戦場を駆ける『白き残響』   作:希望光

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試験作品。
更新は様子を見て。


舞い戻る翼

 ——宇宙空間を飛ぶ2つの青白い閃光。

 その1つは、背面にガンバレルストライカーと呼ばれる有線式遠隔操作兵装を装備した機体、ガンバレルダガー。もう片方の機体は、ティターンズカラーのガンダムMark-II。

 

『そろそろ敵と接触するぞ』

『了解。ガンバレルはいつでも飛ばせるぞ』

 

 ガンバレルダガーのパイロットが、Mark-IIのパイロットへと言葉を返す。直後、2人の機体がロックオンアラートを鳴らす。

 

『……来たか!』

 

 ガンバレルダガーが見上げる先、ここに居る2機よりも速い速度で飛来する1つの光源。

 直後、発砲音と共に赤と白のビームが2機に向けて放たれる。対して2機は、それぞれ左右に散開しビームをまぬがれる。

 

『今のは……』

『ビーム……マグナム……! じゃあ、あの機体は———』

 

 Mark-IIのメインカメラが、望遠でその姿を鮮明に捉える。

 深淵とは対照的な純白のボディ、一角獣を思わせる1本の鋭利なアンテナ、そして他のモビルスーツと比べやや小柄で丸みを帯びたフォルム。

 それを見たMark-IIのパイロットは、その機体の名を叫ぶのであった。

 

『——ユニコーンガンダムッ!』

 

 予想が当たって欲しくなかった。そんなことを思いながら。

 

『どうする。あの火力じゃあ、掠めただけで何処か持っていかれるぞ?』

『当たらなければどうと言うことは無い。それに、あの機体は角割れ前(ユニコーンモード)だ。この2機なら圧倒できる筈』

 

 そう言って、2機はユニコーンとの間合いを詰める。対するユニコーンは、再びビームマグナムのトリガーを引くも2機は容易く退け、逆にガンバレルダガーが装備していたビームライフルを発砲する。

 

『これで!』

 

 放たれたビームは、確実にユニコーンを撃ち抜く射線を取るが、ユニコーンは動じることなく左腕に装備されたシールドを構える。

 直後、シールドが僅かに上下に展開し、中心部からジェネレーターのような物が露見し接触するはずだったビームが弾かれる。

 

『……な!』

『Iフィールド・バリアだ。奴にビーム兵装は通じない……か』

『どうする?』

『奴を引き付けてくれ。背後から攻める』

 

 そう言ってMark-IIが加速すると同時に、ガンバレルダガーが再びライフルをユニコーンへと放つ。

 ユニコーンは、先程同様に Iフィールドでビームを無力化しながら、頭部に搭載したバルカンでガンバレルダガーに応戦する。

 

 そんな2機の攻防の最中、ユニコーンの背後を取ったMark-IIはリアアーマーにマウントしてあったハイパーバズーカを掴むと、その砲口をユニコーンへと向ける。

 

『逝っちまえ!』

 

 その言葉と共に、砲口からは拡散弾頭が発射される。

 それとほぼ同時にガンバレルダガーは上方へと退避し、取り残されたユニコーンは飛来する無数の弾幕を浴び爆煙に包まれる。

 

『……どうだ?』

 

 固唾を呑んで見守っていると、突然Mark-IIのロックオンアラートが鳴り響く。

 

『『……?!』』

 

 アラートにやや遅れて、爆煙の中から一角獣(ユニコーン)が現れ左腕部のサーベルラックからビームサーベルを抜き、一瞬でMark-IIとの距離を詰めると、その左腕を肩の付け根から切断する。

 

『うわぁ!?』

 

 切断された左腕は爆散し、その勢いでMark-IIは態勢を崩す。

 ユニコーンは、その隙を見逃さず右腕部のサーベルラックから抜いたサーベルを左手で掴むと、今度はメインカメラを切断する。

 

『メインカメラが……! チクショウ!』

 

 Mark-II持っていたバズーカを破棄し、サイドスカートにマウントしていたライフルを掴むとその銃口を自身の前面へと向け無我夢中で引き金を引く。

 だが、ユニコーンはその攻撃に怯むことなく、Mark-IIのコックピットをX字に切り裂き、間合いを開く。そして数瞬の後に、Mark-IIは爆散するのだった。

 

『……この、よくもッ!』

 

 それをみたガンバレルダガーのパイロットは、仇を討たんと言わんばかりにユニコーンへと突撃していく。

 そして背面に装備したガンバレルを展開すると、4基のガンバレルでユニコーンを包囲する。

 

『堕ちろッ!』

 

 言葉と共にガンバレルから弾が放たれるが、ユニコーンはその弾幕をバレルロールを駆使して退けていく。

 

『この……!』

 

 ガンバレルダガーは、絶え間なくガンバレルの配置を変えつつ、ライフルとガンバレルを併用してユニコーンへと攻撃を仕掛けていく。

 そんな攻撃を避け続けるユニコーンであったが、突如機体を急旋回させる。

 

『なんだ?』

 

 ガンバレルダガーのパイロットが不審に思っていると、突然1つのガンバレルの制御が効かなくなる。

 

『な、まさか……!』

 

 何故操作が効かなかったのかに気がつくのだったが、それは既に手遅れであった。

 有線式操作武装であるガンバレルは、その接続線を断たれてしまうと操作が不能になってしまう。

 つまり、今の一瞬でユニコーンは、本体とガンバレルの接続を断っていたのである。

 

『やったなッ……!』

 

 ガンバレルダガーは、辛うじて生き残っている、3基のガンバレルでユニコーンに応戦していく。

 だが、ユニコーンに命中するどころか、逆に接続を断たれてしまっていき、遂には4基全ての接続が断たれてしまう。

 それを確認したガンバレルダガーは、ライフルを捨て腰部に設置されたサーベルを抜きユニコーンへと突撃する。

 対するユニコーンも、サーベルを展開して応戦しに行く。

 

『うぉぉぉぉお!』

 

 勢いのまま切っ尖を突き出すガンバレルダガー。

 しかし、下段から繰り出されたユニコーンの斬撃により、右前腕部は切断されサーベルは届かなかった。

 そして続け様に繰り出された2撃目により、ガンバレルダガーは横一文字にコックピット部分を切り裂かれる。

 そんなガンバレルダガーの元からユニコーンは急速離脱を行い、その数秒後、ガンバレルダガーは爆散するのであった。

 

 ——《battle end》——

 

 響くその音は、何処と無く無機質さを醸し出していた——

 

 

 

 

 

 たった今決着がついた試合を見守っていた5人の少女が居た。

 

「——あの白い機体の使い手、凄かったわね」

「ええ。あの機体——RX-0ユニコーンガンダム。ユニコーンモードのままで2機を相手取るなんて驚きです」

「……どう言うことなの紗夜?」

 

 そう言って首を傾げる少女、『湊友希那』に対して紗夜こと『氷川紗夜』が説明する。

 

「あの機体は、今戦っていた姿と俗にガンダムと呼ばれる状態の姿が存在しているのですが……」

「本来なら、今戦っていた状態……ユニコーンモードよりも……ガンダムの状態であるデストロイモードの方が……総合的に見ても強いんです」

「そう。説明ありがとう燐子」

「いえ、そんな……」

 

 友希那の言葉に、燐子こと『白金燐子』はそう返答するのだった。

 

「ところで、リサとあこはあの試合を観てどう思う?」

「んー、私としてはどうやって後方からの近距離射撃を避けたのかが気になるかな」

「あこもです」

 

 友希那に問いかけられた『今井リサ』と、『宇田川あこ』はそう返答する。

 

「確かにそうね。知りたいところだけれど、私達だけではまだまだ能力不足だからそれもわからない……」

 

 考え込む仕草をしながら呟く友希那にリサが提案をする。

 

「なら、私達に教えてくれる人を探せばいいんじゃない?」

「いい考えだわ。けど、それに適した人物なんてあるかしら?」

 

 そう問いかける友希那の傍らに居たリサが、紗夜にこんなことを尋ねる。

 

「そういえば、紗夜のお兄さんってガンプラ詳しいんじゃなかった?」

「ええ、まあ……」

「なら——会わせてもらえないかしら?」

 

 友希那の問い掛けに、やや困ったような表情をとる紗夜。

 その少し後、紗夜は口を開く。

 

「分かりました。今日は在宅してるので、直接会いにいきましょう」

「え、直接?」

 

 紗夜の提案に驚愕するリサ。

 そんなリサに紗夜は訳を説明する。

 

「基本的にアポ取りすると拒否するので何も言わずに行った方が会えるんです」

「そ、そっか……」

 

「紗夜がそういうなら……」と言って納得するリサ。

 そして一同は、その場を後にし氷川家へと移動するのだった——

 

 

 

 

 

 氷川家のとある扉の前には、紗夜を先頭にした5人が立っている。

 

「——入るわよ?」

 

 3回のノックの後扉を開く紗夜。その先に広がっていたのは、無数に積まれたプラモデルの箱。

 その光景に、紗夜を除いた全員が慄く。

 

「どうした紗夜……って、誰?」

 

 部屋の中にいた少年が、首を傾げ4人へと問いかける。

 

「前に話した私の知り合いよ」

「ん……ああ、ガンプラバトル一緒にやるって言ってた」

「そうよ」

 

 肯定する紗夜に続いて、一同は名乗っていく。

 

「湊友希那よ」

「アタシは今井リサ。よろしくね☆」

「白金……燐子です……」

「宇田川あこです!」

 

 全員が名乗り終えたところで、少年は椅子から立ち上がり名乗る。

 

「氷川洸夜だ。で、結局何の用?」」

 

 洸夜となった少年の問いかけに、友希那が答える。

 

「単刀直入に言うわ。貴方に私達のチームに入ってもらいたいの」

「断る」

 

 友希那の言葉に即答する洸夜。

 

「理由を聞いても?」

「俺はガンプラは好きだが、ガンプラバトルは好きじゃない」

 

 そう答えた洸夜は、背を向け5人に告げる。

 

「分かったら、部屋から出てくれ……」

 

 そう言って、再び机に向き直り作業に取り掛かる洸夜。

 

「申し訳ありません……。ああなってしまうと……」

「……分かったわ。失礼したわね」

 

 紗夜の言葉を聞いた友希那は、洸夜に一声かけ部屋を後にする。

 それに続いて他の4人も部屋を後にする。

 

「ガンプラバトル……ね」

 

 静けさを取り戻した部屋の中、1人呟く洸夜だが即座に気持ちを切り替えると机の上に置かれた作りかけのガンプラを作り始める。

 そして打ち込む事早2時間。

 集中力の切れた彼は、部屋を出てリビングへと向かう。

 

「……まだいたのか」

 

 すると、先程の5人がリビングにいた。

 

「ええ」

「メンテか……」

 

 それぞれの手に握られたガンプラを一瞥しながら、紗夜の傍らに腰を下ろす洸夜。

 そして、正面に座っていたあこに尋ねる。

 

「それ、見せてもらってもいいか?」

「どうぞ!」

 

 差し出されたガンプラを受け取った洸夜は、そのガンプラを細かく観察していく。

 

「デスサイズか……。塗装変更だけか?」

「はい。どうやって改造しようかを悩んでいて……」

「なるほど」

 

 そう返した洸夜は、デスサイズを机の上に置く。

 そんな彼に、友希那が問いかける。

 

「あなた、今の一瞬だけで改造のプランが浮かんだわね」

「……なんでだ?」

「一瞬だけ、あなたの目がそうだと告げていたわ」

「そうか。だとしたらどうする?」

「教えて頂戴」

「断る」

 

 即答する洸夜。

 そんな彼に、友希那はこう告げる。

 

「なら——私達とバトルして」

「どうしてそうなるんだ」

「そっちの方が手っ取り早いと思ったからよ。それとも負けるのが怖いのかしら?」

「……はい?」

 

 友希那の言葉に過剰に反応する洸夜。

 

「負けるのが怖いの、って聞いただけよ?」

「負けるのが、怖い……か」

「ちょっと友希那……」

 

 友希那の傍らで彼女を止めようとするリサ。

 だが、すでに時遅し。

 

「いいぜ。そこまでいうなら乗ってやるよ。なんなら、負けたらお前らのサポート入ってやるよ」

「それ、本当かしら?」

「嘘は付かない」

 

 そう断言する洸夜。

 

「なら決まりね。試合は明日でいいかしら?」

「異論は無い」

 

 そう答えた洸夜は、足早にリビングを出て行く。

 

「言っておくが、負ける予定はないからな」

「それはこっちもよ」

 

 こうして彼は、まんまと友希那の策に乗せられてしまった——

 

 

 

 

 

 翌日、指定された場所ライブハウス『CiRCLE』へと集まった6人。

 ここCiRCLEは、スタジオ共にガンプラバトル用のスペースが併設されている。

 

「逃げ出さなかったわね」

「当たり前だ」

「それでルールだけれど、勝ち抜き戦でいいかしら?」

「5人まとめて相手してやる」

 

 そう告げた洸夜は、GPベースをバトルシステムに差し込む。

 それに続いて5人もGPベースを差し込む。

 同時に、システムが起動しそれぞれの周りにコックピットのホログラムが投影される。

 

「さて……言ったこと、後悔させてやる」

 

 そう呟いた洸夜は、自身のガンプラを定位置へとセットする。

 

「ヒカワ・コウヤ、アークフリーダム出る!」

 

 画して、1人の少年がガンプラバトルの世界へと舞い降りていくのだった。




今回はここまで。
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