チルノがチルノじゃなくなった   作:叢雨

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遅れてすみません、別の作品書こうとしてたら遅くなりました。ダメだね!二兎追うものはなんとやら。

あと、評価の部分に色がついていて驚きです。有難うございます!これからも頑張りますね。


それぞれ、抱える悩みがあるようです

 森の中で目を覚ました。

 

 私が何故ここにいるのか、何も覚えてない。……それどころか、何か私にとってとても大事な事を忘れてしまった気がする。ポッカリと、心に穴が空いてしまったみたい。

 

 

 お腹、空いたなぁ……

 

 

 そんな事を漠然と考えながら体全体に闇を纏って宙に浮いた。この状態だと何も見えないけれど、今はこうしていたい気分だった。

 

 しばらくフラフラ彷徨っていると、何処からか仲の良さそうな二人の女の子の声が聞こえた。私は無意識のうちに、声のする方向に向かって吸い寄せられるように飛んでいった。楽しそうな二人の話し声を聞いていたら、心の中でふつふつと闇が生まれるのが分かった。

 

 気づいたら女の子の一人に襲いかかっていた。空腹と、心のモヤモヤと、嫉妬と、とにかく自分でも理由は分からなかった。

 女の子の悲鳴をどこか頭の遠くで聞き流しながら、自身の闇で捉えた女の子と共にその勢いのまま遠くの地面に墜落する。

 

 

 妖精の女の子を無理矢理地面に組み伏せる。

 女の子の体はひんやりと程よく冷たかった。こんな状況なのに女の子が少し困ったような顔をしたのが気に入らなかったので、殺気を向けながら私が犬歯を見せると女の子は僅かに動揺した。

 

 

 そう、その顔。その怯えた顔。もっと見せて。もっと。

 

 

「あなたは食べてもいい妖精?」

 

「良くはない、かな……」

 

 

 女の子はまた困ったような笑みを浮かべる。気に入らない。

 私は両手を女の子の首にかけた。もっと苦しそうな顔が見たくて。泣きそうな顔が見たくて。空腹を誤魔化したくて。悲しいのを誤魔化したくて。心の穴を埋めたくて。

 

 最初は腕を掴んで抵抗していた彼女だったが、私と目が合った途端、悲しそうな顔をしながら抵抗を止めた。……なんだ、つまんないの。

 そのまま絞め殺して食べてしまおう──そう思って私が油断して手を緩ませたその一瞬、女の子の腕が私に伸びて私を突き飛ばした。

 

 突然の事に尻もちを着いた私と上体を起こした女の子の目線が同じ高さになる。逃げられるか、殺されるかのきっとどちらかだろう。そう高を括っていたから、女の子が私のことを抱きしめた時に私の思考はフリーズした。

 なんで……そう口にしようとするが、パクパクと口が動くだけで声は出なかった。

 

 

「悲しい事があったんだね、辛かったんだよね、我慢しないで泣くといいよ。好きなだけ、さ」

 

 

 そう言われて初めて、私は自分が泣いていることに気づいた。気づいてしまってからは止まらなかった。彼女の胸で沢山泣いてしまった。

 

 彼女の身体はひんやりしていたけれど、とても暖かく感じた。

 

 

 

 ◇

 

 

 数日後

 

 

 

 あーたーまーがーかーじらーれてーるー。痛っ、いだだだだだちょまっあっ、アホ毛抜けるぅぅぅ?!

 同じぐらいの背丈の子に後ろからしがみつかれながら頭を甘噛みされてるんだけど何をどうしてこうなったんですかね……

 

 とりあえず隣で不満そうに頬を膨らませている大ちゃんに申し訳なさそうな目線をしてごめんと一言だけ謝っておく。頭とか撫でてあげたいけどね、この子おんぶしてるからね、しょうがないね。金髪ロリっ子との合法的な密着、ここは天国かな?

 

 数日前に空中でぶつかってしまって墜落した後、急にこの子が飛びついてきた時は驚いたけれど、泣いてる子は私の良心的に放ってはおけなかった。そこは大ちゃんも分かってくれた。不服そうだったけど。

 この子について分かったことは、名前はルーミア、闇を操る程度の能力、頭のリボンから強い封印の力を感じる(大ちゃん調べ)ということしか分からなかった謎多き子である。

 

 ひとしきり泣かせて一眠りした後、お腹を空かせていたので丁度にとりから貰ったきゅうりをあげたら懐いた。めっちゃ私の言うこと聞くようになった。ルーミアちゃん貴女それで良いんですか……

 

 

 あれからちゃんとほぼ毎日アリスちゃんの家に魔法を教わりに行ったり(大ちゃんが何故か毎回ついてくる)、にとりに家の建築とカメラの相談をしたり(大ちゃんが何故か毎回ついてくる)、あの時の白狼天狗さんと将棋指したり(大ちゃんが何故か以下略)と、割と充実した毎日を送っているのだけれど、当初の目的の「私、強くなる」がぜんぜん一向に進んでいない件について。

 

 いや、魔法の練習はちゃんとしてるんだけどね、どうにも得手不得手が極端すぎるんだよね私。

 今の所できるのは、氷の物体を創造すること、冷気を操る、炎と雷以外の初級の魔法……成長が微妙すぎる。

 もう一つ隠してる所謂切り札的なものがあるが、これはまだ秘密である。というか使うのがためらわれる系のヤツ。だから忘れて。

 唯一まともに出来るのが、氷の物体創造である。どれくらい出来るのかというと、ちっちゃい大ちゃんそっくりの氷像ができるレベル。もう氷像彫刻家の道に進んだら良いんじゃないかな……

 

 因みに元の能力である冷気を操る能力だが、どれだけ強くしても吹雪レベルであり、目くらまし程度にしかならない。最早アリスちゃんお墨付きの夏の強い味方である。私はエアコンかよぉ……

 

 最初に作った冷気玉も操作できるのは三つまでに成長したのだが、どこかにぶつけると辺り一体がカチコチに凍るとかいう無差別害悪攻撃で、最悪自分まで若干巻き添えを食らうので実用化にはまだ遠いのが現状。せめて火が使えればなぁ、溶かせるんだけどなぁ……

 まぁ嘆いた所で何も変わらないからちゃんと地道に修行するけどね。私、前を向いて生きるタイプですから?レッツ!ポジティブシンキング!!

 一瞬頭の中に浮かんだ裸一貫に葉っぱ一枚の謎の男性集団を頭の隅っこにぶん投げて、ずっと引っ付いてるルーミアを頭から引き剥がしてから修行を始める。

 

 

 まずは魔力の循環から。これは簡単に言えば準備運動で、これをするかしないかで魔力の動かし方に差が出て、魔法の威力や精密さ、速さなどに差が出るらしい。アリスちゃんが言ってた。

 

 その次に魔力の弾を出来るだけ沢山出してルーミアに飛ばす。一発の威力は小さいけれど、複数回当たると小指をタンスの角にぶつけたぐらいの痛みになる。……想像するだけで痛いね。

 

 ルーミアは大ちゃんや私より戦闘センスがあるのでこうして修行に付き合って貰っているのだが、めちゃくちゃ強い。弾ほぼ避けるし反撃が痛い。見た目的に同じぐらいの強さだと思ってたから地味にへこむ。

 

 弾が切れたら、次に氷で自分の身長と同じぐらいの刃を潰した剣を作ってルーミアに切りかかる。なぜ他の武器じゃなく剣を作るのかと言うと、他の武器よりイメージしやすくて使い方が単純だからである。だって剣とかカッコイイじゃん。型とか知らない。最悪氷の棒でも変わらないけどねっ!!とにかく勝てば良かろうなのだっ!!

 

 ま、勝てないんですけどね。ルーミアの飛ばしてくる闇を切る度に剣が抉られてく。……それ本当に当たっても死なない?え、大丈夫?ならいいんだけどさ。(単純)

 これを程よく魔力が切れるまでやるのが一日のメニューである。限界までやらないと魔力の容量が広くならないんだとか。筋肉とかとそこら辺は同じ。

 

 メニューが終わると毎回大ちゃんが癒しの力的な何かで回復してくれる。毎回どうやってやってるのか聞いたことがあるけど教えてはくれなかった。ルーミアもそうだけど、大ちゃんも大概何者なのん……?

 

 この後は各自好きなことしてダラダラ過ごすのだが、大ちゃんは大体私についてくる。ルーミアはついてきてと言うとついてくるし、何も言わないと待機してる。どうしたらいいのこれ……

 

 

 ◇

 

 

 チルノちゃんの魔力を私の力で回復させながら、私はちらとチルノちゃんの後ろで待機してる金髪の子に目を向ける。

 

 突然チルノちゃんに襲いかかった事を許すつもりは無いけれど、チルノちゃんの元へ急いで駆けつけた時にこの子がチルノちゃんに抱きついて泣いていた姿を見て、何か訳ありなんだろうなとは予想している。頭のリボンの形をした封印具を見れば一目瞭然だけれど。

 

 

 突然大人びてからチルノちゃんは色んな交流が増えつつある。それは喜ばしい事だけれど、チルノちゃんについて行って気づいたのは、チルノちゃんが優しすぎる事だ。

 アリスさんの所の蓬莱人形が甘えてきても笑顔で受け入れ、ルーミアが引っ付いていても笑顔で許して、にとりさんのお願いも快く受け入れ、最近は妖怪の山に居る白狼天狗さんとも仲がいい。

 

 なんだろう、とても心がモヤモヤする。暗い私の内側が滲み出てくる、そんな感じ。本当はこんなこと思っちゃ駄目なのに、それでも私は、他の人に嫉妬してしまう。

 

 

 私は、どうしたらいいんだろう。




三角関係だぁ、ドロドロだぁ。
チルノ、お前いつか刺されるんじゃないのか。

シリアス書くのは慣れません。変なところもあるかもしれませんが、暖かい目で見て下さい私ガラスメンタルなの(今更)

感想評価待ってマース。
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