ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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ヴァールハイト・プリキュア編、今回が最終回になります。新しいプリキュア”キュアエクシード”の誕生、その実力はカイザーンに通用するのか。そして、その先に待つ結末とは!?では、お楽しみください!

10/10、10/15、10/15はキュアブラックの”美墨なぎさ”ちゃん、キュアコスモの”ユニ”、キュアフラミンゴの”滝沢あすか”先輩の誕生日でした。いや~……公開日に映画トロピカル~ジュ!プリキュア……観てきました!良い映画でしたね~!あすかパイセンもちょこちょこ可愛いシーンがあって良かったし、久々にハートキャッチのメンバーもみれたし……満足!それにエンディングの前の場面でまさか”あの子達”がいたとは……おっと、気になる人は劇場へどうぞ!さて、三人共、お誕生日おめでとう!あすかパイセン、もう少しで終わりかもしれないけど、最後まで今一番やるべきことをやって欲しいです!

※最後の場面にあるのは”演出”なので安心してください!それから最後にご報告があるので、確認してくださいね!


第六十一話:ネツゾーン城、崩壊!全ては"忘却"の果てに。

side:コルーリ

 

コルーリ「キュアエクシード……あ、あなたはどっちなんですか?どっちが喋ってるんですか?」

 

エクシード「コルーリ、しつこい!さっきも言ったでしょ!どっちでもあって、どっちでも無いって!」ムス〜!

 

 エクスの様な……シードの様な見た目、タネを思わせる口調と、カケルが好きなヒーローの知識を持つ彼女は、先程の私の質問と同様の返答……"どっちでもあって、どっちでも無い"と言う。

 

エクシード「う〜ん……そうだ!手っ取り早く"みせちゃえば良いんだ"!エクシードってば天才!」ブイッ!

 

シュン!

 

コルーリ「へっ?」

 

Xザート「えっ!?」

 

エクシード「それでは、どうぞ!」

 

 エクシードは両腕を大雑把に動かしと、指先から黄色い"糸"が伸びて、私とカイザーンの身体に"繋がる"。すると、私の中に……彼女、エクシードの記憶が流れ込んでくる。

 

 

side:種

 

種『お願い、起きてよぉ……!起きてよ、お兄ちゃんっ!!!!!』

 

 目の前に横たわる……愛する人の身体に私は叫ぶ。その感情に呼応したのか、スーパーQaライトが私の身体から迸る。そんな中……私の頭の中に声が響く。

 

聞こえる?

 

種『……えっ?』

 

聞こえるなら、駆の中に入って。駆を救うには……あなたが必要なの

 

種『うん……分かった』

 

 私は疑う事を放棄して、お兄ちゃんの身体に入る。お兄ちゃんを助けられるから……と言うのもあったが、何故だろう?この"女性"の声に安心感を感じたからかもしれない。

 

 

駆の深層意識

 

目を開けていいよ、種

 

種(んん……あれ?この声……お兄ちゃん!?)

 

駆?(残念、僕は……!)

 

シュン!

 

種(あ〜〜〜〜〜っ!!!!!)

 

バッドエンドシード(やあ、お久しぶり……種)

 

 お兄ちゃんの中に戻った私を、男の子の声が迎える。女の人の声じゃない事に疑問を感じながらも、その声がお兄ちゃんのだと思った私は目を開く。真っ暗な空間に立つお兄ちゃんがいた……しかし、次の瞬間には姿が変わっていた。黒尽くめのピエロ服をきた、お兄ちゃんと同じ顔の人物……2012年で私達を苦しめた"バッドエンドシード"が、何故かお兄ちゃんの中にいた。

 

種(な、なんでアンタがいるの!?)

 

バッドエンドシード(種がいた時から、中にいたけどね)

 

種(嘘っ!?)

 

バッドエンドシード〈本当。さあ、時間がないから……さっさと話そう)

 

 私が攫われる前からいたのは驚きだか、バッドエンドシードはそれを無視して話を始めようとする。なんか急いでいるみたいだ。少し目線を下げると、彼の身体にノイズが走っているのが見える。時間がないって……そう言う事なの?

 

種(消えかかってるの?)

 

バッドエンドシード(……ああ、僕の大部分はさっきカイザーンに消されちゃてさ。今の僕は残留思念のさらに"残りカス"みたいなもんでね、君に伝える事があるから残ってるだけなんだ)

 

種(伝える事って、何?)

 

バッドエンドシード(僕たちが考えた……この後の"作戦"についてだ)

 

 バッドエンドシードが私に伝えたい事……それは、"この後の作戦"だと言う。……ん?ちょっと待って……それじゃあ!

 

種(お兄ちゃん……もしかして、こうなる事を予想してたの!?)

 

バッドエンドシード(ああ、ある程度はね。種に危険があれば自分が盾になり、その後の事をどうするのかを僕らは考えておいたんだ)

 

種(なんでそんな事を……)

 

バッドエンドシード(それをこれから話すんだよ。さあ、そろそろ話そうか。時間が勿体ない)

 

 バッドエンドシードは私の疑問に対しての答えを述べ始めた。

 

バッドエンドシード(まず、僕らは決戦に備えて作戦を考えていたんだけど、もう一人の僕的には……結果は分かっていたんだ。”カイザーンには勝てない”……現状あるプリキュアの力を全て使っても、Aqライトを全開で使っても絶対に勝てない……それが結論だった。心の中にいるプリキュア達には話していなかったけどね。そこで、僕たちはカイザーンに勝てる可能性のある物を考えた。そこで思い当たったのが……3つあった)

 

種(その3つって…何?)

 

バッドエンドシード(3つの内の2つは、〈Splash☆Star〉、〈Max Heart〉の”未使用のプリキュアプリ”だ。それから3つ目は”元々あったけど今はない力”。このすべてに共通しているんだけど……どちらにも必要なものがあった。それが……”種の存在”だ)

 

種(タネが必要だったの?)

 

バッドエンドシード(ああ、未使用のプリキュアプリは〈魔法つかい〉、〈スイート♪〉のプリキュアプリ同様、ふたりで使う事が前提だからね。もう一人の心がないと……発動しなかった。そうなると、最後の3つ目にかかってる。だから、種の救出を最優先に考えたんだ。そのためにもう一人の僕は最善を尽くしたよ。自分の意識に干渉してくる可能性があるカイザーンに考えが読まれないように、Aqライトを使って自分の記憶を”書き換えたり”、種を消させないようにするために、種が自分を庇おうとしたら自分が犠牲になる様に”暗示”まで仕込んだんだ。僕も……自分を奇襲用に消す準備をしたよ)

 

 お兄ちゃん、そこまでしてカイザーンと戦おうと……私を助けようとしてたんだ。

 

種(でも、なんで命まで懸けたの?そこまでして……どうして?)

 

バッドエンドシード(もう一人の僕としては……それが最善だったらしい。勘……らしいけど、もう一人の僕は、今回の戦いで”種の命が消される”と感じたらしくてさ。そこで”死ぬことが出来ない”自分が代わりになれば、その結果も回避できるかもって思ったんだって)

 

種(死ぬことが出来ない?)

 

バッドエンドシード(あっ、言っておくけど、死なないって言うのは結果の話ね。死にはするけど、結果的に生き返るって事。もう一人の僕が言うには……”因果”の様なものじゃないかってさ)

 

種(”因果”って……。じゃ、じゃあ!結局、お兄ちゃんがそこまでして考えてた”勝つ可能性のある力”の最後の3つ目って、何!?)

 

バッドエンドシード(だから、それが”種”……なんだよ。”元々いたけど、今はいなかった者”……でしょ?)

 

 タネがお兄ちゃんが考えていた3つ目の可能性って事?確かに、お兄ちゃんが助けてくれなかったら、私はここにいない。でも、タネの何が……お兄ちゃんの考える可能性なんだろう?

 

バッドエンドシード(プリキュアの力、Aqライトの力……全てを使ってもカイザーンに勝てない。もう一人の僕は、最終的にある結果に辿り着いた。それが……自分が知っている限り一番大きな力”ビックバンに相当する大量のQaライト”を持っている”種の存在”だった)

 

 そう……私はクアライト博士に言われていた。私のQaライトは普通の特異点よりも多い……そのせいでお兄ちゃんがQaウォッチの機能で出て来れなくなったこともあったっけな。

 

バッドエンドシード(もう一人の僕も……種と同じように特殊な特異点なんだ。その特徴が”全時空に存在する全ての生命のQaライトを許容できるQaフィール”を持っているってものだ。そこでもう一人の僕は思いついた……Qaライトは多いけど、Qaフィールが並みで全開の出力を出せないシード。Qaフィールが大きいけど、Qaライトが極端に少ないため他のプリキュアのエネルギーでようやく戦えるエクス。だったら……"ビックバンに相当するQaライトを、規格外の大きさを持つQaフィール"で使うことが出来たら……どうなると思う?)

 

種(ッ!!……すっごい強いアカシックのプリキュアが出来る!)

 

バッドエンドシード(そう言う事!それが僕らが考えた”この後の作戦”なんだ。だから、もう一人の僕はどんなことをしても種を助ける必要があった)

 

種(で、でも……そんなこと出来るの?私がシードになったら、Qaフィールは私のになっちゃうし、お兄ちゃんが主導権をもってシードになっても、Qaフィールはタネのままだよ。その逆だって……多分一緒でしょ?)

 

バッドエンドシード(うん、恐らくはね。でも、僕らは2005年である物を手に入れた。それを使えばどうにかなる。そして……その方法って言うのは!)

 

ザッ……ザザーーーッ!!!

 

 私に最強のプリキュアを生み出す方法を説明しようとした瞬間、バッドエンドシードの身体に今まで以上のノイズが掛かり、身体が崩れ始める。

 

バッドエンドシード(ああ、ゴメン……もう時間みたいだ)

 

種(ちょ、ちょっと待ってよ!?説明がまだ終わってないよ!?)

 

バッドエンドシード(大丈夫、後の事は……”彼女”が説明してくれる)

 

種(……彼女?)

 

バッドエンドシード(へへっ!これでお別れだ。あ〜あ、消えたくないな〜……”病原菌”や"ウィルス"みたいに……僕の存在がこの身体に残っていればいいな〜。まあ、仕方ないか。じゃあ、もう逝くよ……もう一人の僕に……よろしく)ニコッ

 

……シュン

 

 バッドエンドシードは、時間が許す限りの言葉を残して消えていった。彼が言っていた”彼女”とは……もしかして、私が聞いた声の本人なのだろうか?バッドエンドシードが……最後に指さした私の背後。彼が何を指さしたのかを確認するために……私は振り向く。すると、そこには確かに”女性”が立っていた。

 

種(えっと……あなたが……私を呼んだ人?)

 

女性(ええ、そうよ。その……種ちゃんで……いいのよね?駆の双子の妹……で、合ってるかしら?)

 

種(う、うん。タネが種……です)

 

女性(わあ~!やっぱりそうなのね!こうやって近くで見ると……うん、やっぱり”果実ちゃん”にそっくりで美人さんね!お鼻は”歩夢”で、お耳は”進武”、髪色は……私かしらね)

 

 女性が私の顔をじーっと見て、お母さんやお父さん、おじいちゃんの名前を挙げて、顔のどこが似ているか確認していく。お母さん達の事をよく知っていて、髪色は女性本人に似ていると言う事……そして、私はどこかで彼女の事を見た事のある気がする。そこで思い出した。”音吉さんに貰った写真”に写っていた女性が……彼女によく似ている事を。

 

種(もしかして……”おばあちゃん”なの?)

 

廻(そうよ。初めまして、種。私は時生 廻……あなたのおばあちゃんよ)

 

 どうして、おばあちゃんがお兄ちゃんの中にいるのだろう?それにおばあちゃんが私達をどうにかしてくれるって……バッドエンドシードは言っていたわけだよね?どうやって普通のおばあちゃんがそんなことするんだろう?いや……ここにいるんだから、普通じゃないんだろうけどさ。

 

種(それじゃあ、教えて!おばあちゃんは、どうしてここにいるの?バッドエンドシードが、おばあちゃんがタネ達を”最強のプリキュア”に出来るって言ってたけど、どうやってやるの?)

 

廻(そうね……先ずは私がどうしているのかを説明するわ)

 

 おばあちゃんは真剣な顔で私に向き直り、丁寧な口調で話し始める。

 

廻(正確には……私自身は、あなたの様な”魂”ではないの。私は駆が持っている”マフラー”に込められた”思い”を、駆が集めて生み出された思念なの。こうやって話せるのは、あなたが今、身に着けている”リボン”……それのおかげよ)

 

種(これの?……あっ!そう言えばお兄ちゃんが、これは”おばあちゃんの糸”で作った、おばあちゃんの気持ちが籠ってる……って、言ってた)

 

廻(駆がね、私を種に会わせたいって言ってたの。勿論それだけじゃなくて、今回の秘策の為でもあったみたいだけどね)

 

 私は髪を結んだリボンを優しく撫でる。お兄ちゃん……そんなことまで考えてたんだ。

 

廻(それじゃあ、ここからが本題ね。私が二人を最強のプリキュアにする方法について……その方法は)

 

種(……ゴクリッ!)

 

廻(私の力で……ふたりを一つに”繋ぐ”事よ)

 

種(おばあちゃんの力で……種たちを”繋ぐ”?ど、どう言う事?)

 

 おばあちゃんに、頭に浮かんだ疑問を問う私。私とお兄ちゃんを繋ぐってどういう事?そもそも、おばあちゃんの力って何?おばあちゃんは……もしかして普通の人じゃないの?

 

廻(驚かないで聞いてね。私……昔はプリキュアだったの♪)

 

種(え・・・・・・え~っ!?お、おばあちゃんがプリキュア~!?)

 

廻(そうよ♪2010年のあなた達の戦いの時に……一応、私もいたんだけど。キュアストリング……って、呼ばれてたわ)

 

種(キュアストリング……って、お兄ちゃんをカイザーンから離してくれた、あの時の黄色いプリキュアさん!?)

 

 思い出した……お兄ちゃんの身体から抜き取られた後、カイザーンにAqライトを流し込まれていたお兄ちゃんを助けてくれたプリキュアさん。キュアストリング……あの時のプリキュアさんが、おばあちゃんだったなんて……驚いたな~。色々事情もあるんだろうけど……どうしてこうなったのかな?

 

廻(あの時は……私も中学生だったんだけど、その後に駆が色々と教えてくれてね。それで、私がふたりのおばあちゃんだって分かったし、アカシック女王……コルーリのお母さんにも未来の事は聞いたから)

 

 その事を話すおばあちゃんは、懐かしがるような、それでいて寂しそうな感じの顔をする。しかし、頭を軽く左右に振った後、その表情をまた真剣なものに戻っていた。

 

廻(話が逸れたわね。えっと、種と駆が使える"スーパーQaライト"があるでしょう。私もスーパーQaライトを使うことが出来るんだけど、種の使う女性Qaライトの特性と"全く別の特性"なの)

 

種(つまり、"膨張"の特性じゃないって事?クアライト博士は性別でQaライトの特性は異なるって言ってたのに……じゃあ、おばあちゃんの特性は何なの?)

 

廻(……私の特性は、"繋ぎ"の力。人や物、時空……あらゆるものと”繋ぐ”事が出来る力。人に繋げば……心を読む事も出来るし、物に繋げば……縛り付けることも出来る。時空に繋げば……時間も場所も思いのままに移動できる。もしかしたら……"魂"だって繋げられる)

 

種(ッ!?それって……つまり)

 

廻(そう。駆が考えた最強のプリキュアを生み出す方法は……私のスーパーQaライトを使って、駆と種の"魂"を……一つに"繋ぐ"事。そうすれば、ふたりの力は一つになり……"新しい存在"が生まれる)

 

 おばあちゃんの力で、お兄ちゃんとタネの魂を一つにする……確かに、考え方は分かる。でも、おばあちゃんは……こうも言っていた。"〈もしかしたら〉……魂だって繋げられる"……つまり。

 

種(でも、確実に出来る保証は無い……だよね?)

 

廻(試しに人や物、空間に繋いだ事はあるけど……人の魂を一つに繋ぐなんて、やった事がない。魂は人によって形が違うもので、ピッタリ嵌まるなんてほぼ無い。仮に成功したとしても、どちらかの人格が消えてしまうか‥‥最悪、どちらも消える可能性が殆ど。一度の奇跡なんかじゃ足りない!奇跡を3回は起こす位でないと……駆と種、あなた達の魂は消える!)

 

 うん、分かってた。お兄ちゃん……こんな無理がある方法、本当はしたくなかったろうな〜。でも、お兄ちゃんはやる気なんだ!無理をしてでもやり切る気なんだ!!私となら出来るって……信じてくれてるんだよね、お兄ちゃん!!!

 

種(大丈夫だよ、おばあちゃん!私とお兄ちゃんに不可能は無いんだよっ!それに……いざとなったら、種が消えるよ。種……もう死んじゃってるから)

 

廻(ッ!!)ギュウッ!

 

種(ッ!?……おばあちゃん?)

 

 苦しくならない位の力で、おばあちゃんが私を抱きしめる。私の顔の横にあるおばあちゃんの綺麗な顔。そこから涙の冷たさと、啜り泣く声が伝わってくる。

 

廻(分かっとるよ!ふたりなら大丈夫……だから、そがんこと言わんで良かよ!ふたりを信じとる!!だって……ふたりは、私達の"希望"やけんっ!!!)

 

種(・・・・・・おばあちゃん、ありがとう)ギュウッ

 

私もおばあちゃんを抱きしめて、私の気持ちを伝える。おばあちゃんの良い匂いと温かさを感じながらも……名残惜しいけど、私はおばあちゃんから身体を離して向き直る。

 

種(それじゃあ、そろそろ始めよう。お兄ちゃんの魂は……どこ?まだ、身体の中にいるの?)

 

廻(……”下”を見てみなさい)

 

種(”下”?……ッ!?)

 

 おばあちゃんが足元を指さしたので、私もそれに従って自分の足元を見る。すると、足元の”下”……そこには”真っ黒な渦”が渦巻いており、よく見ると……渦の途中あたりで、お兄ちゃんが宙吊りのような状態で浮いていた。目を凝らすと、お兄ちゃんの胸のあたりに”黒い鎖”の様なものが繋がれているようで、それが落ちないように支えているようだった。

 

種(お兄ちゃん、どうしてあんな所に!?そ、それに……あの”渦”は何?見てると……すごく気持ちが悪い)

 

廻(あれは……あまり直視しない方が良いわ。持っていかれてしまうわよ……”あちら側”にね。駆は今、あちら側とこちら側の間……そこに宙吊りなっている状態。だけど、駆はあちら側には落ちないわ……そうならない様に”因果”がそれを許さないみたいなの)

 

種(”因果”……あの鎖の事?)

 

 バッドエンドシードも言っていた……お兄ちゃんを”死ぬことが出来ない”様にしている物。それがあの鎖みたいなのって事?Aqライトの鎖に見えるけど……それとは違うのかな?

 

廻(あの鎖がある限り、駆の魂は”あちら側”に落ちていく事はない。結果として、駆は蘇るから……死ぬことはない。それが”決定した結果”……”因果”なの。さあ、種……駆の魂を迎えに行ってあげて。そしたら私がふたりを繋ぐ。後は……ふたりに任せるわ)

 

種(……分かった。おばあちゃん、いってきます!後の事はお任せあれ!ていっ!!)

 

 私はおばあちゃんに”いってきます”を伝え、今まで自分が立っていた”見えない地面”から落下する。私の身体が重力に従って落ちていくのを利用して、お兄ちゃんの元へとたどり着いた。私は、お兄ちゃんに抱き着いて落ちないようにする。

 

種(お兄ちゃん……タネだよ。全部、聞いてきた)

 

駆(ん……っ!ふわ~!……遅かったね、種。おばあちゃんと……ちゃんと話せた?)

 

種(お待たせ、お兄ちゃん。うん、ちゃんと話せたよ。それにしても……お兄ちゃん、相変わらずスゴイ事を考えるよね~!自分とか、タネの魂も危険にするようなヤベ~イ計画じゃん)

 

駆(ははっ……そうだね。でも、なんか……いける気がするんだ!)

 

種(それって……いつもの勘?)

 

駆(そう……僕の勘!)

 

種(……もう、しょうがないな~!そんなお兄ちゃんに付いて行けるのは……タネだけだよ~!)

 

 お兄ちゃんの腕が種の身体に回されて抱き合う形になる。すると、私達の周りを大量の”黄色い糸”が包み込んでいく。これがおばあちゃんの力なんだ。包み込まれていく度に……私達の魂が溶けて……混ざっていくみたい。

 

種(お兄ちゃん……タネたち……溶けて……る……みたい)

 

駆(うん……一つに……なって……いく)

 

 私(僕)達の魂がおばあちゃんの力で繋がっていく。魂は人によって形の違うって……おばあちゃんが言っていた。でも、不思議な事に……私(僕)達の魂はまるで、おじいちゃんがくれた”二つが揃って完成するネジ”の様な……元々一つだったかのように、魂が繋がっていく。それが……当たり前だったかのように。

 

種(あれ?何か……大きな物が降ってくる)

 

駆(うん……降ってくる。でも、これ位なら止めてしまおう)

 

種(そうだ、そうだね)

 

駆(そうだよ、だって……)

 

 私達の意志が重なり合い、完全に繋がった魂が……。

 

エクシード(エクシードに……限界はない)

 

 ”新しい魂”となり、産声を上げた。

 

 

side:コルーリ

 

エクシード「はい、おっしま~い!エクシードの事、分かってくれた?」

 

コルーリ「はっ!?はぁ……はぁ……い、今のは、エクシードの記憶?」

 

Xザート「ッ!?……つまり、あんたは……アルタイルと不純物の魂を繋げた存在だって言うの?」

 

エクシード「そう言う事!エクシードは”僕”であり、”私”なの!でも、エクシードはふたりの魂を繋げて生まれた新しい意識だから……そうだね、エクシードは”第三の人格”って括りでいいと思う」

 

コルーリ「第三の人格……だから、”どっちでもあり、どっちでもない”って言ったんですね」

 

 エクシードによって見せられていた”種の記憶”から解放された私とカイザーン。見せられた出来事を元に、エクシードの存在が”カケルとタネの魂を合わせて作られた新しい魂”であり、ふたりの魂から出来ているが、自身で考える事の出来る”第三の人格”である……らしい。

 

エクシード「うん、そう言う事。さ~て、これが最終ラウンドだよ……カイザーン。エクシードがあなたを倒して……全てを救うよ」ニコッ!

 

Xザート「……アルタイルの清らかな魂に不純物が混ざる?ふざけるなよ、このゴミクズッ!!!!!」

 

 怒りを露わにするカイザーンが右手の人差し指をエクシードに向ける。また、Aqライトの光線を放つつもりなのだ。彼女の指先に収束するAqライトが……エクシードに放たれる。

 

エクシード「えいっ!」

 

……シュウ

 

Xザート「ッ!?い、いつの間に!?」

 

コルーリ「一瞬で……距離を縮めた?わ、私……瞬きもしてないのに……見えなかった?」

 

 ・・・・・・事はなかった。エクシードはカイザーンとの距離、大体10メートルほどを一瞬で移動し、カイザーンの指先を収束するAqライトと一緒に摘まんでいた。それにより放たれるはずのAqライトが無くなり、放たれることもなかったのだ。エクス、シード時のふたりの高速移動にも余裕で対応できていたカイザーンだが、今の状況には驚いているらしく、エクシードに摘ままれた人差し指を右腕を大きく振るって解き、再びエクシードと距離を取る。

 

Xザート「私が……反応できなかった?なるほど……”時間に干渉”した高速移動ね」

 

エクシード「正解!Qaライトは時間に干渉するものだからね~!」

 

Xザート「それなら……はあっ!うふふっ♪それに合わせて、私を書き換えるだけ♪これでもう効かないわよ♪さあ、アルタイルの魂から……さっさと消えなさいよ、不純物っ!!!だあああああっ!!!!!」

 

 エクシードの高速移動がQaライトによる”時間干渉”による物であると見抜いたカイザーンは、自分をAqライトで包む。その光が散ると、どうやらカイザーンは時間干渉に対応できるように自分を書き換えたらしい。そして、今度はAqライトを両腕に纏い、エクシードへと突撃する。

 

エクシード「ふ~ん……それじゃあ、動くのは得策じゃないな~」

 

コルーリ「エクシード、一先ず距離を!」

 

エクシード「大丈夫だよ~!エクシードに限界はないんだから!それに……」

 

……クイッ!

 

エクシード「止まってる方が……やり易い」ギロッ!

 

 私の声に返事を返したエクシードは、首元に巻かれたマフラーをクイッ!っと上げて、口元を隠す。すると、先程までの柔らかな笑顔が消えて、鋭い眼光でカイザーンを捉えた。

 

Xザート「だああああああっ!!!!!」

 

エクシード「ふぅ・・・・・・」グッ!

 

Xザート「でえいっ!!!!!」

 

エクシード「ふんっ!!!!!」

 

ドゴンッ!!!!!!!!!!

 

Xザート「なっ!?!?!?」

 

コルーリ「きゃあっ!?!?!?チチュンッ!?じ、地面が動いた!?い、いえ……城が動かされたチュン!?」

 

 向かってくるカイザーン。それに迎撃しようとしているのか、エクシードは左腕の拳を強く握り、顔の横まで構えて……カイザーンが来るのを待つ。そして、その瞬間はやって来た。カイザーンはAqライトを纏い、振り上げた右腕をエクシードへと振り下ろす。エクシードの間合いに入ったその瞬間、エクシードは左足を少し上げ、勢いよく踏み込むのと同時に左腕を素早く振り下ろす。すると、踏み込んだ勢いで……地面が沈み込んだ。いや、ここは空中に浮かぶ城だから……エクシードが踏み込んだ勢いで、”空中に浮かぶ城が、下に動かされた”と言うのが正しいだろう。そして、それほどの勢いを加えられたエクシードが振り下ろした拳は、カイザーンのAqライトを打ち砕き、彼女の拳の軌道を変えるに至る。それが……エクシードの追撃に繋がる隙になるには、十分すぎるものだった。

 

エクシード「だりゃーーーーーっ!!!!!」

 

Xザート「がはっ!?」

 

エクシード「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!!だりゃああああああああああっ!!!!!」

 

Xザート「がっ!?かっ!!ぐっ!!!があああああっ!!!!!」

 

ドンッ!!!!!!!!!!

 

 追撃の一撃目……エクシードはがら空きになったカイザーンの身体に、右手でボディブローを叩き込み、その後の連撃……両手に赤と青のスーパーQaライトを纏い、怒涛のラッシュを放つ。一撃一撃がカイザーンの身体に撃ち込まれ、最後の右ストレートによってカイザーンは城の壁へと吹き飛ばされる。その勢いは先ほどの踏み込みと同様の衝撃で、それによって再び城が動かされる。

 

コルーリ「こ、これが……キュアエクシード!最強の……アカシックのプリキュアの力!!」

 

エクシード「ふふんっ!スゴイでしょ~!最強でしょ~!!エクシードに限界はないのだ!!!世界も、未来も、運命も……ぜ~んぶ、エクシードが……ん?……コルーリ、少しだけ静かにしてて。カイザーンが起きるみたい」

 

ドンッ!!!

 

Xザート「でえっ!!!はぁ……はぁ……!認めない!!こんな結果はあり得ない!!!”私が辿った結果”を……誰かが歪めたんだ!!!お前だろ、不純物っ!!!私のアルタイルを返せぇぇぇぇぇえええええっ!!!!!!!!!!」

 

エクシード「知らないよ!あがーーーっ!!!」

 

ギュウウウウウウウウウウッ!!!!!

 

Xザート「う、嘘でしょ!?」

 

 ここまでも信じられない状況だったが、さらに異常な状況が起きている。怒りに任せたカイザーンによる極太のAqライトの光線……それに対して、エクシードは腕も、足も使わない。なんと……使ったのは”顔”で、Aqライトを顔で受け止める。しかし、正確には使ったのは顔ではなく、”口”だ……エクシードは大きく開けた口で光線を”飲み込んでいる”のだ。

 

エクシード「ん~!んん~~~っ!!!ゴクンッ!ふ~……こってりでシツコイ味がするよ……ケップ」

 

Xザート「ッ!!だったら、これならどうだっ!!!」

 

エクシード「うげ~……Aqライトの槍がドーム状に……ちょっと面倒だな」キリッ

 

Xザート「これでも飲み込めるかしら~!アークライト・ジェイル・レインッ!!!」

 

エクシード「プリキュアさん、力を借ります!」

 

 エクシードを中心に、槍型のAqライトをドーム状に設置する。それを見たエクシードは、再びマフラーで口元を隠して”面倒だな”と呟く。それを聞いてか、カイザーンが腕を振り下ろすと、エクシードを取り囲む無数の槍が、中心に向かって不規則に放たれる。圧倒的絶望……しかし、その中でもエクシードは諦めることなく、自身を支えてくれるプリキュアに呼びかける。それに応えてか、各時代のプリキュア達が持つアイテムがエクシードの周囲にプリブートされる。

 

エクシード「メロディソード!ていっ!おっと!」

 

 掴んだメロディソードで飛んでくる槍を弾いたり、光弾を使って吹き飛ばしたりで対応するエクシード。しかし、相手の攻撃による物量が多すぎるため、握っていたアイテムが弾かれて消滅する。すると、エクシードは次のアイテムを掴み、対処を続ける。

 

エクシード「次っ!キャンディロッド!クリームをダバーーーッ!!」

 

 クリームエネルギーの壁で攻撃を打ち消したり……。

 

エクシード「リンクル・ムーンストーン!リンクル・アメジスト!」

 

 満月状のバリアで受け止めたり、魔法陣で消した攻撃を別方向に移動させて攻撃を相殺したり……。

 

エクシード「リリィ!プリキュア・リィス・トルビヨン!」

 

 ユリの花びらで攻撃を吹き飛ばしたりなど……エクシードは今までのプリキュア達の技を上手く使って、カイザーンの猛攻を退けていく。そして……。

 

エクシード「ふい~……全部落としたよ。ねえ、こんなもんなの?」

 

Xザート「くっ!!!」

 

 エクシードは全てのAqライトの槍を……凌ぎ切った!

 

Xザート「だったら……!もう加減なんかしない!!私の全てをお前一人にぶつけてやるよっ!!!プリキュアプリ!インストーーーーールッ!!!!!」

 

エクシード「いいよ、全部で掛かってきて。その全てを……エクシードは超える!」

 

 カイザーンが……恐らく、先程の”闇”に匹敵……いや、それ以上の攻撃を放とうとしている。しかし、エクシードはそれを”超える”と宣言すると、QaフォーンSを取り出す。

 

エクシード「QaフォーンS、オープン!」

 

カシャッ!

 

エクシード「はあっ!」

 

”S”TRING・コネクター:〈CHAIN〉

 

スーパーQaライト……エクス!シード!〈エクスシード・チャージ!!!〉

 

エクシード『プリキュアプリ!アップデート!!』

 

エクシード「インストーーールッ!!!」〈エクシード〉

 

 開いたQaフォーンSの中央にある”S・コネクター”を最初にスキャンし、それに続いて水色、ピンク色とQaフォーンの背面を連続してスキャンする。それによって新しく変化した浄化技プリキュアプリをタップすると、エクシードの両手首に結ばれているリボンが発光し、そこから”赤”、”青”のスーパーQaライトによりエネルギー弾が形成され、それを……エクシードは”一つ”に合わせた”紫”のエネルギー弾にする。

 

Xザート「消え失せろ!!!アークライト・エクスティンクションッ!!!!!」

 

エクシード「プリキュア・ヴァールハイト・エクシーーーーード!!!!!」

 

 エクシードとカイザーンが同時に放った浄化技。”Qaライト”と”Aqライト”の光線がぶつかり合い、周囲に衝撃波が走る。

 

Xザート「消えろ!消えろ!!消えろ!!!消エロッ!!!!キエロッ!!!!!」

 

エクシード「・・・・・・消えないよ」

 

Xザート「ッ!?」

 

エクシード「エクシードは消えない!”私”を……消させない!!”僕”も消えないっ!!!」

 

 エクシードの浄化技がカイザーンのAqライトを押し始める。

 

エクシード「プリキュアを消させない!歴史も世界も変えさせない!!あんたの好き勝手で歴史を変えるな!!!決まった未来なんてないんだ!!!!未来だって……エクシード達が自分で決めるっ!!!!!」

 

Xザート「くっ!ぐうううううううううっ!!!!!」

 

エクシード「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああっ!!!!!」

 

Xザート「Aqライトが……効かない!?そんな……そんなあああああっ!!!!!」

 

ドガガガガガガガガガガンッ!!!!!!!!!!

 

エクシード「”膨張”で無限に広がり続ける時間と……”凝縮”で極限まで縮まった時間……エクシードの浄化技は、矛盾する両方の”間”なんだよ。時間の中に出来た……”0”、それは時間の中に発生した”特異点”。書き換える歴史が存在しない、書き換える時間も存在しない……だから、Aqライトで改竄することは出来ない。変える事の出来ない……たった一つの”真実”と一緒だよ」

 

 勝負は決した。エクシードは……カイザーンの全てを凌駕した。エクシードの浄化技がカイザーンのAqライトを撃ち破り……その一撃によって、カイザーンが座っていたであろう……ネツゾーンの玉座までカイザーンの身体を吹き飛ばし、その全てが跡形もなく消え去った。

 

コルーリ「や、やった……!やりました!!遂にカイザーンを……ネツゾーンを打ち倒したんですね!!!」

 

エクシード「……いや、どうやらダメみたいだよ、コルーリ」

 

コルーリ「……えっ?」

 

シュゥゥゥゥゥン!

 

 変化は突然に現れた。周囲に舞い始めるAqライトが玉座の間全体に広がり、崩れた天井や壁、エクシードが今しがた破壊した玉座、そして……。

 

カイザーン「……はあ」

 

 跡形もなく消え、打ち倒したはずカイザーン……変身は解けているが、まるで"時間でも巻き戻した"のかと思う程に、無傷の姿で玉座に腰掛けていた。

 

カイザーン「もう良いわよ……アンタを認めてあげるわ、キュアエクシード。アンタは間違いなく私を超えてる。だけど残念ね、あなたの力じゃ……私の"巻き戻し"を崩せない。何度繰り返しても……私を消せないわ」

 

エクシード「……やってみないと分からないよ?」

 

カイザーン「分かるよ……私を消せるのは”Aqライト”か……そうね、問答無用で全てを”消滅”させることが出来るものでないと無理だもの。アンタは不純物の魂でアルタイルの魂を歪めているから、Aqライトを使うことは出来ない……良くてAqライトを取り込んで、Qaライトに再反転するのが関の山でしょ?」

 

エクシード「ちぇっ!バレてたか……!」

 

 確かに、エクシードはQaライト系の攻撃しか使っていなかった。それはカケルの存在にタネの存在を繋げた事で、Aqライトが使えなかったからだったのか。

 

カイザーン「アンタのせいで予定が全部崩れちゃったわ。でも、これで決心がついた……時生 種、あんたは絶対に消す、跡形もなく消す、魂の一片も残さないようにする。さて、次の決定事項も決まったし……”やり直し”と行きたいところだけど、流石にガス欠で無理そうね」

 

コルーリ「に、逃げるつもりですか!?ネツゾーンのアジトはここです!あなたに逃げ場はありません!」

 

カイザーン「ああ、大丈夫だよ……残りの力でも余裕で新しい時代は作れるから。せっかくだし、この時代はあなた達にあげるわ……そろそろ、”壊れる”けどね♪」

 

パリ―ンッ!ガキ――ンッ!!ガラガラガッダーーーンッ!!!ドガガガガガッ!!!!!

 

コルーリ「チチュンッ!?!?!?し、城が!?空も割れてる!?な、何をしたんですか!?」

 

 不敵な笑みを浮かべるカイザーン。それに合わせて城全体……いや、”世界中”から……ありとあらゆるもの物が壊れていく音が聞こえる。それに驚く私を見て、カイザーンは可笑しそうに笑いながら……座っていた玉座から立ち上がる。

 

カイザーン「今までこの時代を支えていたAqライトを遮断したの。さ~て、私はもう行くね♪この時代があなた達の墓標よ♪あっ♪今のすっごい悪役っぽい♪そうだ!悪役なら……逃げながらもあなた達に嫌がらせするのが”悪役の鑑”だよね~♪それじゃあ、あなた達がこの時代から脱出できたら、すっっっっっごい嫌がらせしてあげる♪」

 

コルーリ「すごい……嫌がらせ?」

 

カイザーン「そう……きっと驚くよ♪何をするか気になる~?ヒントはね~……この時代に来てから”まだ姿を見せてないモノ”で……おっと!ここから先は脱出してからの……お・た・の・し・み♪バイバ~イ、私のアルタイル♪コルちゃん♪……全時空で一番大っ嫌いな不純物♪」

 

コルーリ「待ちなさい!きゃあっ!?」

 

エクシード「よっと……コルーリ、今はエクシード達も逃げないと」

 

カイザーン「うふふっ♪それじゃあ……チャオ♪」チュッ♡

 

 エクシードの制止により、私達はカイザーンを追う事をせず、奴はこの時代から逃げてしまった。……投げキッスなんかして、不愉快チュン!

 

ドガーーーーーンッ!!!

 

エクシード「ヤバッ!城が崩れそう!さあ、逃げるよ〜!!!」

 

グッ!

 

コルーリ「……ふぇ?」

 

エクシード「どりゃーーーーーっ!!!!!」

 

ドンッ!!!!!!!!!!

 

コルーリ「チュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!?!?!?!?!?」

 

 私を身体を抱えたエクシードが、地面を思いっきり蹴り飛ばす。すると、その勢いで城の天井に空いた穴……その先にある”外”まで跳びあがる。身体に掛かる重力に逆らうようにして跳びあがった私の身体は、空を飛ぶことが当たり前の私が……人生で感じた事のない衝撃だった事は、察して欲しいチュン。

 

エクシード「口を閉じてないと舌を噛むよ!アカーシャまで全速力で飛ぶんだからねっ!!!」

 

バンッ!!!!!!!!!!

 

コルーリ「ッ~~~~~~!?!?!?!?!?」

 

エクシード「あった!このまま突っ込むよっ!!!」

 

コルーリ「チチュン!?す、ストップ!!スト~~~~~ップチュ~~~~~ン!!!!!」

 

エクシード「大丈夫!操縦室に”ダイレクト”で入るだけだから!!!壊れないように機体の装甲を通り抜けるし……ねっ!!!!!」

 

シュン・・・・・・ストッ!

 

 空中を蹴りアカーシャへと突っ込んでいくエクシード。彼女はその凄まじい勢いをそのままに……アカーシャへ乗り込もうとするので、私は何とか制止しようとするが、彼女はその制止を振り切り……結局、彼女は自分の思った通りに行動した。しかし、エクシードと私は無傷だった。アカーシャの装甲を通り抜け……私達は操縦室の中にいたのだ。

 

エクシード「よし、思った通り!コルーリ、クアライト博士たちに早く通信して!ここから逃げる様に促して!!」

 

コルーリ「は、はい!こちら、プリキュアカーシャ”モデル1”!カケル、タネと共に脱出に成功!現在、この時代の崩壊が始まっています!!直ちに脱出を……ペック!ペック!!応答するチュン!!!」

 

エクシード「繋がらないの?」

 

コルーリ「は、はい……通信に応答がないんです」

 

エクシード「……この時代が崩壊するまでどれくらい掛かるか計算できる?」

 

コルーリ「は、はい!えっと……出ました!あと……”1分”です!」

 

 通信が繋がらない”モデル2”を心配する私にエクシードが、この時代が崩壊するまでの時間を問う。私はすぐに計算を開始し……結果は出た。残り時間は”1分”……今すぐ時間航行を開始すれば脱出は出来るが、モデル2は時間航行の準備を開始してすらいない。恐らく、私がネツゾーン城内を探索している間に何かトラブルがあったのかもしれない。遠隔操縦しようにも、モデル2側が操縦譲渡の指示を受け付けない……このままではお父様も、ペックも救うことが出来ない!その時、エクシードが動いた。

 

エクシード「1分か……あっちは準備してないから間に合わないよね。……よし!それじゃあ、エクシードが何とかするよ!コルーリ、揺れるから操縦桿にしっかり掴まっててね!」

 

コルーリ「えっ!?エクシード、一体何をするつもりですか!?」

 

エクシード「えっ?何って……時空間に入り口を作って、そこからエクシードがアカーシャ二機を引っ張って、時空間の中に逃げるんだよ!大丈夫、エクシードに限界はないから!てえっ!!!」

 

 そう言い残すと、エクシードは再びアカーシャの外へ飛び出す。それを確認するために、私はアカーシャのモニターを起動して外の映像を映し出す。そこには空中に浮いた状態のエクシードがおり、彼女はアカーシャ二機の前にいた。

 

エクシード「エクシード・ストリング!時空間に接続……解放!!!」

 

シューーーーーンッ!!!!!

 

エクシード「よし!はあっ!コルーリ、崩壊まであと何秒!」

 

コルーリ「残り・・・・・・15秒!」

 

エクシード「それじゃあ、急ぐよ!どりゃああああああああああっ!!!」

 

 エクシードの放った”糸”が空間に繋がると、そこに”ゲート”が開き……それを確認したエクシードが両手でアカーシャに糸を括り付ける。そして、エクシードは全力でアカーシャを引っ張り、ゲートの中に飛び込もうとする。

 

エクシード「飛べええええええええええっ!!!!!」

 

 開いたゲートに飛び込む私達……超えたゲートの先は、私達が時間航行に使う”アカシックレコード内の時間航行回廊”だった。ゲートが閉じたのを確認した数秒後、アカーシャの後方で何かが輝き……それと同時に凄まじい”時空震”が駆け抜ける。あれは……恐らく、崩壊していく”パラレルワールド〈2019年〉”による物だ。漸く揺れが収まると、アカーシャにモデル2からの通信が入る。

 

ペック『い、痛いキー……っ!こちら、プリキュアカーシャ”モデル2”……コルーリ、戻って来たキー?』

 

コルーリ「ッ!?こ、こちら、プリキュアカーシャ”モデル1”!帰投完了、キュアエクスはタネの救出に成功し……カイザーンの一時撤退に成功したチュン!」

 

ペック『な、何だって!?く、クアライト博士!今の報告を聞きましたキー!?』

 

クアライト『あ、ああ……聞いていたクア。しかし、この状況はどういう事クア?私達はネツゾーンの本拠地であったはずの2019年にいたはずが、現在は時間航行回廊内……しかも、私達がいた2019年の座標そのものが消失している。コルーリ……お前の作戦違反については一先ず置いておこう。すまないが、詳しい報告を求むクア』

 

コルーリ「りょ、了解チュン!」

 

 ようやく通信が繋がり、安否を確認できたお父様とペックに報告を行おうとする。すると、それを遮るようにエクシードが再び操縦室に入ってくる。

 

エクシード「コル~リ~……エクシード、もう……」

 

バタンッ!

 

駆・種「「無理~……!」」

 

コルーリ「あっ!?だ、大丈夫ですか、ふたり共!?」

 

ペック『お、おい!どうした、コルーリ!?』

 

クアライト『……ペック、モデル2の操縦をオートに。他艦への移動用連結管をモデル1に繋ぎたまえ。私達がモデル1側に向かい報告を受けるクア。コルーリ、ふたりを一先ず休ませるように……すぐにそちらに行くクア』

 

コルーリ「……了解チュン」

 

 

プリキュアカーシャ”モデル1” 操縦室

 

 私は変身が解けたカケルとタネをそれぞれ座席に座らせる。すると、数分の後にお父様とペックが私達のいる操縦室にやってくる。私は元の妖精の姿に戻り、お父様の前に立つ。

 

クアライト「コルーリ……今回の作戦違反は無視できるものではないクア」

 

コルーリ「……申し訳ありませんでしたチュン」

 

ギュウッ!

 

コルーリ「ッ!?……お父様?」

 

クアライト「良かった……!本当に無事で……良かったクア!」

 

コルーリ「本当に……申し訳ありませんでした、お父様。ですが、この目でネツゾーン城で起きた全てを見てきました!そこでの全てを……報告しますチュン!」

 

 私は……あの城で起きた全てを報告した。タネの救出、キュアエクシードの誕生、カイザーンを退けることは出来たが……取り逃がしてしまった事……全てを余すことなく報告した。

 

コルーリ「以上がネツゾーン城で起こった全てチュン」

 

クアライト「キュアエクシード……カケルとタネが一つとなったアカシックのプリキュア。それによってカイザーンは倒せたが、完全に浄化する事も、消滅させることも出来ず……カイザーンが作った時代の崩壊からの脱出を優先し取り逃がしたか。ふむ……その判断は間違っていないクアね。まずは安全が最優先クア……しかし、カイザーンは何処に逃げるつもりクア?それに……奴が言ったと言う”嫌がらせ”とは一体?それに……気になる事もある。カイザーンは”巻き戻し”と言ったクアね……まさか……そんな事が……」ボソッ

 

ペック「博士、どうしましたキー?」

 

warning!warning!warning!

 

 操縦室に響き渡る緊急アラームと同時にアカーシャ全体が揺れる。私はすぐさま操縦席に座り状況を確認すると……信じられない状況が起こっていた。

 

クアライト「コルーリ、何が起こっているクア!?」

 

コルーリ「あ、アカーシャが謎の座標に向かって勝手に動き出しています!」

 

ペック「ど、どう言うことキー!?」

 

駆「……カイザーンだ。奴が僕らを……どこかに導こうとしてる」

 

コルーリ「カイザーンが?まさか……これが”嫌がらせ”!?」

 

 画面に表示される謎の座標へ向かい、アカーシャが動き出す。操縦も出来ず、別の座標に設定を変えることも出来ない。私達を乗せたアカーシャは……カケルの言うカイザーンのいる場所へと導かれる。

 

 

座標〈PAS2004-2018〉

 

side:駆

 

コルーリ「ん……はっ!き、機体正常……止まりました!」

 

……あー!あー!!アルタイル、コルちゃん、それからアカシック王国の妖精たちと……不純物……聞こえる~?

 

 揺れていたアカーシャが止まると、聞き慣れた声が操縦室の全体から響く。この不愉快な声は……間違いない。

 

駆「コルーリ、アカーシャの外の映像を出してくれる?」

 

コルーリ「は、はい!……映像、出ます!」

 

種「ッ!!……あいつ!!!」

 

駆「やっぱり君か……カイザーン」

 

カイザーン『はあ~い♪無事脱出できたのね~……まあ、出来ない訳ないよね~……アルタイルなら♡』

 

 アカーシャの外に広がるのは……”宇宙”のような空間。周囲にはあるのは真っ暗な空間に、そこに浮いている”15個の地球”……まるでディケイドの一話にあったパラレルワールドを紹介した際のシーンの様だ。そんな15の地球の中心……そこに奴は、カイザーンはいた。ここはあいつが作った空間なのだろう……そして、導いたのもあいつ……一体、何をする気なんだ?

 

駆「カイザーン、ここは何処だ?僕達をここに誘い込んだ理由は何だ?」

 

カイザーン『誘い込んだ理由は……さっき言った”すごい嫌がらせ”をするため♪ここはそのための舞台……かな♪ねえ、アルタイル……この周りにある”地球”は何だと思う?あなたなら……分かるでしょう?」

 

 カイザーンが僕に向けた問い……”この空間にある地球は何か”?僕は頭の中に浮かんだ……答えを口にする。

 

駆「……プリキュアさん達の時代。プリキュアが生まれた2004年から2018年まで……僕たちが関わらなかった2004年と2007年を含めた……僕達の2019年以前に存在する”15個の時代”かな」

 

カイザーン『流石よ、アルタイル♪そう……この地球は、私がそれぞれの時代を分割して形にしたもの。この地球の中にはその時代に存在する人、物……そして”プリキュア”がいる。簡単に言えば……そうね、プリキュアって言う長い物語を各章に分けた……”記録”ってところかしら』

 

種「あんた……それに何しようって言うの!?」

 

カイザーン『喚かないで、不純物……私はアルタイルと話してるの。ねえ、アルタイル……私ね、あなた達が最高に嫌がる方法を思いついたの♪今から見せてあげる……そして、絶望しなさい♪』

 

駆「まさか……Aqライトで書き換えるつもりか!?」

 

カイザーン『まさか~!そんなことしないよ~……それに言ったでしょう?今はガス欠なんだって……だから、”これ”を使うの♡』

 

・・・・・・デリ~ト~!

 

 カイザーンが生み出した小さな次元の裂け目に右腕を突っ込み……中から”何か”を取り出す。それは……手の平サイズの真っ黒な”カエル”の様な姿をした……”兵器”だった。そうだ……確かにいなかった。ネツゾーン城に潜入してから脱出するまで……まだ姿を見せていなかったモノ”!

 

駆・種・コルーリ「「「”デリート”!?」」」

 

カイザーン『そう……もしもの時の兵器はこういう時に使わないとね♪さあ、デリート……今回のご馳走は”15個の時代”よっ!!!』

 

デリート『ご馳走……?これ全部?全部……!全部!!全部デリートが喰っていい!!!喰う!!!喰ウッ!!!!喰ウウウウウウウウウウッ!!!!!』

 

カイザーン『そうよ……全ての時代!そこにある”プリキュアの記憶”を……全て喰らいなさい♪』

 

デリート『デリィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイトオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』

 

・・・・・・バクンッ!!!!!!!!!!

 

 手の平に乗ったデリートが大口を広げ始める。その大きさは……例えるなら”ブラックホール”の様だ。そのブラックホールの様に、この空間に匹敵するほどに肥大化した大口で……デリートは、15個の地球を……全て飲み込んだ。

 

デリート『ん~~~~~・・・・・・モゴモゴ・・・・・・ベッ!!!!!』

 

種「は……吐き出した!け、けど……別に何か変わった感じはしないよ」

 

駆「いや・・・・・・”変わった”」

 

コルーリ「カケル?」

 

種「お兄ちゃん、何が変わったの?早く教えてよ!」

 

 デリートに飲み込まれた地球が吐き出される。それによって……間違いなく変わった。それは……恐らく僕にしか感じれないから分からないんだ。何故かって?それは……今まで僕の中にいた……。

 

駆「僕の中にいたプリキュアさん達が……消えた!」

 

 彼女(プリキュア)達が……急にいなくなってしまったのだから。

 

カイザーン『うふふっ……驚いた?あははっ!あはははっ!!あははははっ!!!』

 

種「何をしたの!?言えっ!!プリキュアさん達に何をしたっ!!!」

 

カイザーン『はあ~……♪うん、笑った♪あ~……何をしたかだっけ?デリートを使って各時代の”プリキュアの記憶”を消したの』

 

コルーリ「……チチュン?そ、それで……なんでカケルの中にいるプリキュア達が消えてしまうチュン?」

 

カイザーン『知ってる?”記憶”ってね、歴史と同じなんだよ♪あなたなら分かるでしょう?思い出してみて、アルタイル……2016年で魔法つかいプリキュアにデリートを使った時はどうだった?2013年でキュアハートにデリートを使った時はどうだった?」

 

 カイザーンの言葉を聞き、僕は頭の中で今までの事を思い出しながら、カイザーンの言葉の意味を考える。そして……僕は一つの仮説に辿り着いた。

 

駆「そうか……だから、プリキュアさん達が消えたのか!」

 

種「ど、どう言う事!?」

 

ペック「早く説明するっキー!」

 

駆「2016年での出来事で、あの時は僕達の記憶をみらいさん達から奪った。その時は世界の中心である彼女達から僕らの記憶が消えた事で、それ以外の人からも”僕達の記憶”が消えた。2016年、2013年での事はそれぞれプリキュア達から記憶が奪われた事……つまり、プリキュアの記憶も消せる」

 

クアライト「・・・・・・まさか!?」

 

 クアライト博士も……どうやら僕と同じ結果に辿り着いたみたいだ。

 

駆「さっきデリートがしたのは”各時代”から”プリキュアの記憶”を奪った事……それは世界の”全て”からなんだ。全ての記憶できる存在から”プリキュア”が消えた……勿論、”プリキュア本人”からもね」

 

コルーリ「つまり……自分がプリキュアであることを”忘れてしまった”って事チュン!?」

 

駆「恐らく。それにもう一つある。コルーリ、”存在している事”を証明するには……どうすれば良いか分かる?」

 

コルーリ「えっ?それは……そこに存在していれば、存在しているって事ですよね?」

 

駆「それじゃあ、半分だ。後は……それを”認識できるか”だ。仮に僕って存在がそこにいたとしても、それが”時生 駆”だと分からないとダメなんだ。共通認識がないと……存在しているとはならない。逆に考えれば……《誰も認識できなければ、”存在していない”》って事にならないかな?」

 

 そう……だから……!

 

駆「つまり、各時代はプリキュアの記憶が奪われた事で、”プリキュアを誰も認識できない世界”になった。それによってプリキュアの存在を証明できなくなったから……”プリキュアが存在しない”って世界に”誤認”させたんだ」

 

ペック「そ、そんな事あるのかよ!?」

 

駆「歴史と一緒だよ。僕達が過去にあった歴史を理解できるのは、過去の事象、出来事、遺跡、文献など後世に残されているからだ。それが無ければ、無いも同然なんだよ。カイザーンが今までやったことはプリキュアを”直接的”に消す事で歴史から消していた。だけど、僕達が固定化したことでそれは出来なくなった。だから奴は……プリキュアである少女達を消さずに、記憶に干渉することで”間接的”にプリキュアを歴史から消したんだ。だから、固定化してるのに僕の中からプリキュアさん達は消えた……プリキュアである事を忘れてしまったから」

 

クアライト「固定化は、アカシックのプリキュアを歴代プリキュアのチームメンバーにすることで、それ以外のプリキュアが消えてしまっても、チームそのものの存在が残ることを利用し、存在が捏造されないようにすること。プリキュアを認識できなくなっただけで、存在はある……固定化の欠点を衝いた形クア」

 

 歴史とは人間の生み出した記憶の積み重ねだ。カイザーン……奴はデリートを使い、忘却を利用した認識の”誤認”によって、《存在するのに、存在しない》と言う状態を世界に作り上げたんだ。

 

カイザーン『あははっ♪スゴイでしょ~♪私、自分でもこんな事を思いつくなんて思わなかった♪ヒントをくれてありがとう……不純物♪』

 

種「わ、私……?」

 

カイザーン『そう……今のあなたと”私”の状態がヒントになったの』

 

コルーリ「タネと……カイザーンの状態?」

 

カイザーン『あっ!見て~!各時代に変化が出てるよ~♪』

 

 カイザーンの言葉を聞き、僕はすぐにモニターに映るそれぞれの地球を見る。すると、それぞれに大きな変化が出ていた。一つは”時間が止まり”、一つは”灰色の世界”に、また一つは”二つの地球”が重なろうとしている。それだけじゃない……ほぼ全ての地球が崩壊を始めている。

 

カイザーン『アハハッ♪綺麗~♡』

 

ペック「ふざけんな!今すぐ戻しやがれキー!」

 

カイザーン『や~だよ♪さあ、どうする……アルタイル♪』

 

駆「全部……何とかするさ!そして、今度こそ……カイザーン、君を救う!」

 

カイザーン『嬉しい♡そうだ……さっきコルちゃんのアカーシャに干渉して各時代に一直線にしか進めないように調整してあるから……真っ直ぐ進めば私の所に着くよ♪それまでに……私を救う方法を考えておいてね♡まあ……方法は一つしかないけど……うふふっ♪それじゃあ……待ってるね♡』

 

 カイザーンはAqライトで裂け目をつくり……その中へと消えていった。

 

ペック「で、これからどうするっキー!?」

 

種「私達のアカーシャは一直線にしか進めないって言ってたから、このまま進むしかないけど……そもそも、どうやって各時代の崩壊を止めればいいの~!?」

 

コルーリ「……お父様、何か良い方法はありませんチュン?」

 

クアライト「ふむ……現在、各時代に起こっている崩壊は、それぞれの時代でプリキュア達が最後に決着をつけるはずの敵による物だろう。それをどうにかすれば崩壊は止まるだろうが……それをするべきは”各時代のプリキュア達”クア。アカシックのプリキュアが干渉すれば……根本の歴史が変わってしまう。そうなれば今の不安定な状態を悪化しかねんクア」

 

駆「いえ……僕達がその敵を倒します。その方法しかありません」

 

 クアライト博士の考察に、真正面から反対意見を出す僕。だって……僕はその方法が一番安全だと考えているからだ。

 

クアライト「何を馬鹿な!?一体、何の根拠があるクア!?」

 

駆「その根拠を一番理解してるのは、クアライト博士の筈ですよ」

 

クアライト「……?どういう事クア?」

 

 落ち着いているように見えるが、どうやらクアライト博士も動揺しているようだ。仕方ないので、僕は自分の考えを伝えることにした。

 

駆「重要なのはアカシックのプリキュアである僕らが今までしてきた”固定化”です」

 

種「固定化……が、重要なの?」

 

コルーリ「ッ!!……分かりました!固定化は《アカシックのプリキュアを歴代プリキュアのチームメンバーにする事》!つまり、カケル達はヴァールハイト・プリキュアであるのと同時に”各時代のプリキュアチーム”でもある状態だから、元々の歴史通り”各時代のプリキュアが敵を倒した”と言う結果は変わらない!」

 

駆「そう言う事!だけど、それでも状況が変わるから……一時的な応急処置程度にしかならないだろうけどね」

 

 コルーリが僕の考えを全て話してくれた。少なくとも、僕が考える方法ではこの方法が一番有効だし、安全なはずだ。おっと、確認したい事を確認しておかないと!僕はQaフォーンSを取り出し、そこから各時代の変身アイテムを出現させる。アイテムは残っているが、残念ながら……アイテムに光はなく、灰色になってしまっている。プリキュアプリも使えないようだ。

 

駆「ふっ!アイテムは無事だけど……プリキュアさん達のプリキュアプリは使えないか」

 

種「それなら、タネがプリキュアさんの分もお兄ちゃんを助けるよ!」

 

駆「……うん、ありがとう。でも、僕も助けるから……ふたりで一緒にだよ、種」

 

コルーリ「……お父様、私達ヴァールハイト・プリキュアはこのまま各時代の崩壊を修復、カイザーンのいる座標まで進もうと思いまチュン。お父様とペックは、干渉されていないモデル2で一度アカシック王国へ帰還してください」

 

 コルーリはクアライト博士に今後の方針を報告する。それを聞いたペックは動揺しているが、クアライト博士は……ただ静かにコル―リの言葉を聞いていた。

 

ペック「な、何を言ってるキー!?お前を危険に晒せる訳ないキー!アカーシャの操縦なら俺が変わる!お前とクアライト博士が……!」

 

クアライト「ペック、もういいクア。コルーリ……本当にいいクア?引き返すなら……今クアよ?」

 

コルーリ「お父様、心配さてばかりでごめんなさいチュン。だけど、私はカケルやタネと一緒に行きたいチュン!私も……ヴァールハイト・プリキュアの一人チュン!彼らの戦いを……最後までこの目でみて、歴史に残したいチュン!お願いします……お父様!」

 

 コルーリの心からの願いを聞いたクアライト博士は……その大きな翼を広げると、コルーリを抱きしめる。

 

クアライト「必ず帰ってくるクアよ……絶対クア……」

 

コルーリ「……はいチュン」

 

クアライト「信じているクアよ、コルーリ……私達の”希望”」ギュウッ

 

 どれだけの時間……抱擁していただろう。長い長い抱擁を終え、クアライト博士は僕達の方を向く。

 

クアライト「カケル、タネ……コルーリをお願いクア」

 

種「うん、まかせて!絶対、連れて帰るから!」

 

駆「僕の全てを賭けても……守ってみせます」

 

クアライト「ありがとう……誇り高きアカシックのプリキュア達。ペック、モデル2に行くぞ……すぐに準備するクア」

 

ペック「ま、待って下さい、博士!くぅ……コルーリ、絶対に帰ってくるキー!絶対の絶対キー!!!」

 

コルーリ「……はい、約束チュン」

 

 博士とペックはアカーシャモデル2に戻ると、空間を切り裂くような”碧の流星”と共に……彼らはこの空間から脱出していった。

 

コルーリ「……お父様、必ず……帰りますチュン」ボソッ

 

種「あっ!そうだ!お兄ちゃん、まだ言ってない言葉があったよ!」

 

駆「ん?……ああ、そうだね。……コルーリ!」

 

コルーリ「?……どうしましたか、ふたり共?」

 

駆・種「「せ~の!ただいま、コルーリ!」」

 

コルーリ「ッ!!……おかえりなさい……ふたり共……!」

 

 漸く3人が揃い、交わすことが出来た……”ただいま”。その数秒後、この空間を”碧の流星”が……時間が止まった2018年へ向かって駆け抜ける。さあ、僕達3人の……最後の旅を始めよう!

 

 

To Be Continue……d......dddddddddd......■■■■■■■■

 

おっと……悪いけど、これ以上は続かないよ。

 

 

やあ、画面の外で今まであいつらを観測していた皆さん……おはよう、こんにちは、こんばんは。……ん?俺が誰かって?ああ、ごめん……名前を出すよ。えっと……。

 

レクス【よっと!ふう~……これで良いかな。改めまして、俺の名前はレクス……今まであいつらを観測してたあなた達には……俺の事も分かってるだろうから、手短に言いたい事だけ言わせてもらうよ】

 

レクス【申し訳ないんだけどさ……あいつらの物語はここでお終いなんだ。今まであいつらの物語を観測してくれてありがとう。……えっ?どうしてお終いなのかって?それは……俺の目的がもうすぐ達成するからだよ。そのために”トキオ カケル”は必要ないからさ……だから、あいつの物語はここでお終いって訳さ】

 

レクス【ん?なんだい……まだ観測したいの?ふ~ん……それじゃあ、君たちにこれをあげるよ。……えっ?これは何だって?それは……俺の”結婚式の招待状”。祝儀はいらないよ……ドレスコードもないから気楽にして構わないから】

 

レクス【おっと……そろそろ俺の花嫁……”コルーリ”を迎えに行かないと。それじゃあ……アデュー!】

 

 

ヴァールハイト・プリキュア......Fin?




いかがだったでしょうか?うん、今回も長かった……。さて、皆さんにご報告があります。今回の話をもちまして、暫く”ヴァールハイト・プリキュア”を休刊しようと思います!
理由としましては……”劇場版の第二弾”の執筆を始めようかと思いました。最近の投稿頻度の遅れは仕事の他に、劇場版第二弾の構想と並行作業してたのもあったことが原因でございました。そして、漸く構想の方が纏まりまして予告も作ることが出来たので、本編を楽しみにしている読者の皆様には申し訳ございませんが、休刊して劇場版の執筆をしようと思います。
私の勝手ではございますが、これからもヴァールハイト・プリキュアを、そしてこれから執筆する劇場版第二弾もよろしくお願いいたします。
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