闇を抱えた提督がブラック鎮守府に着任するお話   作:はやぶさ雷電

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前回のあらすじ

黒鋼 光夢は心良 守という憲兵を雇うことに。


第3話 初期艦って迷うよね

「なぁ、これって面接みたいなことしてもいいのか?」

 

「貴様は好成績をおさめたからな。多少なら好き勝手して問題ないだろう。」

 

憲兵は面倒くさそうに答えた。でもこれはいいことを聞いた。

 

とりあえず5人のプロフィールを渡される。そこには吹雪、叢雲、電、漣、五月雨とかかれていた。

 

「憲兵さん、悪いけど5人ここに呼んでくれないかな?」

 

「・・・少し待ってろ。」

 

舌打ちが聞こえた気がしたが、そう言うと憲兵はどこかへ行きすぐに5人つれてきた。

 

「えっと、1人ずつ話がしたいんだ。大丈夫かな?」

 

一応聞いてみたが誰も答えなかった。

 

「とりあえず、吹雪から」

 

そこの空いてる部屋に入り、扉を閉めた。

 

「いいよ、座って。」

 

「本当に提督になれたんですね。おめでとうございます!」(第0話参照)

 

「いや、吹雪に助けられたからだよ。教えてもらってなかったら第2次審査でおちたよ。」

 

本当に嬉しそうに祝ってくれる吹雪に苦笑いで答える。その後はあまり面接らしい話をせずに終えてしまった。

 

「約束、守ってくださいね?」

 

「当たり前だよ。」

 

最後にそう言って、叢雲を呼んで貰った。

 

 

 

「えっと・・・」

 

とりあえず座って貰ったものの、凄い睨まれていて喋りづらい。何故か槍のようなものまで持っている。持っていて良いのだろうか。とりあえずこれではどうしようもないので、真っ白になっていた頭から絞り出した質問をしてみた。

 

「き、君の、叢雲の目指す鎮守府はどんなイメージ?」

 

「あんたみたいなクソ司令官とは違ってちゃんとした司令官がいて、幸せな生活も送れたらいいわね。」

 

女性、というよりも女の子と喋るのは初めてに近い感覚なのに、ボロクソに言われてすごく泣きたくなる。だがきちんと答えてくれたんだ。きちんと返さなければ。

 

「・・・そうだよな、確かに君たちが戦うんだ、幸せな時間も欲しいよな。」

 

叢雲は少し驚いた(・・・)顔をしていた。自分が答えたことを肯定されて驚いているのだろうか。そんなに驚くことだろうか。

 

「・・・あんた、何が目的?」

 

「えっ、目的は特にないけど・・・」

 

「目的がなかったらこんなことしないでしょ!」

 

叢雲は少し怒ったように見えた(・・・・・・・・・)が、目は怯えているように見えた(・・・・・・・・・・・)

 

「えっと、まあ強いて言うなら嫌がる人を無理矢理連れていきたくない。その子の意思を尊重したいんだ。」

 

そう言うと叢雲は静かになり、黒鋼もそれ以上話すことができなかった。

 

 

 

次に電を呼んだ。

 

「えっと・・・い、電です。その・・・よろしくお願いします。」

 

「あぁ、えっと、よろしくね。そんなに固くならなくていいからね。」

 

「いえ、司令官さんにそんなことできないのです。」

 

すごく礼儀正しい。いや、皆もそうだけどなんかすごくそんな感じがした。

 

「いいことだとは思うけど、まだ君の司令官じゃないから気にしないでいいよ。」

 

苦笑いでそう言うと電は不思議そうな顔をしていた。そんなに変だったかな?少し間が空いてからとりあえず、叢雲と同じ質問をしてみた。

 

「いなず「しれいか」

 

同時に喋ってしまった。

 

「す、すいません!どうぞ先に!」

 

「い、いや電こそ先にいいよ!?」

 

しばらく沈黙が走る。すごく気まずい。

 

「本当に電からでいいよ?」

 

もう一度進めてみた。

 

「えっと・・・では・・・」

 

そう言って電は少し黙ってから喋り出した。

 

「司令官さんは、艦娘はなんだと思っていますか?」

 

少し驚いた。艦娘本人もそれを聞くのかと。そして答えようとしたが、先に電が話し始めた。

 

「電は、自分たち艦娘がなんなのかよくわからないのです。それが少し怖いのです。人間の見た目をした化け物なのですか?それとも、やっぱり兵器なのですか?」

 

そこまで聞いたとき、電は涙目になっていた。無理もないだろう。正体不明の化け物として扱われたりしても、それを否定できない。したくても、確証がないのだ。それは黒鋼も味わったことのある気持ちだった。(第0話参照)

 

あんなわけのわからない力を持っているのだ。滅多に出さないとはいえ、ばれれば即化け物を見る目を向けられる。それはすごく辛いことだった。だから黒鋼は、自分が思っていることを口にした。

 

「艦娘は兵器でも化け物でもないよ。人間だ。兵器だったら感情を持つことも、相手を否定することもできない。それがあっては兵器として使えないからね。艦娘は人間だ。特殊な兵装を持つことができる、特技や特徴のようなものがあるだけだよ。」

 

そう言って面接を終えた。

 

 

 

次に漣を呼んだ。あと、喉が乾いたので水も用意しておいた。

 

「さざな「提督のことはなんと呼べば!!?」

 

ずいぶんと高いテンションで話してきた。マジか。

 

「えっと・・・好きに呼んでかまわ「ではご主人様(・・・・)と呼んでも!?」

 

えっ何この子、凄いぐいぐい来る。それは構わないんだけど今なんて言ってた?

 

「えっと、今ご主人様って呼ぶって言った?」

 

「はい!」

 

良いのだろうか、本当に大丈夫だろうか、そんな呼ばれ方したらすごく誤解を招くかもしれない。でもそこら辺は自由にさせたい。

 

「うん、わかった。いいよそれで。」

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

つい同じ反応をしてしまった。えっ?なんで?そう呼びたいって言ったのは漣だよね?

 

「本当に、いいんですか?」

 

今度は真面目な顔をしていた。

 

「う、うん、そうしたいなら。」

 

その後はめちゃくちゃハイテンションで喋って来て驚いた。話を聞くと、そんな呼び方をしていいかと聞けば殴られるか怒られて、その人のことが大抵わかるのだとか。ちなみに本当にご主人様と呼ばれることになった。

 

 

 

次に五月雨を呼んだ。

 

「し、失礼します!」

 

「・・・えっと・・・足と手が同時に出てるよ?」

 

「へ?あ!えっと!?」

 

すごくオロオロしだした。大丈夫だろうか。

 

「す、すいません!」

 

「いや、別にそんな大したことじゃ・・・」

 

どうしよう、ワケわからなくなってきた。こんなに焦って緊張してる人はどうすれば落ち着くのだろうか。

 

「そ、そうだ。とりあえず水を飲んで落ち着きなよ。」

 

そう言って新しい紙コップにペットボトルの水を入れ渡そうとした。

 

「あ、ありがっあ!」

 

五月雨の手が紙コップにぶつかり、ひっくり返ってしまった。そして中の水が黒鋼にかかってしまった。その瞬間五月雨の顔がこれでもかというほど青くなっていた。

 

「ご、ごめんなさい!」

 

すごくまた慌て始めたがすぐに黒鋼は答えた。

 

「気にしないで、五月雨は濡れてないかい?」

 

「五月雨なんかより提督の方が!」

 

土下座までしようとして来た。これは止めなければ。

 

「一旦落ち着け!」

 

そう言って膝をつこうとする五月雨の肩を両手でしっかりと押さえる。するとすごく震えている(・・・・・)のがわかった。

 

「俺のことは気にしなくていい。別に濡れたところでどうにもならないよ。大丈夫、落ち着いて。そうだ、深呼吸をしよう。」

 

そう言うと五月雨は言われた通り深呼吸をし始めた。少ししてから落ち着いたのか、震えが小さくなっていた。とりあえずそのまま席に座るよう促した。

 

「・・・本当に怒ってないですか?」

 

また心配そうな顔をしている。黒鋼は少しでも安心させようと柔らかい笑みを浮かべてゆっくり答えた。

 

「大丈夫だよ。」

 

ようやく落ち着いたのか、もう一度また新しい紙コップに水を入れ渡すと、今度はきっちりと受け取って飲んでいた。

 

「どうして、怒らないんですか?」

 

自分の紙コップを見ながらそう聞いてきた。

 

「濡れただけで怒るほど俺は酷いやつじゃないよ。」

 

少し下を向いているような状態だが、少し驚いた表情に見えた。

 

「私、いつもドジで、こんな感じばかりで、いつも怒られるんです。でも今回はじめて、怒られなかった。それが不思議な感じなんです。」

 

その後はドジを直すためにいろんな話をした。

 

 

 

外をみると、面接した子達と心良がいた。そこで頼みたかったことを誰にも聞こえないように心良に伝えた。

 

「心良、1つ頼みがあるんだが」

 

「何だ?」

 

「実は・・・」

 

「そんなことか、少し上と話しておく、待っててくれ。」

 

「頼んだ。」

 

 

 

「よし、みんな入ってくれ。」

 

今度は全員入れた。

 

「早速だけど、ひとつ質問するから目をつぶって手をあげてね。」

 

そう言うと皆は直ぐに従ってくれた。

 

「俺はこの中から誰かを選んで鎮守府を運営する。それで、一緒に行きたい人はいる?」

 

何と全員が手をあげていた。

 

「うん、ありがとう、もういいよ。」

 

再び皆はこちらを見る。

 

「それじゃあ「その前にひとついいですか?」

 

「?どうした吹雪?」

 

皆は吹雪の方を見る。

 

「やっぱり、私はいいです。」

 

「え?」

 

「私以外の行きたい子を優先してあげてください。」

 

「・・・それは後で聞こう。」

 

すると吹雪の妹である叢雲が怒鳴ってきた。

 

「はあ!?そのくらい聞いてあげなさいよ!」

 

吹雪が辞退することに驚いているのか、複雑な表情を浮かべていた。

 

「本当にいいんですか?こんなチャンスもうないかも・・・」

 

そう漣が吹雪に小声で言っているのが聞こえた。だからこそ、早く結果を言うことにした。

 

「・・・とにかく先に結果を聞け。それからでも遅くはないだろう?」

 

すると皆はピタリと静かになった。そして右手に書類を持って見せた。

 

「ここに今から言う人は名前とか書いてね。では、吹雪」

 

そこで直ぐに吹雪が言った。

 

「私はいいです。他の子を「俺はまだ言い終えていない(・・・・・・・・)ぞ。」

 

そう言うと、皆は驚いた顔をして黙っていた。

 

「もう一度言うぞ、吹雪、叢雲、電、漣、五月雨。」

 

「「「え?」」」

 

皆混乱していた。一人しか選べないのに全員の名前を言ったから。

 

「俺はなにも一人だけ選ぶ(・・・・・・)なんて言ってないぞ?」

 

そう言って右手に一枚に見えていた(・・・・・・・・)書類を少しずらし、扇状に広げて5枚見せた。

 

「俺は皆の意見を尊重したい(・・・・・)んだ。本当に嫌なら書かなくていいが、書きたい人は持っていけ。」

 

そう言うと、漣、五月雨は喜んで持っていき、電、叢雲は驚きながらも持っていった。吹雪も涙目になっていたが、すぐに腕でごまかすと持っていった。

 

ちなみにさっき心良に頼んだのはこの事で、無事許可を得られたと言う。

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