エクス「無駄口はそこまでだ!HUGっと!プリキュアさん、お力を借ります!」

 

HUGっと!プリキュア『『『『『うん!』』』』』

 

Ri・エクス「スパークロックブレス!プリキュアプリード!!!」〈HUGっと!〉

 

ミライパッド……〈アップデート〉:メモリアルキュアクロック……プリブート!

 

 スパークロックブレスに”HUGっと!プリキュア”さんのプリキュアプリをリードすると……その力を強化し、ミライパッドをメモリアルキュアクロックにアップデートしてプリブートする。これが……僕が見つけたプリキュアさんの力を引き出す新しい方法だ。

 

Ri・エクス+HUGっと!プリキュア「『『『『『メモリアルキュアクロック!チアフル!』』』』』」

 

Ri・エクス「ミライパッド・オープン!メモリアルパワー!フルチャージ!」

 

 僕が腕を回し、アスパワワを集めていくと……僕の後ろにいつの間にかHUGっと!プリキュアさんがチアフルスタイルの姿で立っていた。少し透けてみえるから……実体ではない。だけど、こうして一緒に戦えるのは……めっちゃイケてる!

 

Ri・エクス+HUGっと!プリキュア「『『『『『プリキュア!チアフル・アタック!』』』』』」

 

カイザーン「あはっ♪プリキュアの力も強化できるんだ~♪それじゃあ……私はこれでいこうかな♪」

 

 カイザーンへ放たれたチアフル・アタック。それを見たカイザーンは笑顔を崩さず……自分の出したAqライトから、”一冊の本”を取り出す。綺麗な模様が書かれた本を開くと……カイザーンも反撃に出てくる。

 

カイザーン「ハートフル・”クライ”……承認!えいっ♪」

 

HaaaaaaaaaaaaNaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!

 

Ri・エクス「っ!?ゴホッ!!!」

 

HUGっと!プリキュア『『『『『キャアアアアアアッ!!!!!』』』』』シュンッ!

 

 本の中から響いてくる……悲痛な叫び。男の……”誰か”を呼ぶ声が、僕らのアスパワワを黒く染めて消し去る。男の声で僕は異様な吐き気を覚え、膝を付いてしまう……そして不気味なのは、その声が”はな”と呼んでいるように聞こえる事。それがより一層の……気味悪さを与えてくる。HUGっと!プリキュアさんも……叫びを聞いたせいで消えてしまった……でも、まだ諦めない!諦めて……たまるか!!!

 

Ri・エクス「くっ!はぁ……はぁ……まだだ!!プリキュアプリード!!!」〈キラキラ☆アラモード〉

 

キラキラルクリーマー……プリブート!

 

Ri・エクス+キラキラ☆プリキュアアラモード「『『『『『『キラッと輝け!クリスタルアニマル!』』』』』』」

 

ホイップ『エクス、カイザーンは私達が押さえるよ!みんな、いこう!!!』

 

キラキラ☆プリキュアアラモード『『『『『はい(おう)(ええ)(うん)っ!』』』』』

 

 プリブートしたキラキラルクリーマーから、プリアラさん達に合わせた6体のクリスタルアニマルが呼び出される。そのクリスタルアニマルの背に……透けているがホイップ達”キラキラ☆プリキュアアラモード”の6人もいる。

 

Ri・エクス+キラキラ☆プリキュアアラモード「『『『『『『プリキュア・アニマルゴーランド!』』』』』』」

 

カイザーン「わ~お!どんどん来るのね~♪そ・れ・じゃ・あ……ポイっと!次は……これね!」

 

Ri・エクス「次は……カード?」

 

カイザーン「そうよ♪それっ!エンプティ―・”エリシオ”~!!」

 

 カイザーンは持っていた本を捨てて、取り出した二枚のカードを投げると……そのカードが弾ける。すると、カイザーンを包み込もうとしていたキラキラルが……先ほどのアスパワワの様に一瞬で消えてしまった。それだけじゃない!クリスタルアニマルも……その上にいたプリアラさん達まで!?

 

カイザーン「からっぽの心じゃ、キラキラルは出来ないでしょ~!えっへっへ~……どうする、アルタイル?もっと痛いのが欲しい?絶望が欲しい?全部あげるよ……あなたが望むなら……ね♡」

 

Ri・エクス「だったら……もっと心を重ねるだけだ!魔法つかいプリキュアさん!スマイルプリキュアさん!お二方の力を……合わせます!!!」〈スマイル〉

 

プリンセスキャンドル……プリブート!

 

Ri・エクス+スマイルプリキュア「『『『『『ペガサスよ、僕(私)達に力を!』』』』』」

 

 プリンセスキャンドルによって呼び出されたペガサス。さあ、お前の力で……”キャリッジ”を引いてくれ!

 

Ri・エクス「モフルン、お願い!」〈魔法つかい!〉

 

レインボーキャリッジ……プリブート!

 

モフルン『エクス~!お待たせモフ~!!綺麗なペガサスさん達、一緒にお願いモフッ!レインボーキャリッジ!モフ!モ~フ~~~!!!』

 

 五頭のペガサスに引かれてくるレインボーキャリッジ。キャリッジから出てきた魔法陣を、僕はプリンセスキャンドルを使って……ゆっくりとなぞる。そして……僕の後ろに8人ものプリキュアさんが並び立つ。

 

ミラクル『奇跡よ!』

 

マジカル『魔法よ!』

 

フェリーチェ『幸せよ!』

 

スマイルプリキュア『『『『『笑顔よ、はばたけ!』』』』』

 

Ri・エクス「未来へ向かって駆け上がれ!」

 

Ri・エクス+魔法つかいプリキュア「『『『フル・フル・フルフルリンクル!プリキュア・エクストリーム・レインボー……!!!』』』」

 

Ri・エクス+スマイルプリキュア「『『『『『バーーーーーストッ!!!!!』』』』』」

 

 魔法陣とペガサスから放たれる虹色の光線。過去に見た魔法つかいプリキュアさんの浄化技やスマイルプリキュアさんの浄化技よりも強力な一撃……しかし、結果は変わらない。

 

カイザーン「すご〜い!なら……私も一緒にやっちゃお〜!カオス・"デウスマスト"!バッドエンド・"ピエーロ"!」

 

魔法つかいプリキュア『『『デウスマストに!?』』』

 

スマイルプリキュア『『『『『ピエーロまで!?』』』』』

 

二つの大きい顔『『はっはっは〜!!!うおおおおおっ!!!!!』』

 

Ri・エクス+まほプリ+スマプリ「『『『『『『『『うわあああああっ!!!!!』』』』』』』』」

 

ドッゴーーーーーンッ!!!!!

 

 カイザーンが両手に出したのは……"渦巻きが付いた黒い玉"と"ピエロの赤い鼻"。それを握り込んでから開くと、その中から不気味な一つ目の顔と、これまた不気味なピエロの顔が出てくる。その顔を前にかざすと……男や女の声が混ざった様な笑い声をあげて突っ込んできた。僕たちの浄化技を打ち消して……なす術もなく、僕らは吹き飛ばされた。

 

Ri・エクス「皆……さん!く……そ……!」

 

カイザーン「アルタイル、まだまだできるでしょ〜?ほ〜ら、頑張れ♡頑張れ♡」

 

Ri・エクス「……ま…だだ!まだだーーーーーっ!!!!!」

 

 僕の作戦はまだ残ってる!プリキュアさん達がついている!!おばあちゃん達だってついてるんだ!!!

 

 

 なのに……っ!

 

Ri・エクス+プリンセスプリキュア「『『『『プリキュア・エクラ・エスポワール!』』』』」

 

カイザーン「ディスペアー・"クローズ"!絶望が〜……流れ出〜る!(若本風)」

 

Ri・エクス「でも、少し止まった!」

 

Ri・エクス+スイートプリキュア「『『『『プリキュア・スイートセッション・アンサンブル・クレッシェンド!』』』』」

 

カイザーン「サイレンス・”ノイズ”……そ~れ♪」

 

ボワアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

 

 僕の手が……!

 

Ri・エクス+ハピネスチャージプリキュア「『『『『プリキュア・ハピネスビッグバーン!』』』』」

 

カイザーン「ラブレス・”レッド”!ドッカ~ン♪あははっ!!!」

 

 プリキュアさんの力が……!!

 

Ri・エクス+ドキドキ!プリキュア「『『『『『プリキュア・ラブリーストレートフラッシュ!』』』』』」

 

カイザーン「エゴイスティック・”キングジコチュー”!ダメダメ、そんなんじゃ~……あれ、アルタイル?上かな?」

 

Ri・エクス+フレッシュプリキュア「『『『『ラッキークローバー・グランドフィナーレ!!』』』』」

 

カイザーン「わ~……閉じ込められちゃった♪じゃあね~……ディストピア・”メビウス”!ばっき~ん♪」

 

バッキ―――――ンッ!!!!!

 

カイザーン「あははっ!アルタイル……今度は何をしてくれるの?」

 

 僕の全部が……!!!

 

Ri・エクス+ハートキャッチプリキュア「『『『『プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラッ!!!!!』』』』」

 

Ri・エクス「たあああああああああああっ!!!!!」

 

ドンッ!!!!!

 

カイザーン「えへへ……軽いな~♪ハートレス・”デューン”……それ!」

 

グシャッ!!!!!!!!!!

 

ハートキャッチプリキュア『『『『キャアアアアアッ!!!!!』』』』

 

Ri・エクス「そ……そんな!?」

 

カイザーン「ねえ、アルタイル……分かったでしょ?プリキュア達の力なんて使っても私には勝てないの。そんなちっぽけな力じゃなくてさ……アルタイルの力がみたいの♪」

 

 こいつの前に……通用しない!!!!!分かっているつもりだった……こいつとの力の差は……!だけど、プリキュアさんやおばあちゃんの力があれば……何とかできるって!でも、何をしても……こいつに届かない!!!!!

 

カイザーン「何もしないの?それじゃあ……今度はこっちの番ね♪アルタイル、”バッタ”……好きでしょ?だから、はい……どうぞ♡」

 

バンッ!!!!!ジジジジジジジジジジジジジジッ!!!!!

 

Ri・エクス「ッ!?サンフラワー・イージス!!!」

 

 カイザーンの指先に溜まったAqライトのエネルギー弾。それが弾けた瞬間、Aqライトは”黒いバッタの群れ”となって僕に向かってくる。サンシャインのバリアを展開してそれを防いでいるが、目の前に広がるその光景は……まるで”蝗害”の様だ。

 

サンシャイン『何とか……守れているけど、これじゃあ動けない!』

 

Ri・エクス「それでも……このバッタの嵐が明ければ……きっと隙が!」

 

ムーンライト『エクス、避けなさい!』

 

Ri・エクス「えっ?」

 

シュンッ!!!!!

 

 ムーンライトの言葉でハッとし、周りを警戒すると……ある事に気付いた。僕の左右に浮く”黒い球”がある。バリアで弾いたバッタが左右の黒い球に集まっている……いや、バッタが集まって黒い球になったのだろう。そして、黒い球は形を変えて、まるで槍の様に僕へと迫る。

 

Ri・エクス「くっ!?」

 

ブロッサム「エクス、後ろ!!!」

 

シュンッ!!!!!

 

Ri・エクス「ぐわっ!!!!!」

 

ガシッ!

 

Ri・エクス「なっ・・・・・・!?」

 

カイザーン「えへっ♡ストライク……シード♡」

 

ドンッ!!!!!

 

Ri・エクス「うわあああああああああああああっ!!!!!」

 

 左右の攻撃を避けるが、後ろに隠されたもう一つの黒い球によって……僕は吹き飛ばされる。しかし、それで壁に当たる事はなく、それどころか……柔らかくて、いい匂いのするものによって抱きかかえられる。それを確認しようと顔を上げると、そこにはカイザーンがおり、僕の腹部に人差し指を向けると……そこに集まったAqライトのエネルギー弾を指ではじき、僕に追撃をしてきた。皮肉にも……奴に取り込まれた”種の技”で……だ。

 

Ri・エクス「ちく……しょう……!」

 

バッドエンドシード『もう一人の僕……まだ、立てるかい?』

 

Ri・エクス「……勿論、立てる!」

 

 僕の中にいる……もう一人の僕”バッドエンドシード”が僕に問いかける。僕は……その問いに間髪入れずに返した。

 

バッドエンドシード『もう一人の僕……恐らく力じゃ奴に敵わない。なら……もう"あの策"しかない』

 

Ri・エクス「……一回限りの賭けだ。信じてるよ……もう一人の僕」

 

バッドエンドシード『……ああ、任せてよ』

 

 舞い上がる煙……この煙が晴れる前に……!

 

Ri・エクス/バッドエンドシード「『行くぞ!』」

 

 

side:カイザーン

 

カイザーン「まだかな~♪まだかな~~~♪」

 

 私が吹き飛ばした事で舞い上がった煙の中……あの中にいるアルタイルの次の行動を待つ。アルタイルの心にヒビを入れる様に、しっかりと彼の全力を……一割程度の力で叩き潰している。彼がそれを聞いた時にしっかりと絶望できるように準備も万端♪さあ、次は何をしてくるかな~♪

 

ドンッ!!!!!

 

 煙の中から勢いよく突っ込んでくる黒い影……そこから感じるAqライト。間違いない……私のアルタイルだ♡彼は私に接近すると、攻撃することなく私の頬を両手で押さえる。力は強くない……例えるなら優しく、恋人の唇を奪う前の動作みたい……素敵♡でも、この後に何をするのか……ちゃんと考えないと♪そして、全部終わったら~……ベッドで~……あんなことに~♡こんな事も~♡キャア~~~♡

 

……恋は盲目だな、カイザーン……”様”

 

カイザーン「・・・・・・えっ?」

 

ザンッ!!!!!

 

エクス「やっと……届いた」

 

カイザーン「アルタイルが……”二人”?ううん、違う……お前、バッドエンドシード!?」

 

バッドエンドシード「ご名答だよ、カイザーン様~!」

 

 私を”カイザーン様”と言ったアルタイルの胸元から……一本の腕が生えて、私の胸元に触れる。いや、正確には違う……腕は生えたんじゃなくて、後ろから貫いているのだ。よく見ると、アルタイルの後ろにいるのは、Aqライトを纏っていないキュアエクス状態のアルタイルだ。これを見て確信した……この私の目の前にいるのは、アルタイルと同じ姿をして、彼の絶望から生まれた……バッドエンドシードだと。

 

バッドエンドシード「インペイルの時の戦い見てなかった~?僕達、二人になれるんだよ~!Aqライトに溶けてる僕なら、こうやってAqライトを纏った姿で出れるからさ~!!あんたでも……本当の僕を見抜けないんだな~!!!滑稽だね~!!!!恋は盲目だね~~~!カイザ~~~ン様~~~~~!!!!!」

 

カイザーン「この……残りカスっ!!!」

 

バッドエンドシード「まあ、奇襲は成功したからね~……もう一人の僕、頼んだよ!!!」

 

シュンッ!!!

 

カイザーン「糸が……私とアルタイルを繋いだ?」

 

 アルタイルの腕から伸びる黄色い糸が私と彼を繋ぐ。さっきも彼を守っていたものだから普通の糸ではない……アルタイルのAqライトに干渉する”誰かの感情が混ざった糸”。キュアストリング……彼女が使った糸に似ているけど、これがそうなのかしら?この糸で何をしようとしているの?

 

エクス「お前と僕には……”強いつながり”があるんだろ?前回はお前が使ったけど……今回は僕が使わせてもらう!お前とリンクを繋いで……お前の中にある種を引っ張り上げる!!おばあちゃん、僕とカイザーンを繋いで!!!」

 

シュウウウウウウウウウウウンッ!!!!!

 

カイザーン「ッ!?あ、アハハッ♪流石は私のアルタイル♡私とのリンクを逆に利用して私の中に入り込んだのね……いいよ♡アルタイルなら……ね♡」

 

 私の中に入り込んだアルタイル。まさか私がしたことを逆手に取るなんて……流石だわ~♡それに~♡今~♡物理的に一つになってる感じだし~……これって実質……うふふっ///

 

バッドエンドシード「はっ!これで……お前も”バッドエンド”さ、カイザーン」

 

カイザーン「・・・・・・」

 

シュンッ!!!!!

 

バッドエンドシード「ぐはっ!?!?!?」

 

カイザーン「喋らないで……消え損ないの”残りカス”が」

 

 私は……私に気に入らない事を言ってきた”残りカス”の心臓部にAqライトを撃ち込む。

 

バッドエンドシード「は……ははっ!カイザーン、お前は……僕みたいな”残りカス”に計画を歪められたんだよ!僕みたいな虫けらに……消え損なった残りカスにさ〜……最高!最高に滑稽だよ~!!!」

 

カイザーン「……消えなさい」

 

シュンッ!シュンッ!!シュンッ!!!シュンッ!!!!シュンッ!!!!!

 

 私は仕方なくこの残りカスの為に人差し指を向け、Aqライトを連射する。今度は欠片も残らないように……細胞の一片だって残さないように……しっかりと原子レベルまで細かく消して……この部屋から完全に”残りカス”は消え去った。

 

カイザーン「本当に……”残りカス”は予想外ね。でも、残念ね~♪私の目的は……これからが本番なのに~♪アルタイルが不純物ちゃんを引っ張り出して……私が目の前で消すまでが……本番なんだも~ん♪♪♪」

 

 さあ、アルタイルが帰って来るのを……静かに待とうかしら♪

 

 

カイザーンの中

 

side:駆

 

駆(ん……んん……はっ!ここが……カイザーンの中……真っ暗で、何もない……僕の深層意識と似てる。変身は……解けてるか。バッドエンドシードは……ダメだ、気配がなくなってる……あとは任せてくれ。ん?あれは……なんだ?)

 

 閉じていた目を開けると、目の前に広がるのは真っ暗な空間だけ。変身は解け、バッドエンドシードは……僕たちが考えていた通り消されてしまったのだろう。プリキュアさんとのリンクも繋がらない……しかし、ここからが本番だ。種が何処にいるのかをすぐに探さないと!そう思っていると……よく見たら奥の方に”何か”がいる。

 

真っ黒な何か(・・・・・・ッ!)

 

たっ!たっ!たっ!たっ!

 

 その何かが僕に気付いたのか、こちらに走ってくる。その姿は……大きなシーツを被ったような姿で、足音が聞こえるが足も手も見えない。身長は幼稚園児や小学校低学年くらいで……性別もわからない。しかし、その何かが近づいてくる事に……その姿がはっきりしてくる。シーツを被っているかと思ったが……それはシーツではなく……”髪”だった。真っ黒な黒髪が足元まで伸びて、足も手もその髪の中に隠してしまっているのだ。もうすぐ僕に接触すると言う所で、黒い何かは小さくて真っ白な腕を伸ばし……僕の腰元に勢いよく飛び込んで抱き着き……。

 

真っ黒な何か(……お兄ちゃんっ!)ガシッ!!!!!

 

 僕を……”お兄ちゃん”と呼んだ。

 

駆(お兄ちゃんって……まさか!?)

 

 僕は大量の黒髪の中に両手を入れる。僕の両手が素肌と思わしき箇所に触れ、それが顔の輪郭であると考えた僕は……そこから髪をかき分ける。すると、そこから見えたのは……僕がよく知る妹の顔だった。

 

駆(タネ……種なの?)

 

種(うん!お兄ちゃん……やっと来てくれた!ずっと……ずっと待ってたんだよ!)

 

 よく知る妹の顔……だけど、色々違うところが在る。見た目は幼くなっているし、身長は小学校に入る前くらいだ。だけど、着ている服装には……見覚えがある。この服は……僕と種が"攫われた時に着ていた服"。つまり……種が"最後に着ていた服"なのだ。

 

駆(どうしてそんな格好に……何があったの?)

 

種(分かんない……カイザーンに入れられてから、ずっとこうだったの)

 

駆("最初から"……か)

 

種(そんな事はいいよ!”お兄ちゃん”、早くここから逃げよう!そして……カイザーンの事を消さないと!)

 

 種の口から出て来る……”お兄ちゃん”と言う言葉。前の僕なら……それで納得したかもしれないが、僕はもう……種の”本当の気持ち”を知っている。だから……この種の口調が”僕に嘘をついている”と言う事が分かった。

 

種(……お兄ちゃん?)

 

駆(……種、僕は……ただ助けに来たんじゃないんだ。僕ね、種の……本当の気持ちをちゃんと聞きたかったんだ。カイザーンの口から種の気持ちを聞いて……旅をしながら色々考えてさ……決めたんだ。種の気持ちを全部聞いて、種を受け入れたいって……だから聞かせて欲しい。種の口から、種の本当の気持ちを知りたいんだ)

 

種(本当に聞きたいの……”駆”?)

 

駆(ッ!?……うん、聞かせて)

 

種(分かった……駆、聞いてね)

 

 僕を……”駆”という種。初めて……”本当の種”と向き合うことが出来た。僕は心の中で覚悟を決め……種の言葉を聞いていく。

 

種(駆、私達……3歳の時に初めて会ったでしょ?私ね……あの時から好きだったの。綺麗でね、王子様みたいでね……あの時から、胸の中がポカポカしてたんだ。毎日、駆に会いたかった。それに……駆は特別なんだよ。幼稚園の男の子が”好き”とか”可愛い”って言ってくるが……すっごく嫌だった。私はカケルに言って欲しかったから……駆が新しいお洋服を褒めてくれたり、頭なでてくれるのが一番好きになったの。結婚したいなって、お父さんとお母さんみたいに、仲良しの夫婦になりたいなって、ずっと一緒にいたいなって……///)

 

駆(……うん)

 

種(会うたびに好きになっていくの……毎日、お見舞いに行く度にどんどん……大好きになっていく///私、駆のためなら……この命だっていらない!駆が死んじゃうなんて……私が死んだほうがマシだもん!だから、駆の前にでて……銃弾を受けるのだって怖くなかった)

 

駆(……)

 

種(死んじゃったと思ったけど……駆と一つになれた時はすっごくうれしかった。でも……一つになって思ったの。駆に近付いてくる薄汚い女たちとか、バカな男たちとか、駆を危険に晒す最低なやつら……色々いた。だから、全員から守らなきゃって思うようになった。駆の為に人間関係を操作したりして……駆が人とあまり親密にならないようにした。駆だって……あの時は人と関わらないようにしてたし、あの程度にするのが一番だって思ってたもん)

 

 種が語っていく本当の気持ち……それは間違いなく”真実”だ。

 

種(タネね……駆の為ならなんだってするよ!女たちが邪魔なら私が何とかするし、痛い思いをするなら私が代わりに受ける!駆が望むモノ……ぜんぶぜんぶ……タネがあげる!タネの物は……駆に全部あげるよ!)

 

駆(それじゃあ……僕が”世界を滅ぼしたい”って言ったら?)

 

種(私、駆のためなら……世界だって滅ぼせるよ)

 

 真っ直ぐに向けられた視線が揺らぐことなく僕を見つめている。綺麗な黒い瞳に光はなく……真っ黒に染まったいるだけ。その中に……僕が映り込んでいるのすら見えるほどだ。ああ、本当に……その言葉の全てに”嘘がない”のが……分かってしまう。

 

駆(……ありがとう、種。種の本当の気持ち……ちゃんと聞けて良かった)

 

種(駆……っ!)

 

駆(それじゃあ……今度は”僕の番”だね)

 

種(・・・・・・えっ?)

 

 種の……本当の気持ちをしっかりと聞くことは出来た。でも……そしたら”僕の本当の気持ち”も……伝えなければ不公平だろう。

 

駆(種……僕はね……)

 

種(や……めて……やめて……)

 

駆(僕は……種の事が……”嫌い”だったんだ)

 

 僕は……自分の本心を話し始める。

 

駆(初めて会った時ね……僕は嬉しかった。妹がいるんだって……僕はお兄ちゃんで、カッコいい所をいっぱい見せてあげなくちゃって……痛い注射も、苦い薬も……そう思えるから我慢できた。でも、そう思えたのは……結構、最初だけだった。毎日……種がお見舞いに来てくれただろう?僕ね……あれが嫌だったんだ。最初は……嬉しかったけどさ、毎日来てくれて……その度に種を見るんだ。そうすると、嫌でも種の変化が見えてくるんだよ……ベッドで眺める種の姿がね、毎日少しずつ変わっていくんだ。女の子らしい表情に変わったり、種の背が少しずつ大きくなったりして、僕がタネを見る時の目線が変わっていく。僕ね……それがたまらなく苦しかったんだ。僕は……ベッドの上で変わらない風景や生活を送って来た……なのに、そこに現れたのが種だった。種は毎日変わっていって、毎日違う生活を送って……それなのに僕は、何も変わっていなかった。それが……"毎日"続いたんだ!毎日!毎日!!毎日っ!!!毎日っ!!!!毎日っ!!!!!……ずっと我慢して、笑顔を作って、種のお兄ちゃんをやってきた!だって……僕は"お兄ちゃん"だから!!妹が求める”お兄ちゃん”を演じなくちゃいけない!!!それが……種、お前が求めた”王子様”だったからだ!!!!!)

 

 僕が種にも内緒にしてきた”本当の感情”……その気持ちがまるでダムが壊れたように押さえていたものが全て流れ出していく。それを聞く種の表情が……まるで絶望したよう表情になっている。だけど……安心して、種。まだ……言葉は終わっていない。

 

駆(でも……でもね、種……それでも……僕は……!)

 

種(やめてっ!!!!!)

 

 種は小さな体をしゃがみ込んで更に小さくし、両手を使って耳を押さえて叫ぶ。待ってくれ……まだ、伝えたい事があるんだ!

 

駆(種、待って!まだ……話は終わってないんだ!)

 

種(嫌だっ!!!聞きたくないっ!!!ヤダッ!!!!ヤ~~~ダ~~~~~ッ!!!!!)

 

 僕もしゃがんで種の腕を掴む。しかし、種は駄々をこねる”子供”の様に抵抗するため話を聞いてはくれない。しかし、それも当たり前だろう……だって、種は”最初から”この姿なのだと思うからだ。今まで僕が見ていた種の姿は、僕が種に”こうであってほしい”と押し付けていたものに違いない。今の目の前にある"小さな姿"こそ本当の姿なんだ。足元まで伸びてしまった髪は……僕の中にいる間の時間で伸びたもの。種はずっと……僕の中にいる間も……変わってなんかいないんだ。小さく未熟な身体に、不釣り合いに大きくなる心を抱えて……ずっと傍に居てくれたんだ。

 

駆(・・・・・・種)

 

・・・・・・ギュウッ

 

種(か・・・・・・ける?)

 

 小さな種の身体を……僕は抱きしめた。

 

駆(種……僕は種が嫌いだった。でも……種がいたから、僕は……”死”を覚悟することが出来たんだ。種は覚えてる?2012年の二月……お父さんとお母さん、種が……お見舞いに来てくれた時の事だよ)

 

種(それって……お医者さんがお父さんとお母さんに……駆が助からないって言った時の事?)

 

駆(ッ!?種……知ってたの?あの時、僕のベッドで寝てたはずじゃ……)

 

種(お医者さんが言ったところしか知らない。その後はお耳を塞いで……ずっと目を瞑ってたから)

 

 2012年の二月……僕が退院する事になったと知らされた日。この話には……お父さんとお母さんが僕と種に内緒にした部分がある。

 

 

2012年2月下旬 多田織市立中央病院 駆の病室

 

種『くぅ……くぅ……』

 

駆『種、寝ちゃったね』

 

歩夢『今日は朝から会えるって、ずっと楽しみにしてたからね』

 

果実『きっと疲れちゃったのね。駆、少しだけ起こさないであげて』

 

ガラガラッ!

 

光登里先生『失礼します。駆君のお父様とお母様、少しお話があるのですが……宜しいでしょうか?』

 

 光登里先生に呼ばれたお父さんとお母さん。別室で説明を聞いているのかと思ったが、僅かだけど病室の前で話している声が聞こえた。だから、僕は何を話しているかを聞こうと……ベッドから種を起こさない様に降りて、病室のドアに耳を当てた。

 

光登里先生『本当にここで聞くのですね?……分かりました。お話と言うのは駆君の容態についてです。率直に言えば……駆君の心臓は……もう長くはないでしょう』

 

駆『ッ!?』

 

果実『そ……そんなっ!』

 

歩夢『先生、ドナーはまだ見つからないんですか!?』

 

光登里先生『それについても……まだ見つかりません。それに……ドナーが見つかったとしても、今のままだと……5月までに見つからなければ手術も間に合いません』

 

 ドア越しに聞こえる……先生とお父さん達の声。小さいけど……お父さんとお母さんの言葉に"悲しみ"が混じっているのが幼いながらに感じられた。

 

果実『どうして……っ!どうしてあの子ばかりっ!』

 

歩夢『果実……。先生、駆は……あとどれくらい保つんですか?」

 

光登里先生『保って……あと"半年"かと』

 

歩夢『は、半年!?』

 

果実『先生、お願いします!あの子を助けて下さい!!お願いします!!!お願いしますっ!!!!!』

 

 あと半年……それが僕に残された時間。その言葉を聞いた僕の頭の中に浮かんだのは……"いなくなった小児科の友達"の"最期の瞬間"だった。

 

 

お願い!私達を置いてかないでっ!!!

 

お父さんがいるぞ!お家に帰るって約束しただろう?お願いだ……目を開けてくれ!

 

あっ……!あああああっ!!!

 

 

 みんなの最期の瞬間は……いつも泣き叫ぶ両親や片親、祖父母、兄弟、姉妹の姿ばかり。僕も……そんなふうにお父さん達を悲しませてしまうと思った。ずっと僕のせいで苦しめたのに……そのうえ悲しませてしまう。いなくなったみんなの様に……僕も悲しみしか残せずに消えてしまうかもしれない。それが……たまらなく怖かった。

 

光登里先生『今の状態では、病院で出来る治療は……痛みを取る事しか出来ないでしょう。このまま入院するのもありですが、よろしければ……退院して残りの時間をご家族で過ごすのはいかがですか?駆君は病院以外の場所をあまり知りませんし、今年から学校に行く年齢です。彼がしたい事、ご両親がさせてあげたい事を……してあげるも一つの選択ですよ』

 

果実『そんな……!そんな……っ!!!』

 

歩夢『果実、僕は……駆にしてあげられる事をしてあげたい』

 

果実『でも……!それじゃあ、駆の命を諦めるって事よ!?』

 

歩夢『だけど、駆をこのまま……死ぬまでここに入れておきたいのか?』

 

果実『そんな事したくない!したくない……けど!……だ…けど……!』

 

 僕はそれ以上の言葉を聞くことを止め……ベッドの中に潜り込む。怖かった……死んでしまうのが怖かった、何も残せないのが怖かった、悲しませるのが怖かった……そう思いながら毛布を被って震えていた。そんな時、僕の目の前にいたのは……寝息を立てていた”種”だった。

 

駆『種が……いる。僕は変われないけど、種は違う。僕がいなくなっても……種はお父さんとお母さんの所にいてくれる。僕が見れない”夢”を、僕が出来ない事を……種なら!』

 

 種は……僕と違う。種はこれからも生きていくし、夢も見れる。僕が出来ない事を……全部やってくれる。僕がいなくなっても……種がお父さんとお母さんについている。そう思ったら……種の存在は、僕にとって”嫌悪の存在”じゃなくて、僕の……”希望”になったんだ。

 

 

カイザーンの中

 

種(それじゃあ……タネのせいだよ!駆が自分の事を大切にしなくなっちゃったのは……全部タネのせいだよ!)

 

駆(あの時……僕はそう考えることが出来なかったら、きっと……怖くてたまらなかったと思う。でも、種がいてくれたから、僕は怖くなかった。種がいなかったら……僕はとっくに恐怖で心も、身体も……ボロボロになっていたはずだ)

 

 小さな種を抱きしめながら、僕は種の言葉に返答する。

 

駆(僕が一人ぼっちでも大丈夫だったのは……種がいてくれたからだよ。僕が誰とも関わらず、触れていなくても大丈夫だったのは……種がずっといてくれるって分かっていたからだ)

 

種(駆……!)

 

駆(種、僕には……種が必要なんだ。だから……!)

 

 僕は抱きしめる力を強め、この旅の中で決めた……種の気持ちに対しての”僕の答え”を口にする。

 

駆(種、これからも……ずっと一緒に居よう)

 

種(ずっと……?”ずっと”って……どれくらい?)

 

駆(僕が……死んでしまうその時まで)

 

種(……結婚しないでいてくれる?)

 

駆(うん、種が……そう望むなら)

 

 これが……僕の答え。この答えが間違っていても、歪んでいても……これが僕の決めた答えで、種に対しての僕の気持ちだから。数秒の後、僕の背中に……小さな種の腕が回される。

 

種(……馬鹿だよ、駆。死んじゃって、身体もない……妹のために……。コルーリだって、プリキュアの皆だって……可愛い子達がいっぱいいるのにさ)

 

駆(うん、でも……僕はそうしたい。僕の答えは……変わらないよ)

 

種(……全く、駆は……しょうがないな~!私がいないと……ダメダメなんだもんね)

 

駆(うん……種がいないと、僕はダメなんだ)

 

 僕は種と身体を離し、コートのポケットに手を入れて、その中に入った”種の懐中時計”を取り出し……種の前に差し出す。

 

種(これ……”時計”?)

 

駆(そうだよ。時生のおじいちゃんが作ってくれた……僕らのための懐中時計で、これは……種の分)

 

種(これが……どうしたの?)

 

駆(僕達……やっと”嘘”も”秘密”もなくなっただろう?だから……!)

 

ガチッ……ガチッ……ガチッ……ガチッ!!……カチッ!……カチッ!……カチッ!

 

キラ―――ンッ!!!

 

種(ッ!?な、何!?うわ~~~っ!?!?!)

 

 ネジを巻いたことで動き始める懐中時計の針。それに合わせて種の身体が……まばゆい光を放つ。すると、そこに立っていたのは……腰元までの綺麗な黒髪を靡かせ、僕と同じ年齢まで成長した”本当の種”だった。

 

駆(これで、種の止まっていた時間は動き出した。ここからが本当の……僕達”ふたりの時間”の始まりになる)

 

種(ッ!!……駆、約束しても良いかな?)

 

駆(えっ?……うん、いいよ)

 

 種は改まって僕に話しかける。種の言う約束とは……何だろう?

 

種(これから……外に出るんでしょ?そしたら……そこからは種、”妹”になるから……駆の事を名前で呼ばない。それと……一番重要な恋愛について!私がいいよって言った女の子とじゃないと付き合っちゃダメ!これが……約束ね)

 

駆(……分かったよ、種)

 

 差し出された小指に僕の小指を絡め、約束の指切りをする。

 

駆(それじゃあ、そろそろ出ようか……っと、その前に……はい、これ)

 

種(ふぇっ?これ……懐中時計と”リボン”?それに……さっきの”ネジ”だよね?形がちょっと違うけど……)

 

駆(そのリボンは、時生のおばあちゃんの糸で作ったんだ。おばあちゃんの気持ちが籠ってるから……身に着けておいた方が良い。それと、こっちのネジは……ほい)

 

種(あっ!これ……ネジが半分こになってるんだ!)

 

駆(うん、おじいちゃんが言ってたんだ……このネジは二本ないとダメで、僕たちが二人で支え合って行けるようにって意味を込めて……この特殊なネジを僕らの懐中時計のネジにしたんだって。もっと言うと……おじいちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんの馴れ初めがあるんだけど……それは戻ったら話してあげるよ)

 

種(え~!すっごい気になるのに~~~!!……分かったよ~、アカーシャに戻ったらちゃんと聞かせてね)

 

駆(うん、コルーリのココアを飲みながら……ね)

 

 種は少しだけ不満そうにすると、渡したネジの半分を首にかけ、髪をまとめ始める。まとめた黒髪をリボンで縛り……サイドテールを完成させると、その表情は笑顔になっていた。

 

種(よし、完成!それじゃあ……いこう!)

 

駆(ああ、行こうか……種!)

 

駆・種((みんなを助けるためにっ!!!!!))

 

 

2019年5月1日AM14:00 ネツゾーン城〈最上階層:玉座の間〉

 

side:コルーリ

 

コルーリ「はあっ!はあっ!……着いたチュン!チ、チチュン!?え、エクスは……?エクスは何処チュン!?」

 

カイザーン「ん~?あらっ!いらっしゃい、コルちゃん♪何?わざわざ飛んできたの?言ってくれればショートカット作ったのに~♪あ、でも話せないからどっちみち無理か♪」

 

 ネツゾーン城に潜入して数時間……私は記憶していた城内のマップを駆使し、エクスが最後にいた”玉座の間”に辿り着いた。勿論、エクスが使った抜け道も確認したが使えなかったので、フロアを飛びまわって移動したのだ。しかし、玉座の間にいるのは……ネツゾーンの首領である”カイザーン”の……一人だけ。エクスの姿はおろか、三幹部であるフェイク達すらいない。だが、そんな事は微塵も気にしていないのだろう……カイザーンは笑顔で私を迎えてきた。

 

カイザーン「コルちゃんも来たし……うん!これも予定通りだね♪」

 

コルーリ「質問に答えるチュン!エクスは……カケルは何処チュン!まさか……っ!?」

 

カイザーン「安心して、コルちゃん。アルタイルは無事よ♪今、”私の中”にいるだけだから……」

 

ボンッ!

 

コルーリ「カイザーン、今すぐカケルとタネを解放しなさい!さもないと……あなたを攻撃します!」

 

カイザーン「だから、大丈夫だってば……心配性だね、コルちゃん♪う~ん……アルタイルの事だから、そろそろ出てくるんじゃないかな~♪」

 

ボワンッ!!!!!

 

 私は人間の姿になり、護身用に持ってきた簡易武装〈チューンガン〉を向ける。しかし、カイザーンは全くの余裕であるためか、攻撃も防御もしようとしない。そのうえ、カケルは勝手に出てくるとまで言うのだ。その時、カイザーンの胸元から”Aqライト”が漏れ始める……しかし、それはカイザーンの物ではない。

 

カイザーン「ほら……やっぱり戻って来たでしょ♪おかえりなさい……私のアルタイル♡」

 

バッ・・・・・・ドンッ!!!

 

 カイザーンの胸元から光が飛び出し、それが私の目の前に落ちる。その勢いで煙が上がり……姿はまだ見えない。しかし、その煙が晴れていき……そこには”ふたり”の人物が立っていた。

 

コルーリ「あ・・・・・・ああっ!」

 

種「コルーリ、久しぶり!あれ、髪伸びた?」

 

駆「種、その話も後だよ……って、来ちゃったんだね、コルーリ。悪いんだけど、そこにいてよ……巻き込みたくないからさ」

 

コルーリ「カケル……タネ……!は、はい!」

 

 並んで立つ二人……右側に立つのはカケル、左側に立っているのは……カケルのお母様の面影がある少女。だけど、その口調、声、笑っている顔……その全てで分かる。”タネ”だ……カケルが、”タネ”を助けたのだ!

 

カイザーン「漸く準備が出来たみたいね、私のアルタイル♡それから……不本意だけど”不純物”ちゃんもね」

 

種「うっさい、売女!よくもしまってくれたな~!あんたには特大の一撃をぶっこんでやるからね~!!!覚悟しろ~~~~~っ!!!!!」

 

駆「はぁ~……種、汚い言葉を使わないの」

 

種「むぅ~~~……分かったよ~。タネはお姫様だもん!強く、優しく、美しく……だもんね」

 

駆「……宜しい」ニコッ

 

 ふたりの他愛無い会話が響く。緊張感のないもののように感じられる……だけど、その背中は……とても頼もしい。

 

駆「さあ、無駄口はここまでだ。続きは……!」

 

QaフォーンS……オープン!

 

カシャッ!

 

種「全部終わってから……だよね!」

 

QaフォーンS……ディバイド”X/Seed”:〈Twins〉

 

 取り出したQaフォーンSをカケルは開いた形で左側にいる種の方へと差し出すと、種はピンク側のQaフォーンを持つ。すると、それぞれのQaフォーンを繋いでいたSコネクターの部分が分割し、分割したパーツを付けたまま、再び二台のQaフォーンに戻る。

 

駆「やるよ……種!」

 

種「うん……”お兄ちゃん”!」

 

種・駆『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈タップ〉

 

 起動したQaフォーンから迸るQaライトの光が……ふたりを包む。そして、その光が晴れ……偽りの歴史を正す、”真実”のプリキュアが現れる。

 

エクス「重なる思いで、駆けろ未来!キュアエクス!」

 

シード「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」

 

エクス「偽りの闇に消えた光を!」

 

シード「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

エクス・シード「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」

 

 キュアエクス、キュアシード……二人のアカシックのプリキュアが並び立つ。

 

コルーリ「祝いなさい!今、偽りの歴史を生み出す元凶を前に……全てのプリキュアの時代を超え、正しき歴史を示す二人の希望!ヴァールハイト・プリキュア……復活の瞬間です!!!」

 

 信じられない……奇跡の光景を前に、私は胸の内から込み上げてくる言葉を高らかに叫んだ。

 

 

To Be Continued……




いかがだったでしょうか?うん……何か駆と種がリバイとバイスみたいな感じになってしまったような気がしますが、元々こうする予定で最初から考えていたのでパクリじゃないよ!
次回は、ヴァールハイト・プリキュアとカイザーンの戦い。新たなシードの姿やエクスとのコンビネーションでカイザーンへと向かって行く。しかし、その先に待っているのは……逃れられない”死”であった。その運命を変えるのは……全ての限界を超えた、新たな”戦士”の存在!乞うご期待ください!
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