ヴァールハイト・プリキュア   作:32期

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明けましておめでとうございます、32期です!元旦は主人公である駆と種の誕生日です!2026年は駆と種が20歳になります。そんな訳で、すこしだけ大人の話にしました。そして、可能ならヴァールハイト・プリキュアの劇場版2作目を読んでいると、より楽しめると思います。では、お楽しみください!


僕(私)たちの誕生日〈2026〉

2025年12月31日 多田織市

 

詩文「へっくしゅんっ!!!ぶ〜!さび〜!!……はぁ、今年は俺達2人だけか〜」

 

和澄「馬鹿!私達の事を考えて、駆君達が気をつかってくれたのよ。……夫婦になって初めての年越しだからって///」

 

詩文「ッ!?……そ、そうだな///」

 

???「すみません、そちらのご夫婦の方。少し尋ねても宜しいでしょうか?」

 

詩文・和澄「へっ!?……ど、どうぞ///」

 

 今年もあと少しなった多田織市。そんな街を歩いていた駆達の友人2人に、高校生くらいの少年が話しかけてきた。

 

???「"時生 駆"と言う方を探しているのですが、ご存じありませんか?」

 

詩文「えっ?駆を探してるのか?……んっ?なんかあんた……駆に似てるなぁ?」

 

???「……あぁ、遠い"親戚"なもので」

 

 黒い髪を短く切っている少年を見て、駆の親友である詩文は——他ならぬ親友の面影を少年に感じた。すると、少年はその理由を《遠い親戚》と伝えたので、詩文はすぐに納得した。

 

詩文「あ〜……なるほどな!どおりで似てる訳だ!じゃあ、年末で会いにきた感じ?」

 

???「まあ、そんなとこです」

 

和澄「でも、駆君たち、家には居ないんじゃない?ほら、今年も"あっち"に行ってるだろうし」

 

???「あっち?」

 

詩文「そうそう!毎年恒例になってるやつな!あか……あかしく……何とかって所に行ってんだろうぜ!」

 

???「"アカシック"……なるほど、分かりました。そっちに行ってみます。それでは、失礼します。お二人共、良いお年を」

 

 丁寧に別れを告げて去って行く少年を見送る2人。礼儀正しい言葉遣いに、再び"親友"の面影を感じて笑う詩文とは対照的に、和澄はどこか腑に落ちない様子でいる。

 

詩文「じゃあな〜!……あの堅苦しい感じ、間違いなく駆の親戚だな。なあ、和澄……和澄?どうしたよ、考え込んで」

 

和澄「う〜ん……いや、結構前にさ、駆君の親戚について種ちゃんに聞いた事があるのよ。【"いとこ"とか居ないの?】って。確かその時、親戚は殆どいなくて……いとこの"女の子"しかいないって聞いたんだよね」

 

詩文「えっ?じゃあ、あいつ……あれ?」

 

 ある疑問に気付いた2人は、向き合っていた視線を、疑問の原因である少年へ戻そうとしたが、ついさっきまで見送っていた少年の姿は——冷たい風が吹く、町並みの中から消えていた。

 

 

アカシック王国 アカシック城前

 

うた「はい、駆さん!クリームソーダです!」

 

駆「ありがとう、うたちゃん」

 

なな「あの、いいんですか?駆さん、20歳になるんですよね?」

 

こころ「こう言う時って、お酒を飲むんじゃないですか?クリームソーダじゃなくて」

 

駆「あはは……僕、お酒は飲まないって、おばあちゃんに飲まされた時に決めてるから。それに、あれを見てると……ね」

 

 そう言って、駆は中央に集まった人混みを指差す。そこには、成人して大人になったプリキュア達に囲まれる種がいた。

 

種「んっ!んっ!!んっ!!!ぷは〜〜〜!!!!!えへへっ!おしゃけ、おいひ〜〜〜!!!」

 

なぎさ「おっ!種ちゃん、いける口だねー!」

 

ほのか「うふふっ!ビールも良いけれど、今度は日本酒もいかが?スッキリして美味しいわよ」

 

かれん「こっちにはワインもあるわよ。芳醇な香りを楽しみながら飲んでみて」

 

種「えへへっ!飲む!飲むっ!!!ぜ〜んぶ、持ってこ〜〜〜いっ!!!あはははっ!!!!!」

 

駆「ああは……なりたくないしね」

 

キミプリ「「「あ〜……」」」

 

 駆の言葉に納得した3人は、苦笑いを駆へ返した。

 

プリルン「タコさんウィンナー、美味しいプリ!」

 

メロロン「ねえたま、お口が汚れてるメロ!」

 

駆「ふふっ、2人も楽しそうで良かった。……まあ、飲めないのもあるけどさ、来年は……僕にとっては"特別"なんだ」

 

こころ「特別?何が特別なんですか?」

 

駆「僕が過去に超えた……"行き止まりの未来"があった年だから……かな」

 

こころ「"過去"に超えた……」

 

なな「"行き止まりの未来"?」

 

うた「ん〜……過去なのか、未来なのか、よく分からないんですけど」

 

駆「ああ、そうだね。言葉にすると、分かりづらいよね」

 

 駆は、過去に超えた——未来の自分"レクス"を思い出していた。当時、13歳だった自分が直面した20歳の自分。戦いが終わり、自分が20歳になってみて、今の自分が——どれだけ幸福なのかを噛み締めている。彼が生きた未来に、時代が追いついたから——この時代をしっかりと見据えていようと言う、駆なりの決意だった。

 

駆「……まあ、そんな理由で、来年が終わるまでは断酒しようかなって。飲む気もないけどね」

 

——バタンッ!

 

 その時、話している後ろから何かが倒れる音がする。その音の方へ視線を向けると、そこには地面に倒れている”琴爪 ゆかり”がいた。

 

駆「ゆ、ゆかりさん!?どうしたんですか!?」

 

ゆかり「か、駆……に、逃げな……さ……」ガクッ

 

駆「ゆ、ゆかりさん!しっかりして下さい!」

 

こころ「あ、あれ?なんか……ゆかりさん、お酒臭くないですか?」

 

駆「ゆかりさんは、自分が飲める量を分かってるはずだ。酔いつぶれる量のお酒を自分で飲む訳……」

 

おに~ちゃ~~~ん!

 

 倒れたゆかりの事を考えていた駆とキミプリの3人。すると、駆を”お兄ちゃん”と呼ぶ人物が、カラン、カランと酒瓶がぶつかる音を響かせてやって来た。

 

種「おに~ちゃ~ん!タネ~、酔っちゃったみた~~~い///」

 

こころ「わわっ!?種さん、そんなに酒瓶持ってたらあぶないですよ!」

 

なな「あれ?あのお酒の瓶、どこかで見た様な……」

 

うた「知ってるの、ななちゃん?」

 

駆「……おい、おい!おい!!おいっ!!!スピリタスに!エバークリア!サンセット・ベリー・ストロング・ラムに!ストローとロンリコ151!?誰ですか!?こんなアルコール度数の高い酒を持ってきたのは!?」

 

種「えへへっ!ありすちゃんに頼んでおいたんだ~!それでね~、これ全部をお口の中で混ぜ混ぜして~、みんなに口うちゅしで分けてあげたらね~……皆、寝ちゃったの~~~!」

 

駆「ッ!?そ、そう言えば……嫌に静かに……ッ!?」

 

 種に意識がいって気付いていなかったが、よく見ると——倒れているのはゆかりだけではない。種にお酌をしてあげていたなぎさ達や、周りでパーティーを楽しんでいた他のプリキュア達が、端っこで話していた駆とキミプリの3人以外——種によって倒されていた。

 

うた「プ、プリルン!?メロロンッ!?あっ!」

 

プリルン「プ……プリ~~~///」

 

メロロン「メロメロ……メロ~~~///」

 

種「えへへ~!あっ!安心ひてね、おに~ちゃ~ん!ツバサ君にはチュ~じゃなくてね、瓶で……”ゴンッ!”って、してから~……瓶の中の飲ませたの~!私のチューは、男の人は~、おに~ちゃんだけだからね~~~!」

 

駆「いや、”ゴンッ!”もダメだって!うわっ!?」

 

——ガシッ!!!!!

 

種「つ~か~ま~え~た~~~♡」

 

駆「ま、待って!?話せばわかる!まずは瓶を置いて……!」

 

種「おに~ちゃ~ん、チュ~~~……!」

 

駆「うわぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」

 

——ガチッ!

 

 種によって直接”高アルコール全部混ぜカクテル”を粘膜接触させられそうになった駆。あと少しで接触しようとした瞬間、空間全体に”歯車が止まった”ような音が響く。すると、その音を聞いた駆だけが——その世界で動いていた。

 

駆「……止まってる。今の音、誰かが時間を止めたのか?」

 

良いザマだな……”僕”

 

駆「あ、あなたは……”俺”!?」

 

レクス「久しぶりだな、”僕”」

 

 駆の目の前に現れたのは、先程思い出していた未来の自分——レクス。なんと彼が、駆の前にもう一度姿を表したのだ。

 

レクス「目線、漸く合うようになったんだな。あの時は、俺が見下ろしてたのに」

 

駆「どうして、ここに?」

 

レクス「”こっちの時間”にも、何か起きないかと思って最後の見守り。お前の場所は、詩文と和澄さんに聞いた。あの二人、結婚したんだな。幸せそうで良かった」

 

駆「……そうか」

 

レクス「”僕”、お前が掴み取って、お前が守ったこの世界は……どうだ?」

 

駆「……最悪かもしれない。争いは消えないし、互いを理解し合う事も……まだ完全に出来ていない。だけど、生きる価値のある世界だと思っている。僕が今あげた事だけが、世界の全てではないんだから」

 

レクス「……そうか、お前も大人になったんだな。もっと、世界を見れるようになった。お前がいれば、こっちは安心だな」

 

 駆の言葉を聞いて安心したレクスは、身に纏った黒いコートを翻し——駆に背を見せる。

 

駆「……コルーリには会わないの?」

 

レクス「会わない。俺は……ずっと彼女と一緒にいるから」

 

駆「……分かった」

 

レクス「あっ!そうだ……プレゼントを用意しておいたから、後で確認してくれ」

 

駆「プレゼント?」

 

レクス「ああ、見てからのお楽しみだ。種の分もあるけど……お前なら、どっちが自分のか見分けられるだろ」

 

駆「……うん、やってみる」

 

レクス「ふっ……じゃあな、”僕”!」

 

駆「じゃあね、”俺”!」

 

——ガチッ!

 

 空間の裂け目を開いて、その中に消えるレクス。彼と裂け目が消えた瞬間、もう一度——音が響く。そして、世界は再び動き出す。

 

種「チュ~~~……あ、あれ?おに~ちゃん?あっ!何でそっちにいるの!?」

 

コル―リ「はっ!はっ!皆さん、お待たせしました!準備に時間が……チチュン!?な、何があったんですか!?どうして皆さん、倒れちゃってるチュン!?」

 

うた「なんか変な音が聞こえた気がしたのにな……あれ?駆さ~ん!種さ~ん!ちょっと来てください!」

 

 急な事態にそれぞれが驚いている中、何かを見つけたうたが、駆と種を呼ぶ。すると、先程まで何も置かれていなかったテーブルに大きめの箱が、カードを添えられて置かれていた。

 

なな「どうしたの、うたちゃん?」

 

こころ「うた先輩、どうしました……って、なんですか、これ?いろいろ書いてありますけど」

 

コル―リ「ハッピーバースデー、トゥー”ユー”とトゥー”ミー”と書かれてますね」

 

駆「……大丈夫、これが誰のか分かるよ。はい、種。”ユー”の方」

 

種「あ、ありがとう。お兄ちゃんは……”ミー”の方なの?」

 

駆「うん。これは……未来からの祝福だから」

 

Happy birthday!駆・種

 

Happy New Year!




如何だったでしょうか?今年は病院で年越しになったので、帰ったらゆっくり休みたいですね。なんて、自分の事はまた今度。どうか、今年もヴァールハイト・プリキュアをよろしくお願いします!
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